パラワールドに載っていた名言集2006

パラワールド公認

  

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2006年2月号  (vol 165)          
エンジニアの仕事は、サラリーも社会的地位も保証されているが、人生を楽しむ時間が
ない。それで、もっと面白いことにスイッチしたってわけだよ!

縁起担ぎで行う動作は、集中するための方法なんだ。例えば、ブレークコードはいつも同
じ順序で手に持つ。まるで親指の方向に磁石があるようにね。

以前は、いつも突っ込んでいたので、非常に低い高度で飛んでいた。この戦略は、ときに
は功を奏することもあるが、ほとんどの場合はうまく行かなかった。突っ込み過ぎていた
のさ。

今は50%以上アクセルすることはない。これでは、強いコンディションで速く飛べない・・・
第一は、うまく上昇すること。あまりアクセルを踏み過ぎてはいけない。スピードバーは
遅れたパイロットのためのものだ。そして、何よりも大切なことは、楽しむことだよ。
コンペには、これが何よりも大切なことだね。

マックス
ジャンピエール
あのスター選手の
この素顔!
          10P
初めてサットをやろうとしたとき、『引いて!』という指示のとおりに引いたら、ネガティブ
ターンに入って2回旋回しちゃったの。イントラに『怖くなかったのか?』と聞かれて、
私は『全然。どうして?』って答えてた。そしたらイントラさんは、それ以上私に教えるのが
嫌になっちゃったみたい。怖くなったのね。私はちっとも怖いとは思わなかったのに。
でもこれは単に、私は何が危険なのかを知らなかっただけなのよね。
ちょっとぐらい怖い方が、私にはいいの。『自分でもできる』と思ったら、慎重に、ちょっと
ずつ前進することにしている。
小さな恐怖を克服する度に、達成感を感じるわ。もちろん皆と同じように、あまりに大きな
ステップだったり、これは危険過ぎると思うときは怖くて仕方ないけどね。
福岡聖子
さん
嬉しいじゃないか!
アクロの女王は、
ジャパニーズ
          18P
もちろん『普通の生活』も幸せよね。幸せになりたいけど、ただただ何かを持っているだ
けの人を私はたくさん知っている・・・。今の私は、持っているだけではつまらないと思うの
自分で幸せを見つけようって決めたの。私にはそれが必要で、幸せを分かち合える人々
と出会いたい。それがもっと幸せを呼ぶと信じているから・・・。

人間関係に変化ができたと思うわ。以前は、ヒーロー気取りのバカでいっちゃってる女の
子とだけ思われていた。それが今は、『グッドラック聖子』と言ってくれるもの。

福岡聖子
さん
嬉しいじゃないか!
アクロの女王は、
ジャパニーズ
          19P
サイチャを面白いと感じるかどうかで、その人の腕が分かる。
飽きるのは、飛べてないからです。
長島信一
お気楽
海外ツアー道

教えてシン様
          42P

一般のスキーヤーはほとんどヘルメットを被っていない。かくいう私もその一人だが、
パラスキーになると突然ヘルメット着用なのである。
コンペスキーヤーはヘルメットを着用するが、一般的には定着しない。このギャップは
何処から来るのか? レジャーとスポーツの違いがそうさせるのだろうか?
東田 満
さん
振り向けば『変』?

第7回
パラ専用
ヘルメット?
          74P

コンペ機で飛ぶ方が、認証取得グライダーで飛ぶよりも安全なときがある。しかし、
それはあくまでもパイロットがそれを安全に飛ばす能力があればの話しだ。
問題は、もしそうでないパイロットがコンペ機に乗った場合だ。恐ろしいことに、実際に
問題が自分の身に降りかかるまで、自分がコンペ機を乗ることに何も問題がない錯覚
してしまっていることがある。

そして明らかな欠点は、ひょっとしてそのグライダーが市場に出回るかもしれない危険が
あることだ。実際には、このようなことはめったに起こらない。何故なら、コンペ機を買お
うとするようなパイロットは、たいていよく調べているからだ。そして、安全でないコンペ機
はその悪評があっと言う間に広がるから、誰も買い手がつかないからだ。

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol11
コンペ機は誰が
乗るべきか?  82P
普通なら、私は、彼がコンペ機で飛ぶのに何ら問題はないと言うはずだ。彼は10年以上
の経験を持ち、飛行時間も1000時間を超えているベテランだ。それに彼のコンペ機も
優れたモデルだった。安全性に何ら問題がない。
彼が抱えていた唯一の問題は、過去12ヶ月間のブランクだ。彼はそのとき『現役』では
なかった。彼は『鈍く』なっていた。そして彼はそのことをそれほど気にしていなかったのだ

コンペ機に乗るためには、様々なコンディションの中で、年間200〜300時間は飛んだ
方がよい。もし前シーズンの飛行時間が絶対必要最小時間の100時間にも満たないの
ならば、コンペ機で飛ぶことは考えない方がよい。もし過去2、3週間サーマルコンデショ
ンで飛んでいなかったのなら、そのパイロットは練習不足なのだから、慎重にならなけれ
ばならない。

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol11
コンペ機は誰が
乗るべきか?  83P
なぜデザイナーがグライダーをビッグアーチにするか?それはグライダーのアスペクト比
を大きくすると、翼のリジッド性を維持するために、グライダーを下に大きく湾曲させるこ
とが必要だからだ。しかしそれはせっかくアスペクト比を大きくして得た滑空性能を低下
させ、グライダーを不安定にする原因になると思うんだ。それで、私はグライダーのアス
ペクト比を大きくしながら、滑空性能を維持する方法を選んだ。

クローズドセルを使ったグライダーの優れた点は、潰れに強いことだ。多くの人は、クロ
ーズドセルのグライダーは、潰れた後のインフレーションが遅いと思っているが、それは
まったくの誤解だよ!(内部空気が外に逃げにくいため、翼内部の気圧が保存されやすく、外側からの
圧力にも強い。万一、片翼潰れが起きても、他のセルに空気が保存されるので、潰れた側と反対側のブレーク
コードをカウンター操作すれば、保存された空気が潰れた側に移動して、潰れを解消してくれる)

ブルース
ゴールドスミス
最新グライダーの
技術革新を聞く
          84P
僕はかれこれ15年近く飛んでいますが、未だにテイクオフとランディングは緊張します。
むしろ、経験を積んだからこそ、改めてその危険性が分かってきたと感じています。
サーマルソアリングや潰れの対処には自信があっても、立ち上げる前にはドキドキする
し、高度処理の最中には早く地面に降りたい気持ちになります。
川口竜太
さん
理屈がわかれば
飛びが変わる!

第7回
テイクオフ
&ランディング  87P

2006年4月号  (vol 166)    
取材に来たジャーナリストは、今までうんざりするほどたくさんの新しいスポーツ誕生を
見ていて無感動になっていたが、パラスピードに度肝を抜かれたのだ。
つまりパラスピードはパラをメディアや一般大衆にアピールする突破口になる可能性が
あるということだ(いささか単純化する危険性はあるにしても)
Michel Ferrer パラのX系ゲーム
誕生! 日本で
火がつくのも時間の
問題か?
Just reai
PARA SPEED!
          40P
過去数年間、(パラは)ポピュラーになる代わりに、その環境がより内向的になってきて
いると思う。僕らが自分たちをアピールしたいと思うならば、人々に向かっていかなけれ
ばならない。
フランソワ
ボン
パラのX系ゲーム
誕生! 日本で
火がつくのも時間の
問題か?
Just reai
PARA SPEED!
          40P
作戦を立てる。
これは人それぞれだが、五十嵐さんは3〜5時間以上かけることもあるという。
なるべく空中でやることを地上で済ませておく、というのがポイントのようだ。
五十嵐亮弥
さん
タスクも種類も無限大
これは奥深い!
PPGコンペの世界
          68P
思うにパラのアクロなど、危ないこと、高等なことのできる人を『上手い』と言うのではなく
与えられたタスクをどれだけ正確にこなすことができるか?安全マージンをどれだけとっ
ているか?(未然に防ぐ能力も含めて)ということで、PPGが『上手い』ということになるの
ではないかと思います。
五十嵐亮弥
さん
タスクも種類も無限大
これは奥深い!
PPGコンペの世界
          69P
以前本田の研究所に勤務している友人と、「サーマルの見えるサングラスがあったらいい
ね〜」と冗談交じりに話したことがあった。すると彼は「できますよ。開発費さえあればね」
と言う。確かにサーマルは空気対流の上昇成分だから、ホンダの技術力があれば、
赤外線センサーなどで他の部分との温度差を感知して、何らかの表示をすれば、視認は
可能なのかも知れない。

サーマルの見えるサングラス。
 I T 長者と言われる人がパラグライダーにのめり込んで、気まぐれで開発してくれること
を望みたいものである。

東田 満
さん
振り向けば『変』?

第8回
実用サングラス
          74P

友達が通っていたエリアには、有名な迷彩軍団が来ていたそうで。
ランディングでは誰よりも目立っていたけれど、そもそも迷彩柄とは目立たないための柄
ツリーランしても誰も気づかず、ほぼ一日放置されたという噂でした。
ヨーデル
さん
実録
「やっちまっただ。」
          80P
「気象」の根底にあるのは、「今現在の気象とランディングコンディションで、私は本当に
テイクオフしてもよいのだろうか?」の自問です。
この「重要な自問」は、プレフライトチェックに(または、トイレに行ったり、タバコを吸ったり
会話したりするメンタルコンデションの調整ができる段階に)組み込んでおきましょう。
多くのパイロットはこの決定を下すのに比較的長い時間をかけます。その他はほとんど
のスタートチェックは、20〜30秒もあれば充分でしょう。
KLAUSU
IRUSCIK
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶため
の基礎講座

チェックは完璧?
安全のための30秒
          83P

2006年6月号  (vol 167)    
安全で使いやすいものにするために、滑空性能のレベルは最後に決定する。
もっと具体的に言えば、アクセス性では該当カテゴリーの中間(限界ぎりぎりだはなくて)、
滑空性能ではカテゴリーのトップを目指している。

僕たちコンセプターが望むグライダーはここではデザインできないんだ!
全ては消費者が決めるってことだね。僕らはスクールや一般パイロットから寄せられる
あらゆる情報を注意深く聞いてから、新しいグライダーに何が必要なのかを決めるんだ。

ミカエル
ハートマン&
マヌエル
クローチ
コンセプター物語
第20回
スイング
          50P
プロジェクトも半年が過ぎると、僕らはブレークコードを引く抵抗に慣れ過ぎ、ライズアップ
のときに何気なくやっている小さなトリック・テクニックがあまりに自然に行えるようになっ
ていることがあるからね。外部のパイロットに乗ってもらうことが重要なんだよ。

僕らの有利な点は、相互補足と意見交換のダイナミズムだね。勤務時間も会社も家も
関係ない。24時間仕事のことを考えている。パラのデザインは僕たちの人生であり、
情熱なんだ!

ミカエル
ハートマン&
マヌエル
クローチ
コンセプター物語
第20回
スイング
          51P
クルマや電気製品に比べてパラモーターの歴史を技術的側面から見るとなんと
進歩の少ないものかと思う。その原の一つがあくまでも一部の愛好者向けの道具である
こと。日本の自動車メーカーあたりが本気でパラモーターを開発してくれたらどんなにす
ごい製品が出来るかといつも思う。でも下手に一般化すると、形式だけの安全規格や
無茶なライセンス制度のせいで窮屈な世界になるかもしれない。
未来のパラモーターについて考えると『一般化』が一番重要なキーワードだと思う。
佐川大輔
さん
パラモーター
誕生秘話
          59P
世界チャンピオンと凡人の差を思い知りましたよ。トップを目指すには才能が必要
なんだな、と。『身の丈を知る』というのは大切なことですよ。

パイロン取った帰り道、雨が降ってきちゃってね。そうなってから気づくんだけど、
彼らはランディングのことはまったく考えていないんだよね。テイクオフしたところまで、
飛んで戻るしかない。
ロビー・ウィットルはそうやって若い頃から鍛えられていたんですね。
あれは”血,,だろうね。親父さんはハングの名手だったから。逆に言うと、一代であそこ
まで行くのは無理ですよ。

長島真一
お気楽
海外ツアー道
第7回
アルプスだけが
ヨーロッパじゃない
イギリスだって
結構飛べるんですよ〜
             
77P
空を飛ぶという非日常なスポーツを楽しむ私たちは、「恐怖」を常に感じている、
または感じなくてはいけない。
この感情を上手くコントロールすることが、パフォーマンスの向上、そして安全フライト
につながるのだ。
KLAUSU
IRUSCIK
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶため
の基礎講座

スカイスポーツの
怖さ        84P

テイクオフする度に、「歩行生活者のリアクション」から「飛行モードのリアクション」に
頭を切り替えることが大切だ。地上にいるときは、パイロットは助走したりバランスを
とったりするために「歩行生活者のリアクション」が必要となる。テイクオフの最中、
パイロットは「飛行モードのリアクション」にスイッチする必要がある。
パイロットがテイクオフしようとするときに度々見かける問題点は、パイロットが地上
モードから脱しきれないために、もたもたしてグライダーを滑空状態にすることに遅れる
ことだ。同様なことがハンググライダーにも起きる。
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol13
The Killer Instinct
          87P
危険な本能動作とは、飛行術あるいは航空力学から見て致命的となる人間の本能的
動作(あるいは無意識動作)を意味する。パイロット自身に潜む危険要因のことだ。
この危険な本能動作は、誕生以来長い間地上で歩行生活してきた人間の自己防衛の
ための自然な無意識反応だが、航空力学的観点からは、翼が持つ正常飛行状態に
戻ろうとする本来の回復力を殺し、バランスをさらに崩して翼が回復不能のカスケードを
引き起こす原因ともなる。
キラー・インスティンクトは一種のパニック動作と言える。逆に、絶体絶命の危機的状況
においても冷静に適切な行動を取れるパイロットをコールド・ブラッド、フランス語では
サンフォワと呼ぶ。アクロのロドリゲス兄弟やマイク・クングはコールド・ブラッドの典型
と言える。
  ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol13
The Killer Instinct

訳者注         
          87P

フォローではなく向かい風で飛べるパラを人生に重ねて考えると、苦難に直面したとき、
苦しくてもパラのように向かい風を受けてこそ飛び立てるかもしれない!って思えます。
二度と同じ時がないのと同じように、空や風も同じものはないと思うと、一瞬一瞬、
一本一本がとても大事です。
中村衣里
さん
全国パラグライダー
スクールデータバンク
Beginner`s Message
            
111P
家が建つと垣根ができ、家が集まると集落ができ、町になり都市になり県になって国に
なる。そこには県境や国境が存在します。考え方や目指すところが異なりますから、
互いの意見の食い違いから様々な問題が生まれます。私たちの世界にもフライヤーや
スクール、クラブ、メーカー、各種の団体が存在します。それぞれ目指すところが微妙に
異なっているのはある意味当然ですが、空に抱く思いは同じはずです。それは「どうして
空に憧れを抱くのか?」という質問に対する答えでもあります。一時、個別の事情は置い
といて、みんなが同じ空を見て遊び、笑い、楽しむ。そんな時間を共有することで、
新しい風が吹いて、大きな力になると信じています。「自分たちの乗る船の行き先は、
自分たちで決める。」そうありたいものです。
(こ)
さん
編集後記
        114P
2006年8月号  (vol 168)    
アスペクト比を大きくすることによって得られた滑空性能の増加分は確実に他の要因で
失われるよ。ただそれが100%失うのかあるいは90%に抑えられるか、そこが問題な
んだよ
エアウェイブ
ブルース
ゴールドスミス
2006年のコンペ機
の最新技術を追う!
          39P
アーチ曲線を強調すれば滑空性能が低下し翼の抗力も増加する。僕はサスペンション
ラインの有害抗力と翼それ自体の抗力の間での最良の妥協点と思われるものを計算
したよ。
Axispara
フランティセク
パヴロウセク
2006年のコンペ機
の最新技術を追う!
          40P
僕らはもうサスペクト比を大きくしない。クラバットの危険があると思ったからね。
この点で、アスペクト比を非常に大きくしている何人かの競合デザイナーたちは正しい
方向に向かっていないと思うね。DHV2−3グライダーも含めてね。
UP
トルステン
シーゲル
2006年のコンペ機
の最新技術を追う!
          41P
飛びながら吐いてるし、木に引っ掛けてるし、悔し泣きまでしておいて、
なんで『楽しかった』ってまとめになるの? と思う方も多いだろう。全くもって、ごもっとも。
私も実際に出てみるまでは、何が楽しいのか、さっぱり分からなかった。むしろ、パラグラ
イダーは人と競うことなく、のんびり飛んでいるのが最高! と思っていた。けれど、
この2日間で感じた充実感は、これまでののんびりフライトでは決して味わうことが出来な
いものだった。
そして、私が感じたコンペの最大の魅力は、人との出会いだ。参加してみるまでは、
コンペは人と競うもので参加選手は皆ライバル、というイメージを持っていたのだが、
実際はちょっと違っていた。参加選手は皆、同じ目標を持つ同志、とでも言うのだろうか
そんな心理状態だからか、気持ちの距離が、一気に縮まる。これはある種の快感だった。
佐藤友紀
さん
撃沈取材
いきなりコンペに
出ちゃったら・・・
          55P
パラグライダーは数値化できる部分もあるけど、キャノピーの縫製や変形など、まだまだ
数値化できない部分が多くある。それを体と頭にたたき込んで、次の開発にフィードバ
ックする。このサイクルを続けることで高品質な製品をユーザーに届けられるし、僕らは
今までそうやってきたのさ。
トニー
ベンダー
劣化した
グライダーは
どうなる?こうなる!
          57P
あちこちのエリアにお邪魔する中で「ハーネス、買い換えればもっとパラが楽しくなるの
に・・・」と思うこともあります。どんなに良いキャノピーを持っていても、それを引き出すの
は、実力とハーネスですからね(笑)

私たちの中に「硬い物は壊れない」という盲信があると思います。以前の探検隊で、
スープエアの「コネクト」というダイニーマ製の接続器具を取り上げました。カラビナと同じ
用途ですが「柔らかい物は切れる」と思うから、やたら怖かった(笑)

ハーネスメーカーがあって、キャノピーを作るメーカーがある。それぞれのウエビングの
幅も結構まちまち。それを繋げるのはカラビナだけど、メーカー間の情報交換はあまり
行われているとは思えません。何よりその組み合わせが、計り知れない。それぞれの
製品は完璧でも、組み合わせて使用すると新たな問題も生じることもある。だから、
一律に「これが良い」という時代はもう終わっていると思います。

小貝哲夫
隊長
突撃!
パラグライダー
探検隊
探検隊員の井戸端
会議       69P
上昇中、アンジェロは酸素ボンベや呼吸補助器を一切使わなかった。その代わり、
イタリア空軍の航空宇宙医療センターで長期間かけて習得したヨガ呼吸法プラナヤマを
使った。「このプラマナヤ呼吸法によって、おれは横隔膜を使って新陳代謝の時間を長く
して酸欠状態を克服した。初めてスポーツが科学に役立った気がする」と喜んだ。

虚空の恐怖、飛行テクニックの意識、滑翔の静けさ、向上、自然力、そして極限の瞬間
に感じるバイブレーションが好きだね。飛ぶことは3次元のビジョンを持つことだ。地上
では2次元で物を見ることに慣れている。視点を変えるとパラダイムも変わる。上空から
下を見下ろしたとき地上のものが別の印象を持って目に入ってくる。例えば、ただの山頂
ではなく世界にたった一つしかないこの山頂と言った具合に・・・。そして高みにいると感
動のシンフォニーが聞こえるようだ。

レオナルド・ダビンチがデッサンした翼で実際に空を飛ぼうと言うダビンチ・プロジェクトに
も着手していた。アンジェロはダビンチが翼を考案しながら実現できなかったのは、最適
な材料がなかったからで、現代の先端技術で可能になる超軽量で耐久性の優れた素材
を使えば、ダビンチの翼は実現できるとアンジェロは考えていた。
最後にアンジェロが好んだレオナルド・ダビンチの言葉で結びたい
人間が一度、空を飛ぶことをおぼえたら、目は空を見上げたまま地上を歩くことになるだ
ろう。なぜなら人間はかつてはそこに住んでいて、いつかそこに戻りたいからだ。

  追悼
アンジェロ・ダリーゴ
アコンカグアの
コンドルになる 71P
自分の体がじかに空中に浮いている感じは他のものでも味わえるが、それが地面と平行
に地上近くをいつまでも進んで飛んで行くなんてことは他のスポーツでは絶対にないから
ね。この感覚は宇宙飛行士が背中にロケットをつけて宇宙遊泳する感じだ。
Ramon
Morillas
俺はもっと
パラモーターの
魅力を伝えた〜い
第1回      73P
空気の衝撃を感じた!?
何だか、空気の壁に向かって突っ込む感じがしたんだ。ドームの外から中に入って行く
ときにね、衝撃があったんです。粘りのある空気に入ったって分かった。
ミヨ〜ンって音がしたもん。
長島真一
お気楽
海外ツアー道
第8回
恐るべし!マウイ島
         116P
僕が考えるパラグライダーの魅力は、景色を満喫できること、鳥になった気分になれるこ
と、そして何と言っても会社の上司よりも高い所から見おろしている気分になれること!
西田 聡
さん
つなげ!
フライヤーの輪
2巡目
2006年10月号  (vol 169)    
我々がレースリズムの変化について行けなくなったのは2、3年前からだ。見ていると、
どんなレースでも、どんなコンディションでも、選手は必ずゴールする。つまり原因は他にあ
るのさ。選手のコミットメントとかやる気とか士気の高さと言った精神的なものだね。
つまるところ、1番とビリから2番目まで選手の差は僅かだ。フランスチームの選手はうまく
飛んでいる。ただ自分の実力を常に100%を出し切らせてくれる『体内時計』を持っていな
いのさ。レベルに関わらずトップパイロットとやる気のある選手を国内選手権大会で競わせ
るつもりだ。より精神的な強さを持った選手を発掘するためにね。
イブ・グースラン ヨーロッパの夏は
まだ終わっていない
熱き戦いに燃える
コンペティター
達の夏   18、20P
主要な進化はパイロットのメンタリティから来ていると思うね。つまり、コンペティターたちの
ニーズとか考え方に左右されるということだよ。僕らはずっと以前からアスペクト比を大きく
する能力を持っていたし、開発するアイデアもあった。ただそれをやりたくなかったし、敢え
てそれを適用しようともしなかっただけだよ。
数年前は、例えば現在のグラディエンドのグライダーやブーメラン4のようなグライダーを
想像することは困難だった。しかし現在のパイロットは、スタビリティより高性能機が欲しいと
言ってくる・・・。
このような状況がデザイナーの開発空間を自由にしてくれたのさ。開発の一端を担っている
私個人はこの進化に完全に平静でいるわけではないが、僕らのやっていることは受け入れ
られるものだと思っている。まだ自分たちの限界にまで行っていないからね。
オンドレ
デュバル
コンペティター必読
2006年のコンペ機
の最新技術を追う!
          32P
まさか、僕がモーターで飛ぶなんて想像もしなかったよ。それまで、一度もやってみたいと
思ったことすらなかったからね。

僕はじっとしていられない性分でね。とりあえずモーターの可能性を最大限まで追求してみ
ようと思ったんだ。そしたら、ハマった(笑)

通常のグライダーとモーター用ではどんな違いがある?
僕は、販売戦略上の違いに過ぎないと考えているよ。何故なら、すべての翼はグライダーに
なるべくして作られているのだからね。
モデルによっては他のモデルよりも高速で飛行するように作られていることは事実だが、
パフォーマンスやテイクオフや旋回ではそれほどすぐれてはいない。外装的に再デザイン
しただけの翼を使っているブランドも幾つかある。フリーフライト用として試験を受けた後、
トリマーを追加し、カラーリングを変えただけでモーター専用の新しいグライダーだと言って
いるものもある。モーター用の試験も受けずにね。それが、現実であり、そのことで問題が
あるとは思えないんだ。僕は、無理してフリーフライト用とモーター用の別々のグライダーを
持つ必要はないと思う。重要なことはモーターでフライとした時にうまく飛んでくれればいいの
だからね。

カリ
アイゼンヒュット
パラとパラモーター
の2人のチャンプが
語った!
「食わず嫌いは損だ
素晴らしいぞ!
モーターで拡がる
世界。   36、37P
2年に一度開催される世界戦の出場選手の顔ぶれは変化に乏しく、愛好者たちも初飛行の
感動が冷めた頃から、飛びに対する意識までもがマンネリ化してしまっている傾向が見え隠
れする。気の緩みは事故を招く。この10年、日本のパラモーター界については、機材の進化
はあっても、何の進展もなく変わらず叫ばれているのはモラルの問題だけだ。
Emi Morota 目指せ!
`07中国世界選手権
            
 44P
DHVは、エキスパート見解と呼ばれるテストパイロットの意見が何より優先される制度となっ
ている。テストパイロットの意見が絶対権限を持つ(これは真の規格とは呼べない。単なる評
価に過ぎないと言う意見もある)。うがった見方をすれば、テストパイロットは試験したグライ
ダーの中に隠れている欠陥を見つけたいと思えばそれもできてしまうということになる。
原理的には素晴らしいシステムだが、個人の判断にまかせるこのシステムは問題が多々
あるとCENは指摘している。
さらに、問題なのは、ドイツ国内でフライとするにはDHV連盟の保険が義務となっている。
そしてこの保険はDHV認証のグライダーでなければ有効ではないのだ。そもそもこの事実
が、ドイツ以外の国の非難の的になっているのだ。このような制度は、DHVに関係深いメー
カーが市場を独占するために有利な保護貿易ではないかと長年言われ続けてきた。
悪影響も少なからずある。
Michel
Ferrer
CEN VS DHV
どちらに軍配が
上がるのか?
欧州統一規格をめぐ
る終わりなき戦い
          47P
事故を起こしたドライバーは、情緒不安定、自己中心的、衝動的などの特徴があり、その
結果を、第三者に転嫁する傾向があるそうです。

パラグライダーに当てはめてみると、冒頭の「あの人は危ない」、そんな人に限って、何故か
いつもギリギリでセーフ。ということで、小さなアクシデントはあるものの結果オーライの場合
が多い。

M・Matsuoka 心理学的に
アプローチ!
事故を起こす人
起こさない人
STEP1
「危ない性格」って?
          54P
藁って済まされそうな小さなアクシデントも、復帰まで何ヶ月も必要なアクシデントも、同じ
アクシデントです。ただ、その結果が違うだけで、アクシデントを起こす失敗のメカニズムは
同じなのです。以前本誌でも紹介したことがありますが、航空機の世界では「人は失敗する」
ことを理解し、その原因を解明し、どうしたら防止できるかを考えていく取り組みが積極的に
行われています。

慌てて目的のポイントに到達したものの、上手にサーマルに乗れずにひとり取り残されてし
まうとします。この場合、どの局面でミスがあったのか、それを考えることで、次回は成功す
る可能性が高まります。結果としての「サーマルに乗れなかった」ことだけに着目すると、
ミスの本質は見えてきません。特にパラグライダーは経験のスポーツですから、こんな積み
重ねが、よりよく飛ぶためには重用なのです。

M・Matsuoka 心理学的に
アプローチ!
事故を起こす人
起こさない人
STEP2
ミスのメカニズム
          55P
交通事故や航空機事故の場合は、原因が究明され、再発防止の取り組みが積極的に行わ
れます。しかし、パラグライダーの場合はアクシデントに対する調査は不完全ですし、
ましてや、事故の全容を知る術もありません。じこの原因を想像することは容易ですが、
あくまでも推測の域を出ることはありません。
事故を起こした人を「特別な人」扱いして、後から、ネガティブな要素を探し出せば、いくつで
も見つけ出すことはできるでしょうが、人間の特性や性格は複雑で簡単に善し悪しを判断で
きるほど単純ではありません。

私たちの情報処理能力は非常に良くできており、必要な情報だけを選択する(してしまう)
優れた能力を持っているのです。
闇夜に懐中電灯で一点を照らすと、目的の場所は明るく照らされよく見えますが、その周辺
は全く見えなくなってしまいます。逆に、懐中電灯の光源を拡散させて広域を照らすと、
全体が見えるようになりますが、細かい場所は良く見えなくなってしまいます。この2つの特
徴を巧みに使い分けて、情報を収集すれば、広い視野と詳細な情報を手に入れることが
できます。

同じ情報を受け取っても下される判断は千差万別
経験や事実を重んじる思考(現実的)なのか、「こうあればいい」「そうあって欲しい」という
希望的な観測が含まれる(空想的)のかで、結果や行動が変わっていきます。それが個性
でもあり、性格でもあるのです。
石橋を叩いて渡るのか、信用してそのまま渡るのか、はたまた壊れるまで叩き続けるのか。
判断のプロセスは千差万別、同じ材料を使って調理しても、全く違った料理ができるのにど
こか似ています。

M・Matsuoka 心理学的に
アプローチ!
事故を起こす人
起こさない人
STEP3
誰にでもミスは起こる
          56P
本番のテイクオフは、飛ぶためのテイクオフで、テイクオフの練習とは状況が違います。
そこがポイントです。
本番のテイクオフでスタ沈してしまうと、周囲の視線や焦りなど違う要素が加わります。
そんな時に、一連の流れの中で体が覚えたスキーマは脱線してしまう事があります。
こんな時に、ボケやドジが顔を出すのです。

フライト中、緊張し過ぎると疲れてしまい、その状態を長く続けることはできません。
リラックスしながら、状況に応じて緊張度を高める。受動的な精神状態と能動的な精神状態
を使い分けて、必要な時に最高のパフォーマンスを発揮できるようになれば、安全フライト
は、より確かなものになるに違いありません。

M・Matsuoka 心理学的に
アプローチ!
事故を起こす人
起こさない人
STEP4
知っているのと
知らないのでは大違い
          57P
近頃は、うるさいオヤジやお節介やきのおばさんは減少傾向、見てみぬ振りが社会に蔓延
しています。残念ながらエリアも同様の傾向にあり、厳しく管理されているエリアは敬遠され
厳しいアドバイスをするインストラクターは煙たあがれる傾向にあるようです。しかし、どんな
アクシデントでも、ひとつの事故はいち個人だけの問題ではありません。エリアやスクール
全体、パラグライダー界の問題でもあります。お互いに小さなミスでも見逃さず、見て見ぬ
振りはしない。包み隠さずに報告をし、間違いを正す正義を尊重し、的確に柔軟に情報を
伝え、お互いが正しい知識や技術を学習する。しかし、「叱る」「怒鳴る」のではなく、理性的
に。注意の仕方にも、優しさが必要です。恫喝は「焦り」「慌て」「萎縮」を生み、焦れば動作
は不正確になり、新しいアクシデントをうむかもしれません。
M・Matsuoka 心理学的に
アプローチ!
事故を起こす人
起こさない人
STEP5
安全文化を育てる
          57P
あくまで個人的な感想ですけど、ギリシャは「頂点を過ぎた国」なんじゃないかと思いました。
人の気持ちが豊かで、逆に言えば老成しているというか。木がなくなると、国は終わるんで
すかね。森が豊かな国は発展する余地があると思うんですよね。
長島真一
お気楽
海外ツアー道
第9回
ギリシャフライト入門
             77P
フライト訓練をする場合、反復訓練によって習熟し、正確かつ迅速に行動できるようになりま
すが、技術習熟の反面、「慣れ」により基本的な行動を省略してしまうという面も見られるよ
うになります。これは、潜在的な事故のリスクを高めることになり、反復訓練をすることで、
かえって危険な状態を生み出すことに繋がることもあるので注意が必要です。
大塚一芳
FLM福部会長
特別寄稿
緊急警告!この夏、
パラモーター
事故多発
「慣れ」ほど怖いもの
はない!     92P
2006年12月号  (vol 170)    
アクロの魅力とは?
コンディションが急変してヤバくなったとき、一般的なパイロットより早く安全に(?)降りられる
こと。
これまでのフライト人生で一番苦しかったことは?
大会のプレッシャーで「飛ばなくてはならない」という意識で飛んでいるときですね。
今年は特に大会が多かったので、結構、「なんでこんなプレッシャーを抱えてとばなきゃなら
ないんだーって!」自問自答しているパイロットが多かったみたいです
苦手な男性パイロットのタイプは?
「あぶないだろー!」とか「どこ見てんだよ!」とか空中でよく吠えているパイロットかな。
あと銃を使って脅しサーマルを独占する男(本当にいるそうです!)
パラを楽しむためのアドバイスをお願いします
何か目標を持って飛ぶと毎回のフライトが楽しくなり、充実したパラグライダーライフが味わ
えるはず!
女性だったら、結構負けず嫌いな人が多いので大会に出てみるのもお勧めです。
大会はいろんなことを教えてくれたり、全国、各国にたくさんの友達ができますよ。
福岡聖子
さん
特集
パラと彼女たち
          41P
飛んでいない時の意識で、変わったことはありますか?
自分は日本人であるということを強く意識するようになったこと、そして日本という国を誇りに
思うようになりました。私は平均的日本人からすればかなり変わったにんげんかもしれませ
んが、外国人の中にいると、日本だと当然と思われる行為・言動がふとしたときに彼らの目
にとまり、「ジャパニーズ!」と指摘されるのです。そんな時、自分は完璧に日本人であると
自覚し、日本人の代表として恥ずかしくない行動をとらなくてはと思いますね。この国の代表
として世界で勝ちたいと思うようになりました。
これまでで一番苦しかったことは?
苦しかったこととはちょっと違いますが、私が働いて稼いだお金の大半はチケット代と遠征
先での滞在費に費やします。そして迎えたオーストラリアのワールドカップ。ところが、大会
中は来る日も来る日も雨、雨、あめ。私が苦労して稼いだお金が、雨の中に消えていきます
今まで自分がしてきたことがなんだかとっても無意味なことのように思えて、すごく悲しくなり
ました。今まで闇雲にワールドカップに参加してきたけれど、これからのこと、少し考えさせ
られる大会でした。
自分が女子で得したなぁと思うのはどんなとき?
女子で一番を取るつもりなら、必ずしもタスクで上位に入る必要がないこと。
男子の場合は誰よりも早くゴールする必要があるから、リスクを負って突っ込まなくちゃいけ
ないシーンが出てきますが、女子の場合、周りにライバルがいなければ、突っ込んでいく
男子を見物しながら一番良いコースを選ぶことができます。プレッシャーもすごく少ない。
パラを楽しむためのアドバイスをお願いします
自分あったフライとスタイルを見つけましょう。競技が好きな人もいれば、一人でクロスカン
トリーするのが好きな人、アクロが好きな人や夕方の穏かなフライトが好きな人と、人それ
ぞれ千差万別だと思います。それでいいと思います。自分の好きなことをするのが、楽しい
と思えることに繋がります。周りに釣られて無理しないで、自分がしたいと思うフライトをする
のがいちばんですよね。
平木啓子
さん
特集
パラと彼女たち
          42P
ゲートオープンをまつ選手は皆、真剣そのもの。そんな中でも、特に高い集中力を維持しているのが伝わ
ってくる選手が何人かいて、終わってみるとそれらの選手が好成績を残していることが多い。
増子さんも、そういった選手の中の一人

周りは皆自分より上手い人たちだと分かっていても、人にできて自分にできないのが悔しい
負けず嫌いなんですよね。そうやってどんどんのめりこんで行った。ダメならダメで、強い人
と何が違うんだろうと考えるんです。未だに毎回反省ばかりなんですけどね。

飛んでても飛ぶ前でも、何だか気が乗らないときは、誰に何と言われてもムリしないことかな
実は去年の後半から今年のGWまで、何だか楽しくなかったんです。特に理由があったわけ
じゃないのに、何となーく落ちていった感じ。あの時、人に言われるままムリして飛んでいたら
本当に飛ぶのをやめていたかもしれない

海外に出ている人をスゴイと思うけれど、自分の生活や状況を考えるとそれはできない。
だから一緒に飛べる時はついて飛んで勉強したいし、そういう人がいない場では他の人に
は負けたくない。それに、女子の方が表彰台に上がれる確立が高い、つまり頑張れば報わ
れることが多い。男の人はヘタすると100分の3くらいの確立になっちゃうけど、女子だった
ら20分の3くらいだし。って、こんな考えだからダメなのかな。私にとってコンペとは、反省す
る場所であり、自分が分かるところ。参加し続けることで少しずつでも成長していけたらいい
なあ。

増子友美
さん
特集
パラと彼女たち
STYLE.2
国内コンペで活躍
する彼女たちから
学ぶモチベーション
維持の秘訣! 43P
一言で言うと『グズグズしている』。すごく心配性なので、アレは大丈夫かなぁコレは大丈夫
かなぁ、テイクオフも下手だから心配だなぁ、とか色々考えてグズグズしているうちに出遅れ
るというか。逆に、それを直したときはうまくいくんですけどね。

もしコンペに出たいかなと思っているなら是非参加してみてほしいです。同じような条件で飛
ぶから、人との差がはっきり見える。自分の技量が分かるというのが上達の第一歩ですか
らね。気をつけて精進しましょう。
それに上手下手は、そこまで気にしなくても大丈夫。アドバイスするとしたら、自分のことは
自分でやるという気持ちを持つこと。実際は色々と助け合いの場面も出てくるので、この気
持ちがあれば、助けてもらったときに余計嬉しく感じられます。

河村葉子
さん
特集
パラと彼女たち
STYLE.2
国内コンペで活躍
する彼女たちから
学ぶモチベーション
維持の秘訣! 43P
恵美・由美子
私たちはXS.同じグライダーでもXSだと安全性が違ってきちゃったりするから、Sってやっ
ぱりうらやましいなぁ
祥美
でも、XSサイズってうらやましいよ。何かカワイイじゃない、服のサイズが11号じゃなくて
7号みたいな。
森 由美子
大山恵美
金田祥美
さん
特集
パラと彼女たち
STYLE.4
「パラと私たち」を
テーマに言いたい
放題!     46P
祥美
ありがたい反面、やたらと教えたがるおじさんっていない?
きっと「見たことないお姉ちゃんがいるなあ。このエリアの飛び方を教えてあげないと!」
と親切で言ってくれてるんだと思うんだけど、色々語る割に、そのおじさんが使っているのが
スクール機だったりとか。
恵美
そこのエリアでは、イントラさんはそういうのを見て何も言わないの?
祥美
うーん。おじさんの方が年上だと、イントラさんも言いにくいのかもしれない・・・。
由美子
ウチのエリアだと、他のパイロットさんたちは基本的に「イントラに聞いてね」って言うの。
忙しそうにしてて聞きにくいから、パイロットさんに聞いているのにね。
祥美
そういう方が良いのかも。色んなこと言われすぎちゃってよく分からなくなるときもあるし。
森 由美子
大山恵美
金田祥美
さん
特集
パラと彼女たち
STYLE.4
「パラと私たち」を
テーマに言いたい
放題!     46P
セミナーに参加したパイロットは誰も、DHVパイロットの能力やプロ精神や現存する試験の
有効性を避難するようなことは言わない。ただ全員がDHVの「やり方」を疑問視していた。
非常に否定的な意見で返された不合格グライダーを、少し後でまったく変更せずに再申請
したら合格したんだ。賛辞までついてね。はっきりしていることは試験料金を2度払わなけれ
ばならなかったことだ。本当にそんなことがあっていいのだろうか?
  CENvsDHV
          53P
すべての大手メーカーは、認証テストパイロットと同じような真剣さでグライダー製作を行って
いる。会社の存続に関わることを考えれば、もっと真剣であるとも言えよう。
彼らは自分たちの仕事を認証試験要綱に基づいて行っている。そして認証試験にグライダ
ーを提出するときには、全身全霊でそのグライダーが完成したと信じ切っている。
明らかな出来損ないはそのメーカーの評判を台無しにすることをよく知っているからだ。
メーカーにとって認証テストパイロットが思いつきで何かをやることは不愉快でしかない。
もし問題があるのならその理由を是非知りたいと思うのは、自然のことだろう。
  CENvsDHV
       53、54P
私もDHVに対して不当性があるという問題を抱えていた。しかし、CEN試験についても非常
に懐疑的だよ。DHVよりも試験費用が高額になるかもしれないということだけでなく、試験
の厳正さに心配がある。私は実施が難しいと予想している。例えば、飛行角度の測定なん
かは非常に難しい。私の意見では、厳正さのアイデアは見かけだけでしかなく、大部分は
今までどうりに個人の解釈に任せられるだろうと思う。何故なら、すべてのパイロットはマヌ
ーバーを実施するときグライダーの動きに何らかの影響を与えることができるからね。
さらに言えば、グライダーの認証の歴史は何から何まで、我々を根底的にうんざりさせてき
た。我々が追求するのはパイロットのためにできるだけ良い飛行動作を持つグライダーを
提供することで、あの認証この認証のためでは決してない。
費用について言えば、とんでもない話だ。必要ならダブル認証の費用をコスト計上することも
可能だろうが、資本を全て認証につぎ込む会社はないよ。我々は資本を他のことに使いた
い。研究開発やパラの振興やスクールやパイロットを援助することに投資したいのだ。
グラディエント
オンドレイ
デュパン
CENvsDHV
          55P
認証システムが2つ存在することは混乱を引き起こすと思う。たとえそれほど差異がないと
してもね。個人的には、DHV認証で継続したかったね。カテゴリーも分かりやすかったし
機能もしていたからね。しかし一方で、DHV試験にもっとプロセスの厳正さがあれば良いと
思っていたよ。独占状況に終止符を打つには少なくとも3つの試験ラボが必要だよ。それは
おそらく夢だね!
グラディエント
オンドレイ
デュパン
CENvsDHV
          55P
どうしても避けたいのはCENとDHVのダブル認証だね。単純に費用だけの問題じゃない。
そのうち、わずかに違ったバージョンを製作する必要性が出てくることは想像に難しくないか
らだ。サスペンションラインを例に取れば、2つの生産ラインが必要となり、混乱とメーカー
イメージにとって有害な状況が生まれる可能性がある。
アドバンス
ヴァレリー
チャップス
CENvsDHV
          55P
気象が危険要因なのではなく、真の危険要因は人間であるということを認識すべきです
「知識不足」、「能力不足」と「誤った、またはありえない状況判断」は人的ミスのもっとも多く
の原因として挙げられます。
精神的、身体的条件と並んだこれらで、人的な危険要因は構成されています。対極には、
社会的要因と外的要因が絡み合う、大概条件があります。他のパイロットや人間との相互
関係と同じく、特定の集団内でのパイロットの行動が関係する要因は、全て社会的要因に
作用します。外的限定条件は、ランディング、装備と気象と考えます。

大きな事故には、少なくとも2つか3つ、時にはもっと多くの決定的な事故原因が絡み合って
いることに着目しなくてはなりません。個々の要因を自覚することが、はじめの一歩です。

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎口座

パイロットの
危険要因    72P

パイロットが判断を下す限り危険の源は「パイロット」であり続けると、改めて確認しておく
必要があります。事実、昨今では多くの要因がパイロットの個性と間接的に関係あると考え
られています。また、ある年齢を超えるとこの個性の影響が現れたり、完全に変えることが
難しいことがわかっています。リスクの高いスポーツで重用なのは、目の前の危険要因を
克服しようとする意識です。そして、まず第一に改めなくてはならないのは、自らに対して目
をつぶり外部に罪の原因を求めることです。
どんなパイロットが危険なタイプか?
慎重さの欠如、安全ルールの軽視、自信過剰といった非道徳的な意識、同じく危険と安全に
対する根拠のない認識、です。

パラグライダーは常に大胆な判断が要求されるスポーツです。このため、パイロットには
集中力と機敏さのふたつの能力が特に求められます。けれど、この説明だけでは精神的
コンディションの問題の克服にはつながらないでしょう。精神的コンディションの問題には、
個人的ストレスの要因と、根底にある個人の不安の、ふたつのレベルがあります。
口が渇き、心臓の鼓動が聞こえた経験がありますか? 息苦しい、フライト前にトイレに行き
たくなる、おかしな考えが頭をよぎるなど、テイクオフ前のパイロットの緊張は、たいてい目に
見えてわかります。

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎口座

パイロットの
危険要因    73P

生理的に現れる不安とは、言いかえれば興奮の度合いが高まっている状態です。高まる
緊張は不安の健全な現れであり、神経が覚醒し、最終的に体全体の身体能力が高まって
いきます。トップクラスのアスリートはこのアドレナリンの高まりを肯定的に自らの能力にで
きる術を知り、活用しています。際どいのは、興奮がある一定レベルを超えたときです。
すると不安は悪い方向に働きます。知覚が限定されはじめ、最悪の場合には思考がブロッ
クされたり、ブラックアウトしてしまいます。フライヤーにとっては恐ろしい限りです。
諦めて、耐えきれなくなったパイロットがブレークを引いたままでいたり、翼が潰された恐怖
で硬直したりといった行動に出てしまいます。「興奮の度合い」がほとんど全てにおいて人的
失敗の大きな要因なのです!
この観点から、力、持久力、機敏さ、バランス能力といった身体能力だけに原因があるので
はないことがわかります。大切なのは、実はスタート時の一瞬の身体的コンディションです。
もちろんそれに続く空中とランディング前と、ランディング中も、ですが。
フライト前に充分な水分補給気を配ったか? 気分はすっかり落ち着いているか?
前日はよく眠れたか?
これらの要因は全て、まったくと言っていいほどこれまでの事故報告で目にしたことがあり
ません(重要な項目なのに!)。
クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎口座

パイロットの
危険要因    73P

「悪天候にパイロットが見舞われる」という新聞報道を読みましたが、この分析はまさしく
責任逃れの典型と言えます。事実は、判断を下したパイロットが知識不足、経験不足だった
のです。スクールと協会で特に問題となるのは、まず、状況判断のできるパイロットとして
充分な経験を積むことができるのはどの時期なのか、そして、いつパイロットとしてフライト
スクールという守られた巣から旅立つ充分な知識を得ることができるか、です。それは、
40本の高高度フライト後でしょうか? パフォーマンストレーニングを受けた後、それとも安
全トレーニングの後でしょうか? カール・ズレザックの統計が明確に示すのは、ほとんどの
パイロットは100本以上の高高度フライトあたりから、ようやく自らシリアスな出来事を体験
する、ということです。実際にはこのあたりで迷いの感情を持ち始め、事態を理解し、すべて
の状況を把握しようとするのかもしれません。
私自身、いつも必ず気象に驚かされます。ハンググライダー30年、パラグライダー20年の
フライト経験で1000フライト以上を飛び、トレーニングを重ねて感じることは、まだまだ経験
が浅く、すべてを把握できないことなのです。
はっきりしてきたことは、フライトスポーツは一生をかけて学ぶ必要があるということ。これは
人生に絶えず緊張と刺激を受ける機会を与えてくれているのかもしれません。
クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎口座

パイロットの
危険要因    73P

パラグライダー入門者がこのスポーツにハマるか否かはそのうち出くわす「初ソアリングの
印象次第」だと言っても過言ではないだろう。斜面を大汗かいて登ってはぶっ飛びを何度も
何度も繰り返し練習した後、ついに鷹やトンビのように空高く舞い上がることが出来るので
ある。スカイスポーツに関わる者にとって「ソアリング」というコトバには何か特別な言霊のよ
うな響きを感じる。
佐川大輔
さん
パラ用語の深淵
第十二回
ちょっと失敗すると
イタタタ。
ソアリング    76P
パラが広まり初めて2年目くらい経った頃、ようやくパラウエアらしき物が登場し始めるように
なってきた。その色合いは、何故か原色の蛍光色を使った、目も眩むようなウエア達だった
確かにスキーウエアなども強烈に目を引く物が多かったような気がする。そのハデさたるや
尋常ではなく、パラウエアで街に繰り出すと、そこだけ別世界を築いてしまうほどだった。
街と言っても、フライトエリアの近くなので、今でも田舎の町。色気の少ない田舎の商店街で
買い出しをするフライヤーは、地に足の着かない(空を飛んでいるから)怪しげな集団のよう
にも映ったものである。
東田 満
さん
振り向けば「変」
最終回
フライトスーツの
今昔?      77P
今、パラグライダーの世界に一番欠けているのは、空を愛する仲間同士の連帯感や助け
合いだと思う。ツリーランしてもケガをした人を見かけても知らんぷり、まさに無関心である。
私達を遊ばせてくれるエリアや仲間がいるから、家族の理解があるからこそ、パラグライ
ダーが楽しめる。
パラグライダーが日本で普及し始めた頃の、本当に純粋にパラグライダーが楽しめた頃の
気持ちと心をいつまでも持ち続けたい。
Aoitori
パラグライダー
スクール代表
西谷 尚
さん
ゼンコクインストラクター
エッセイ
僕の思い出のエリア
vol62       92P
「パラグライダーは素晴らしい」とは、言い古された言葉ですが、日常の呪縛から僕たちの
心を解き放し、煩雑な日常を生き抜くパワーも生み出し、時には社会に対する視点も転換も
可能にしてくれます。しかし現在、スカイスポーツ人口の減少という現実に直面しています。
その原因は、パラグライダーが持っていて当たり前の「楽しさ・簡便さ」を否定し、手前味噌
な安手の精神論と一般フライヤーには到底望むべくもない技術論を盾に、このスポーツへ
の敷居を高くしてしまった権威主義者の存在にあると思うのです。
僕たちは勿論、一昔前のような賑わいを取り戻そうとは思わないけれど、たくさんの人達と
安全に、空を楽しみたいと思っています。
松下明博
代表
クラブ探訪
第73回
栃木県
みかも山ハング
パラグライダークラブ

 

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