パラワールドに載っていた名言集2004

パラワールド公認

  

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                           名言                      お名前  コーナー&ページ  
2004年1月号  (vol 147)                        
車買ってアンチロックブレーキやエアバックが付いているからと言って、
実際に自分でテストしてみようとは全く思わない。一般人には付いていること、
有効なことが大切で、自分がテストする必要は全くないということだよね。
小貝隊長 突撃!
パラグライダー
探検隊
VOL36
ジェットフラップ
って何     36P
どうも韓国では海抜700mというのは、人のバイオリズムに合っていて
縁起がよく、土地なども高いらしい
斎藤雅一
さん
News&Topics
イーデルカップ
参戦記     41P
パラ業界も日本経済と同じで、いろんな側面から改革をしなければ、「パラの明日
がない」状況まで追い込まれている、ということだ。
なかなか増えないフライヤーの仲間、悲しくも事故が後を絶たない現実。
これほど、素晴らしいパラグライダーなのに・・・。
新組織の設立は、少なからず波紋を呼んでいる。唯一の統一組織である「日本ハ
ンググライディング連盟(JHF)に弓を引く組織ではないか?と、否定的な見方をす
る人も少なくない。しかし、一方で、新組織が設立されたことで、日本ハンググライ
ディング連盟に変革と活性化をもたらしていると評価する人もいる。
少なくとも、新組織は現在の日本ハンググライディング連盟に期待するものはな
い、業界として自らの明日を切り開くためにも、パラグライダーのインフラ整備を
性急に整えていかなければいけない、と考えているのは本誌が言明するまでも
ないだろう。
何かを変えるには、動かなければ、一歩も前進しない。
  「日本
パラグライダー
協会」スタート!
         42P
ライセンスシステムの基本的な考え方は?
JPAでは、安全に離着陸できる技術をパイロットの最優先技術として位置付けて
います。そのためには的確なグライダーコントロールの習得は不可欠で、その
技術は上昇気流が発生するコンデション(乱気流のある条件)でも、活かされる
はずです。

一般のフライヤーは何が変わるの?
JPAの全ての活動は、これから先を見据えていますので既存のものを否定しません

  日本
パラグライダー
協会へ質問!
        43P
ドイツの、安全・セーフティにものすごく重きを置く考え方、そしてそれがシステム
化されてるという点は見習うべきだと思いました。
そのシステムは生徒さん中心に考えられているんですよね。例えば、女性で力が
弱くリーチが短いためにBストールができない人であっても、他の降下手段ができ
れば良い、つまりその人が劣等感を持たなくても良いように考えられているんです
クラウスさんの指導方法を見ていても、まず誉めて、ただし1点だけ課題を与える
というような。私自身、何がその人にとって一番の課題なのかを見つけてあげられ
る目を養わないといけないと実感できました。
清水 勝
さん
関東で
インストラクター
基礎技術研修会
を開催
         44P
普通と反対の立場で飛んでみて、生徒さんの緊張が分かりましたね。今後はそれ
を踏まえて、優しく指導してあげないといけないですね。
阿久津博昭
さん
関東で
インストラクター
基礎技術研修会
を開催
         44P
世界に飛び出し、並みいる強豪と戦っているレーサーに対して、私が教えることは
もうありません。
気が付かない間にパラグライダーに世界もスペシャリスト化しています。
今、各分野のスペシャリストの集団が時代のニーズだと考えます。
どの世界でも年寄りはうるさがられますが、このスポーツの年寄りの責任として、
今新しい基盤作りをしないと、パラグライダーの将来はないという危機感を持って
います。そして、その基盤を良い形で次世代に引き継ぐ。我々の役割はがむしゃ
らに突き進んで、形にすることです。
古くから飛んでいるとか、駆け出しだとかは関係ありません。同等の立場で如何に
活性化していくかを、ひとつのテーブルの上でアイデアを出し合います。
それは我々の目的がひとつだから可能なわけで、当協会の発足によってその
土壌が出来上がったのです。今までは「誰かがやるだろう」と誰もが受け身で、
結局、誰もやらなかった。ならば「みんなでやろう」と。単純なことなのです。
毎年ギアは凄いスピードで進歩しています。反面、それに伴ったソフトのフィード
バックは末端まで行き届かないのが実情です。あと、5年早く今回のような組織を
立ち上げていれば、多くの事故は防げたはずですし、もっとパラグライダーの安全
性をアピールできたのではないかと考えます。
地方だから技術が低いとか、ローカルだから情報が届かないことはありません。
地方にも素晴らしいエリアや、素晴らしいスクールはたくさんあります。
重要なことは、必要な情報が素早く隅々まで行き届くことなのです。
危険なスポーツであればあるほど、インストラクターは絶対優位な立場に立ちます
当時の多くのインストラクターは、それを勘違いして暴言や粗雑な振る舞いをして
しまったこともありました。この時に出来上がってしまっった「悪い風潮」・・・斜面を
走るだけで全然飛べない、ケガ人もたくさんいる、怒鳴られた・・・。これがパラグラ
イダーに対する一般的な認識だと思います。
我々は教育機関を持たず、全くの野放し状態だったと言っても言い過ぎではない
でしょう。こうして折角つかんだ大きなチャンスを逃してしまったわけです。
自分たちを見直し、インストラクションの質の向上を計るのです。
もう個々に努力する時代は終わりました。みんなの力を合わせて、新しいパラグラ
イダーの認識を作る。ひとりひとりがその心意気を持つことが、我々が集まった
真の目的なのです。
只野直孝
JPA会長に聞く
         46P
JHFの組織は各県連盟を正会員とするものであることや、当初ハング・フライヤー
により作られたものであったことから、多数派であってもパラ関係者の意味が
組織運営に充分反映されているとは言えない時期があったように感ずる。
スクールのインストラクターは、多くの問題を抱えていながら県連盟を経由しなけ
れば運営に関わる意見を述べることが出来ない状況にある。さらに、意見を述べ
ようにも様々な事情から円滑な具申ができないこともあると聞いている。
これまでのJHFの運営方針はフライヤーが作るフライヤーのための組織ということ
であって、フライヤーを育てるスクールやインストラクターの考えが運営に反映す
ることは少なかったように思う。
組織形態を重視することよりも、フライヤーと密接な関係にあるスクール会員が、
フライヤーの要望を余すことなく運営に活かすことを目的の大きな柱としている。
シンプルな組織構成が無駄な経費を排した効果的な行事運営を可能にし、フライ
ヤーの意見が日本のパラグライダースポーツの方針にダイレクトに反映できるだ
ろう。大空を自由に飛ぶ権利と、ルールとマナーそしてモラルを守り、自らの飛行
の責任を果たすことのできるパイロットをこの協会で育てていきたい。
小野寺久憲
さん
新理事コメント
         47P
パラグライダーは日々進化しているのに対し、自分たちが足踏みし続けている気
がしてなりませんでした。相変わらず同じような事故が続き、常に危機感を感じな
がらスクール、エリアを運営して来ただけに、このスポーツを職業としてやっている
皆が抱える共通の悩みだったという確認が出来、また何とかしなければという共
通の意見を感じたのです。
ライセンス制のスポーツである限り現場中心主義の体制作りこそ、このスポーツ
の発展に、またフライヤーの良識ある自由に繋がるものと信じ、パラグライダー
協会がパラフライヤーの為の団体と成るよう初代理事として微力ですが貢献・努
力していきたいと思っています。
手塚浩幸
さん
新理事コメント
         47P
ある日、私はバックからパラを出さず、テイクオフで繰り広げられる、可笑しくも哀
しいスペクタルをじっくり観察することにした。もちろん、それはイカロスカップほど
ではない。滑稽な動作は、ずっと控え目で、仮装しているわけでもない。しかし、
そこでも、同じような滑稽さが見え隠れしていた!
よく観察すると、まるで本を読むように、目前のテイクオフで展開する光景を、
読み取ることができる。急に怖気づいた人からいばり無線誘導のまま動くマッ
チョ無遠慮な人。キャノピーを他人の足の上に広げて急いでセットアップしたの
に、15分もテイクオフゲートをブロックしている「せっかちなのろま」。身体にぴっ
たりのリクラ製レーサースーツに身を包み、エアロダイナミックなフルフェイスを
かぶり、ハイテクのインストルメントボードを装備し、コンペ機を広げたが、テイク
オフ近くの木の上に引っ掛かってしまったコンペ・クローン。「この風は強すぎる」
「弱すぎる」「向きが悪い」と言いながら、自分の気に合った風を、永遠に待ち続け
る人午後遅くテイクオフしたのに、アルプス縦断のクロカンに出ようとする人
テイクオフ直後にグッドなサーマルを見つけて、50回もテイクオフ前方を往復しな
がら、なかなか離れない人。最悪なのは、集団を引き連れて(既に、混雑している
のに!)威圧的で、騒がしく、大きな顔でテイクオフを仕切るリーダー
ディディエ
ジボア
ディディエ
ジボアの
TaKe-off
Anthology 51.52P
これで役者は揃った。あとは、コンデションが少しラフになると、スペクタルが始ま
る。私が数えたときは、10回のテイクオフのうち7回が失敗。成功した3人は、
グライダーをコントロールし、気まぐれな風の機嫌をうまくとりながら、テイクオフし
たパイロットたちだ。彼らは、幸運に恵まれた頭脳プレーヤーだろうか?
私はそうは思わない。彼らは、どちらかと言えば、経験豊かな、よく練習をして、
自分に合った装備をしているパイロットたちなのだ。言い古された忠告だが、自分
の技能に合ったグライダーで飛ぶことが大切なのだ。滑空比を求めれば、テイク
オフで苦労し、飛行中はストレスを感じ、穏やかな飛行の楽しみを失うリスクを負
う。いくら滑空比が1ポイント増えたとしても、テイクオフに失敗したら、何にもなら
ない。
テイクオフで大切なのは、「適時適応」「洗練された動作」「素早いリアクション」だ。
ディディエ
ジボア
ディディエ
ジボアの
TaKe-off
Anthology   52P
テイクオフは、フライトでも重要な部分だ。そもそもテイクオフできなければ、フラ
イトはあり得ない。
我々のマシーンであるパラは、パイロットの操作エラーにはわりと寛大だ。しかし、
幸か不幸か、テイクオフだけは、それが当てはまらない。
テイクオフには、事故分析とテクニックが必要だ。結局、練習して、正しい動作を
身に付けるしかない。
ディディエ
ジボア
ディディエ
ジボアの
TaKe-off
Anthology    53P
多くのフライヤーの目標はなぜか「誰よりも高く、早く」が基本だったりしますね。
自己中心的、自信過剰で闘争心旺盛。視野が狭く目先の優劣にこだわり、かーっ
となりやすい血の気の多い人。山ではそういう人達にはなるべく遭遇したくないも
のです。
現代人は小さな頃からたくさんの人の中で生きていくために勉強もスポーツも
容姿・体型まで順位づけの「戦い」を強いられています。特に島国根性というか
日本人は目先の優劣に敏感で、本能的に横並びを好む傾向があるようですね。
僕たちサラリーマンは過酷な仕事と生活に追われ、競争社会の中でいろんな面で
ストレスを感じて暮らしています。たまの休日に訪れた大自然、こんなに広い空と
遥かな地上の眺め。何よりも自由に飛べる翼が人間関係を全て忘れ、せめて
のんびり気楽に飛びたいものです。
佐川大輔
さん
Que sera sera
のんびり飛ぼうよ
         66P
人間が満足するときって、人それぞれ基準が違うんだよね。

「これからは、『手に職』ではなくて、『手に好奇心』という時代だと思うんです。
手に職、では限られたことしかできないでしょう? 
でも手に好奇心、ならば無限の可能性がある。

ジオ
スポーツ

中台 章
代表取締役
業界のあの人
弟14回    69P
教訓。上手いから最後まで残ったんだと思うな、状況が読めないから最後の
1人になっちゃったんだと思え。

もうだめ!というところで弱いサーマルをつかまえた時には「これを外したら死ぬ
と思え〜」と唱えながら回します。ええ、もう何度死んでるか分かりません。

中目みどり
さん
サーマル
つかまえたっ
弟40回    71P
2004年2月号  (vol 148)    
デザイナーにとって一番大切なことは、自分のやっていることから有益な情報を
選んで記録することだよ。データバンクを蓄積し、それをよく理解し、それを如何
に再利用するか知ることだ。
ウインド
テック

アルヴアロ
ヴアルデス

コンセプター物語
弟13回
デザイナーの
真髄に触れたい
『一問一答』
     26,27P
JAAの認識としては、長年一緒にやってきた人達が分裂してしまったということ
ですから、互いに歩み寄り、同じ屋根の下で上手く事業を棲み分けしてほしいと
いうのが希望です。
既に立ち上がった団体を否定する気はありません。しかし今でもJPAはJHFの
構成員であってほしいと願っていますし、JHF役員経験者が指導している訳です
から何とか良い関係を築いてもらいたい。

企業や業界の人間の知恵なくしては、スポーツのピラミッドを大きくする事は
不可能です。社団法人であるJHFも、積極的にその力を活用すべきで、アマチュ
アリズムも時代とともに変化していることを認識すべきです。その解釈の違いで、
世界選手権の誘致や組織の制度や整備に対し、思い切った決断が出来ない
のであれば、そこを見直した方が良いのではないでしょうか。

今や素早い決断と実行がグローバルスタンダードなのではないですかね。
その点から見るとJHFは、どうなんでしょうか。母体が大きいことは、理由には
ならないでしょう。その結果、適切な情報が発信できないばかりか、隅々まで
行き届かないことがあるとしたら、JHFにとって問題ではないでしょうか。

角田昌男

黒木秀敏

日本航空協会に
聞くJHF&JPAの
2004年は?
         36P
FAIの一貫している考え方は、ひとつの種目に2つの組織は認められない
ということです。

両者の位置付けを明確にして、対立した組織になってはいけないですからね。
それは日本の空が乱れることだし、安全のためにプラスになるとは思いません。
JPAには、ライセンス制度とフライヤー登録は一機関で行うべきで、容認できない
と正式に回答しました。
一方、JHFには、今回の原因を考え、年内に具体策を示すようにお願いしました。
決して様子見で小出しにするような妥協案でなく、それ以上できないギリギリの案
を出すべきだ、と。

2004年度からワールドカップはカテゴリー2の大会になるので、JAAの承認が
必要になりました。
JAAとしては、JPAからの直接申請を認める訳にはいかないんです。
日本選手権の競技レベルが低下すれば、日本の低迷の切っ掛けにもなるし、
それでは選手がかわいそうだ。その混乱が一般のフライヤーに及ぶ事も危惧して
いるんです。
ですから、お互いのために、両者の歩み寄りが不可欠でしょう。

予算を何に幾ら使ったかの報告は当然の業務として、それにどんな成果が
あったのか、何がどうなったのかの評価が正しく行われなければならない。
多くの人が知りたいのはそこでしょう。
成果がなければダメなものはダメ。これは一般社会の常識です。
もし、JHFに制度上の問題があるのならば、執行部が強い意思を持って改革し、
その機軸を打ち出し、内外に強くアピールしなければならない。
残念ながら、現時点でJHFから提出された事業計画案は心に響く具体策が見え
ない。
JAAとしては、どちらからか新しい提案がないとアクションを起こす事はできません
その期限は年内中と考えています。

どの場合でも従来のライン(最終責任をとるのは一機関) が崩れるようなことは、
避けなければいけないでしょう。
厳しいやり取りになるでしょうが、本当の改革は強い意思がなければ達成できな
いものです。そこで約束した事は確実に実行し、守ってもらわなければなりません
特に、従来の統一団体であるJHFの執行部には頑張っていただきたい。
話し合いの結果約束したことが実行できないならば、出来る執行部に替わって
もらう必要も出て来ます。

角田昌男

黒木秀敏

日本航空協会に
聞くJHF&JPAの
2004年は?
         37P
新組織の発起人の多くは、JHF設立当初から運営に関わっている方が多いのが
残念でなりません。新団体の教育事業は素晴らしく意味のある活動で、どうにか
一緒にやっていけないかと考えています。
今まであった組織が、2つに分かれるのは決していいことではないでしょう。
JHFに問題があるのならば、お互いに協力して正していくべきで、JHFは常に
中枢として残っていく性質のものだと考えております。
朝日和博

関谷暢人

JHFの展望と
これから

変革は本当に
進んでいるのか?
PART3    38P

JHFはトータルで偏らないように事業を進めて行かなくてはならないので、JPAに
どうこうとはまだ言い切れません。
ただその部分が、ここに含まれていることは間違い有りません。
スクールや業界が、まとまって何かの事業を受けてくれることが理想です。
朝日和博

関谷暢人

JHFの展望と
これから

変革は本当に
進んでいるのか?
PART3    39P

バードウォッチングの愛好者ってひよっとしたらパラグライダー人口より多いかも
しれません。

周囲のバードウォッチャーは大騒ぎ。「すごいすごい」とか「感動的だ」とか。
僕はむしろ愛好者達の喜び方に感動しました。彼らを是非パラの大会に招待
したいものです。

佐川大輔
さん
Que sera sera

鳥の知恵   52P

どんなにうまい人でも、実際に飛ぶまでは皆同じスタートラインに立っているはず
なのですが、実はその日のフライト成績は、テイクオフする瞬間までに既に
3分の1ぐらいは決まってしまっているのではないかと思います。
テイクオフ前のフライト準備などに関することは、純粋なフライト技術とは関係は
少ないのです。けれど、競技で成績の上がらない人はどこか完璧ではなく、
実際のフライト技術以上に結果が開いているような気がします。
テイクオフ前のフライト準備はちょっとの努力(や、お金)で簡単に解決することも
多いので、できるだけ完璧にしておきたいものです。より完璧な準備をして、
少なくともスタートラインでは対等であるようにしたいものです。
もちろん残りの3分の2は飛んでからの勝負です。
児島 彰
さん
サーマル
つかまえたっ!
弟41回    70P
「プロデザイン」社のデザイナー、アーミン・グラフが以前パラワールドの記事の中
で述べていたことが印象的だったので、ここでもう一度繰り返させていただきます
「『タイタン』は他のグライダーより優れた飛行性能を見せる。しかし普通のフライト
で、平均的なパイロットが使う分には、『ジャズ』の方がサーマルで確実に上を飛
んでいるよ。理由は単純に操作しやすいからだ。正直言って、グライダーの性能
が、そのパイロットのフライトの限界と関係があるとは思わない。
限界があるとすれば、それはグライダーを操作するパイロットの能力のせいだよ」
この文章がすべてを言い当てているとおもいませんか?
確かにカテゴリーやイメージも大切な判断基準ですが、一番大事なのは自分を知
ることです。
Naoyuki
IRAKI
あのメーカー、
どうよ?

第9回 
プロデザイン 75P

人の心の中で起こっていることは全て体内の生化学反応系の引き金になるそうだ
つまり希望や夢、明確な目的をはっきりと抱いていると、快適ホルモンのβエンド
ルフィンの血中濃度が高くなり、脳の働きを活性化させる。
ポジティブの人はどんどんよいアイデアが出てきて、生き生きとしているのはその
ためだ。
「あの人は気が若い」と言うことがあるが、よりハッピーに生きるためには大切な
ことのようです。
(こ)
さん
NEXT ISSUE
         98P
アウトサイドが決定しているにも関わらず、バンザイで突っ込んでくる人がいます。
届かないものは届かない。それがパラグライダーです。諦めて、潔くショート・アウ
トサイドし、きちんとフレアーをかけて安全に着地しましょう。

フライトエリア、つまり空域は、LDから見ると狭く見えます。TO〜LD間も遠く、
高低差は低く感じます。ところが、TOから見ると、逆に空域は広く、TO〜LD間は
近く、高低差は高く感じます。高いところから見ると、気が大きくなるってやつで
しょうか?
具体的にはLDへの進入が低くなりやすいのです。またLD近辺での高度処理も
多めになりやすくなります。よくあるショート・アウトサイドですね。「急にシンクした」
「突然LDに下降気流が吹いた」などの言い訳がそれらに該当するかもしれません
ターンには沈下が伴うものです。この高度感覚のズレには十分注意しましょう。

岸 正弘
さん
実録
練習生の落とし穴
第14回
フライト全般 
その3    102P
パラグライダーの上達に欠かせないコト、それは知識と経験や、自然の状況に
応じた思考パターンを組み立てることに他なりません。

「上達する」、「うまく飛ぶ」には別の能力が必要になってきます。気象の知識や
飛行理論や、地形や天候によって変化する大気の流れ方といった自然現象を
理解し想像する能力、つまり頭の問題です。「飛行脳力」といったところですかね。

加賀山務
さん
Q&A
        103P
2004年3月号  (vol 149)    
まだ大会ができるレベルじゃないけど、イベントとしてなら開催可能。
やるならやっぱりお台場でしょう!
(有)エア
カッシー代表
柏木一実
さん
今年の気になる
話題を探る!
日本における
アクロバット競技の
可能性    28P
大会では自分の実力以上のことをやろうとしてしまいがちじゃないですか。
1人ではその歯止めが利かない。でも2人で同じフィギュアをするとなると、
技術的に下の人に合わせることになりますよね。

海外のアクロ選手たちは来てくれるでしょうか?
それは多分大丈夫。でも審査員をやってもらった方が良いでしょうね。
だって勝っちゃうもん。

ファルホーク
斎藤雅一
さん
今年の気になる
話題を探る!
日本における
アクロバット競技の
可能性  29、30P
安全基準が高くなっていく昨今のパラグライダーの特性。多くの客観的条件と
操縦するパイロットの知識と技術と経験が融合されて、ベストパイロットになるの
ではないでしょうか。
安全でいることが、一番の楽しさです。安全に飛行して初めて、ソアリングや滞空
時間やクロカンの距離が評価されるものです。
岸 正弘
さん
目指せ!
旋回マイスター
         39P
他の航空機と比較して巡航速度が遅く滑空比も劣るパラグライダーへのウイング
レットの適用に対しては、昔から賛否両論がある。差別化を図り、高く売るための
ただの飾り? それともなんか宗教的に信者を集めるシンボル? なんてちょっと
意地悪な見解を述べる人だっている。
もっとも多くのアドバンスファンは技術的、オタク的なウンチクよりも、アドバンス社
の一貫したデザインコンセプト、真似のできないブランドイメージにほれ込んでい
るようだが。

多くのメーカーがこれを採用しない理由の一つは「コスト」だろう。
多少の性能向上・デザイン性向上のために(もちろんなくても同じかもしれない)
設計にこだわることは、ビジネスとしてのリスクが大きいからだ。

「ツノのないアドバンスなんて、ロータリーエンジンやめたマツダのRXみたいなもん
だ」、「アドバンスグライダーは安くないことがステイタスシンボル」と言う人もいるか
もしれない。パラグライダーに対する余裕の姿勢だ。
「所詮アソビの世界なんだし、肩の力を抜いて楽しもうよ」とか、「だってアドバンス
といったらウイングレットでしょ? カッコイイでしょ?」みたいな、パラグライダーと
いうアソビに対する愛情が伝わってくるのである。

SASUKE
さん
SASUKEの視覚
あの「ツノ」って
実際どうよ?
パラグライダーの
ウイングレットを
考察する   44P
こんなに「風」を身近にしかも肌で感じるスポーツって少ないですよね。
経験を積んで感性を研ぎ澄まし風を読み、風と一体になることが出来ます。
この非日常的、いやむしろ人類の限界を超越したフィーリングって、どんな言葉を
使っても語り尽せるものではありません。

朝、会社に電話して「今日はいい風が吹いているので休みます」なんて本当のこと
を一度言ってみたいものです。その後の上司や家族からの風当りが強くなるのは
目に見えていますが・・・。
ここで一句。「いい風吹いて仕事も家事もどこ吹く風」

佐川大輔
さん
Que sera sera

風       45P

実戦に使える道具として考えているわけではない。あくまでも、訓練の過程として
捉えている。
パラグライダーでフライトすることが、冷静に物事を判断することの練習になる、
精神的な強さを養う、あるいはコミュニケーションの重要性を認識するといったこと
に使われているようだ。
軍隊に採用されたことを、高く評価するわけではないが、パラグライダーという
スポーツが多くの人に知ってもらうよいチャンスになったのは事実だろう。
  インド海軍が
パラグライダーを
正式訓練に採用!
         53P
実は怖がりで高いところが苦手だったぼくが今でも空を飛んでいるのは
「風に乗る」っていう不思議な感覚に取り付かれているからだろう。
関口泰生
さん
サーマル
つかまえたっ!
弟42回    70P
体感した経験と、客観的状況を収集した結果を基に立てたフライトプラン。
しかし、それに縛られることはとても危険なことです。融通が利かない、応用力の
ないパイロットになってしまうからです。
豊富な経験は、覚えていて初めて「経験」と言えるのです。忘れてしまっていては、
いつまでもフレッシュというのでは、ビギナーパイロットです。真のマスターパイロッ
トになるために、経験を積み、それを活かし、さらにそれに左右されない。禅でいう
ところの「主となる」です。
岸 正弘
さん
実録
練習生の落とし穴
第15回
フライト全般 
その4    102P
最も大切な能力は知識と観察結果を結びつける「洞察力」になります。
原因と過程・現状を把握してこれからの結果を予測する思考能力ですね。

気象の勉強は結構とっつきにくい学問ですから、「気象学の本」というのはあんま
り最初に読まない方がよいと思います。読むのなら「実践的お天気入門」あたりが
オススメですね。

加賀山務
さん
Q&A
        103P
2004年4月号  (vol 150)    
彼らは小さなテントで眠り、非常に困難なことに挑戦する。「僕らは多くのチャンス
に恵まれているわけではないが、目の前のチャンスには必ずチャレンジするよ」
と言う。これは真の『スポーツ魂』のように思える
Yosihiro
Sato
チェコという国の
不思議に迫る!
グライダー良し!
選出強し!
小さな国の大きな
実力      25P
僕らは1メートル毎にフライトを学習していくのさ・・・ あるパイロット チェコという国の
不思議に迫る!
グライダー良し!
選出強し!
小さな国の大きな
実力      27P
経営哲学の問題だね。僕自身ADG時代の経験から、ベトナムや中国で製造した
方がずっと低コストなことを知っているからね。問題は生産コストではないのだよ。
国内製造することには大きな利点がある。それは常に製造工程に目を光らせて
いることが出来ることだ。出来上がった機体にエラーはないよ。それに質の高い
アフターサービスを迅速にユーザーにていきょうできる。
「ゼロエラーの品質」。これはメーカーにとって一番重要なことだ。かつてITVが
海外で製造していたことがある。それがITVを窮地に追いやったことを知っている
かい? 品質が粗悪で、サスペンションラインやキャノピー生地で多くの問題を
抱えることになった。しかもそれを改善する製造管理が出来ないのだ。
過去2年間、ITVの製造管理と製品検査は完璧だよ。製品がたくさん売れれば、
より魅力的な価格で提供できる。ITVの機体の価格が比較的高いことは承知して
いる。それにも拘らず、販売数は増えている。嬉しいね。
エニュ
ディデュク
ITVグライダー
2年ぶりに
日本にカムバック
         41P
コンペ機の中には非常にデリケートなものがある。1つの問題が起きると、次々と
他の問題が連鎖式に起きるのだ。今のところどうしょうもないね。救いはユーザー
であるパイロットやスクールが、以前と比べてプロフェッショナルになったことだ。
非常に優れたパイロットが、もはやハイパフォーマンス機で飛ぼうとはしなくなった
これは興味深いことだよ。彼らはハイパフォーマンス機よりも中級機を選ぶように
なった。今、ハイパフォーマンス機はコンペティターだけのものになろうとしている。
これは本当にいいことだね! ユーザー層の自然の進化だ。安全性が高く、確か
なハンドリングのいいグライダーに乗れば、パイロットはフライトすることを楽しめ
る。反対にハイパフォーマンス機では、もしコンディションがタービュラントだったり
すれば恐怖でフライトを楽しむどころではない。
しかしコンペ機もパラグライダー界のもう1つの姿だと思う。
コンペ機の認証を取得することも大きな意味を持つ。なぜなら本当に優れた安全
なコンペモデルしか認証取得できないからだ。メーカーの技術力が証明されたこ
とになるのだ。

DHVは公的な認証制度ではないよ。プライベートな制度に過ぎない。CENはすべ
ての製品に国際的な制度だ。欧州制度だが、USAでも日本でも公的に通用する。
過去10年以上にも及ぶCEN統合作業で明白なことは、問題がドイツの貿易保護
主義に尽きることだよ。しかし、それも限界にきた。
問題は他にもある。CENの認証基準が膨大になったことだ。それでは最終的に
メーカーが機体の認証を取得するのに、費用がかかり過ぎる。僕は小さなメーカ
ーがこれに生き延びることが出来るか心配だね。

エニュ
ディデュク
TVグライダー
2年ぶりに
日本にカムバック
         42P
パラの世界では、いい仕事をしていれば悪い業績になるわけがない。

急に変化するよりも、着実に静かに進歩する方がいい。

僕は今とても自由に仕事をしている。たくさんのスタッフに支払いをすることがな
いから500機の販売台数は大きな組織にとっては十分ではないかもしれないが
僕には申し分ないものだね。

マルクス
グルントハメル
News&Topics
ウイングス・オブ・
チェンジは実に
意欲的     44P
幾つかのメーカーは、余りにスポーティ過ぎるモデルも、ナーバスなモデルも
DHV2クラスに押し込もうとしているように思う。僕らはそんなやり方でこのクラス
に成功しようとは思わない。
ウエ
ベルンホルツ
News&Topics
パラテックは
空気流入を高める
PAFシステムを
開発      44P
一度飛ぶことの楽しさを知ってしまった者にとっては「これさえあれば空が飛べる」
という、魔法の道具。買わずにはいられなかった。
松野茂雄
さん
業界のあの人
台7回     48P
ほとんどの場合、男性の方が上手いことが多いよね。でも一人前のパイロットに
なる前に男ができちゃうと、彼女の成長を止めてしまうことが多い。
例えば「○○ちゃん、今出ない方が良いよ」とかね。
彼女が覚えようとする気持ちをスポイルしている。甘やかすことが優しさじゃない。
結局、過保護にしちゃうんだね。
だから男性にお願いしたい。「彼女が一人前になるまで手を出さないで」。
田村康子
さん
フライトエリアは
出会いの場!
探検隊OG会の
井戸端会議  69P
あまり恵まれた環境でない方が、私たちは必死にサーマルを探せるのかもしれない 村松泉子
さん
サーマル
つかまえたっ!
弟43回    71P
グライダー選びは、好みの異性を選ぶのと似ているのかもしれないですね。
扱い易さが一番! と言いつつ適度な刺激も求めてしまうところなんか・・・。
手放しに安心して飛べるのも良いけど、多少ドキドキさせてくれる方が風に対し
謙虚になり、感性も自然と研ぎ澄まされ、そんな感じが自分の好みかなぁー。
杉山育男
さん
あのメーカー、
どうよ?
弟11回 UP
ユーザーコメント
         75P
初高高度の感動が薄れてきてしまいました。いつもテイクオフからランディングに降りるだけ、
それを繰り返していてちょっと飽きてきた気もします。上達している実感がないというか・・・

「フライト=飛ぶということ」に慣れてこた証拠です。つまり目に見えない部分で
上達したということなんです。
比留間智
さん
ズバリ、
コツを教えて!
特別編
モチベーションを
維持する方法
        100P
始めて半年ですが、後から入ってきた人にどんどん抜かれている気がします。
センスがないのでしょうか・・・?

他人と比較するから自分が劣っていると感じてしまいます。自分と空、自分と空間
を楽しむ心が大切です。逆に人より良いフライトが出来た時は嬉しいものですが、
やはり人と比べるから優越感を感じるわけで、一人の自分を楽しめるようにしま
しょう。
比留間智
さん
ズバリ、
コツを教えて!
特別編
モチベーションを
維持する方法
        100P
2004年5月号  (vol 151)    
基準を変えることで、通すのを難しくする。つまり安全性を上げる目的があるんだ
ろうね。多分事故の事例が何件もあって、その対策なんでしょう。

慣れたパイロットがテストしているのだから、不慣れな、ましてや普通のパイロット
がするもんじゃない。もし失速したら、何が起きるか分からないと考えた方がいい
つまり「失速したらすぐレスキューパラ」ってこと。経験したことないことが起きるん
だから、それはレスキューを投げるタイミングだよ。マヌーバトレーニングやって
いても、その経験が命取りになる場合があるからね。

扇沢郁
さん
今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2

DHVの認証、
どこが変わったか
         13P

試乗の時は誘導とかして上手くソアリングさせて「どう?飛ぶでしょ?」なんてことも
ありました。パラ版の徳大寺さんみたいな人がいて、どんどん情報を発信してくれ
れば良いですよね!
冨永明宏
隊員
今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2   24P
パイロットライセンスはスクールの卒業証書でしょ。だから、機体を自由に選べる
権利があることを認めたんだと思います。もし、グライダーを選ぶ責任能力がない
人にはパイロットライセンスを出しちゃいけない。インストラクターには、そんな
責任があると思うな。だから「1−2だから大丈夫」と言って安易に売ってしまうの
でなく「1−2だけどこんな特性があって、あなたにはこれが良い」とか具体的な
アドバイスをしなければいけない。世間のイントラはそういう意味では、少し勉強
不足な部分があると思う。
近藤隊員 今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2 
         25P
今新しいグライダーを買い換えようとした時に「DHV1−2にしようか、いや、もしか
したらDHV2にも乗れるんじゃないか」と言った煩悩がある。安全を考えたら絶対
に1−2クラスを選べばいいのに、2にも乗ってみたい自分をどう断ち切ろうか、
これが煩悩です。
枝村篤樹
隊員
今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2 
         25P
本来グライダーの性能は無限大なのに、無理矢理、勝手な尺度を当てはめてい
るだけ。だからいくらでも細かくすることはできると思うよ。でも、もしそうなったとし
たら、選ぶ側が困っちゃうかもね。「やや安全」とか「少しだけ危険」とかね。
あと「安全」という言葉の認識が違うのかもしれない。日本人は「100%」と捉えが
ちだけど、欧米の人は「比較的」とか「絶対はない」という感覚が根底にあるように
思える。
佐藤 哲
さん
今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2 
         25P
パラグライダーにもそう書きますか。
「健康のために、飛びすぎには注意しましょう」って。
小貝隊長 今年もやりました
パラグライダー
探検隊スペシャル
今年のDHV1と
DHV1−2   26P
彼はまもなく2回目のタンブリングを経験して、ハングのコンペから引退することを決心する

ハングはパラよりも危険じゃないと言う人も多いが、僕はそう思わない!

エアウエイブ

ブルース
ゴールドスミス

コンセプター物語
弟14回
         41P
パラグライダーにとって問題になるのは、半分は空気力学の問題で、残りの半分
は構造の問題だと僕はよく言っている。
エアウエイブ

ブルース
ゴールドスミス

コンセプター物語
弟14回
         44P
コンペでは、僕らは常に限界ギリギリまで自分を追い込む。僕らのアイデアが
うまく行くか行かないかを知ることは興味深いね。コンペでうまく行ったことは、
後に他のグライダーで活かせる。滑空性能や安定性でね。何故なら、もし安定性
を向上させることが出来れば、安心して飛行速度を増すことが出来て、コンペで
勝つことができるからだ。僕らは滑空性能にばかり集中しているわけではない。

コンディションが弱くなるとコンペをキャンセルするのは何故だろう?
空中にステイすることが多くのパラにとって重要なはずだ。そうなれば、おそらく
僕はシンクレートを向上させることに力を入れるね。僕らはずっと以前からシンク
レートを毎秒1mにするにはどうすればいいかを知っている。
しかし一般のレジャー・パイロット用に毎秒0.8mを提供してもいいじゃないか?
おおくのパイロットにとって、空中にステイすることの方が早く飛ぶことよりもずっと
重要なことは確かなのだからね。

エアウエイブ

ブルース
ゴールドスミス

コンセプター物語
弟14回
         45P
JPAのスタイルは、総会や理事会で決まったことを天下り式に落としていくスタイ
ルではありません。
JPAには、誰でも意見を言い易い環境があり、それを責任を持って遂行できる
チャンスがあります。先輩だとか後輩だとかの意識もありません。
各部の動きは理事全員が把握しています。頻繁にメールでやり取りして、決して
丸投げしていません。どんな細かなことでも意見交換して、お互いチェックし、
より良いものを作り上げる。
私は兵庫県に居ますが、距離的・時間的なデメリットは全く感じていません。
むしろ、同じテーブルで作業を進めている実感を強く感じています。
只野直孝
さん
JPAは
マッシグラ!
         48P
まず一番重要なことは、誰かに認められたいがためにJPAが発足された訳じゃ
ないということ。
私たちの活動の中心はパラグライダースクールで生計を立てている人たち、
つまり、スクールで構成されています。彼らは現場で何が起きていて、何が必要
かを知っています。
現場では昔のままの知識で教えている。これが現実です。イントラやスクールが
これではいけない。このままではダメになってしまうという危機感、もっとパラを
発展させたいと思う個々の意識が活動の原動力なのです。
インストラクターは、ビジネスとしてでなく趣味の世界から始まっています。
一方で彼らの業務は、スクーリングだけでなく、エリア管理、安全管理、経営など
多岐に渡っていて、様々な知識を理解している必要があります。ですから上手く
飛んでるだけじゃだめで、対価を受け取れるに値する人物にならなければいけ
ません。

「認める認めない」「統括するしない」とか、ましてや自分たちが、統括団体になり
たいわけでもありません。一部の批判は聞こえてきます。しかし何を言うのも自由
ですが、現場のことをもう少し知るべきでしょう。
我々はこの仕事で生きています。我々が生きていけないということは、パラグライ
ダーが衰退するという意味です。

  JPAは
マッシグラ!
         49P
JPAはプロの集団として。JHFはアマチュアの集団として活動することが、
歴史の必然と考えています。
川添喜郎
さん
JPAは
マッシグラ!
         50P
「ほどほど」が一番。2時間も3時間もムキになって飛んでいる人なんか放ってお
いて、ドーパミンが出まくる前に早々に高度処理ですね。地上には楽しいこと
セロトニンなことがいっぱいあるはずですよ。
佐川大輔
さん
Que sera sera
パラ依存症
         53P
僕は自分も含め、飛びぶという行為に100%安全はあり得ないと考えています。
もともと地上で生きる動物である人間ですから、空を飛ぶにはとても緊張します。
緊張するとなかなか思うように体が動かないものです。まして、見えない風が
相手です。例えば海を泳ぐ時、大波や鳴門の大渦の中に泳ぎ入る人はいません
よね。でも風は見えないので、そういう中に飛び出してしまう人もいるんです。
見えない風が見えてくるようになるまでには時間と経験が必要です。
危険を冒すことなく楽しむためには、余裕のある条件と、技術、判断が必要です。
限界を追求したり、大丈夫だろうという命がけのフライトでは何にもならないん
です。
未知なる大空へ誘うパラグライダーの学習に、限界も終わりもないはずです。
恐れ多くも限界追求などという驕りは命を縮めるだけで、だから僕は競技には
あまり積極的にはなれないんです。
翼を持たない人間に飛ぶことを許された手段である、素晴らしいパラグライダー。
セオリーを守り、無理をしなければもっとも安全なスカイスポーツです。大切な人
のためにも、自分の命を大切に空を楽しんでもらいたい。飛べば飛ぶほど素晴
らしい大空を体感し、長生きしたくなるはずです。
神山政芳
さん
業界のあの人
弟18回
         57P
ムラ社会だったり、ビジネスライクだったりといろいろで、中古機材の持ち込みで
スクールとの関係が悪くなり、パラグライダーが楽しめなくなるということも実際に
結構あります。また、初心者には適さない機体も中古で出回っているので注意が
必要です。

大抵どのエリアでもスクールのイントラが一番の金欠パイロットというのは、
よくある話です。

加賀山務
さん
Q&A
        103P
2004年6月号  (vol 152)    
パラグライダーの開発技術の進歩には目を見張るモノがある。安全性と滑空性
への探究心に、最近では穴の空いたグライダーやこれまでの考え方を覆すような
フォルムのパラグライダーまで現れた始末だ。キャリアを積んできたパイロットなら
その進化の過程を肌で感じてきたろうし、これから先の進化に何の抵抗もないだ
ろう。全ては楽しく空を飛ぶための進化だから。
そしてそれと同時にハーネスもパラグライダーの開発技術の歴史に比例するかの
ように進化を遂げてきた。布とベルトだけだったハーネスは、グライダー同様、
安全性と乗りやすさ、さらには滑空性を向上させるための進化を続けている。
しかし、人間は、パイロットはどうだろうか? より安全にそして楽しく飛ぶための
進化を続けているだろうか? その答えはNOだ。グライダーやハーネスの進化に
任せて、怠けているように感じられてしまう。もちろん、それらグライダーやハーネ
スの進化はパイロットのための進化だ。だけどどうせその進化した翼やハーネス
を扱うなら無駄な動きなく、そして華麗に飛ばしたい。それは安全にそして楽しく
飛ぶためのコツだから。
佐藤哲也
さん
ハーネス特集
プラスワン企画

の体重移動学
         38P

よく、他に良い上昇率で上げている機体があっても移動せず、集団に留まって飛
ぶフライヤーを見かけますが、それでは自分の技術の向上にはつながりません。
高度がとれたら自分の目でサーマル源を見つけ、上げきる練習をしましょう。
もし低くなり、ランディングしたとしても、その練習の方が効果があるでしょう。
集団に留まり長い時間飛んでも、どこがサーマル源か見極めて飛んでいるわけで
はないので、良い練習法とはいえません。
このことはクロカンフライヤーにも当てはまることで、人の後ばかりついて行き
距離を延ばすことに執着するというスタイルでは、1人になったときにランディング
してしまう確率が高いのではないでしょうか。
箕輪慎一
さん
サーマル
つかまえたっ!
弟45回    71P
生きていくのがしんどくなってしまった時がありました。そんな時パラに出会い
「これだ!」って。パラは私に元気と、生きる勇気をくれました。
大好きな自然に抱かれて楽しめること、老若男女いろんな人達出会えることで、
人生が豊かになりますね。スクールの仲間は家族みたいな温もりを感じます。
パラ以外でも繋がっている嬉しさ、何かあれば助け合える連帯感、安心感は幸せ
をくれます。そんなスクールに感謝の気持ちでいっぱいです。
ハイジ
さん
BEGINNERS PAGE
今月の
初心者登場
         99P
ところで一人前の「パイロット」って何? 長く飛べること? 高く上がること?
遠くに飛んでいけること? もちろんそういう技術を持っているに越したことは
ありませんが、今言ったことはそういう条件が揃っていて初めて可能なわけで、
条件が揃わなければいわゆる「ぶっ飛び」になってしまうわけです。「ぶっ飛ん」で
しまったら『パイロット』じゃないの? そんなことはないですよね!?
直線が続く道路で150キロでかっ飛んでいてもカーブが多くなるとブレーキ踏んで
ばかり。あるいは、峠道をガンガン攻めていても最後に事故ってしまった。
こrwって『???』マークですよね? 逆に、ゆっくりなんだけど車間距離を十分に
とっていたり、加速減速がスムーズだったり、道を譲れる心のゆとりがあったり、
車庫入れが一発でバシッと決まったり。これって安心して助手席に乗れるというか
大人のかっこ良さみたいなものが感じられますよね? いろんな意味で上手いな
って。パラも似たようなことが言えるのではないでしょうか?
「テイクオフは落ち着いてさり気なく、フライトも危なげなく、ランディングもソフトに
美しく」ってなったら、たとえ『ぶっ飛ん』でいても『この人上手いな〜」「カッコいい
な〜」って思うでしょう? どんなに高く上げてていても、ランディングで「ドテッ!」
ってなったら、「アラアラアラ・・・」。空中で他機と接触しそうだったり、見ていて
ヒヤヒヤってどうでしょう?
要するに、他人が見ていて安心していられる「動き」や「操作」、パラを知らない人
が見ても「不安」を感じないフライトをしてる人って、実はすごく上手い人じゃない?
ってことなんです。そういうパイロット目指してみては?

『安全だ』と言われるパラグライダーですが、「空を飛ぶ」ってことはひとつ間違え
れば大変なことになりかねません。高く上がらなくても、遠くまで行けなくても
『安全に飛んで、安全に降りてくるという大前提の元に、『空』という空間と仲良く
接することができる人が本当の『パイロット』じゃないでしょうか?

比留間智
さん
ズバリ、
コツを教えて!
特別編
新パイロットに
贈る言葉
    100、101P
2004年7月号  (vol 153)    
「良品」を作ることだよ。寿命が長くて、安全性を犠牲にすることなく、可能な限り
高い飛行性能を持つ製品を作ることだ。我々にとって安全基準は1つしかない。
可能な限りの最良の安全性だけだ。自分たちの製品に幾つかの違った安全性の
レベルを設けることなど、私にはとうてい受け入れ難いね。

他に心掛けていることは、可能な限り強度の高い丈夫なグライダーを作ることだ。

アプコ

アナトリー
コーン

コンセプター物語
弟15回
         26P
頭脳的で理にかなった、デザインをすればすこしぐらい重量があってもまったく
問題ないよ。市場で見られる平均的なグライダーと比べると、私はいつもたくさん
のテープや補強材を使っているかもしれない。しかし私は何年も乗ることのできる
耐久性のあるグライダーを作っていたんだ。

我々はそれぞれのカテゴリーにおけるアスペクト比の限界を知っている。
アスペクト比がグライダーの飛行性能に決定的な要因となることは間違いない。
しかし、それでも我々は自分たちが出来るレベルよりも下方に修正し、常に安全
レンジ内に留め、控えめにしているつもりだよ。

翼平面形は流行に左右されるね。誰もがそのとき成功しているグライダーを真似
する。特に理由もなくね。今は、私も含めて誰もがダブルエリプスに戻ろうとしてい
る。この傾向は理にかなっていると思う。

スパイラルロックの状態に陥ったら、脱出する方法は限られている。パイロットの
体重が重くなればいいが、それは不可能だし、身長が低くなればいいがそれも
可能ではない。

幅の広い翼端の方がストールしにくく、ネガティブな傾向も少ないことは認識して
いる。しかし、ネガティブな傾向に対応する方が、スパイラル問題に対応するより
も簡単だ。ネガティブな傾向に対応するには、ブレークコードの幾何学図を変更
し、翼端よりも翼中央寄りに取り付けようとする。

アプコ

アナトリー
コーン

コンセプター物語
弟15回
         27P
パラ・シーンや流行から離れて見るのも、時にはいいことだよ。
我々の強みは常に独自の道を歩んできたことだ。もし流行に流されてその都度
飛びついていたら、問題を抱えていただろう。

私は、パラ業界が15年前に大きな過ちを犯したと思っている。それは、
グライダーのカテゴリーを増やして、異なった安全性のレベルを持った時だ。
もし唯一の安全性レベルを可能な限り最良の方法で維持して来ていれば、
グライダーは現在よりも10%飛行性能を抑えたものになっただろう。
混乱する人々も少なくなり、誤った選択をして事故や失望によってパラを止める
人も少なくなっていたと思うんだ。パラは今、顧客を失っているよ。
ハングが衰退した原因は、重くて不安定な機体と、デリケートなランディング技術
が必要な「スーパーマン」のスポーツになってしまったからだよ。今、パラも同じ
ことをしようとしていると思えてならないね。パラは趣味だよ。簡単でシンプルに
できなければ意味がないだろう?反面、モーターパラは成長を続けている。
これは、誰にでも容易にできるからだろう。パラ市場は小さなケーキと同じだ。
それを取り合う人々(メーカー)が増えている。その結果、多くのプロが、スタート
したときよりも貧乏になってパラ・ビジネスから去っていく。私が何とか成功したが
少しは元を取り戻した人はそう多くない・・・。
もちろん、私はこの状況を残念に思っている。特に、業界のプロたちに団結心が
ないことを残念に思う。我々は共通のビジネスをやっているのだが、決して共同
で仕事をしようとしない。

アプコ

アナトリー
コーン

コンセプター物語
弟15回
         27P
今回の改正で現在はDHV1のちょっと上のクラスに位置している。しかし残念なが
ら、それで事故が減るとは思わない・・・。
多くのパイロットはどんな状況が危険なのか知らないからだ。度々、経験豊かな
パイロットが「ホットすぎる」と判断して飛んでいないのに、めったに飛ばないパイ
ロットが飛んでいる光景をよく。見かける

僕個人の意見では、DHVは毎回クラスを減らすと言う過ちを犯している。なぜなら
パイロットは自信過剰になっているからだ。

個人的意見だが、僕自身はもう少しダイナミックなグライダーが好きだよ。
グライダーがダイブする場合、僕はどうすればよいかを知っているからね。
しかし、後ろに留まる場合は、どうすればいいか分からない・・・

トニー
ベンダー
認証基準変更で
DHV1&1−2の
グライダーは
変わるのか  41P
僕は自分の仕事に幸福を感じられない。理由は、この新しいルールのおかげで、
フライトして素晴らしいグライダーを作れないからだ。特にDHV1モデルはディープ
ストールに近い+m毎秒の非常に強いサーマルでは、翼は後ろにステイしたまま
なのでパイロットはコントロールできない。この現象は僕のプロトでも、他のメーカ
ーの認証済みグライダーでもよく観察されることだ。
これらのグライダーは普通のコンディションでは非常に安全だが、強いコンディシ
ョンでは安全ではない。
他の問題は、多くのパイロットが「安全な機体」を誤解して、もっともっと強いコン
ディションで飛ぶかもしれないことだ。
ミハエル
ネスラー
認証基準変更で
DHV1&1−2の
グライダーは
変わるのか  41P
コンペは、遊びで神経質にやるもんじゃあない!とことん頭を使って楽しむもの・・・。 トルステン
シーゲル
あのスター選手の
この素顔   49P
やりたい!と思ったら、やらなきゃ損ですよ!
空を飛ぶのは飛行機でもできますが、自分で空を飛ぶというのは限られています
パラの一番の魅力はそこじゃないでしょうか。
葛本憲保
さん
今月の
初心者登場 75P
2004年8月号  (vol 154)    
パラはハングと比べて簡単に飛ぶことができるが、実際に、一人前のパイロット
になるには、最低3年間は必要だよ。わしのエリアでは、パイロットは自己責任で
飛ぶ。しかし同時に、あくまでもわしらプロの監督下で飛ぶことが必要だ。
コースを終了したからと言って放りっぱなしでは、いずれ危険な目に遭い、パラを
辞めて行くことになるだけだ。多くの仲間を失う結果になる。十分な経験を積むま
では、彼らを見守ってあげることが大切だよ。
事故を起こさずに飛び続けるには、パイロット個人の安全管理能力を高めるだけ
だ。
パイロット自身が、エリアやその局地的な気象の情報に不足し、経験が不足して
いれば、飛ぶことに不安を抱くだろう。事故の統計を見ると、90%はパイロット
自身が原因だよ。トレーニング同様、安全にも基本となるものがある。
「心身共にフライトに適していること」とでも言えるのかな・・・
飛行技術から言えば、アクティブセイフティがパッシブセイフティに勝ると言える。
生徒によく言っているのだが、「でっかいエアバックを付けるよりも、腕を磨け!」
ということだね。
実際、優れたパイロットは、装備もきちんとしているよ。
ジル
レビル
シャンベリー
滞在するならココ
パラ情報を
知るにもココ!
        11P
メーカーや選手たちは、ほとんど世に知られることもなく、コンペのために多くの
投資と犠牲を強いられている。自分たちの努力が世間やメディアに認められるこ
ともなく・・・
最後の理由として、あまりにも多くの競技が悪天候のために妨げられたり、
中止に追いやられたりしてきたこともある。一般の報道関係者は、決して辛抱強く
待つことなどない。天候が回復する瞬間まで、何日間も待つほどこのスポーツに
関心を持っているわけでもない・・・ 何かが間違っていることは明白だ・・・
Yosihiro
Sato
WOW !
パラグライディング
グランプリ   13P
このシーズンは春から異常事態と言っても良いほど事故が重なっています。
理由のひとつに、天候不順に原因があるように思います。
普段なら「しょうがない。諦めて次回に・・・」となるコンディションでも、「今年は飛べ
ていない。多少は判断に迷うけど飛んじゃえ!」と言ったパターンや、飛ぶ回数が
少ないために起こるうっかりミスが原因ではないでしょうか?
「自然に対し挑戦や希望的観測」をしてはいけません。「自然が寛大な顔を見せて
くれた時だけ、その懐で遊ばせてもらう」という謙虚な気持ちを必ず持ってください。
Shigeo
Matsuno
夏のお天気
完全制覇!
雲の吸い上げから
逃れるには・・・
         28P
パラグライダーに限界はあります!。
自然が許してくれる時に素晴らしい空を楽しみましょう!
パラグライダーの持つ楽しい可能性は無限なのですから!
Shigeo
Matsuno
夏のお天気
完全制覇!
雲の吸い上げから
逃れるには・・・
         29P
『ハインリッヒの法則』とは『1:29:300の法則』とも言われ、労働災害の事例を
研究したアメリカのハインリッヒ技師により発表された労働災害の発生確率の
分析だ。1件の重大事故の陰には、29件の軽度災害と300件のヒヤリとした
事件・失敗が隠されているというもの。つまり重大事故は、氷山の一角にしか
過ぎないということだ。
エリアで一日を過ごすと、事故には至っていないが「ヒヤリ」とする出来事を数多く
目撃する。これらの「ヒヤリハット」の出来事は、重大事故の予備軍だ。
講習生であればインストラクターから適切な指示が与えられるだろうが、
パイロットに対して厳しく注意・指導するエリア(インストラクター)が少ないことは
非常に残念なことだ。また、そんな良心的なエリアをパイロットは避ける傾向が
あるのも現実で、エリア管理者は見て見ぬ振りをせざるを得ないのもまた悲しい
現実だ。
フライヤーは「自己の意思と責任でフライトする」という基本的な考え方で現在に
至っている。しかし「事故が起きても個人の責任」、「パイロットの技術不足」
などと逃げ道になっていないだろうか?
残念ながら「自己の意思と責任でフライトする」という理念が正しく理解されている
とは考えにくいし、もし理解されているのであれば、祖に考え方自体が限界に来て
いると言わざるを得ない。
  事故はもう
たくさんだ!
         32P
昨今の教育は、池を柵で囲い公園から遊具を撤去し、自ら何も考えない安全の殻
に子供を閉じ込め、危機意識のない子供を育てている。
残念ながら、この傾向は決して子供だけのことではない。三菱自動車のリコール
隠し、イラクで人質になった3名の若者、上流の大雨に気がつかず河原に取り残
されるキャンパー、リスクのあるスポーツを避け無難な特集でお茶を濁すアウトド
ア雑誌など、多かれ少なかれ我々日本人は「安全ボケ」に浸りきって生きている。
そんな中だからこそ、パラグライダーが持つ安全意識や管理能力は
「教育ツール」としても非常に優れているし、今後さらに需要が高まっても何ら
不思議ではない。パラグライダーは、大きな可能性を秘めている。
パラグライダーが持つ魅力や醍醐味、そしてリスクを再確認し、フライヤーだけで
なくインストラクターを始めパラグライダーに関わる全ての人間が、考え方を新た
にする必要がある。
  事故はもう
たくさんだ!
         32P
車を例に考えてみると、事故を起こす人と、起こさない人との違いはどこにあるのでしょう?
常に注意深い事、そして先を読んでいる事。その中でもいろいろな状況を考えら
れて、対処できる引き出しを持っていて、瞬時にそれを使える事。その差だと思い
ます。レースの場合でも駆け引きの中で様々なシチュエーションを予測しながら
走っています。

状況判断をする能力が活かされる場面とは、どんな場面ですか?
自分が置かれている状況をどれくらい客観的に見ているかが大事です。
走っている自分と、第三者の目で客観的にそれを見ている自分がいなくてはなり
ません。それはレーサーの技量を判断する上で重要な要素です。
速く走ることに夢中になると、主観的な目しかないので、何かが起こった時に柔軟
性を発揮できず終わってしまう。能力の高い人は100%ギリギリで走っていても、
余裕を持ってエスケープできる部分を残している。それがあると何か起こったとき
に対応ができるのです。

ドライバーには、速く走る以外の能力も要求されているのですね。つまり、一周を速く走る人が必ず
勝つとは限らない・・・。
速いことは絶対的な条件ですが、マージンを取っていることは大切。
レースの場合、アクシデントが起こる時は瞬時に起こる。その瞬間「パパッ!」と
判断して回避する。僕はパラグライダーをやったことがないのでハッキリしたこと
分からないけど、話を伺った限りでは、判断をして行動を起こして、その結果
が反映されるまでの時間がかなりあるのではないでしょうか。
逆に考えれば、ひとつの判断の重要性が非常に高いのではないかと思います。
判断する時間があるということは、そこに迷いも生じます。この点が難しいので
はないでしょうか。
例えば、いきなり殴りかかれたら、さっと避けることができる。でも背後から忍び
寄ってくる相手には上手に対処が出来ません。変な例えですけど、熱いお湯に
カエルを入れれば反射的に逃げますが、水の時から入れて湧かすと逃げられず
に死んでしまうそうです。
その判断を出来る人とできない人の差は、全体のボリュームが大きくなるほど広
がってくるのでしょうね。

サトウ
カイチ
さん
ジャンルの
壁を越えて
モータースポーツ
の世界から
危機管理意識
を学ぶ    35P
レースの中で「嫌な予感」がするとか、感覚的な事ってあるんですか?
あります。朝、ピットに行って車を見ると何かが違って見えたり、座った時に
違和感を感じることがあります。そんな時は必ずマシントラブルとか何かが起こる
レースの前にはレース展開をイメージしますが、どうしてもイメージが湧かない
部分がある。放置しておくと必ずそこでミスをしてしまう。でも走らなくてはならない
から、その部分を意識の中に置いておいて、その場面になったた「これだ!」って
瞬時に判断してミスを回避する。それが経験の積み重ねだとおもいます。

今まで危ない目に遭ったことは?
周囲の仲間の中には痛い目に遭っている人もいます。長年やっていれば当然
ですが、その経験を元に対処法を知ることもできます。「怖い」と思うことは絶対に
大切だと思うし、怖いと思うからこそ身を守る事を真剣に考える。決して怖がらな
いことが良いことだとは思いません。

数年前から機材の安全性が急激に向上してきて「パラグライダーは安全ですよ、楽しいですよ」と
アピールしてきた。それなのに、ヨーロッパでも日本でも重大事故が多発した。その発生原因は様々
だけど、その根底にあるものは私たちの「傲り」、つまり「恐怖心」の欠如なのかもしれません。
そのスポーツの魅力を、多くの人に伝え広めることは重要です。しかし入り口の
部分での基本的な考え方を見直さなければならない。パラグライダーは今そんな

タイミングなのかも知れませんね。人数が増えるとどんなスポーツだって同じ課題
にぶつかります。
パラグライダーで飛んでいる時はリラックスできるものなのですか?
レースでは凄いプレッシャーが掛かっていて集中している時は、意外とミスしない
ものなんです。逆にタイムアタックで完璧に走って好成績が出せて「よし!」って
ピットに戻る瞬間に、シフトミスしちゃってマシンにダメージを与えてしまう。
リラックスは必要だけど、ある程度の緊張感は保っていないと、瞬時に判断でき
ないばかりか、必ずミスを犯してしまいます。

リラックスのし過ぎ、(機材に)頼り過ぎはいけないんですね
常識的に考えても、人間が空を飛んでいたり、300キロのスピードで走っている
なんておかしな話だし、悪い意味での「慣れ」は禁物だと思います。事故には何か
しらの原因は必ずあると思う。避けられない事ってあると思うけど、それでも、
よくよく考えると、その前の段階で避けられたチャンスは必ずあることが多い。
それを見逃さないで、良い方向に向けられるかが、事故を防ぐ上で大切だと思い
ます。

サトウ
カイチ
さん
ジャンルの
壁を越えて
モータースポーツ
の世界から
危機管理意識
を学ぶ    35P
フライトに関しては、僕は非常に分析的だが、同時に好奇心も強いかな。
そして非常に注意深い人間でもある。
安全なコンデションでしか飛ばないし、自分の限界も知っている。アクロでも同じ
だね。自分が自信を持って100%コントロールできないマヌーバについては、
水上でのセーフティトレーニングで一歩一歩確実に習得してからにしている。
無謀なことは、この世界では禁物だよ。
トニ
カニグリア
あのスター選手の
この素顔   51P
自分のグライダーが頭上から後ろにドロップすることは、パイロットにとっては
ショックだ。それでこの瞬間、思わずブレークコードを上に戻したいという大きな
誘惑に駆られる。絶対この誘惑に負けてはだめだ!。
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座      71P
なぜGWの時期に事故が集中するかが問題です。その原因の一つに冬期の
フライト不足があると私は考えます。
本協会副会長の小野寺さんから興味あるお話を伺いました。「我々毎日飛んでる
プロのパイロットがもし週2回の飛行となるとちょっと怖いです。」
この一言が妙に気になりました。
只野直孝
会長
JPA NEWS
2004年9月号  (vol 155)    
我々には製造の豊富な経験がある。それを信頼して、メーカーは製造を依頼して
くれる。彼らは、私が自らメーカーを立ち上げる人間でないことを知っているから、
安心して仕事を任せてくれるんだ。縫製会社の中にはコピーして、自分のブランド
を立ち上げる者がいるからね。
専務取締役
ウルリッチ
クーレ
工場を探訪す

スカイ
スポーツランカ
        19P

この製造コストと収益については、僕がよく会計士から指摘されることだ。
収益性を厳密に見れば、僕のやっていることはビジネスではないね!
ドゥニ
コルテラ
世界最小の
ハーネス工場
コルテル・デザイン
        21P
僕が本当に興味のあるのはデザインの仕事で会社の経営じゃないってことだ。
多くのデザイナーは自分の会社を立ち上げたいと思っているが、一旦それが
現実となると、自分が本当に好きなことだけをやり続けていくためには、もう一度
どこかのメーカーで雇われデザイナーになりたいのではないかということ。
ドゥニ
コルテラ
世界最小の
ハーネス工場
コルテル・デザイン
        22P
私たちの中には「危ないことはわかっている」、極端に言うと「危ないんだから
しょうがないでしょ」という潜在的な意識があると思います。
例えばインストラクターは、講習で生徒さんに「危ないことを理解してください」と
説明をするんですが、「何かが起こっても仕方がない」と自分の安心材料として
自分のために言っているのかも知れませんね。でも、分かっているのなら限りなく
ゼロに近づけるべきです。

起った事故に対して「仕方がない」とか「止むを得ない」で終わらせてはいけない。
今まで、「1」の危険を「2分の1」にする努力が欠けていました。事故が起こった
時に、事故報告書は作成されます。ところが数字的な統計以外の使い方はして
いませんでした。そこで過去5年間の事故を分析したら、どの年もほぼ同じ数字
が出てきました。事故内容も似たり寄ったりです。
5年間も、同じことを繰り返してきたんです。じゃあ一体何を教えてきたんだ、
教え方もおかしいぞ、と。
事故が起きると「危ないんだからしょうがない」とか、「あいつ元々危なかったもん
な」なんて話も出ることがあります。分かっているなら、何故指導しない。
1月の事故をきっかけに全てを改めて取り組みました。

東京スカイ
ダイビング
クラブ

増井祐司
さん

事故の何故?を
徹底追求!

スカイダイビング
に見る組織改革
        45P

今までの日本選手権は、どちらかというと「自分の楽しみの大会」で自己満足的な
部分が多かった。とは言え、興味のある人や既にやっている層には十分アピール
できています。
今後はちょっと興味があるとか、見てみたいという層にアピールしたいし、興味を
まだ持っていない人をどう集めるかが課題です。

世界から集まった200〜300人のダイバーが一斉に飛び出すブギでは毎回
一人は事故で亡くなります。パフォーマンスが高くなったのでランディングでクラッ
シュしたり、人数が多いので接触してしまうこともあります。パラと違って回復しな
いし、降りる場所が決まっていて、一斉に飛んだら同じタイミングでランディング
することになる。
そのニュースを聞いても「またか」とか「いろいろな技術や性格があるから一人くら
いなら仕方はないな」と思ってる、そんな自分も恐ろしいと思います。事故に対し
て完全にボケている。もっと危機感を感じなければならないのに・・・。
今はベース造りの時期です。安全意識を高めて、じゅうじつさせないと将来はあり
ませんから。

東京スカイ
ダイビング
クラブ

増井祐司
さん

事故の何故?を
徹底追求!

スカイダイビング
に見る組織改革
        45P

どうしても技術優先になってしまいますが、ダイバーの認識を最低限のレベルで
揃える努力は必要でしょう。性格を変えることはできなくとも、最低限のルールや
安全意識を揃えることぐらいはできるはずです。事故の大半は個人レベルの
問題で、それはすなわち指導者側の問題です。

今、重要なことは、スクールを離れた時にどれくらい他人に対する気遣いができる
ダイバーに育てられているかです。
空は自分一人でできるスポーツと勘違いしやすいですよね。でも実際は、ドロップ
ゾーンを管理する人、航空機のパイロット、管制官、回収するスタッフ、風見を立
てる人といろいろなスタッフがいるから楽しめる。実は協調性が必要なスポーツ
で、礼儀や思いやり、他人を見る目も見られる目も必要なんです。自分だけを
中心にするのでなく広く見る習慣。
1月の事故で行き着いた結論は、案外身近なところにありました。
一般のダイバーだけではなく、インストラクターにも同様に言えることです。
空は広いけど、実際に遊んでいる場所はとっても狭い。

東京スカイ
ダイビング
クラブ

増井祐司
さん

事故の何故?を
徹底追求!

スカイダイビング
に見る組織改革
        45P

フライトの前には、ほとんどのパイロットは緊張感を抱いているはずです。
しばしば緊張感は「ドキドキ」と表現されますが、同じドキドキでも恐怖心とは異質
のものです。テイクオフ前に恐怖心を感じたら飛ぶべきではありませんし、フライ
ト中だったらすぐにランディングに向かいましょう。この時に冷静でいられることは
安全なフライトのためには重要なことです。パニック状態では冷静な判断ができ
ないことは考えてみれば分かるでしょう。
パラグライダーは恐怖心に打ち勝つスポーツではありません。また大会や競技会
の場合は特に注意が必要です。タスクや具体的な目標があることであなたの中
の優先順位が変わってしまう可能性があります。
この緊張感は何なのか、いつもの自分はどうなのか、どんな時にも我に返って
一歩引く冷静さは絶対に必要です。
  自己改革

客観的な思考を
育てよう! 46P

ソアリングやランディングといったフライト技術は磨くことで向上しますし、正しい
経験を積み上げることでより完成形に近づけることができるでしょう。
しかしこの面をどんなに伸ばしても、事故を防ぐ決め手にはなりません。
どんなに正しい技術があっても、それをコントロールする精神的な側面を鍛える
必要があるからです。また正しい技術を発揮するためにも、精神的な強さは
不可欠です。
パラグライダーの現場では誰もが飛ぶことに夢中になるあまり、静かに、そして
深い会話を持つ時間は多いとはいえません。
会話を通して相手を知ることは、違いを認識して自分を知ることでもあります。
自分自身を知ることこそ、客観的な目をもつ最初のステップではないでしょうか。
パラグライダーの事故を防ぐために重要なことは、自分を見る目、つまり客観的
な判断力を身に付けることです。それが、「メンタルタフネス」の第一歩だと考えます
  自己改革

客観的な思考を
育てよう! 46P

完璧にランディングするに越したことはありませんが、柔軟な判断も大事だと思う
人間には帰省本能があるから、パニックになればなる程どうにか帰ろうとする。
時には、山沈した方が安全な場合もあるよね。緊張感と恐怖心は違います。
例えば飛んでいて、荒れている場所があるじゃないですか。そこでしか上がらない
としても、僕はそこから離れます。技量があるパイロットには安全かも知れない
けど、僕にとってもそうとは。限らない確かにそこに突っ込んで頑張って上げれば
急激に上達するかも知れない。でもリスクを犯してまで、そうする意味はないで
しょ。怪我をしたら全てが終わってしまうから。
方法論として体で覚えて早く上達する方法もあると思うけど、パラには当てはまら
ない。リスクを犯さなくても、自分の技量の範囲内で飛んでいれば少しずつ技術
は上達していくはずです。
スコッティ・マリオンがいなくなったことは大変ショックでした。あんなに上手な人で
も事故に遭う。だから僕は絶対に無理はしないし、自分の限界は越えない。
そんな気持ちを新たにしています。
僕はマヌーバートレーニングで、本当に潰したりレスキュー開いたりする必要は
ないと考えています。どんなに防いでもトレーニング中のリスクをなくすことはでき
ないし、その前の段階、つまりピッチの変化を自分の物にできれば、かなりの
部分で対処できるはずです。
川口竜太
さん
2人の無事故
無ツリーラン
無レスキュー
パイロットの場合
      48.49P
テイクオフする時は、いつも一番最後に出ます。後ろに列ばれていると急かされ
ているようで、落ち着きません。
コンデションの善し悪しは関係ありません。良ければ良いほど「我先に」という人
が多いので急かされる。そんな環境は自分にとって、居心地が悪くて苦手です。
慌ててテイクオフしても、決して良いことはないしね。どうせコンデションが良けれ
ば、遅れて出てもすぐに追い付く、だからドンと構えています。
一番最後に出るのは、嫌な気分にならないために自分で防御しているから。
空中にはいろいろな人が一緒に飛んでいます。中には強引な人もいるし、技量や
考え方もまちまちです。だから、相手が自分と同じ考えを持っていると思い込むの
は危険です。
スキーなら急な斜面には相当の技量がなくちゃ入らないし、海だって高い波には
自信がないサーファーは近寄らない。でもパラの場合は同じ場所にとりあえず
みんな行けてしまう。そんな中で、見極めながら飛ぶのは疲れちゃう。
だから外れて飛ぶ、自分なりに楽しく飛ぶ秘訣なのかも知れません。
菅原公人
さん
2人の無事故
無ツリーラン
無レスキュー
パイロットの場合
      48.49P
パイロットともなると、安定したフライト経験が不足してきてしまいがちです。
そうすると、どんどん技術が低下し、積んでもいない見かけ上の経験だけが増え
ていってしまっている状態になります。
グライダーコントロールの経験はなくなり、空中にいるだけのエアータイムのみが
大幅に増えたということはありませんか?
パイロットは、趣味であるパラグライダーをするために、一生懸命に必死でフライ
ト時間を捻出していますね。多くの時間を割けることができるパイロットは、そんな
にいないのが現状です。すなわち、時間的余裕がない中で、このエキサイティン
グなスポーツを楽しんでいるということになります。
しかし、そんな状況であってもパラに関する情報は、フライトしなくても様々な媒体
から、友人から、入ってきますので、知識は正誤に関わらずどんどん増えていく
ことになります。
岸 正弘
さん
実録
練習生の落とし穴

第21回
セーフティー
フライトのすすめ
その2     86P

フライト経験は蓄積されなくても、知識のみは増えていくことによって、多かれ少な
かれパイロットにはギャップが存在してしまうのです。さらにギャップに気付かずに
間違った技術的安心感を、感じてしまうのです。
飛行技術は、派手なマヌーバーを目指してはいません。あくまでもテイクオフラン
ディングの基礎技術、セーフティ&ファンフライトのための状況判断を指します。
なかなかフライト時間がとれないことによる技術低下、経験と知識のギャップ。
さらにそのような状態で最新の高性能機などに乗っていては、危険度大幅アップ
です。そこへ、悪天候や体調不良などといったもう一つ二つの要因が足されれば
せっかく来たのだから天気が悪くても、風が強くても、寝不足でも、二日酔いでも
飛んでしまう。そこには客観的条件の考慮など全くありませんね。当然、大きな
アクシデントが待っていることでしょう。
いくらサーマルソアリングしても、どんなフライトをするにしても、テイクオフ、ランデ
ィングは1回です。5時間フライトしても、テイクオフとランディングは、1回のみなの
です。
安全なフライトのために必要なことをすることは、恥ずかしいことでしょうか?
つらいからしなくても良いなんていうものなのでしょうか?
怪我をして楽しい人はいないでしょう?何の自慢にもなりません。
「今日のフライトは安全で楽しかった。」っていう顔を、家族も友人も待っている
はずです。
岸 正弘
さん
実録
練習生の落とし穴

第21回
セーフティー
フライトのすすめ
その2     86P

2004年10月号  (vol 156)    
僕はパラが、もっと多くの人々を惹き付ける潜在力を持っていると信じている。
いつも「どうしてパラ人口がもっと増えないのだろう?」と不思議に思うよ。
僕は、このスポーツをもっと人々に近づけようとするグランプリのアイデアを信じて
いるよ。
UP
クリスチャン
ローニング
代表
コンセプター物語
弟16回
         24P
もし新しいグライダーが、考えていたように行かなかった場合は、プロト機を大幅
に改造するよりも、デザインそのものを再検討する方法を選ぶ。
ステファン
スティグラー
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
グライダーにたくさん変更を加えたら、自分たちが何をしたのかを知るのが、困難
になってしまうからね。それに製造工程における製造マニュアルの変更も非常に
困難になる。
僕らのデザインしたグライダーでは、すべてのサイズがお互い直接的関係を持っ
ていて、飛行動作にも大きな差はないよ。
トルステン
シーゲル
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
平面図で5cmの差は、非常に大きな差を生み出すとね。小さな差なのだか、僕ら
は平面図に非常に多くの労力を割いている。そして矛盾したように聞こえるが、
誰もそれには気がつかない。多くの人は、僕らがただ単純に、楕円形のアスペク
ト比を大きくしただけだとしか思わない。
SS&TS デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
オープン・セルでは、翼がつぶれから回復した瞬間、衝撃の大きいリオープンと
なる。コンペ機では、急激な翼のリオープンが異常動作の連続を引き起こすこと
は比較的よく知られていることだ。セルをクローズすることで、この衝撃を小さく
することができるからだよ。
SS&TS デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
アドバンスの話題の最新コンペプロトをどう思う?
最初、あのプロト機を見たとき、こう思ったよ。「どうしてこんなものを作ったのだろ
う?大きくない投影翼表面に、どうしてこれほどの素材を使ったのだろう?」って
ね。個人的には、僕は軽量でシンプルなグライダーを作りたいと思っている。
アドバンスのあのプロトはその対極にあるね。
ステファン
スティグラー
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
僕はワールドカップで何度か一緒にフライトしたが、あのプロトの上昇性能は非常
に優れているね。ただ、高速グライダーという感じはしなかったね。僕らはこれら
のプロト機を理解し、何が興味深いか見ているところだよ。ただ、今のところ、
僕たちが今までやってきた方法を変える理由はまだ見当たらないと考えているよ。
トルステン
シーゲル
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答
         27P
角田
自分の時代も含めて、昔のパイロットは荒れたコンデションで飛ぶことも練習だと
か言われて育てられた。基本的には一人で飛ぶスポーツだから、それはそれで
効果があったのかもしれません。経験は大切ですからね。でも、そこに潜むデメ
リットを考えたらかなり微妙なところで、今となっては真似するべきではありません

今飛んでいるベテランパイロットは、そんな経験を無事に潜り抜けてきた人たちで
いわばアクシデントに遭わずにやってきた人たち。その影には怪我したり、恐怖
感を感じて辞めてしまった人もたくさんいるはずです。
桜田
長い間怪我もなく飛んでいるパイロットは憧れの存在です。彼らは、必ず何か秘
訣を持っていると思うんです。今はそれを吸収したいな。技術的云々よりも、
具体的なことが設問の中に潜んでいるんじゃないかと思います。普段は表に出て
こない側面だから、どう考えているかとっても興味を持っています。
角田
上手い人って気象の変化もよく見ているし、少しでもヤバそうな兆候があったら降
りるとか、安全な場所に逃げるとか、とにかく反応が早いよね。

教える立場としては、パイロット個々の許容範囲を自分で知っていることは重要だ
と思います。が、現実は自分のリミットを分からないパイロットが実に多い。自分
の意識ではサーマルソアリングのつもりでも、気が付いたら吸い上げだったとか。
他のパラが一斉に降り出すとか、特に雲がおかしいとか、発せられるシグナルを
逃さないことが大切なんだけど、漠然と飛んでいては駄目。そんな経験はいくら重
ねても意味がない。
角田尚久

岸 正弘

桜田直宏
さん

安全フライトに対する
現場の意識
緊急ミーティング
事故を減らすために、
一人ひとりができる
ことは?
         28,29P

全体的な傾向としては、新しく育ったパイロットは、システムがある程度整った中
で育てられていますよね。だから見ていても安心なことが多い。一方で昔のパイ
ロットは・・・。
加藤
どうしても安全に関してもは経験中心の考え方で、個人の経験値で語らざる得な
かった。

そうだよね。昔は技術とか考え方よりも、経験を持っている人の発言力が異常に
強かった気がする。
桜田
でも経験を持っている人は、それが自分だけのものでなくて周囲に与える影響も
考える必要があるんじゃない?

その通り!長く飛んでいるだけじゃなく、意識して飛んでいたかが重要。漠然と
長く飛んでいるだけでは経験があるというだけで、裏付けというか明確な主張に
ならない。安全を考えて、意識して積み上がった経験とは全く違う。経験の落とし
穴は、聞く側がどういう経験を持って聞いているかで、その理解度が全然違うこと
だよね。だから話す方は、特に注意しないとならないね。
岸 正弘

加藤紀弘

桜田直宏

安全フライトに対する
現場の意識
緊急ミーティング
事故を減らすために、
一人ひとりができる
ことは?
            29P

経験豊富なパイロットが経験が不足しているパイロットを見つける能力ってすごく
高くて、そんなパイロットを見つけては自分のフライト談義で離さないんだよね。
話してる方は気分が良いだろうけど、発展途上の練習生に余計な知識を植え付
けることは決していい事じゃない。練習して上手くなって、競技会に出たいと思っ
たら、その時に初めて競技会の飛びを楽しめば良い。
エリアの中には、ぶっ飛んでも楽しい人もいるわけで、そんな人たちを否定する
発言は慎むべきだよね。高さや長さや距離を飛ぶことは努力も経験も気力も
必要だけど、その方が価値があってぶつ飛びはダメというエリアにはしたくない。
楽しみの根本は、個人の価値観だから、いろいろなパイロットが一緒に楽しめて
お互いに思いやりを持てる環境があれば事故はなくせると思います。
米坂
ベテランパイロットや上手なパイロットが「風が悪いから飛ぶのを止めよう?」と
言ってくれると、素直に従っちゃいます。そんな雰囲気というか、飛びに対する執
着心が過多でないことは、長年飛び続けるためには必要なのかもしれませんね。
すごく上手い人は別でしょうけど、休日を楽しんで翌日から働く力にしている私た
ちは、そんな先輩を見習いたいとおもいます。

飛ぶことに夢中になることは、決して悪いことじゃない。エリアには自分のペース
で飛びたい人たちもいるので、お互いのスタイルを強制するするような雰囲気が
出てきたら早めに方向修正をする。それが僕の役割です。グライダーが違えば
飛びも違うように、サイズや体重でも違う。個々で条件や環境は様々だから、それ
を飛び越して変な風潮が一人歩きするのは良くないよね。
角田
僕は毎年、冬場はスノーボードでパラはお休みするんです。それも長く続いている
秘訣かな?  春先は、慎重過ぎるくらいに飛び始めます。フィーリングが戻るま
で、約一月は必要ですね。

自分でそう思えるパイロットだったら、エリア管理者としても何の心配もないです。

何が怖いかと言えば、恐れを知らないパイロットが一番怖い。

岸 正弘

米坂春香

角田尚久
さん

安全フライトに対する
現場の意識
緊急ミーティング
事故を減らすために、
一人ひとりができる
ことは?
            30P

今まで如何に自分たちが漠然としたものを教えていたかが分かった反面、ひとつ
ひとつの題材についてミーティングの時間を持つだけでも、互いの理解度は深め
られると思いますね。それも少人数で、お互いが見える人数でないとその意義が
薄れてしまう。今後もスクールでこんな授業を続けていきたいと思っています。
自分のことだけじゃなくて、フライト中に会う相手のこと、ランディングで一緒になる
かもしれない相手のこと、同じ空で楽しんでいる仲間のこと、相手に優しくなれれ
ばもっともっと事故は起こり難くなっていくんじゃないかな。なんでも『自己責任』
じゃなくて、本当に危険だったら注意しなければいけないし、時には止めてあげな
くてはならないと思います。それはインストラクターやエリアの管理者だけの責任
ではなくて、フライヤー全員が同じ感覚を持つべきだと思います。
エリアの顔になっているようなベテランこそ、そんな厳しさや優しさが必要なのかも
しれません。管理されているエリアでも、フリーのえりあでも、大会であっても関係
なく、そんな風潮になればいいと思います。
角田
『自己責任』という建前があるから「止めておいた方が良いよ」とか、アドバイスは
なかなか難しいと思う。ましてやインストラクターとかの立場じゃなくて、僕たちは
普通のフライヤーだから。敢えてそのコンディションで飛ぼうとしているパイロット
は、意外と上手いだったりするから、なおさらですよね。見るからにビギナーだな
と思う人には、言いやすいのですが・・・その加減が難しい。

確かにアドバイスし難いところはありますよね。僕も自分のエリア内なら躊躇なく
言えても、他のエリアに行ってその状況だったら、言い出せるかどうか・・・。
あんまり僕がうるさく言うから、例年と比較してビジター数は減っている傾向に
あります。僕は、ダメならダメときっぱり言ってしまうし、エリア無線や高度処理す
るポイントなど細かなルールがある。当然、それを鬱陶しいと思う方はいるわけだ
けど、みんなが安全に飛ぶためのルールは全てに優先されるべきだと考えてい
ます。テイクオフしたフライヤー全員が、安全にランディングできる環境を整えな
くてはなりませんから。パイロットに安全なフライトをお願いするばかりでなくて、
エリアを運営する側も一緒になって安全を考える必要があると思います。
両者はお互いに協力していく関係で、コミュニケーションが取れていれば、
エリアの雰囲気もうんと良くなる。
角田
大会でも同じだと思う。例えば同じガーグルで飛んでいても、安心できるパイロット
とそうでないパイロットがいる。信頼関係が成り立っていると、一緒に飛んでいて
も自分のフライトに集中できる。当然、普段から一緒にいたりよく話すパイロットは
知っているから、フライト中の信頼関係は既にある。だからと言ってろくに話したこ
ともないパイロットでも、安心して一緒に飛べるパイロットはいる。大切なことは、
そこの所だと思うよ。
岸 正弘

角田尚久
さん

安全フライトに対する
現場の意識
緊急ミーティング
事故を減らすために、
一人ひとりができる
ことは?
            31P
パラグライダーがすごいのは、骨組みや硬い殻構造物がなく、実に軽く小さくたた
めてしまうところ。合成繊維の薄い布と細いヒモだけで構成されているに、飛行中
は翼内部にうまく空気を取り入れ、ラム圧により剛性を持たせ、驚くほど抵抗の
少ない美しい翼形を保っている。
普通の航空機の翼は常に同じ場所に固定されていて、地上では妙に邪魔くさい
ものだ。そういえば鳥って飛んでいないときは羽をたたんでいる。パラグライダー
が一番鳥に近い乗り物かもしれない。
このすばらしい発明品を知らない人がいれば、このバック一つで人が大空高く
飛び上がってしまうなんて想像もつかないかもしれない。

少しまとまったブローのタイミングに合わせてライズアップすると一気にキャノピー
のきれいなアーチが形成されパイロットの頭上に静止する。まるで風によって眠っ
ていた巨竜に命が吹き込まれるかのような劇的な瞬間だ。

SASUKE
さん
SASUKEの視覚
ラム圧の正体を
探れ!     32P
ハイバンクの旋回中に、旋回の内側つまり下側のキャノピーのテンションが高い
ことに気づいたことはないだろうか? これは明らかに高度差によるラム圧の
変化だと思われる。キャノピー内部はほぼ同じ速度の空気がインテーク全体から
入り、全体に渡って同じラム圧として作用するものの、低いほうのキャノピー内部
は高度差分の絶対圧が上乗せされるわけである。
SASUKE
さん
SASUKEの視覚
ラム圧の正体を
探れ!     33P
ルールって社会の秩序や人々の安全・平和を保つ為にあるものですが、時として
その本来の目的を忘れて、「ルール自体が目的」になるような場合が多く見受け
られます。
「お上の規制で押さえつけよう」とする風潮。幼稚なオトナが集まっただけの行政
や教育機関が嘆かわしい低モラル社会を助長しているような気がします。
身の回りにおかしな法律・規則・ルールがあまりに多いので、本当に守らなけれ
ばいけない決まりや、人間として当然のモラルを蔑ろにするような風潮が生まれ
るのではないかと思います。
最近多発しているパラの事故と毎度のマスコミ報道が気がかりです。全国の交通
事故の死者は年間約8000人、1日あたり22人にもなりますが、このうち全国版
ニュースで詳細に報道される交通事故は一体いくつでしょうか?これに対しパラ
を含めたレジャー・スポーツでの事故はとりわけ二ュース性があることから、
大々的に報道されます。「ほら見たことか」とマイナス面でのイメージのみが強調
されているような気もします。
パラが昔の暴走族と同じ「社会の敵」みたいなイメージになってしまうと困ります。
この世の中、いつ不条理な規制・規則が施行されるかもしれません。スカイス
ポーツの基本は自己責任、事故の責任は自分にあるとは言ってもこう事故が多く
ては放っておいてくれないかもしれません。
我々はそれだけ世の中に注目されているのだということを自覚し、絶対に事故を
起こさぬよう細心の注意を払ってフライトを楽しみましょう。
佐川大輔
さん
Que sera sera
ルールとモラル
         49P
どんなに優れたパイロットであっても、最高のグライダーで飛ばなければ、必ずし
も勝てるわけではない。勝つためには、最高のグライダーと最高のハーネスと、
最高の計器類が必要となる。あまりに当たり前すぎることではあるが、このことを
抜きにしては、コンペで勝つ方法など、語ること自体があまり意味のないものに
なってしまうであろう。
需要と供給のシンプルな経済法則によって、誰もが欲しがるグライダーは値段が
高いかもしれない。しかし、真に勝ちたければ、その『武器』を手に入れるしかな
いのではないか?
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座 vol.3
コンペで勝つには
        62P
僕の場合、バラスとの影響でハーネスの操作性が落ちるために、ローリング性が
不安定なハーネスで飛ぶ必要がある。コンペでだけ余分のバラストを持って飛ぶ
パイロットを見ることもあるが、普段練習していない限り、これはいいことではない

たいていは、最初にファイナルグライドをスタートしてゴールする選手が、そのタス
クの優勝者だ。

最低でも年間100時間の飛行時間がないのなら、コンペ機には乗るべきではな
い。理由は単純に安全のためだ。

一回のコンペに出るのに、どれほどのコストがかかっているのか思い出して欲し
い。開催地までの旅費、エントリー費、宿泊費、等々。
上記に挙げた簡単なことの一つが理由で、コンペを台無しにすることは非常に
勿体ないではないか? 装備を安く上げたいことは理解できる。しかし、勝ちたけ
れば、最も信頼できる装備で臨まなくてはならない。
以上のルールが役に立って選手が勝つことを祈る!

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座 vol.3
コンペで勝つには
        63P
慣れ
一定の期間同じことを絶えず繰り返していると、動作は早くなります。周知の利点
がフライトにおいては致命的な結果をもたらすこともあります。ほんのわずか、
テイクオフで気を逸らしただけでも充分に事故への落とし穴となります。

焦り
焦りは集中力の欠如へと続きます。よくある場面を思い浮かべてください。
あなたはここ数週間飛んでいません。すでにテイクオフしたパイロットたちからは
理想のフライトコンデションであることが伺えます。テイクオフは残されたパイロッ
トたちの欲望で満ちています。
・・・飛行準備の時間を短縮し、プレフライトチェックを省いたこんなときにアクシデ
ントは発生するのです!

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
プレフライト
チェック  64,65P
フライトにおける座右の銘は大先輩から教わった
「速度と高度は命の保険」
林修太郎
さん
あのメーカー
どうよ?
弟16回 XIX
ユーザーコメント
このグライダーに
乗っている理由
         69P
僕にもアクロができるでしょうか?やはり特別な能力が必要ですか?
夢と希望に対する「志」を持つのは早ければ早いほど実現の可能性が高くなりま
す。そういう意味では「はじめに光あり」というか、「コウ野で天啓を授かる」という
か、「ビデオを見てなんとなく閃いた」というのは、将来のアクロチャンピオンの
第一歩としては充分ありです。
より将来の自伝にインパクトを持たせるには、初高高度の時にテイクオフで片手
で天を指し、もう一方の手で地面を指し「天上から地上までが私の活躍する空間
です」などとイントラに向かって宣言すると、もう完璧でしょう。

基本的なアクロマニューバーは基本の積み上げで、ポイントを押えながら徐々に
速度や旋回角度を増やしていくことで出来るようになると思うのですが、それぞれ
のマニューバーには落とし穴が必ずあって、ちょっとしたミスがとんでもない事態
を引き起こすことがあるのですね。言い換えると、どこかの過程で「絶対に」ミスを
起こしてしまうものなのです。
パイロットの言葉で「空に絶対は無い」というカッコイイ決り文句がありますが、
この場合に限っては「絶対にいつかどこかでミスをする」というのは正論です。
これを認識せずにアクロの練習を行うと結構に痛い目を見ることになります。
既にアクロの練習を行っている人は特に注意してくださいね。
もともとアクロバットというのは「高いところを歩く」という意味で、「落ちたら危ない」
「危険なことを行う」ことですが、そのトレーニングやデモンストレーションが一か八
かの賭けであってはなりません。起こりうる事態を想定して、ミスを起こしたときの
状況と、そこからのリカバリー方法や手段をいつでも意識した上でトレーニングを
行う必要があります。
また、ミスをしないように注意深くトレーニングすることは最も重要ですが、用意
周到でミスした事のない技術というのは非常に脆く危うい状況です。ミスによって
危機的な状況に陥ってもその状況を認識してクレバーに対処することができるだ
けの経験を伴わないと、ちゃんとしたアクロパイロットにはなれないと思います。

多くのアクロパイロットやトップコンペティター達は、とにかく長時間空を飛ぶ環境
を作り、その中から様々なものを吸収することで技術を磨いています。基本となる
「ノーマルフライト」を極め、せめてそのエリアで「上手いパイロット」と呼ばれるま
で技術を磨きましょう。そのときにまだアクロへの情熱があるようなら、それから
マニユーバトレーニングを始めるのも良いと思います。
単なる目立ちたがり、無鉄砲ではアクロにチャレンジするにはまだまだ未熟と言
えるでしょうね。
どのようなマニューバーでも本人の情熱と真摯なトレーニングで可能だと思います
が、それを実践するに足る基礎技術を磨くこと、その技術を達成するために思考
し、情報を収集し、実現までのトレーニングプログラムを組み立て、着実に実行
できるかどうかが「才能=能力」だと思います。これは特別な才能ではありません
が、それを実現できることが特別な才能ということもできるわけです。

アクロという特別な飛び方には、はっきり言って向き不向きがあります。実際に
アクロに挑んで撃沈したパイロットも数多く存在します。個人的にはアクロのトレー
ニングを行う前に、いかに速く確実にレスキューを引き出して投げ出すという
「レスキューの早撃ちテクニック」を身に付けるべきだと思います。アクロに失敗
してレスキューも投げずに山沈してしまうような方はアクロ向きでない人の筆頭と
言っていいと思います。

加賀山務
さん
Q&A
         81P
今年の天候はみょうに不安定で、なかなかパラ日和にならない。年を追うごとに、
天候が不安定になってきているように思うのは私だけなのか?
今年は9月にヨーロッパ行きを変更。
天候が不安定で情勢が不安定と来たら、どうやって飛べばいいんでしょう。
鹿
さん
編集後記
         82P
パラはやっぱり大空を全身で感じられる自由さが魅力的ですよね。
それも大自然に対し、常に畏怖の念を抱き、自らを謙虚にする心があってはじめ
て得られる自由。奥深いです。
「安全はあくまで自分が責任を持ち、空に飛び出したら自分を信じる」ということが
大切なんですね。
斎藤光雄
さん
今月の初心者
登場!     89P
2004年11月号  (vol 157)    
安定感に欠けるフライトをしがちなビギナーは、自分では見ているつもりでも
『見えていない』ことが多いのではないだろうか。俗に『そそっかしい』とか『おっち
ょこちょい』と言われる人は、案外こんな人なのかも知れない。
  誰も言わなかった
パラの視線・目線
を考える
         39P
頭の重さには個人差があるが、重量は約10Kg、体重の約13%と言われている
従って頭を動かすだけでも、十分な体重移動をしていることになる。
頭の重さを意識して頭を傾けきっかけを作り、自然な視線で進行方向を見つめれ
ば、重心のブレが少ないスムーズな旋回が行えるだろう。
  誰も言わなかった
パラの視線・目線
を考える
         41P
見えている人には、見えていない人の気持ちは分からない。少々哲学的になって
しまうが、自分では見えているつもりでも『見えていない』ことは実に多いのだ。
そして、そこにインストラクターの価値がある。
インストラクターは、見えていない人の目を持っていなければならない。
「何を見ているんだ!」と結果論で怒鳴る前に、いつ、どんな時に、どんな情報を
得るべきか、そこからどんなことが予測できるか、具体的なアドバイスをする必要
がある。インストラクターをベテランパイロットや先輩に置き換えても、同じことが
言えるだろう。同じ景色が広がっていても、そこから得られる情報はパイロットの
経験や考え方で様々。その情報量の差をなくすことが、パラグライダーの安全性
を向上させることであり、楽しさを広げることでもある。

アウトドアに限らず、サングラスは一般的なアイテムだ。しかし、本気で相手に何
かを伝えようとするならば、サングラスは外すべきだろう。
特にインストラクターなど指導的な立場にある人は、一対一で会話する時、生徒
さんの前で説明する時には、サングラスは額の上が定位置。目は口程に物を言
う・・・のである。

たまに『一緒に飛びたくない』と思わせるパイロットもいる。それはどんなタイプの
パイロットなのか?自己中心的、ふらふらして不安定、安全マージンが低い・・・、
いろいろなタイプがあるかも知れない。空は広いようでも案外と狭いもの。
協調性を守って、相手に優しくフライトしたいものだ。

  誰も言わなかった
パラの視線・目線
を考える
         42P
人の性格はその飛び方と似ているものだね、長年、フライトしてきて、多くの人の
飛びを見てきてそう断言できるね。同じ飛び方を教えても、飛び方は結局その人
の性格に似たものになっている!
パトリック
ベロー
Hello!
japanese Flyers!
あのスター選手の
この素顔   51P
いろいろな『魂』が空の煙やサーマル、浮雲に乗っかって漂い、フライト中のわれ
われに遭遇するかもしれません。地上の動かない石や木、たとえ人が作ったモノ
にでも魂や霊が宿っているかもしれません。今、生臭く生きている僕達はすべて
のモノや生き物を大切に、そして見守ってくれているご先祖様や先人達に感謝の
気持ちを忘れてはいけませんね。
佐川大輔
さん
Que sera sera
モノと魂
         49P
本来、人はメタモルフォーゼ(変態・というより変身?)願望があり、現在の自分
とは違う姿や、こう在りたいと願う姿へと昇華するきっかけを求めているものです
パラグライダーで飛べるようになった貴方は既にホモ・サピエンス「知恵のある人」
から一皮むけてホモ・ウォラント「飛ぶ人」へと変態しちゃっているのです。そして
パラのある暮らしを営んでいく中で、日常からのエスケープ先として選んだ大空が
徐々に「日常」と化し、次なるメタモルフォーゼが必要になってしまったのですね。
それを競技やクロカン、アクロに求める人もいるでしょう。それぞれが「ただ空を
飛ぶ」という状態から脱皮してメタモルフォーゼを求める人類の欲望の発露なの
です。
加賀山務
さん
Q&A
         89P
2004年12月号  (vol 158)    
選手はそれぞれ真剣なだけに主張もしっかりと芯がある。ただ、マニアックな
部分が否めなく、ばらばらな自己信念が色んな局面から話されているようにも
見受けられた。改革の時、将来のスカイスポーツのために、しっかりと一貫した
主義を構えるべき時に来ているのではないかと思う
  残念、2004年度
日本選手権
成立ならず!
緊急ミーティング
開かれる!
今が改革の時。
将来のスカイ
スポーツのために
何ができる?  9P
ハーネスのデザインは大部分が手作業の仕事だよ。以前、運動整体学を学んだ
ことがあるけど、人間工学的な快適さと安全性を念頭に入れて、後は陶芸家が
粘土で形を作るように、彫刻家が作品を彫り上げるように、経験と指先でハーネ
スを作り上げるんだよ。

「パッシブ・セーフティ」を持たずに飛ぶには、安全に対して非常に慎重でなけれ
ばならない。風を正確に読み、荒れたコンディションではフライトをせず、正しい
飛行操作でテイクオフもランディングも正確に行う。そのためには、的確な判断、
機体や装備の確実な点検、風や自分のテクニックに対する謙虚さが不可欠だ。
つまり「アクティブ・セーフティ」が要求される。
ヨーロッパの山岳地方には、登山やハイキングを楽しみながらパラを楽しむパイ
ロットも多い。ある意味でFiy Light はナチュラルなパラの姿かもしれない・・・。
もちろん、それなりの経験とテクニックは必要だけどね。

このスポーツが発展するにはスクールの果たす役割が大きい。現在のスクール
のあり方には疑問があるね。スクール関係者は、現在自分たちが置かれている
状況をしっかり考えるべきだね。
フランスの場合だけど、レッスンは興味に欠けて楽しくないし、なにより若者たち
を惹き付けるだけの魅力がない。あれでは、彼らは他のスポーツに流れて行くよ
カリキュラムももう一度考え直した方がいい。5日間コースは長すぎるね。
現実的じゃない。この時代に、5日間コースに参加出来る人なんか少ないと思う
ね。2日間で消化するべきだ。そして一旦参加した生徒たちが、離れて行かない
ように努力すればいい。一泊二日で飛びに来れば、彼らは自然に上達するよ。
それから生徒を飽きさせない魅力のある講習を考えるべきだ。もっと柔軟な考え
方が必要だね。1時間も風待ちさせたりするなんて論外だよ。
スクールは僕ら業界の一番大切なインフラストラクキャーだ。パイロット人口が
増えなければ業界自体も繁栄できない。スクールの工夫と変革は急務だよ・・・。

スープ
エアー

ピエール
ブイユー
コンセプター物語
弟17回
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答   43P
A社がニューモデルを発表すると、その性能を超えたモデルをB社もC社も発表
する。このエンドレスな開発競争はメーカーの体力を消耗していく。一方でメー
カー全体の技術が引き上げられ、開発レベルが上がり、モデル間の差別化が計
れないという問題も明らかになっていく。
しかし、全体の流れの中でいちメーカーだけが流れに逆らうことは出来ない。
開発競争はトレーニングモデルやベーシックモデルの飛行性能を引き上げ、現実
とのギャップが顕著になってきているのがここ数年の特徴だ。
飛行性能が引き上げられても、いつの時代でもビギナーの技量が変わることは
ありえない。どんな時代でもビギナーはビギナーで、安心してトレーニングするた
めには必ずしも高い飛行性能は必要がないというのに・・・。
ヨーロッパのエリア環境と違い、国内のエリアは決して広いランディングとは言え
ず、高い性能が邪魔になることさえあるのだから。
誰のためのモデルなのかと言った明確な主張が買い手に伝わってこない。
  サヨナラDHV!
DHVの功罪
         45P
レジャーフライトをする時は、ちょっと難しめで、腕を磨けるものを。
今乗っているグライダー、試乗したときにちょっと暴れちゃったんですよ。
そんな怖い目に遭ってどうしてそれを注文したかって? 「こんなに俺を鍛えてく
れる機体があったのか!」という心境だったんですよ。次の日にはオーダーして
ましたね(笑)。
小峰羽良飛
さん
どうやって
グライダーを
選んでいるの?
ちょっと聞かせて
         46P
発売から半年〜1年くらい経った型遅れになるちょっと前くらいになって、やっと
自分も動き出す感じです。その頃には周りの評判も聞こえてきますからそれを
参考にして。
試乗するときは、安定したコンディションよりも、ちょっと風が強かったり、荒れ
気味の時の方が挙動がわかりますよね。
鬼沢勝男
さん
どうやって
グライダーを
選んでいるの?
ちょっと聞かせて
         46P
以前乗っていたある機体は、旋回性やセンタリングの感じは良かったんですけど
荒れたコンデションでは翼が動いて、合わせていると疲れてしまうんです。それで
次は安定性を重視して選んだんですが、今度はおとなし過ぎて曲らない、つまら
ない・・・。なかなか難しいもんです。
大野良樹
さん
どうやって
グライダーを
選んでいるの?
ちょっと聞かせて
         46P
昔ね、どうしても白い機体が欲しくて、でもその頃はあまり白ってなくて、それで
ちょっと背伸びして買ったグライダーがあったんですよ。でも1年も経たずに
ベージュに・・・。圧迫骨折までやっちゃいました。それでも「乗りにくいながらも
カワイイ奴」って、良い(?)思い出になってます。
立川秀明
さん
どうやって
グライダーを
選んでいるの?
ちょっと聞かせて
         46P
従来の分類は、ライセンス別の分類で、画一的で、どこか上昇志向をあおって
いるように感じられた。その結果、馴染めないフライヤーは自然とエリアから遠の
いてしまったのではないだろうか。
基本的にはステップアップのための順番ではなく、飛び方・遊び方などの個々の
スタイルに応じた分類と考えている。自信を持って、あなたが選んだグライダーに
乗って欲しい。それがウィークエンドでも、アクティブでも構わない。休日をぶっ飛
ぶことも、夢中になってソアリングすることも、コンペやクロスカントリーを好記録を
目指すことも、全てがパラグライダーなのだ。
  サヨナラDHV!
パラワールドが
提案する新しい
分類      50P
運動力学が発達した現在は、様々な運動の解析が進み、従来の走法の間違い
が指摘されています。
従来の常識にとらわれることなく、日本人にあった効率の良い、ナンバ走りの
特徴は、左右の手足を同時に出すことで体幹の捩れが起こらないので、無駄な
エネルギーを使わずに、前進速度を有効に生み出すことが可能である点です。
重い荷物を持って山登りをしている時、疲れてくると足と同じ側の手を出して登
っていることがあります。体が自然に効率的な動きを行っている例と言えるでしょう
  誰も言わなかった
シリーズ弟2弾
パラグライダーの
ステップを考える
         53P
どんな技術でも「確実」かつ「安全」にテイクオフできるのであれば、何の問題も
ありません。「上手い」「下手」といった技術論ばかりが先行してしまうと、本来の
飛ぶ楽しみ見失ってしまいます。あくまでも技術論は「酒のつまみ」ですからネ。
  誰も言わなかった
シリーズ弟2弾
パラグライダーの
ステップを考える
         55P
パラグライダーは基本的に単独フライトですが、決して孤独な個人スポーツでは
ありません。同じ空を共有する仲間がいます。空ではわがままは許されません。
中にはパイロット証を取ったんだから何をしても構わない的な発言をする人もいる
でしょう。「ソアリング中他機に山側を譲ったら負けだ!」とか。でも、それで本当
に楽しいのでしょうか? 例えば、誰も飛ばないような悪条件の日に、一人フライ
トできたことは本当に楽しいですか? もし何かあれば、行動を共にしてくれた
仲間、エリアの皆さんに多大な迷惑をかけることになります。パラグライダーパイ
ロットには、自分自身の安全への姿勢、仲間への労わり・・・そういう安全フライト
への意識が、必須条件だと思います。
  実録 練習生の
落とし穴
最終回    82P
体験タンデムで気分悪くなった人の入校の可能性は限りなくゼロに近い状況でし
た。また、長時間のタンデムフライトで満足しちゃった人もあまり「自分で飛びた
い」と思わないようです。ちょっと物足りない位がちょうど良いかも。勧誘のための
空での会話も、長くて15分くらいを目安に。あとは地上で口説き落とすことをお勧め
します。
加賀山務
さん
Q&A
       85P
普通では体験できない目線で景色を見られるのが、パラの一番魅力的なところ。
ビギナーの皆さん、スクールにはまめに通い、顔を覚えてもらうことが上達のポイ
ントですよ。
半澤裕美
さん
今月の
初心者登場!
         90P
手の届かないと思っていたスカイスポーツですが、以外に身近なものだったん
ですね。顔に風を感じつつ、自分でコントロールして大空を飛ぶ、この開放感・
非日常さが好きです。
大槻綾子
さん
今月の
初心者登場!
         90P

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