パラワールドに載っていた名言集1996  

パラワールド公認


 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年  2005年 2004年  2003年  2002年  2001年  2000年 

       1999年 1998年 1997年  1995年 1994年  1993年                                      

                       名言                     お名前  コーナー&ページ
1996年1月号 (vol 48)    
こんな事言うと僕がなんか凄く早いみたいですけど、トップのほうは以外と牽制
しあって飛んでいるからそんなに早いという訳でもないんですよね。後ろから行
けば、前に何人かがいるから、彼等の飛びを見て、失敗するリスクを少なくして
前に進めますからね。その辺が今回の勝因といえば勝因だと思います。これ
が勝因の秘訣だとすれば、次には前に誰も行かなくなってしまいますね。
仕事は普通以上にこなして、「あまり出世を望まない」偉くなるとあまり飛びに行
けないですからこれは重要なことです。
柏倉 剛
さん
95日本選手権
優勝者インタビュー
         11P
パラグライダーは、勝ったってお金を稼げるわけじゃなかった。だから、自分の
ために無心になって飛ぶということができたと思う。自分がフライトをするのは、
他人に見せるためではなくて、自分自身のためなんだ。それを証明させたいと
思ったら、心に余裕も生まれて、自分に対する絶対的な信頼ができたんだとい
う感じがするよ。
ハンス
ボーリンガー
世界のトップ3
に聞く
その強さの秘訣は
なんだ?   26P
日本の競技パイロットが、世界で大活躍するようになるためには、日本でもアイ
ドル的パイロットの存在が必要なのではないか。
僕は、結構長い間飛んでるし、競技を続けているけど、こんなに沢山競技会に
出ていても、競技がずっと好きでいられるというのは、適当に別のことをしてい
るからかもしれないとは思う。いつもいつもトレーニングばっかりしてたら、きっ
とすぐにイヤになっちゃうんじゃないかな。
ウォルター
ホルツ
ミュラー
世界のトップ3
に聞く
その強さの秘訣は
なんだ?   28P
できれば、サーマルがあちこちに出ている時じゃなくて、コンディションの弱い時
にフライトすると、これも為になる。サーマルの強い時は、誰だって高く上がれ
るけど、それが渋い時こそ、テクニックの差が出てくるんだ。それと、いつも意
識していたいのは、パラグライダーは、体と目で飛ぶということ。
これができないと、サーマルに乗り遅れたり、危険からの回避もできないことに
なりからね。
ステファン
スティグラー
世界のトップ3
に聞く
その強さの秘訣は
なんだ?   30P
フライトデザイン社は、競技にほとんど興味を持っていない。競技は一握りの限
られた人たちが戦いあう、小さい世界でしかないと考えているからだ。
『パラは、なんといっても遊ぶ道具なんです。言い方を変えれば、とても楽しい
夢のあるオモチャなんですよ。僕達は、それを作っている。それに歴代のチャ
ンピオンメーカーを見ても競技に没頭して、それで業績に大きな効果があった
とは思えません。ポリシーの違いといえばそれまでですけど、それにかける
お金と時間はウチでは開発にかけることにしています。』
マティアス
ベッシュ
PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第三回
フライトデザイン社
         65P
メインのテイクオフも非常に込み合って、一つのサーマルに40〜50機が群が
る状態だった。それを見たハインツ・ユルゲンはそこで飛ぶのをやめた、少し
離れた場所でフライトすることにした。『あんな混んだサーマルの中で覚えてい
るのは、周りのことを気にして、バリオの音を聞いていたことだけだ。50分飛
んでもストレスが溜まるだけだったけど、凶は15分しか飛ばなくても、
ずーっと楽しい思いをした』と言ったというのだ。まさにフライトデザイン社の
探しているものはそこにある。ふらいとは飛ぶ本数や勝ち負けだはなく、
内容なのだということである。
パラグライダーがはやりだした頃、この翼があれば誰でも飛ぶことができます。
というキャッチフレーズがあった。簡単で安全で、という。
メディアも、性能とか距離とかいったことにちょっとばかり、大騒ぎしすぎる嫌い
があると思いますね。そういったところばかりが前面に出てしまうと、パラという
は、なんか特別なスポーツだと思われてしまうんじゃないかなぁ。もっとFUNの
部分について、突っ込んで欲しい。
「パラは300Km飛べます」というよりも「パラは家族みんなで」楽しめますという
ほうがいいじゃないですか?
マティアス
ベッシュ
PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第三回
フライトデザイン社
         66P
平成4年をピークに客足(生徒)が遠のいている。なぜだろう。こんなに便利で安
全カンタン爽快なスポーツなのに・・・。それがよくないと言う人もいる。
イントラの指導力不足、エリアの確立の悪さに客が来る訳ない! おまけにあ
ちこちで危険で半端なスクールを開き、足の引っ張り合い。
山本 賢一
さん
PG topia
FROM
READERS
雨の日にパラの
普及を思って独り言
          93P
パラグライダーをする者にとって、究極のフライトとは何ぞや?・・・と考えて思い
浮かぶことは、めでたくP証を取得した者があっと驚くようなコンペマシーンに乗
り、あっちこっちのエリアで人の頭の上を飛びまくり、「ざまあみろ!」といってや
ることではないでしょうか。
皆、そこそこ飛べるようになってくると、欲しくなってくるのがコンペ機・。
コンペ機といえば、折れる・・・潰れる・・・墜落・・・さようなら
  PG topia
        94P
1996年2月号 (vol 49)    
試してみよう!トイレットペーパーによる簡単なサーマルハンティング
トイレットペーパーのロールをハーネスの胸の部分に固定。サーマルの中に
入ったと思ったら、トイレットペーパーを何枚かちぎって、飛ばしてやると、気流
の流れがトイレットペーパーの動きで実によく確認できるという。もちろん、鼻を
かんだり、サングラスを拭いたり、応用範囲は他にいろいろ・・・・。
ロルリ
リーベルヘール
WORLD NEWS
         35P
私が手がけるタスクは苦しんで頂く方向で組んでいます。
あまり簡単に取られてしまっても面白くないですから・・・・。
どれだけ苦しい要素を取り入れるか、考えるワケです。
岡 良樹
さん
人間探訪
第4回

        41P
競技に出る前に大切な事は、頭をクリアにしておくことなんです。だから、
よく寝るとか、食べ物なんかにも気を使います
アンディー
ヘディガー
世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第1回     59P
スタートがうまくいく時には「あっ!」って声がでるようにオーガズムに達するん
です(ああ、ひとりなんだ!)(飛ぶんだ!)(大気の中に入るんだ!)ってね。
それが、完全に集中できている証拠なんです。でも、彼女がとか、会社がとか
の雑念が頭にわく時にはコレが来ないし、結果はひどく悪いですよ。
アンディー
ヘディガー
世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第1回     60P
100キロでも飛べそうなコンデションの日にタスクの設定が30キロかそこらな
ので、そこで降りなければならないことだ。また目の前のコンデションがベストに
なって来ているのに、順位争いのために牽制しあい、良いタイミングを逃し悪い
条件になってから飛んだりする。元々、競技とはその条件の中でのベストフライ
トを求めるものではなく、そのルールの中での順位争いである性質のものだか
ら、この様なことはしばしば起こる。
数年前まで順位争いのことで頭が一杯だった頃は「大会っていうのはその決め
ごとの中での点取り合戦なんだから、良いフライトなんかする必要はないんだ」
と言い放っていたが、いつの頃からか、たとえ成績が良くてもその時の気象条
件の持つ可能性の半分も使っていないようなフライトをしていても、十分な満足
が得られず、そのような設定の競技にも集中できなくなってきた。そのような考
え方の流れから、徐々に決めごとの中の順位争いではなく、フライトそのもの
の醍醐味を満喫したいと思うようになってきた。これはフライヤーとして経験を
重ねてきた上での必然的な変化のような気もしている。
峰岸正弘
さん
峰岸正弘の
クロカン天国
         64P
そばでカメラなんか構えて持っているギャラリーに「飛ばないんですか」なんて
聞かれて「向かい風が吹いていないと飛べないんですよ」と答えたときの、
なんて不自由なスポーツなんだろうと軽蔑したような顔にムカッとした経験が
あるだろう。
阿施光南
さん
フライヤーの
お天気学
第1回
お天気を知らずして
空は飛べない
         66P
お天気によって「飛べるか、飛べないか」が決まるだけではなく、お天気の知識
によって「うまく飛べるか、飛べないか」が大きく影響を受けるというのが、他の
スポーツとは大きく異なる点である。どんなにフライト・テクニックが優れていて
も、どんな天気のときに、どんなところに上昇気流が発生しやすいのかが判断
できなければソアリングはできない。だからベテランといわれるパイロットたち
は、例外なく、天気を読むのがうまい。見えないはずの上昇気流の位置を指摘
し、また風の変化を予言する。
阿施光南
さん
フライヤーの
お天気学
第1回
お天気を知らずして
空は飛べない
         67P
その当時の日本のインストラクターの知識はパラグライダーの挙動に関しては
お寒い限り。そのお寒いインストラクターが指導していたのだからなにをかいわ
んやである。

スクール生の性格やら、体調やら、考慮することはいっぱいある。かいま見る
ところスクール生の事故の一端は表には出ないが、インストラクターの質の
問題で判断ミスもかなりあるのではと思う。
パラの怖さをこの10年間でいやというほど経験してきた。もっとも私自身は、
生き残りサバイバルゲーム? とイントラ仲間でいわれるパラグライダーにお
いては、始めた年に捻挫をしただけという幸運に恵まれている。しかし、それも
ただ運が良かっただけか?

JMB関西
PGスクール
岩井
さん
インストラクター
リレーエッセイ 33
私の10年間、
サバイバル物語
          83P
1996年3月号 (vol 50)    
テイクオフする自由と、安全にランディングする義務によってフライトは成立する
決して他人に迷惑を掛けない
フライヤーにとって都合の良い風など存在せず、そのためには自分から進んで
理解するしかない。
虚勢を張っても、自然の中では無意味。
今井浜
フライング
クラブ
西野光男
校長
パラグライダー
クラブ探訪記
         22P

                          質問項目
@最初に出た大会は?その時の成績は? Aそして、どうして競技を続けようと思ったのですか?
Bこれまでの自分の最高の成績だと思っている大会とその成績は?そして理由は?
Cあなたにとって競技の面白さとか醍醐味とはどんなものですか?
D現在、技能向上のため、どんな飛びを入念にしてますか?
E上手になるにはどんな練習が必要だと思ってますか?
F競技のためにあなたはどんなメンタルケア、ストレス対策をしていますか?
Gあなたの安全フライトの信条は?
Hグライダーの選択基準は?そしてグライダーに望む性能は?
I目指している選手は?その理由は?
J競技中、他の選手が気になりますか?どんなことが気になる?気にしない工夫などしますか?
Kトランジットしている時、どんなことを考えていますか?
L競技に勝つために必用なことを3つあげるとすればそれは何と何と何?
Mパラ競技でのあなたの夢は?Nその他、一言。

  コンペを含めてフライトは全部楽しい。ポジティブにそして楽観的にいこうよ
C試された飛行コースをクリアした時、もしくはそのフライトに満足のいく結果が
 出た時の爽快感と、競技というスリルあるフライトで飛ぶことのおもしろさを
 再認識できること。
Dフライトでは待つ時は待つ、走る時は走るといったメリハリのある、風・林・火
 山・的な飛びを心掛けています。技術面ではドリフト旋回(横滑りを利用する)
 飛行と、失速点までの微低速域のコントロール、そして危険回避のテクニカル
 な研究、特に最近は難回復急旋回降下(スパイラルスピン、もしくはバーチカ
 ル
スピン、もしくはディープスパイラル)を実体験に基づいて研究しています。
 これはすごい重力、遠心力がかかり、とても危険。一般のフライヤーは絶対
 やらないでください。
E第一に空中でバチが当たらないように、品行方正な生活を心がけ、そして勝
 ちぐせをつけるため、パチンコ、マージャン、ビリヤード、競馬に競輪に励み、
 これらを常にトレーニングと思い、負けないようにすること?。
 技術的な面では他人をよく観察することと、イメージトレーニングをいつもする
 こと。そして飛びまくることです。
Fいつもフライトが面白いものとしてとらえられるように心掛けています。
 自分がいつもポジティブで楽観的でいられるよう、飛び終わった後、「あ 面白
 かった!」と思うようにしてます。
Gともかく、怪我をしないテクニックを身に付けるように努力する。しかしそれで
 も自然には勝てないので、無理はしない。自分でパフォーマンスをする時も、
 自分の力量の中での安全範囲域でやってます。たとえディープスパイラル
 (バーチカルスピン)をやる時も、イメージで回復する事を描いて行ってます。
 無理なフライトは怪我のもとです。
H選択基準はピッチを深くしても潰れないもの。翼のねじれに対して強いもの
 (私は腰の強いグライダーと呼んでいます)。望む性能は翼の半分がなくなって
 も真っ直ぐ飛び続ける安定性を持ち、どの機体よりも速く、どの機体よりもよく
 浮き、そして安全なもの。
L1にカンとそれを実行に移す判断力(あるいはそれをウラ付ける知識力)。
 2に運とそれを呼び込む、ウィルパワー!
 3に技術と応用力。

入澤幸夫
さん
日本の
コンペティター30人
に聞きました
         36P

海野剛弘さん〜森山 拡さん、までの30人の名言は
ココをクリック

  日本の
コンペティター30人
に聞きました
    36〜47P
パラグライダー・フェスティバルin東伊豆`95のオープンクラスで2位に入賞した藤田泰正君。
彼はなんと、現在9歳の小学校4年生。そんなに小さいのにどうやって飛ぶの? などなど疑問は
つきない。そこで、大人フライヤーも真っ青の彼の強さの秘密を探るべく、泰正君と、彼のお父さん
で高山スカイパークの校長先生でもある藤田一彦さんからお話を伺うことにした。

中途半端になるとリスクも大きくなり危険ですので、初めからコンペティターを
目指せるようなフライヤーを育てる気持ちで、私の理想で教えています。
泰正が始めると言った時、女房とけんかしましたね。泰正がフライトする時は、
他のインストラクターに誘導をまかせています。じぶんでやると、やはりそれに
付きっきりになってしまって、他のスクール生を見れませんから。

子供っていうのは、何か事故が起これば、頭の中が真っ白になってしまうもの
です。泰正の場合は周りのフライヤーの皆さんがいろいろな面でカバーして
くださっているので、それに慣れてしまうことも怖いですね。

子供っていうのは、誘導すればその通り言うことを聞くのですが、しないで見て
いると、何をするか予測できなくて事故りそうになるんですよ。それと、言葉の
理解、例えば尾根とか稜線などの言葉ですね、そういうのを使うと「学校でなら
ってない」ということになって、子供には理解できない。どう表現すれば分かって
くれるのか考えながら誘導しなければならない。そういう点でも、子供にパラを
教えるってことは難しいことかもしれません。

藤田泰正
(藤田一彦)
さん
人間探訪
第5回

        48P
現在のJHFの規定では、P証は14歳以上ということになっていますので、
そのへんも改善してもらえたらと思っています。中学3年生でP証を取っても、
日本では高校受験というのは控えていますし、もっと早くP証を取得できたらな
と思いますね。

スクールの受付けをやっている女の子なんかでも、飛んでみると結構うまいと
いということもあります。やはり、毎日風を見ている、ということがいいんじゃな
いでしょうか。
小さい時から風やフライヤーと接しているということは、子供にとって無意識だ
としても、非常に貴重な体験となります。でも、子供というのは怖さを知りません
から、そのへんが少し心配です。今のグライダー、特に初級機などは、そう簡
単には潰れませんから、それを過信してしまうのです。
しかし、実際、パラグライダーは親が心配するほど危なくありませんよ。
ワールドカップなどのナショナルポイントの大会で活躍するようになるには、
やはり小さい時からやらなきゃだめだと思います。オーストリアのカミラ・パー
マーも8歳から飛びはじめていますしね。最低、中学生くらいから。そうすれば、
パラグライダーももっと一般的なスポーツになるのではないかと思いますが。
夢はワールドカップなどと、大きなことを、言ってますが目的や夢があったほう
がおもしろいですから。大きな大会に出る前に、30戦くらい経験してからデビュ
ーできれば理想です。それに、親に金をかけるより、子供にかけるほうがいい
か、と思いましてね。
最近出た大会では1位とか、2位とか好成績が出ています。でも、生坂の大会
の時のように、欲がでて、無理なことをさせようとすると、事故につながってしま
います。私が出来ると思っても、それは自分の視線の範囲で見ているのであっ
て、子供の視線というのは全然ちがうんだ、ということに気付きました。やはり、
安全には気を使わなければと思います。

エナジーに乗りたいです。扇澤さんが乗ってるし、色がきれいで、はやいから。
耳年増ならぬ目年増になってしまって、最近ではゼノンがいいかな、などと言っ
てますがね。
お父さんのようにパラグライダースクールの 先生になりたいと思いますか。
ぜんぜん思いません。パラグライダーのスクールで人に教えるより、自分が飛
んでいたいから。

藤田泰正
(藤田一彦)
さん
人間探訪
第5回

        49P
いい製品を目指すには年間1500機以上は生産しない、そして競技会を重視するのは機体の
開発に必要なことだ

パラのコンセプションというのは、ジグザグのトンネルみたいなものだと思うん
です。出口がどこにあるんだか、まるで分からない。いつも手探りの状態です。
ただし、そのトンネルが簡単に抜けられるものだったら、大したものはできない
ってことになるんじゃないですか。
うちの会社には、量産して売るだけ売ろうという考えはないんですよ。

競技に関しては、なぜ競技会にお金をつぎ込むのかと聞かれますが、まず翼
をさまざまな過酷な条件の中で飛ばすことができる。ふたつ目は、他の機体と
比較してみることができること。そして、よい成績を残せば、メーカーとしての
イメージもよくなることなどが理由にあげられます。
競技をしていなかったら、国内よりも国際的な規模でのアドバンスの露出度が
もっと低いものになっていたでしょうね。ただし、競技で勝とうと負けようと、勝負
となるカギは、いかにいい製品を市場に送るかということに変わりはない。
パラグライダーのメーカーの立場として苦しいのは、何も確実な要素がないこと
なんです。

ロベール
グラハム
PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第5回
アドバンス社
      59、60P
もちろん、あと1000機余計に売ることだけを考えれば、できないことはないん
です。でも、そういう無理強い的な商売をしたら、あとでツケが回ってくると思う
んです。過去に、そうして消えて行ったメーカーがあるようにね。
それよりも、僕たちの目指しているのは、正直に、地道にということです。
いくら滑空比をごまかして言ったって、そんな事は見れば分かりますし、知らな
いことを知ったフリをしても、あとでバレることです。それよりも、知らないことは
知らないこととして、素直にしていれば、お客さんは製品さえよければ自然に選
んでくれると思うんです。
バレリー
シャピュイ
PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第5回
アドバンス社
         60P
まず自分がフライトをする機体に付いてよく把握しておかなければなりません。
自分のグライダーに自信が持てなかったり、不安な点があったりしたら、どんな
に意気込んでもいい飛びはできませんよ。それにパーフェクトな飛びをするた
めには、いつもキャノピーだけを見ているわけにもいきませんしね。周りの状況
や障害物などをチェックしながらでも、キャノピーの動きを感知できることが大
切なんです。すなわち、自分の機体をよく知っておくということなんですよ。

競技会に出ていると、自分のしているミスがわかるし、もちろんどこがいいかと
いうこともわかる筈ですから。ただし、本当に強いコンペティターになりたかった
ら、競技会に出ているだけではダメです。競技会で、他のパイロットの真似ば
かりして、後をついて行くような人を大勢見かけますが、それでは本当のテクニ
ックは学べませんからね。
だから、クロスカントリーみたいに、一人で飛ぶことが必要になるんです。
一人で飛んでいれば、当然全ての判断を自分でしなければなりません。次は
どこにサーマルが出るのか、どこは避けなければならないのかといったことを
自分の目で確かめながらフライトすることは、本当のテクニックを身につけるこ
とにつながります。そして、それは安全に飛ぶことにもなると思いますね。

トニー
ベンダー
競技に勝つための
トーク講座
第2回

世界のトップに聞く
         67P

僕は競技会が近付いてくると、ウキウキしてくるんです。ハッハッ!でも行かな
ければ気持ちは沈んでいるんですけどね・・・。行くとなったら、精神的に高揚
するんです。だって、僕が競技会に参加するのは20位になるためじゃなくて、
勝つためなんです。

これは、いつもということではないんですが、エリアに着いた時にふと『勝てる』
と感じる時があるんです。そういう時は人のことが全く気にならなくなります。
周りの条件を分析してみても、フィーリングと頭の中のインスピレーションが揃
って『YES』の時にはうまくいくんです。ガールハントと一緒。
ただ、他人に干渉しないで一人でいると、リスクを負わなければならないことも
あります。勝つか、あるいは3〜40位になるか。僕個人としては5位に6回なる
よりは、1回優勝したいというのが本音ですね。

最悪なのはスタート10分前ぐらいにチームミーティングをやるような時です。
こんな時には頭の中はすべてクリアーでなければいけないのに。
ゲートが狭くて、選手同士が小競り合いするようなのもイヤですね。戦いは空
でするのであって、地上でするものじゃないんですから。こんなことでストレスを
溜めたくないですね。

競技会でも、前は平気ですごく危険なオプションをしたりしていました。でも、
それがたまたま上手くいっていただけたということに、ぼくは気付いていなかっ
たんです。事故を起こしてからは、無鉄砲なことは避けて、慎重に飛ぶように
なったと思います。だから去年のドイツ選手権で勝てたことは、無理にリスクを
負わなくても勝つことはできるんだという証明になって、僕自身とても嬉しかった
です。

よく見かけるタイプに『あ〜あ、自分が行った時には、もうサーマルが終わって
いた』とか『あそこで遅かったから・・・』としきりにぼやく人がいるんですが、これ
では進歩しませんね。サーマルが終わっていたにしろ何にしろ、上手くいかなか
った原因は、本人の判断が悪かったということなんですから。だから、そのミス
を認識して初めて上達できるんだと思います。

トニー
ベンダー
競技に勝つための
トーク講座
第2回

世界のトップに聞く
         69P

行きたい。だけどクロカンをするなんて誰にも言ってきていないし、クラブのリー
ダー、インストラクター、先輩たちに怒られはしないだろうか。でも行きたい。
そして行かない人は行かないが、行く人は行ってしまう。はじめてクロカンに出
るというときは、だいたいこのようなパターンが多いのではないか。
私が十数年前にはじめてハンググライダーでクロカンに出たのも、このようにし
てだった。そして帰ってからインストラクターにひとこと「非常識だね」などといわ
れ、初クロカンの喜びもどこへやら。その後、なかなか2度目のクロカンに出る
気になれなかったのを覚えている。
くろかんをしたい人間は、それを意識しはじめたときから、いつその日がきても
いいように準備をはじめなければならないのだ。

なるべく多くの場所で、多くのパターンのランディングを経験しておきたい。
そのためにも積極的に、いろいろなエリアに飛びに行き、いろいろなランディン
グ場を経験しておこう。
イメージトレーニングも、実際に飛ぶのと同じくらい有効な練習方法だ。普段か
ら空き地を見たらランディング場と思え。そして、そこに降ろすことをイメージせ
よ。最もいけないのは、距離を延ばすことを優先して無理をすることだ。
そんなときにはしばしば、そこにやっと届いて十分な高度処理の余裕もなく、
精神的にもゆとりのないランディングを強いられることになる。そんなことは避
けなければならない。
クロカンでのランディングを決めるには、どんなに狭い場所にも降ろせる軽業
師のような技術を身につける必要などない。ただ空中から自分の技術で安全
に、確実に降ろせる場所を見きわめ、落ちついて、ゆとりをもって降ろせると
いうことが大切なのだ。飛行中は、つねに現在の自分の位置、高度から、到達
でき、自分の技術で安全にランディングできる場所を確保しておかなければ
ならない。それは現在の自分の位置から到達できるサーマル発生源に目星を
つけて距離を延ばそうとすることと同等の優先順位で意識され、そのかねあい
の中で飛行コースが決定されなければならない。

峰岸正弘
さん
峰岸正弘の
クロカン天国

         72P

多くのパイロットは、上昇気流が目に見えたらいいのにと思っている。うまい
パイロットもそう思っているけど、とりわけ下手なパイロットの方が強くそう思っ
ている。「上昇気流さえ見えたら、俺は誰にも負けないのに」とか思っている人
もいるかもしれない。そういう変な自信を持つ人は「見えない上昇気流が相手
では、俺は誰にも勝てない下手っぴいである」と白状しているようなものだとも
思うのだが。
阿施光南
さん
フライヤーの
お天気学
第2回
雲のメカニズムを
知ることがお天気
学の第一歩  74P
「モラルの遵守」は、すべてのパイロットの務めである。第二のウルトラライトプ
レーン
にモーターパラグライダーをしてはならない。パイロットはむろん、もし
読者の方でそのような行為を見かけたなら、ぜひ注意して止めさせてほしい。
この素晴らしいスカイスポーツを守り、そして育てていくために・・・
栗原 正
さん
MPGステップアップ
講座
『モーターも
面白いぞ・・・!』
第2回
モーターパラグライ
ダーのモラル
         77P
パラはスカイスポーツの中でも、ルールを守れば一番安全で気軽に空を楽しめ
るとこが魅力です。私は何年も前から「空を飛んでみたい」って思い続けてきた
んですが、それを実現できたのはパラのおかげ。高く舞い上がると、とにかくス
カッとして気持ち良く、ニヤニヤするほど楽しい!。

パラをやっている男性と付き合うのは遠慮しときます。私とパラとどっちが大切
なの?って聞いたら、「パラ」って返されそうでしょ? でも夢を持って飛び続け
ている、私のまだ知らないパラの技術や楽しさをたくさん教えてくれる男性フラ
イヤーは好き。

野方香織
さん
GIRL GIRL GIRL
アイドル探検隊
         93P
先日、岩手高原へビジターフライトに行ったときのことです。あいにく風向きが
悪く、風待ちの間、テイクオフのゴンドラ駅から散策コースを歩いてみると・・・、
なんと岩手高原の植生という看板の可憐な高山植物に混じって、パラグライダ
ーの文字があるではありませんか。
パラグライダー:ヨーロッパ原産の帰化植物。天候の良い日に山の山頂付近の開けた場所、
特に交通の便の良いところに発芽する。根を欠くため風に乗って移動する。
その距離は条件によっては50〜100kmに及ぶと言われる。通常は付近の低地に落下し、枯死
するが、風の強い日には樹上に落下し、そのまま寄生植物となって長時間開花し続けることもある。
SET阪神所属
新庄仁美
さん 
PG topia
パラグライダーが
高山植物?
         94P
さむ〜い冬でも、空はある。空がある限り飛び続けるのが、本物のパラグライ
ダーフライヤー。そんな本物フライヤーを目指すため、かどうかは知らないが、
空に取り付かれ、飛びまくるフライヤーは数知れず。
全てのものごとには始まりがあるように、パラグライダーにも始まりはある。
ベテランフライヤーにどんな目で見られようとも、夢中になって頑張るビギナー
フライヤー達。誰だって最初はキャノピーっていう名前も、風の見方も知らなか
ったんだ。始まりはどうあれ、最後はパラに惚れた人の勝ち!
  ビギナーズページ
         99P
楽しむ価値観は人それぞれです。5mの高さで1分程度のふらいとでOKの人も
いれば、最低2時間はサーマルソアリングしないと満足できない人もいます。
自分が楽しかったのであればOKなのです。
  ビギナーのための
パラグライダー講座
第12回
牧草地のエリアに限らず、山でもうみでも、吸い殻、チリゴミを捨てるとはもって
のほか。即、入山禁止、もしくは罰金を取るべきである。守れない人は、パラグ
ライダーをする資格はない! パチンコ屋さんか街で遊ぶか、公園で凧揚げ
でもして遊びなさい。

風待ちの時、ミーティングの時、ダベってばかりいないで、たまには落ちている
アキカン、吸い殻をポケットに入れて持ち帰るぐらいの大きな心があれば、ケガ
もなく、安全に楽しいフライトが出来ると思う。同じ1日、ひとりひとりの心掛けで
有意義に、スカッとさわやかに過ごしたいものだ。なんといっても自分達のエリ
アなんだから。
一日三膳わかるかな・・・。オイラにゃ関係ないよ、他人よりたくさん飛べればい
いんだよ、などと言っている人、その内イタイ目に合いますよ。

火の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
B級生に贈る
校長先生の渇!!
第一条
タバコの吸殻・チリ
ゴミを外に捨てるな
         103P
1996年4月号 (vol 51)    
『操作性に優れた初級機』 『高性能な中級機』 『扱いやすいコンペ機』など、
分類を混乱させるものが多く飛び交っています。しかし、実際にさまざまな条件
で飛ばしてみればやはりグライダーの動きに設計思想は反映されるものであり
メーカーの定めた分類には意味があります。これを踏まえて自分がパラグライ
ダーで何をしたいか、どういう飛びをしたいのかという目的を明確にし、様々な
パラグライダーを観察すればあなたがどの機体を選べば良いかはおのずと見
えてくるでしょう。
松永文也
さん
パラグライダー
知識強化月間
自分のベストマッチ
グライダーを見つけ
だすための
冬季集中講座
         42P
16世紀に一人の若い夢想家が、コンスタンチノーブルで最も高いミナレットか
ら、羽根で作った翼をつけて飛び下りた。この青年はボスフォラスあたりまで飛
んだらしいが、当時の統治者は「全能の神が人間に飛んで欲しかったのなら、
人間は翼を持って生まれてきただろう。全能の神が望まないことをするのは
死刑に値する罪悪である」という口実で、青年を処刑してしまったという。
むろん、現在のトルコの政府当局にはこの伝説はまったく影響を与えていない
ようで、パラをトルコの観光産業や経済の振興のために神が与えてくれたもの
とみなして、フライヤーを温かく迎えてくれている。 
  ヨーロッパ・フライヤー
に人気!
エキゾチックなトルコの
フライトエリア
            
51P
何ていうか、パラグライダーよりハングのほうが、より『自由』のような気がする
んです。比較的ハングのほうが長時間・長距離を飛べるようにも思いますし、
『飛んでいる』感覚もハングのほうがよりダイレクトに伝わってきますしね・・・。

ハングが何をやるにしても大変だからだと思います。機材を運ぶにしろ回収す
るにしろ、何かと人手を必要としますからね。しかし、それだけハングのフライ
ヤー同士の結びつきは固い、といえるでしょう。
それから較べれば、パラは気軽に一人で楽しめるぶん、仲間意識は多少希薄
のようにも感じますね・・・。 

ニフティサーブ
システム
オペレーター
崎田英一
さん
人間探訪
第6回     52P
雑誌などは情報の最先端にあるものですが、雑誌やテレビは商業ベースの上
に成り立っています。いわばその情報の内容は、当然『作られた』『作り出され
た』もののように感じます。その点パソ通の画面上には、発信者のみに限定さ
れた「未操作の情報」で埋め尽くされています。もちろん、その情報の中には
『間違った』『無責任な』情報も確かにあるでしょう。しかし、たった一人の持つ
有益な情報が、瞬時に日本全国を駆けめぐる・・・という事実は、かつてのメデ
ィアにはなかったことです。

膨大な情報の中から有益な情報、間違った情報を判別する『義務』は、何もパ
ソコン通信に限ったことではありません。それは、今の社会を生きる人間に課
せられた、最低限の『義務』のようにも思います。

ニフティサーブ
システム
オペレーター
崎田英一
さん
人間探訪
第6回     53P
いつもいつもより良いものをと期待するマーケットに応えるのには、3週間は
無理だけど2年だったらできるというふうに考えています。それに、いちいち
巷の話を本気で聞いていたらストレスになるだけですからね。
僕のやり方は、じっくりと時間をかけて、シンプルかつ安全な機体を完成させる
ことだと思っています。そのために闇雲に滑空比だけをのばすようなことも
無理に追求はしません。 
アーミン PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第6回
プロデザイン社
         65P
かつて80年代の終わりに、ヨーロッパでケストレルという機体が多く売れた時、
安全かつ高性能という需要がこれからは不可欠になるということを実感した。
しかし、それは世界市場の中でナンバーワンになりたいという野望にはつなが
らない。大きくなるのではないんです。
ベストの中にいつもいて、そうしながら世界中で評判でいられるというのが目指
しているところなんです。
材料を部分的にでも安くあげて、値段を下げようとするメーカーもありますが、
それで品質が落ちてしまっては元も子もないわけですよ。そういう意味で、我が
社は、品質確保のためには、最低限の経費はかけていますから、結果的に、
マーケットでいちばん安い機体というわけにはいきませんが、それは当然のこ
とだと思っています。

プロデザインとしては、同じモデルを2〜3年は維持していきたいという意向が
あります。本当にパラグライダーの開発というものに真剣に取り組もうと思った
ら、そんなに簡単に製品は完成できないと思うんです。
ひとつの製品にかける開発を終了させるのには、完璧に完成させることと、
本当に満足することが必須です。
だから、毎年のように何機もモデルを発表するメーカーの方針は、僕らには考
えられないことです。

ヘルベルト
ホフバウワー
PARAGLIDER
BRANDO-STORY
第6回
プロデザイン社
         66P
僕の場合は空中に出てから攻撃的にフライトできることが、いい成績につなが
ります。そういう時は、あそこで上がるというような勘もなぜか的中します。
ちょうどいいタイミングでちょうどいい選択ができるんで、結果的に速くフライト
するということになるんです。

競技をめざして練習するのなら、ひとりで飛ぶよりも、僕はグループで飛ぶこと
を奨めたいですね。ひとりだと、自分がいいのか悪いのか知ることができませ
んから。人と比べることで、もっとこうしようとか、ああ変えようとかいう課題が
みつかるんだと思うんです。だから、仲間と切磋琢磨することが上達の秘訣で
しょう。

義務になってはダメだと思うんです。フライトというのは、自分が飛びたいという
気持ちがある時にするもので、その気になれない日があったら、飛ばなくてい
いんじゃないでしょうか。
パラは楽しいものなんだから、楽しくないと思うようなフライトはしちゃあいけな
いですよね。

リシャー
ギャロン
競技に勝つための
トーク講座
世界のトップに聞く
第3回     73P
元F1ドライバーの中島悟が、安全運転指導の中で「一度危険な走行状態から
の正しい脱出操縦訓練を経験したものは、実際に同様の走行状態に陥った時
に、落ちついて対処できる」と述べている。そういった意味では、信頼できる
指導の元に、マヌーバ飛行の経験をしておくことは意義があると思われる。
ただし安全が完全に確保されていることが条件である 
泉 秀樹
さん
事例から学ぶ
セイフティ
テクニック
第3回
フライト事故  74P
高気圧とか低気圧とかいうマクロな気象条件と、パラグライダーが利用するよ
うなミクロな上昇気流とでは、まるでスケールが違うのだから、両者は矛盾し
ないのである。たとえば昨今のような不景気な時期においても、景気のいい
会社というのはあるだろう。高気圧というのは、こうした不景気のようなもの。
そしてサーマルは、景気のいい会社のようなものである。社会全体というマクロ
なスケールでは不景気でも、個別の会社というミクロなスケールで見れば景気
のいいところがあっても不思議はない。
阿施光南
さん
フライヤーの
お天気学
第3回
みんな知りたい
サーマルの話
         78P
講習がある前日や、自分が飛ぶ前日は酒を飲まない。インストラクターという
立場は人命を預かっている為、万が一の事態に正確に判断や指示が出来なく
てはならないからである。また、私自身がフライトする場合も、前日から酒を飲
まないようにしているのは、ただでさえフライトしている時の思考能力は、地上
生活している時の思考能力のは、3分の1程しかないのに、もし前日に飲酒し
ているとそれ以下の思考能力になってしまうからである。
JMB関西PG
スクール
大澤行英
インストラクター
リレーエッセイ35
パラグライダーの
性能向上とともに
         95P
パラには、爽快感とスリル=天国と地獄が同居していて、飛んでいると「生きて
るっ!」って実感できるところが素敵です。

パラが上手な人は、感性豊かで決断力のある強い人間だと思うから、良きライ
バルとしてつきあってみたいです。

松浦利恵
さん
GIRL GIRL GIRL
アイドル探検隊
         96P
パイロット証を受け取った途端、天狗になり木に登り、上ばかり見ていて枝が
無くなっているのも知らずに足を踏み出すからよく落ちる。常日頃、私がスクー
ル生に注意を喚起する時に使う例えなのですが、どうでしょう?酒井氏のような
航空知識も経験も豊かな方が畏敬している空の世界。これを機会に、私と一
緒に自分を見直してみませんか。
阿蘇パラグライ
ダースクール
松本勇二
校長
FROM READERS
酒井機長
フライト2万時間
突破      96P
『ルールとかマナーってのものは結局は安全のために存在する』という意見に
は賛成です。議論中の接触事故について、パラ、ハングどちらが悪いかを問う
気はありませんが、ルール以上にマナーを守らないと結局は自分が怪我をす
ることになりますよね。

練習生にはハングと一緒に飛んでいる意識が欠けているような気がします。
混んだときのランディング場を見ていると、ハングが可哀想になるくらいパラを
必死になって避けているのがよくわかります。しかし、中には混雑しているラン
ディングの間際になって、まだセンタリングをかけているパイロットもいたりして
いるのが現状ではないでしょうか

我楽多
さん
「鹿」さんの
『独断的』パソ通
コラム第3回 102P
空中では積極的に声を出しましょう。だけど車社会の《黒塗りベンツ》的な使用
はくれぐれも謹んでください。
中台 章
さん
ビギナーのための
セーフティーフライト
『心得』講座
最3回
事前のチェック
予測の大切さ
         106P
最新型機体のカタログデータをうのみにして、自分の実力かえりみず、ウデも
ないのに高性能機を手に入れ、コンペティターになったつもりでトレーニングも
そこそこに、クロスカントリーの世界へ・・・。見知らぬ地形と慣れない機体で、
振られ潰され、命からがらツリーラン。ハデなキャノピーの色に農家のオバサン
慌てて110番。

関東からよく来られるフライヤーさんは、航空力学、気象学の分厚い本を持参
理論上、机の上の勉強も大事だが、頭デッカチのペーパーフライヤーに、咄嗟
の判断が出来るのかな。
フライトテクニックの専門書を見て、知識だけ先走りするフライヤー。走り屋さん
プロ集団の専門用語ばかり使ってアゴ走るフライヤー。そんなヤツラにパラグ
ライダーの本当の楽しさ、自然の偉大さはわからんだろうな。サンデーフライヤ
ー、普通の日本人、安全に楽しくフライトしたければ、うんちくたれる前にもっと
もっとトレーニングして、自分のウデを磨くのが賢明だろうが!
ついこの前も、「オーストラリア、ニュージーランドでガンガン飛んでいたから、
こんなチンケな山では飛びたくない」とアゴたれる初老の日本人がいた。チンケ
な車のチンケなオジーサン。どこか高い山探して飛んでもイイけど、帰って来な
くてもイイヨー。

火の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
山ケン
校長先生の渇!
第二条
知識先行
アゴだけの薄っぺ
らな人間になるな!
         107P
1996年5月号 (vol 52)    
昔、筆者がハンググライダーを始めて間もない頃『感覚を養うことが先決。バリ
オを持つのは上手くなってから・・・』という定説が横行していたものだ。しかしな
がら計器を有効に利用し、データを活用したフライトに早い時期から親しんでお
くほうが技能の向上に役立つことは今や当りまえ、常識となっている。
フライトのためだけにGPSは存在しているわけではない。『安全』もまた、GPS
に課せられた『使命』なのだから・・・。
加賀山務
さん
GPS
その真価を探る
         22P
昔から「パイロットの三割頭」などといわれる。この『三割』が七割だったり、
一割だったりと人によって色々だけど、要するに上空では普段と比べてずっと
頭の働きが鈍くなるということを意識せよ、ということだ。地面に足がついている
ときには「この程度の操作ならばなんとかなる」と思えるバリオでも、上空さらに
はバンピーなコンデションまでを考え、本当に使えるかどうかは疑わしい・・・
と考えるべきだろう。
DK関連事業部
電子機器研究
開発専任
伊藤純二
バリオ、GPS特集
開発の現場を
訪ねて     25P
動力を持たぬグライダーで空高く上昇するすることは決して簡単なことではない
けれども、飛行経験と知識を積み重ねることによって誰もが白い積雲とたわむ
れることができる。鳥と一緒に輪を描き、眼下に広がる景色を楽しむ・・・・
子供の頃の思い出がよみがえり、それが現実のものとなったことに体中が震え
るほどの感動を覚えるであろう。このことを体験したものは、チャレンジと楽しさ
に満ちたこの知的スポーツの虜になってしまうに違いない。

積雲に到達できるかどうかは、練習量・飛行経験だけの問題であって決して困
難なことではない。地上で生活する人間にとって、地面から足が離れることでさ
え十分にエキサイティングなことである。しかし、降下滑空飛行だけで良いとす
るならば、このスポーツの魅力の1%も知らずにいることとなる。

小野寺久憲
さん
高性能グライダーを
乗りこなすための
最新フライト
テクニック    32P
飛行において、その結果がどうなるか解らないような実験的部分は存在しては
ならない。いつまでも起こり得る可能性を先取りし、結果を予測して操縦を行う
心構えが、短期間で安全に高性能機体を乗りこなす秘訣となる。
小野寺久憲
さん
高性能グライダーを
乗りこなすための
最新フライト
テクニック    33P
空中での動きはパラグライダーにとっても三次元の運動であるから、それを
一つの舵で正確にコントロールすることは難しいといえるのかもしれない。
他のソアリングギアに比べ、操縦はやさしいけれども運動の自由度は小さい
のである。
小野寺久憲
さん
高性能グライダーを
乗りこなすための
最新フライト
テクニック    34P
僕は今回「パラグライダーは、ただの旅をするための道具にすぎない」という
側面を発見した。旅行とは空を飛びに行くための移動、じゃなくて、空を飛ぶ
道具を持って旅をするのだ。そこにはきっと、今まで見えなかったものが見えて
くるような、本当の「旅」が待っているはずだ。
関口恭生
さん
人間探訪
第7回      46P
最初は手探りの作業でした。でも、なんというか、フィーリングみたいなもので僕
はやっていました。今考えれば、あの時に専門的な知識が多すぎていたら、
かえってうまくいかなかったのかなとも思いますよ。
ハーネス
パペッシュ
PARAGULIDER
BRAND-STORY
第7回
ノバ社
コースを選択する時に、他のパイロットと違うオプションをして、時間をかなり食
ってしまうこともありかすが、どんな選択をしたとしても、最終的にはどれだけ我
慢できるかということで、結果が違ってくるような気がします。忍耐力ですね。
オリビエ・ネフ 競技に勝つための
トーク講座
世界のトップに聞く
第4回     65P
概して自分が楽しく飛べている時には、いい成績が出ますね。それからその日
のコンデションが自分に合っているというのも、大切です。

勝つ時と言うのは運も多分に関わっていますよ、絶対。僕は20〜30%は運だ
とも思っています。

何か失敗したり、うまくいかないというのは、逆に心を静めるためにあるのかも
しれないと。いつもいつも成功していたらわからないけれど、失敗するからこそ
わかってくることって、いろいろあると思うんですよね。そんな風に考えると、
すごく前向きな気持ちになれるんです。
こうやって気持ちを入れかえることができると、どんなに大きな失敗をした後で
さえ、勝てるようないいフライトができることもあるんです。それに自分だけじゃ
なくて、他の人だって失敗するんだと思えば、気持ちはもっと楽になるんじゃな
いでしょうか。

必ずしも競技会では競技仕様の機体で飛ばなければならないとは考えていま
せん。数字上の機体性能は下でも、その機体をいかによく知っているかという
ことが、結局は結果として出てくるからです。だから、どんな機体でもそれで十
分に納得できるまでフライトをするのがまず第一ですね。

競技会に出るようになると必ず何か学ぶことがあるんです。初めの頃は、先輩
パイロットの飛び方やテクニックの見よう見まねだったし、大きな競技会に出る
ようになってからは、自分が失敗したり、他のパイロットの飛びを見たりしても、
やっぱりいろいろ勉強になります。
どんなレベルになっても、こうしたことがあるから、レベルの上達には絶対に
終わりがないって気がします。今度の大会ではどんな発見が・・・と考えれば、
自然とウキウキしてくるんです。
逆に楽しさを感じなくなったとしたら、競技をやっている意味がなくなってしまう
のではないでしょうか。他の人を蹴落とそうとか、睨み合ってばかりだからね。
僕が競技を続けているのは、楽しいから。その一言に尽きます。それに楽しく
飛ぶと、なぜかいい成績が後からついてくるんです。

オリビエ・ネフ 競技に勝つための
トーク講座
世界のトップに聞く
第4回     66P
何も考えずにテイクオフして、何の備えもなしにあおられて怖いめにあうのは、
ただのバカではないかと思うのである。パラ・フライヤーが酸欠気味なのは知っ
ている。だけど、だからといってただのバカになったのでは仕方ない。 
阿施光南
さん
フライヤーの
お天気学
第4回
天気図で風を予測
してみよう   73P
一般に、サンデーフライヤーは、気流の先読みに疎い。それよりも、テイクオフ
できる風かどうかを気にし、サーマルに入った先発の機体に目を奪われ、全体
の気流の流れまでイメージする余裕がない。
四国
イーグルス

JMB東四国
PGS

喜田 実
さん

インストラクター
リレーエッセイ36
気流の荒れ予報
          89P
前年の上級機が次の年には中級機になり、そして初級機にと、位置づけが変
わってくるのには釈然としないものを感じてきました。それに連れて値段も下が
るというのも納得できませんでした。「上級機といって高い定価をつけた方がよ
く売れる」「2機目、3機目になると中級機では恥ずかしい・・・」といったおかしな
現象が存在したのは紛れもない事実です。

私自身、コンペ機と呼ばれる機体には手を出したことはありませんが、「常に精
神の緊張を強いる機体は楽しくない」と以前メールに書いていた人がいました。
「コンペ機や上級機は危ないが、中級機以下は安全・・・!」といったような割り
切り方もたいへん危険のように思います。それは、メーカーの販売戦略と密接
に絡む位置づけではあっても、初心者、中級者、上級者、競技者に想定される
技量に適確にマッチしているとは到底思えないからです。現在の「初心者」は
3年前の「中級者」と同じ位の技量があるか・・・と問えば、答えは自ずから明ら
かです。

PGは趣味の世界です。見栄を張って、初心者が無理してコンペ機に乗っても
楽しくないでしょうし、第一一緒に飛ぶ者も不安です。コンペが目的で、大会で
上位に入れなくては楽しくないコンペティターがいるのは事実です。しかし私自
身、趣味の世界にまで人と競いたくはないと考えています。

久米仙
さん
「鹿」さんの
『独断的』パソ通
コラム第4回  96P
ポーラカーブとか定量的な試験データとかその他科学的データを送付してくれ
た方がよっぽど嬉しいということです。メーカーにとってデータを公表することは
何か不利益になるようなことがあるのかしらん、と勘ぐってしまいます。自動車
のCMのような耳障りの良いキャッチフレーズ、詩的表現や一方的レベル表現
等を全面に打ち出して売られるのは、命が懸かった商品なだけにとても割り切
れない寂しい気持ちが残ります。
ムウ
さん
「鹿」さんの
『独断的』パソ通
コラム第4回  96P
メーカーにより分類の基準はさまざまでしょう。ですから、初級機は安全、上級
機は危険。といった決め付けは、ハッキリ言って間違いであり危険だと思いま
す。実際問題として、とあるメーカーの初級機は他のメーカの上級機より危険、
という話も耳にします。
大内祐徳
さん
「鹿」さんの
『独断的』パソ通
コラム第4回  96P
ビギナーにとって上昇率の良い強いサーマルは、危険なローターとして考えな
ければなりません。例えば、経験の浅いサーファーにとって大きな波が危険な
ように、熟練度によって最高と最悪が紙一重で存在していることを充分理解し
てください。ビギナーである貴方が疑いを持ったり、決断を迫られる気象条件
下でのフライトは見合わせるべきです。これはビギナーに限らず全てのパイロ
ットにも当てはまります。特にギリギリの気象条件下では、その後に天候が回
復するか悪化するかの判断は、ギャンブルに近く、また、天気図などからの判
断や予測も、常に予想通りにいくとは限りません。

私たち人間の力が及ばない自然の前で、常に謙虚にいなければなりません。
自分をよく知って気象をよく知り理解し利用する努力を続けることが、唯一私た
ちにできることです。自然界の動物が状況変化に対し注意深く生きているよう
に、フライト中には状況の変化に敏感になりましょう。
その変化に気が付かない動物が生き続けられない様に、私たちフライヤーも
自然界の基本的なルールから除外されることはありません。
レジャースポーツである以上、許される危険には限界があります。それを判断
するのは、貴方自身であることを忘れずにフライトに挑んでください。全てのパ
イロットにその自覚があれば、この素晴らしいスポーツの社会的な立場を良い
方向に導くことがえきるのです。

中台 章
さん
ビギナーのための
セーフティーフライト
『心得』講座
第4回
安全に対して
自覚を持とう 100P
どうも50歳代の人は我が道を行くってのか、人の意見を聞かずに突っ走る
タイプが多いような気がする。60歳を過ぎると、人間も丸くなり、温和に、安全
フライトを心掛けておられる人が多いんですけどね。

イタイ目に遭いたくない人は、普段から上級生や年長者、指導者の意見を良く
聞き、単独行動をしないように! フライヤーの和を広げ、人間性とウデを磨き
安全に楽しく、肩肘はらずに焦らずに、ワンフライト、ワンフライトを確実に、
目的を持ってレベルアップしてほしい。 

火の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
山ケン
校長先生の渇!
第三条
人の意見を聞かず
単独行動をするな
         101P
1996年6月号 (vol 54)    
重要なことは、自身が「パニック状態」に陥らないようにすることだよね。
パニックになっちゃったら、たぶん助かるものも助からなくなると思うし。自身が
「もうダメだ」と思ってしまったら、自分の助かる道を自ら放棄したことになるわ
けなんだよ。「自分を守るのも自分」。他のスポーツとスカイスポーツの一番違
う点がコレだろうね。
吉田光弘
さん
座談会
私のレスキュー
体験談     25P
初心者もしくは一般の人に聞くと、必ず「空は危険」といったことを言われますよ
ね。でも、ちょっとオーバーに言えば、気軽に利用している飛行機のほうがよっ
ぽど危険だと思うんですよ。だってエンジンが止まってしまったら、あとは落ちる
だけですから・・・。その点、パラグライダーには「レスキューパラシュート」という
補助の「翼」が付いている。世界中のどこを探しても、パラシュート付きの飛行
機なんてありませんからね。
神崎紳ニ
さん
座談会
私のレスキュー
体験談     25P
初めから空は勘で飛ぶものだと教わっていたんです。もちろん経験を踏まえた
上で、ということだったんでしょうが、私はその通りに勘を信じて飛んでいるだけ
なんです。師匠の言葉は絶対でしたから。

エマグラムとかで今日の雲低はいくつだとか考えないんです。自分が上がらなく
なったところが雲低だと思っていますから。

川地正孝
さん
人間探訪
第7回      49P
良く専門家のテスト・パイロットは必要ないのかという質問を受けますが、それ
はいればいたで効率も上がるのかもしれませんけれど、どうしてもそれが不可
欠なものなのかどうかといえば僕には分かりません。かえってコンセプターと
十分に理解しあえないテスト・パイロットがいて、その人とのコミュケーションの
ために時間や余計な労力を使うことを考えれば、自分でやった方が気が楽だし
早いんじゃないかと思います。
そんなことに時間をかけるんだったら、その時間をより開発に回した方が、
ずーっと効果的だと思っているんです。
シルバン
プレッテイ
PARAGULIDER
BRAND-STORY
第8回
USヴォアル社
         61P
うちの会社は、メーカーとして一段上の立場からフライヤーに機体を供給してき
たのではなく、スクールや顧客といつも同じスタートラインに立って、一緒に機
体を開発してきたんですよ。

うちには受付もセクレタリーもいませんからね。電話がかかってきたとしても、
みんな内容を把握していることになるし、なによりも話が販売担当者にとどまら
ずに、直接コンセプターに来る。そのコンセプターは、アトリエにいるだけではな
くて、コンペにも積極的に参加して翼をよく知っているわけですから、マーケット
の要望が直接製品に結び付くんです。いわばUSヴォアルの機体はみんなが
参加して作っているようなものなんですよ。

人手がなければ、個人の負担が多くなるのは当然ですが、僕は仕事をいかに
単純化させるかといったことで、問題を処理しています。逆に小さければ小さい
なりにメリットはたくさんあると思うんです。それに何か大きいことをやろうという
ファイトだって小さい会社だからこそふつふつと沸いてきます。コンペの世界で
も、今年とはいいませんが、近いうちにあっと言わせるような機体を登場させた
いというのが、僕の目下の目標にもなっています。
パラグライダーで生計を立て続けることがこれからもなお課題となるにしても、
パラの商人にはなりたくない。

シルバン
プレッテイ
PARAGULIDER
BRAND-STORY
第8回
USヴォアル社
         62P
当然何か集中できない要素があれば、分析している状態ではなくなりますよね
ストレスがあるとか、イライラしているとか。そんな場合には、僕は僕なりの哲学
みたいなものを使うんです。具体的にいうと、頭の中で自分がパニックに陥って
いるのをわざと考えてみるんです。それができると、なぜか自分を落ち着かせ
ることが可能になってくるんですよ。要するに、ネガティブな要素を外へ追いや
ったり、仮にミスをしてもそれをポジティブに持っていけることが、こうした場合
には役にたつんだと思うんです。
ドゥニ・コルテラ 世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第5回     67P
他の人についてこられないように、自分がいるのをできるだけ目立たなくするん
です。最初にスタートしないとか、陰にいるとか・・・ね。
自分自身に絶対的な信頼が持てる時というのは、勝てる時なんですね。コレで
いける!って思うことが、ピッタリ当たるというか。
反対に、変に自分の中で勝たなきゃいけないとか、余計な考えが出てきた時に
は、ダメになります。そんなことで集中力もそがれてしまいますからね。だから、
やっぱり、調子が出てくるのは、そんなさまざまな思いに打ち勝ち、フライトに思
い切り集中できた時です。

僕は、どんな場所でもどんな時でも、練習にならない時はないと思っています。
つまり、どこにいても、たとえば一回フライトをすれば、必ずたくさんの情報が得
られるんです。だから、そのつもりでいれば実に多くのことが勉強でき、上達も
早くなるはずです。自分自身が「自分は学ぶんだ」という気持ちを持つだけで、
それまでは気付かなかったいろんなことが見えてくるのではないでしょうか。
実際、大気の状態は5分ごとに変わっているわけですから、次の5分にはすべ
てが変化していることになるんです。同じことは2度とない分だけ、学べる要素
は無限にあるということでしょう。

ドゥニ・コルテラ 世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第5回     68P
ひとりの特定のひとだけでなく、いろんなタイプの異なった人たちと話していくと、
自然に具体的なアドバイスやヒントが得られるようになるんです。多くの人と話す
ことで、自分の中で価値判断ができるようにもなります。

エラーをするのはかえっていいことだと思います。エラーをすると、何が悪かった
のかというのを後になって分析する機会を持つことになって、逆に上達するステ
ップになることが多いからです。たとえ失敗をしても、顔をそらさないでそれに
ぶつかっていくくらいの気持ちでいる人はどんどんうまくなりますよ。

機体の持っている性能をどのくらい引き出せるかといえば、せいぜい80〜90%
ぐらいのものだと、僕は思っています。だから、もしそれが100%出せるというのなら
競技会にだって中級機で充分参加できると思いますよ。
競技会に出るには、コンペ用の機体でなくてはならないという考えは、もう捨てたほう
がいいと思いますね。あまり、固定観念にとらわれすぎないで、何をするにも謙虚で
いたいものです。いくらトップコンペティターと同じタイプの機体を持って参加したとし
ても、それ以前にそれを扱いきれなければ、宝の持ちぐされになってしまう。かえって
危険な目にあいそうになったり、事故にあうことだって考えられます。どんな大きな大
会でも、トップクラスの機体がたくさん参加しているのを見ますけど、それらすべてが
必ずしもいい成績でないのが、何よりの証拠ですよ。背伸びしないで、自分あったも
のを選んでほしいですね。

ドゥニ・コルテラ 世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第5回     68P
飛ぶことを本能とし、飛行のため何億年・何千万年と体の構造そのものを変化
させてきた鳥でさえ、固体としては飛行訓練が必要であり、その間は危険を伴
う。布と紐でできたパラグライダーに機体の一部として人間が乗る。筋力のない
キャノピー、神経の通じていないライン、軽量空洞化した骨格を持たない体・・・
それでもフライヤーは空を飛ぶ。
鳥ですら幼鳥の一時期を羽ばたきの練習に費やす。人間ではなおさらライズア
ップの練習を繰り返し、安定した立ち上げがいつでもできるようにし、グランドハ
ンドリングによる地上訓練を重ねなければならない。また飛行方向や高度処理
を、親鳥の変わりにインストラクターから学んでいく。操縦技術の未熟はそのま
ま事故に結び付く。しっかりとした実技講習と、ステップを踏んだ操縦技術習得
を、焦らず楽しく積み上げていくことが必要だ。

自転車が何故二輪なのに倒れないで走るのかのメカニズムを考えながら自転
車を練習する者がいないのと似ている。その結果、飛行理論は右の耳から左
の耳へと通り過ぎていく。だが自転車と違い、パラグライディングの失敗はすぐ
に事故につながる。
鳥が生まれながらに遺伝子の中や本能として持つ飛行の知識を、人間は持っ
ていないのである。人間は飛行知識と技術の伝授を遺伝子ではなく、教育によ
って習得していかなければならない。飛行理論に興味を持つことはフライヤー
にとって、とても大切なことになる。

泉 秀樹
さん
事例から学ぶ
セイフティテクニック
第5回
事故を起こしやすい
人々      70P
虚勢や優越意識から本来避けるべき危険にあえて挑んでいくフライヤーがいる
あるいは持って生まれた性格なのか、怖いもの知らずの無謀な飛行を繰り返
すフライヤーを見掛けることがある。危険に対する予知能力の欠如が知識不足
や経験不足からきている場合は、周りのフライヤーやインストラクターによって
危険性の軽視を改めさせることはできる。こうした人々は、元々危険を軽視し
ていたのではないので、危険を知ることで危険回避する飛行をするようになる。
しかし、性格的に危険に対する警戒心を欠く者は、偶然助かっているだけであ
る。こうした性格の人間は、特攻隊や一時代前の戦闘機乗りに向くことはあっ
ても、およそスポーツやレジャーとしてのパラグライディングには不向きである。
インストラクターはパラグライディングをやめることを奨め、エリア管理者は飛行
中止をさせることが望まれる。これと似た振る舞いでは、酒酔いや薬物による
一時的な危険無視もある。仕事や日常生活で常日頃「何とかなる」「大丈夫」と
いった考え方をするフライヤーも、ことフライトに関しては臆病なくらい慎重にな
ることを奨める。
未知の経験に対して、人は緊張を迫られる。緊張の度合いは個人差がある。
ある人は未知の経験を冷静に受け止め、これまでの経験や知識の活用によっ
ていい意味でのストレスとし、乗り切って行く。
だが中には未知の経験を不安と感じ、その不安が恐怖心を引き起こし、パニッ
ク状態に落ち込んでしまうことがある。怖いと感じた時から判断力を全く喪失す
るパニック状態までは、あっと言う間に入り込んでしまうことがある。視覚狭搾
に陥ったフライヤーは、ただ一つだけの行動を必死にとり続ける傾向がある。
そしてその行動の多くは、端からは危険に向かって突き進んでいるようにさえ
見える。僅かな発想の転換で、危険から脱出できる場合すらあるのに、本人は
それが判らなくなっているのである。パニックに陥らないためには、リラックスす
ることである。
泉 秀樹
さん
事例から学ぶ
セイフティテクニック
第5回
事故を起こしやすい
人々      71P
ビールをコップ一杯飲んでフライとした時の危険度は、自動車を酒気帯び運転
した時の比ではない。即、本人の命に係わる問題となるばかりでなく、墜落とい
う最悪の結果を招くことになれば、地上の人命さえも危険に晒す惨事となりか
ねない。空を愛する者の常識として、以上のことは絶対に遵守していただきたい
栗原 正
講師
MPGステップアップ
講座 第5回
モーターパラの
「特性」を知る 77P
このレベルになってきますと、少しずつですがパラグライダーの楽しさはもちろ
んなのですが、厳しさや怖さについても知り、理解できるようになってきている
と思います。この厳しさや怖さについて、決して勘違いしないようにしていただき
たいのですが、どのようなスポーツでもそれは伴うもので、パラグライダーや
スカイスポーツだけが特別に危ないスポーツだという事ではないということです
また、どのようなスポーツでもそうなのですが、特にパラグライダーを長く続けて
いくためには、ケガをせずに安全にフライトしていただくことが必要です。皆さん
も経験があるかと思いますが、インストラクターからスクールの中で非常に厳し
い口調でアドバイスを受けたことはないでしょうか? インストラクターはケガの
痛みを知っているのです。それを知っているからこそ、ついつい分かってはいる
けれども、まずい状況を察知したら、つい口調を荒くしてしまったりするのです。
目黒 敏
さん
それいけP証
P証取得対策講座
第3回     100P
ボディビルダーが筋力トレーニングを行う際に、そのトレーニングをより効果的
にするためには、今どの部分の筋肉を鍛えているのかトレーニング中に強く意
識して行うことが重要だと聞きます。これはパラグライダーにも共通のことだと
思います。反復してトレーニングを行うことに加え、『目的と理由』を常に意識し
ていることが大切です。『目的と理由』を常に意識し、フライトに臨んでください。
そうすれば、きっと今以上のフライトができることでしょう。
目黒 敏
さん
それいけP証
P証取得対策講座
第3回     101P
空中で優位に立つということは、他機との間で優位に立つという意味ではあり
ません。自分のフライトがどんな気象の変化や他機との位置的な状況変化を
起こしても安全にランディング上空に戻り、同時進入を避けて着陸できるポジ
ションに自分を意識的に置くということなのです。
同時進入を避けることができない場合もあります。特に着陸地点が小さい場所
での同時進入は、絶望的な状況といえます。しかし状況を作り出しているのは
あなた自身であり、それを予測できた、できなかったに関わらず、眼前で起こる
『非常事態』の中で最善の方策をとらなければなりません。
一般的にそれらの状況に陥ると、パイロットは普段だったら決して行わない行
動をとるケースがしばしば見受けられます。これがパニックといえる状態です。
中台 章
さん
ビギナーのための
セーフティーフライト
『心得』講座
第5回
ランディング
アプローチ  102P
顔見知りの看護婦さん、「あなたはケガするために生まれて来たの?」。院長
からは、「君は50すぎたら後遺症で松葉ツエだよ」この時ばかりは自分の行為
が世間に、また五体満足に生んでくれた親に申し訳なく、深く深く反省。
自分が色々な原因の下で事故っているから、スクール卒業してからケガしそう
なタイプのフライヤーはすぐ分かる。この『いつかケガする十か条』は私自身の
十か条でもある。半死反省の貴重なデータ、生きざまなのだ。10年間に7回も
病院行きになると、家庭も体も仕事も順調にいくわけがない。
元来人類は天地創造時代から空を舞うようには設計されていないのだから、
世間の風、世の中を甘く見ず、フライトする前、たまには大自然に感謝、敬意を
はらおう。私の『十か条』もヘルメットの隅にでも入れて、スタ沈する事なくテイク
オフしてほしい。パラやハーネスは頻繁に買い替えるのはありがたいが、生身
の体はそうはいかない。補修復元、多少はできても、寒い朝や雨の日はキズ
あとが身にしみてコタえるヨ!
火の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
山ケン
校長先生の渇!
第四条
世の中、大自然を
甘く見るな!
         103P
1996年7月号 (vol 55)    
サーマルソアリングが上手くできなかったときの言い訳は、サーマルの数の10倍も
思いつくことでしょうが、言い訳を考えている間に何が悪かったのかをじっくりと考えて
いる間に何が悪かったのかをじっくりと考えることが重要です。
『自分が行った時にはすでにサーマルがなかった』『サーマルが途中で消えた』『小さ
いサーマルで無理だった』『回そうと思ったら山が近かった』『他の機体が突っ込んで
来た』・・・等々です。しかし、失敗の本当の理由は、じつはすべて自分に起因している
のです。
松原 彪
さん
ガンコおやじの
ハウツー講座
サーマルでの上手な
センタリング方法を
探る       19P
ソアリングを教えてくれ、って言って来ていながら、いまだに体重移動とかのグライダ
ーを自在に動かすための基本的なポイントが甘い人がいるわけなんです。しかしその
ような場合、詳しく操作の仕方を説明したところでその通りにグライダーを動かせない
からできないんですよ。だから今回このインタビューにしても、一番大切なことは、『グ
ライダーを自在に動かせること』が大前提となります。さらに第2の条件として、『荒れ
た空気(大気)の中でいかにサーマルを捕まえるか』というのが問題になります。そして
最後に、第3のテーマとして『いかにサーマルを見つけるか』・・・。この三つの「柱」が
揃わないとサーマルソアリングは上手く上達しないわけです。ヒドイ場合だと、こ三つ
がどれも中途半端で、「とりあえず飛べる」「とりあえず上がれる」「とりあえずサーマル
が見つけられる」という場合があります。
自分の円を正確にサーマルのコアに持ってくるということが重要になってきます。
間違えないでほしいことは、コアに入れるのは自分の機体ではなく自分の円だ、
ということです。よく強い選手はスルスルと高度を稼いで先に上がっちゃいますけど、
ぷらす5で上がるサーマルは誰がいてもプラス5で上がるんですよ。しかし、ナゼ個人
によって『差』が出るかというと、いかにそのサーマルから自分の円がはみ出している
か、という部分で表れてしまうんです。

重要なことは、どこから出てきたサーマルがどこに流れて行っていて、自分がその
どこにいるかを知ることなんです。それと、同じ気団の中では、サーマルは同じような
条件で同じように出ると考えられるので、このサーマルの流れがイメージできれば
サーマルの出方はおおよそ予測できる、ということなんです。
サーマルとは、自分の想像したものにデータを加えていかに現実に近づけていくかが
勝負なんです。練習方法としてはサーマルのコアに入ったら、わざとコア外へと出て
高度を落としてもう一回入ってからまた外して・・・ということを繰り返しながら高度を
少しづつ落としていって、サーマルの発生源や流れを確かめることです。そうすること
によって自然と空気の流れが見えてきます。

田中 栄一
さん
サーマルハント特集
Interview    23P
自分でもがむしゃらに飛んでいる時なので、次第にサーマルソアリングに慣れてくれ
ば慣れてくるほど、風が強いのをサーマルが強いと錯覚して、結構強い時にムチャ
して出ていったこともありましたね・・・。
「安全の輪」っていうのは人によって違う、ということなんですよ。
サーマルソアリングしたての初心者であれば、本当に強いサーマルが出れば、春先
のコンディションであっても危ないと言えるし、逆に、熟知している人なら風が強くて
サーマルがいくらか流れているような場合でも安全なコンディションだ、ともいえるでし
ょう。だから、そのあたりを指導する時には、間違いのないようにその人に応じた安全
の範囲内で、ということになりますね。

僕らが見ていて安全、だけど本人はちょっとドキドキしているという経験は、安全の範
囲内で少しずつ生徒にはさせてあげるようにしています。
大事に至らない『小さな失敗』というか『試行錯誤』というものは、本人に体験させてあ
げないと机上の説明だけじゃまず理解できないと思うんです。もちろん、細心の注意を
払ってのことですが・・・。

高橋 悟
さん
サーマルハント特集
Interview
パラフライヤーの語る
サーマル
ハンティングの
危険性とは   24P
サーマルソアリングは楽しいところ七割、危険三割くらいだと思うんです。

確かに、強いサーマルにドーンと初心者をほうり入れて、クルクルっと上げちゃえば
一丁上がり、ってこともありますけど、できれば本人が少しずつ自力で「これくらいなら
楽しいかな、これなら安全だな」と感じられる範囲内で少しずつ世界を広げてあげられ
ればいいな、と。まぁ、たまたまほうり込んだり(笑)もしますけど。

初心者がサーマルソアリングできる日って、風が穏かでサーマルがドヨーンと上がって
いる時が多いじゃないですか。そうではなくて、強風の中、サーマルの強いのがたまに
抜けて行くある程度突風が吹くようなコンディションを無理して飛んだ人が怖い思いを
するんですよ。逆に、純粋に本当に穏やかなサーマルコンディションで怖い体験をした
という人は、やっぱり少ないですね。よほど強いのにガーンとヒットしてペシャと潰され
て、回復動作が遅れてクルクル・・・なんていうのが怖い例です。

高橋 悟
さん
サーマルハント特集
Interview
パラフライヤーの語る
サーマル
ハンティングの
危険性とは   25P
自分自身体験して分かりましたけど、パラグラダーってやっぱり全部経験ですよ。
「風が強いと怖い」とかいうのはやっぱり、捕まってみないと分からないし・・・。
スクール時代を振り返ってみて、「あの人怖い」って言っても絶対理解できないんです
よ。怪我しないと分からないとか、そういう人が多いと思います。それに怪我する寸前
までいかないと分からない、ってよく言いますし・・・。

重要なことは「知識」を蓄えることじゃないかと思うんです。しかし、いくら口で言われて
も分かりませんね・・・、本当に経験しなければ・・・。でも、イザという時のために知識
だけでもないとマズいですよ。だって、知識もなくて経験もなければ終わりじゃないで
すか・・・。せめて経験できないことなら、知識だけでも入れておいたほうがいいに決ま
ってます。

桑原典子
さん
サーマルハント特集
Interview
パラフライヤーの語る
サーマル
ハンティングの
危険性とは   27P
飛行理論を学ぶことは、専門用語が多くて理解しずものではあるが、らい空を飛翔
する者にとって必要なものであり、そのレベルはジェット旅客機でもパラグライダー
でも同じである。注意したいのは、いくら理論・知識が豊富であっても飛行経験が少な
ければ何もならない。理論に裏付けされた豊富な飛行経験が必要なのである。逆に
言うと、理論のない飛行練習は、いくら経験を積んでも操縦技術の進歩は遅いものと
なる。ソアリングスポーツが、知的キャリアスポーツと言われる所似である。
小野寺久憲
さん
スキルアップを目指せ!
高性能グライダーを
乗りこなすための
最新
フライトテクニック
          28P
機体の変遷に伴って、操縦要領も異常姿勢からの回復操作も変わっていく。
パラグライダーは進化の途上にある乗り物であるから、それに乗るパイロットの技術
や知識も変化していって当然である。旧態依然の技術と知識レベルで、新型グライダ
ーに乗る危険を犯さないようにしていただきたい。
小野寺久憲
さん
スキルアップを目指せ!
高性能グライダーを
乗りこなすための
最新
フライトテクニック
          33P
『空を飛びたい』という願望がありながら、飛べてない方がかなりいらっtしゃると思い
ます。そのような方はもちろん、『空の自由さ』とか『飛ぶ爽快感』を年齢に関係なく
多くの人と分かち合っていきたいと考えています。
40代50代の方でも、生まれて初めての体験を今から味わうことができます。
得てしてそういう方が初フライトをした時の顔というのは、童心の顔に戻っているんで
す。その顔を見るのが私の楽しみでもあり「この仕事をやっていて良かった」・・・そう
思える時なんですよ・・・。
DKスカイジム
佐野

上野 進
校長
人間探訪
第9回      49P
パラグライダーは都市の文明の中で行われるものではなく、そこから脱出して大自然
の中でそれを感じ、対話しながら楽しむものであって、そこに介入する道具は必要最
小限でなければならないと考える。さらにパラグライダーは「母なる自然を愛し共存の
方法を知っている人のもの、そして飛翔の自由を楽しむためには、安全だけでは不完
全でそこにはパフォーマンスと操縦品質が加わることが大切な要素である」とも主張
する。
Takeo Taku NEW-GLIDER
FLIGHT REPORT
UP SOUL    54P
現実にスイスで起こっている問題として、パラグライダーで飛びたい人がその技術を
習得するのに、各地の学校へ行ったとしても、その学校を卒業してパイロット証を取
ってしまえば、その後の技術的なアフターケアをする体制がまったくないのです。
つまり基本だけは何とかできても、実際のいろんなコンディションや状況変化に対応
できる技術を勉強できる場がないわけです。これでは、なかなか上達するわけがない
です。事実、パイロットの平均レベルというのは、とても低いものだと僕たちは考えて
います。だから、そんな現実がある時、メーカーの立場として何をしなければならない
のか?といば、そのようなあまり技術的にレベルの高くないパイロットにも十分に満足
させられるグライダーを開発、供給することだと思うんです。

たしかに、以前は急ぎすぎていた時期もあったと思いますが、パラグライダーの進歩
のリズムが緩和してきた今日、ゆっくりと自分たちの歩調でやっていきたいというのが
今の心境です。マーケットに柔軟な姿勢でいたい。大きくいられる時は大きく、小さく
ても小さいなりに、やっていければいいんじゃないんですか。

ローラン・ド
カルベルマッタン
PARAGLIDER
BRAND−STORY
それぞれのPG
ブランド誕生物語
第8回
エル・ド・カ社(スイス)
          62P
競技で重要なのは、『しかるべき場所にいかにいられるか』ということだと思いますか
ら。それがうまくいかないと、プレッシャーになったり、失敗する原因になることが多い
ようです。

サーマルの中では、ぶつからないようにいつもキョロキョロしなければならないのと、
たくさんいれば多少攻撃的にフライトせざるをえなくなりますが、要は速く上げればい
いことですから、そのことを気にすればいいわけです。

最終的には、机上の理論をするよりも、実際のフライトをたくさんするのが、うまくなる
一番の方法ですよね。ただ、競技に関して言えば、例えばそれのためにわざわざ新し
いグライダーを調達して、それをそのまま使うようなことは、絶対にやめた方がいいと
思います。一番大切なのは、自分がいかにそのグライダーを熟知しているかというこ
とに尽きると思うんです。古い機体でもよくわかっているもので飛んだほうが、僕の経
験からいっても、ずーっと精神的にラクになって、いい結果が出ると思います。
競技をしているといろんなエリアでいろんなコンディションにあうことができるかわりに、
最初はそれを正しく理解できないことも多いと思います。そんな場面に出くわしたら、
恥ずかしがらずに周りの人に聞いてみることも僕は大事だと思いますよ。なぜそういう
状況になっているのか、なぜうまくいかなかったのかということは、聞けば必ず答えが
見つかることですから。その理由がわかれば、同じミスはしなくなりますし、上達のスピ
ードも上がると思いますね。

ジョン・ペンドリー 世界のトップに聞く
競技に勝つための
トーク講座
第6回      69P
人類は、過去、幾多の危険と戦い、その克服に努力してきた。人の歴史は、安全と
安心を求めた歴史でもある。安全と安心を求める歴史の過程でも、夢や豊かさを求
める冒険者や開拓者の存在はある。冒険者は、その時できうる最善の安全性を準備
あい、未知の新世界へと足を踏み入れていく。また、未知の世界故に、予想もしない
出来事と遭遇する。未経験の危険に対し、冒険者は限られた情報から、最も適切で
あろうと過去の経験知識から判断される方法で対応していく。時にそれは判断ミスとな
ったり、準備不足から命を失うことがあった。だが彼等は、前人未到の世界に足跡を
残すことで、より安全に新しい世界へ進出する夢を後続者に指し示してきた。それゆ
え、冒険者は誇り高い選ばれた、一般市民とは差別された人々ともいえる。
新たな事業への開拓者もまた同じ事がいえる。振り返れば、パラグライディングの世
界もそうではなかっただろうか。当事者として、開拓期のパラグライディングを続けて
いるときには、それがなかなか分からないこともある。

「自分の翼で空を飛びたい」という人間の夢に最も近いスポーツであるパラグライディ
ングも、今や冒険者や開拓者の時代を終えつつある。彼らの経験を法則化し、一定
の学習システムとして確立できるまでに至っている。
そして現在、主流は安全で安心なレジャースポーツ普及の時代に入っていることを、
パラグライディング関係者は自覚しているのだろうか。
「安全にフライトしよう!」「安全第一」といった精神論だけでは、安全性は具体化して
いかない。「安全とは何か?」の答えが、「危険ではないこと」であったとしても、今度は
安全に対する反対語としての「危険」とはなにか? についても漠然としか理解してい
ないことが多い。この危険について明確に理解し、危険に対して適切な対応策を講じ
ること(リスクマネージメント)が安全につながる。
フライヤー・インストラクター・スクール・エリア・機材販売・機材メーカーそれぞれが
リスクマネージメント(安全管理)を体系的に実践し、お互いをチェックし、安全を目に
見える形としていかなければならない時に来ている。そして、それらがはっきりと目に
見えるようになった時に、パラグライディングは広い支持を受けた市民スポーツとなる

泉 秀樹
さん
事例から学ぶ
セイフティ・テクニック
最終回
事故対策は
リスクマネージメント
          70P
あなたが今スクールに通い、インストラクターの指導を受けているのであれば、あなた自身の安全を
確保するためには、インストラクターの指導の良否を見極める必要がある。インストラクターの指導が、
あなたの安全を高めも低めもする。

スクールチェックポイント1
下取りをした中古機体を、ランダムに練習機として使用していないか。
スクールチェックポイント2
より飛べるパイロットが、イコール優れたインストラクターとは限らない、インストラク
ターが自分の飛行技術や高度なテクニック自慢に、講習の多くの時間を割いてい
ないか。
「なぜ?」「どうして?」といった疑問に対して、めんどくさがり、「たぶん・・・」とか「言わ
れたことだけやっていろ」といったインストラクターも危険に対して関心が薄いことが
多いので、注意が必要である。
エリアチェックポイント
環境危険要因がビジターフライヤーにもよく理解できるエリアは、エリアの管理が行き
届いていることを示す、逆にただ「テイクオフ場とランディング場がそこにあるよ」とだ
け示しているエリアは、安全性という点で見れば、危険なエリアと言えるだろう。
機材チェックポイント1
高高度でスピンに入り、スピンから脱出できずに重大事故となっているケースがある。
特殊なフライトや競技のための性能を求めるのでなければ、スピンに入り込みにくい
機体を選択することである。
機材チェックポイント2
性能やスタイル・価格だけで選ぼうとしていないか。
購入先が、売りっぱなしのショップではないか。
フライヤーが機体の安全性能と滑空性能のバランスを、自分自身で判断することは
困難であり、信頼できるスクールやショップで相談しながら購入することをお勧めする
その際に、自社取り扱品の良い面だけを強く主張し、他社製品を酷くけなす様であれ
ば、一時購入を控え、フライヤー仲間と意見交換をし、客観的に自分の買いたい機材
を冷静に判断することも重要である。

これまでの連載の中で読者に伝えたかったのは次の4点だ。
*パラグライディングはまだまだ安全なレジャースポーツと胸を張って言えるほど、
 事故は少なくなっていないということ。
*起きた事故を、「他人で良かった」と考えずに、「自分だったらどう対処していただろ
 うか」「同じ様なことを起こさないためには、どんな安全対策を講じたらよいのだろう
 か」というように他人が起こした事故からなるべく多くの安全対策を得る努力をして
 ほしいということ。
*安全に楽しく長くフライトするためには、リスクマネージメントの思考方法を身につけ
 てほしいということ。
*安心してフライとできるフライト環境造りをしなくてはならないということ。
以上のことが、読者に少しでも伝わってくれれば幸いだ。

泉 秀樹
さん
事例から学ぶ
セイフティ・テクニック
最終回
事故対策は
リスクマネージメント
          71P
ゼノンで12回目のフライト、6日目の出来事。この日を境に、今までTOからゴムで
引っ張られていたようなフライトから脱出した。
ロールアウト
植松
さん
PG topia
          95P
ハードが進化しても、コントロールするソフト側(人間=パイロット)に同等の進化を望む
ことはできません。どんなにパラグライダーが進化しようとも、ビギナーが何時でもビ
ギナーであり、パラグライダーを始めようとする人の、飛ぶための能力が進化している
とは考えられません。時には、昨年は中級であったグライダーが、今年は初級になっ
たち、数年前の上級が中級になったりと、グライダー自体の変化はないのに、カテゴ
リーだけが変わるという珍事が時として起こることがあります。それらの「新常識」は、
インストラクターや経験の積んだパイロットなどにより作られます。
人は自分の経験を通して常識を作り上げていきます。そして自分の技術の向上と共
にその時の「常識」も変化します。こうして経験を重ねることで、初心者の頃の自分を
忘れてしまったり、断片的に残ったイメージを繋ぎ合わせることで、先の述べたような
珍現象が起こるのです。しかしどんなに年数が過ぎてもビギナーはビギナーであるこ
とを、指導する側もされる側も理解しておくことが重要です。

ここで今一度よく考えてください。今までの全ての経験は、一定の管理された状況下
や気象条件の中での経験だったのです。管理された環境下で飛ばされているという
自覚を持ってください。自身を持つことは大切ですが過信が禁物す。この頃、犯しやす
い大きな間違いは、ズバリ「過信」なのです。
ある一つの性能を手にするために、必ずその代償として、それなりのリスクを負うこと
になります。あなたが今ステップアップを考えているのであれば、二段抜かしで多くの
リスクと不安な状況を作り出すより、確実なステップアップで安心してフライトを楽しむ
ことが賢明と言えるでしょう。パラグライダーを趣味として続ける限りリスクは最小限に
止めなければなりません。性能はお金で手に入れることができますが、技術は長い
時間と正しい経験がなければ手に入れることはできません。

6回に渡って連載を続けてきました。今までの内容を理解して、皆さんが安全にフライ
トを楽しんで頂けることを期待して最終回を終わります。
HAPPY LANDING!

中台 章
さん
ビギナーのための
セーフティフライト
『心得』講座
最終回
自分の技術に合った
機体選びを  102P
「このハングの生き残りが、行き当たりバッタリで来るな」うちはコンビにでもグリコの
オマケでもネエヨュ。こんな非常識なフライヤーが来ると、他のスクールの指導者は、
リーダーは、何を教えとるか? と考えてしまう。フライト技術だけではなく、外へ出す
前にマナー、エチケット、一般常識をきちんと指導してほしい。
全身全霊をエリアに注いでいる。ある意味では、俵山の守り神なのだ。だから身勝手
な連中が軽い気持ちで、他のエリアのオマケに来たと言われるとすごくイカルョ。
行いの悪いハンパな人達はサヨナラなのだ。
フライトするだけではなく、人間性を磨き、豊かな大きな心を育み、一般社会から「ス
カイスポーツされる方は、礼儀正しく立派な人達ですね」と言われる位になって欲しい

人の夢を壊す、ゴマのハエみたいな節操のない人種が多くなった様な気がする。
パラグライダー界も過激に走らず、この辺で原点に戻り、普及する事をよく考えないと
今のままではヤブ沈するよ。

日の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
B級生に贈る
山ケン校長先生の
渇!
第五条
良識を持って
日頃の行いを見直せ
         103P
CMにもある「社長も部長も昔は新人だった」というこのコピーがダーイ好き。トップフ
ライヤーだって最初はイントラにどなられて育つわけだし、ルールや礼儀を守り実践
してきた人だけが「本物」になっていると思う。どの職種に限らずちょっとカジっただけ
ですぐ名前やタイトルにこだわる人は成功しません。新人の皆さん夢の現実は「地道
なトレーニングあるのみ」です。頑張って下さい。
(く)
さん
FROM STAFFS
         106P
1996年8月号 (vol 56)    
何でもトライしてみたくなる性分なんで、水に潜りたいと思えばスキューバダイビング、
水上ならジェットスキー、なんてね・・・。陸上ならオートバイ、空も飛んでみたいと思っ
たから、実際飛んでみたわけなんです。いろいろ試してみて、空を飛ぶのが一番楽し
かったわけなんですよ。

普通のフライヤーなら平日に仕事して、週末に「さぁ飛ぶぞ・・・!」ってストレス発散に
やってくるでしょ?そのときのパワーって、結構デカいものなんですよ。僕らが毎日講
習を開いていて、ある時「疲れたな」とか「シンドイなぁ」とか思ってしまったら、もうダメ
ですよね・・・。こっちのパワーが彼等より負けてしまうようであれば、もうこの商売続け
る資格は無いと思います。「風が悪くて飛べなかったけど、『ゼロ』に行けば何か気分
が晴れるよね・・・」って言われるくらいパワフルでないと・・・。パラに限らず、彼らがリ
フレッシュできる環境を作っていきたいですね。

どうしても越えられない『限界』がパラにはあることをしっかり理解してほしいんです。
今でも無理して飛んでいるパイロットは多いですし、大会でも無理して飛んでいるコン
ペティターって多いですよね・・・? トップパイロットにしたって、よく怪我しているし・・。
ほら、最近ハングで怪我した人って、あまり聞かないでしょ? 最近のパラグライダー
の大会は、少し無理して強風の時とか荒れているコンディションの中で距離を延ばす
方向にあるように感じるけど、もう少し安定した渋い時に技術や知識を使って、小さな
サーマルを何とかつないで遠くへ距離を延ばしていく大会があってもいいように思うけ
ど。でも、世界選の目標が『とにかく遠くへ・・・』ですから、仕方のないことなのかな。

私はとにかく楽しくて、決められた条件でどれだけ安全かつベストな飛びができるかを
目指しています。最近の大会はリスクばかりが大きすぎて、勝とうと思うと怪我とかも
覚悟しなきゃならないし、そこまでする必要もないんじゃないか、と思うんです。
本当にやりたいと思う人にはそれは確かに必要なことかも知れませんが、それによっ
て得られることといったら、『少しの名誉』と『チヤホヤされる』ことくらいで、それがそん
なに素晴らしいことなのかなぁ・・・と思うのは、最近勝てない私の『負け惜しみ』かもし
れませんけどね。「楽しむ」ためのパラであって、「競う」ためのパラではない、と・・・?

片岡義夫
さん
人間探訪
第9回      32P
『競い合うために命削って飛んでます』みたいな文句も確かにカッコはいいけれど、
果たして本人は本当に楽しくやっているのかなぁ・・・。楽しくやっているんならいいん
だけど。
一つだけ言わせてもらうと、大会も楽しいほうがいいに決まってるよね。大会に出て、
かえってストレス溜まってたら意味ないでしょう・・・? マニアックな人が多いのがこの
スカイスポーツの特徴なんだから、「思い切りおカネ掛けた高性能グライダー乗って
大会出てしまおう・・・!(笑)」・・・ みたいな軽いノリのようが楽しいんじゃないかなぁ・
昔から思うんだけれど、スカイスポーツの世界では『軽いノリ』の人を軽蔑する傾向に
あるように感じる。・・・でも、これはあまり良いことではないように思いますよ。だって、
パラやってる全員がコンペに出る必要なんてドコにもないわけでしょう?

確かに、他の選手とは違うところをたまに飛んでます。しかし、それは他の選手と絡ん
で飛ぶのが怖い、というのが最大の理由です。また第二の理由としては、一緒に飛ん
でも、上手くいってトップに付いて行けるだけでしょう・・・? くっついて行くだけでは
『創造性』に欠けると思うんです。皆と飛べばそれなりに上がるんでしょうけど、それっ
て本来のスカイスポーツの「面白味」から外れているような機がするんです。面白味っ
て、やっぱり目に見えない上昇気流をみつけてやる・・・っていうのかな、何かゾクゾク
するようなものでしょう?
何十人と飛んでいく場所でサーマルに当たっても、それは「当りまえ」でしかないんです
一人だけで違うところを飛んで、「おっ、アイツ変なところを飛んでいるけど結構上げて
るぞ・・・!」と関心させるところに、意義というか快感があるんです。
だいいち、一つのサーマルに何十人もの機体が群がって飛ぶのは危険すぎますよ。
一人のパイロットがもう一つのサーマルを発見できたなら、少しは分散させることがで
きます。

スクール生によく言うことなんですけど、フライト一本一本がチャレンジの連続で、この
「戦い」とは決して『対人間』ではなく自然と対峙するものなんだ、と教えてます。上手く
なるためには自分の知識や経験をフルに使って、どこにどんなカタチの上昇気流があ
って、ソレに乗るためにはどう動かすかが最大のキーポイントになってくるわけです。
が、同じ気象条件とは二つと存在しないわけで、いかに知識と経験を駆使して飛ぼう
とも、なかなかイメージ通りのフライトは実現しません。失敗しながらも飛び続けて、
それなりに『新しい発見』とか『驚き』をみつけていくこと・・・、これこそがパラの魅力と
言えます。

片岡義夫
さん
人間探訪
第9回      33P
ボクが感じた限りでは、現在日本のフライヤーに対する各国のエリアでの印象は非常
に良好で、「日本人パイロットは節度があり、ムチャしないため安心して受け入れるこ
とができる」といったコメントをよく聞くことができます。技能証の確認などもとくに無く、
また日本の技能証もかなり信用されています。日本人フライヤーに対して、非常に
友好的といえるでしょう。
これはひとえに、ハングやパラの歴史の中で、海外に率先して出掛けていった先輩方
の功績によるところが大きいと思われます。この幸せを、我々は誇りを持って慶ぶべ
きことであると思います。
  海外フライト
アドバイス特集part1
この夏、海外へ
飛び出そう・・・! 
          43P
G-SPORTは、このクラスとしては最も安全性の高いと思われるDHVクラス2を取得し
ている。DHVクラス2とは、ファーストグライダーとして多くのメーカーがリリースしてい
るレベルであるから、スポーツグライダーのレベルでは特筆に値する安全性と言える
だろう。
Takeshi
Matsubara
NEW-GLIDER
FLIGHT REPORT
FIREBIRD G-SPORT
          54P
僕の根底にあるものは、人が満足してくれるものを作りたいということなんです。
所詮、パラグライダーの市場は限られていますから、そこで金儲けはできないというの
が僕の所見です。第一、金儲けをしようと思ったら、こんなビッグ・ブギーなんて作って
られないじゃないですか。ちょっとユートピアンだと言われるかもしれませんけど、僕は
いつまでもいろんなことを勉強し続けていきたいし、フライトも続けたい。そんなことか
ら、E2RAを始めたんですが、信頼を失わないように楽しみながら少しずつでも前進
できたら、本望だと思っています。パラもこれからまだまだ性能は上がるとは思います
ただ、僕にとって性能が上がるというのは、もっと簡単でもっと扱いやすく、より問題が
少なくなるということなんです。単にスピードだけを追求したりしたら、それはパラでは
なくなっっちゃう。低速でも簡単にフライトできるこのパラグライダーという翼の利点を、
僕は大切にしたいと思っているんです。
ポール
アミエル
PARAGLIDER
BRAND−STORY
それぞれのPG
ブランド誕生物語
第10回
E2RA社(フランス)
          60P
パラグライダーは日本に上陸してから10年程度と、まだまだ歴史の浅いスポーツです
その間、新しいテクニックとして、年々いろいろな流行(?)がありました。
例えば、体重移動ひとつにしても、強く入れることが流行ったり、入れないで飛ぶこと
が流行ったり、はたまた、前に体重をかけるとスピードが上がるのだ! などと言って
全国に当時のヨーロッパの有名パイロットのスタイルをまねしている姿をよく見かけた
りということもありました。
目黒 敏
さん
それいけP証
P証取得対策講座
第5回     100P
スクールの管理下から外へ出て、中級生の仲間入りをして広大なエリアで楽しく飛行
技術をマスターして大空へ羽ばたく頃になると、頭の痛いことが発生する。
入校当時から蝶よ、花よと大事に育て上げた雌ヒナ鳥を待ってたホイ、とばかりに要
領のいいカラスみたいな雄フライヤーが横取りに来るのだ。
なんと1年間で5、6名のヒナ鳥マドンアがラチされた。オマケに一番大事な栄養士レ
ディーまで籠の鳥へ・・・。
10年前から相当数の美形マドンア達が鳥篭の中へ・・・。そんなこんなで私はカロリー
不足で目は霞み、視力もガタ落ち。ウチは縁結び会でなく、「パラで飛ぶ会」なんだか
ら。残りのチョンボフライヤーに告ぐ。スクールで修行中のヒナ鳥のそばに寄るな、
触るな、声をかけるな、厳しさ、忍耐力、咄嗟の判断力を徹底的に指導しないと、チヤ
ホヤされて育ったお嬢様フライヤーは、いざという時パニクッて怪我をする。一人前に
なるまで、みんなで暖かく見守ってほしい。

借金をして他人様へ迷惑をかけている人達はあまり飛ばない方がいいと思うよ。
返済能力のない人は凧上げかラジコンでもやっていた方が無難だと思うよ。B級生諸
君も借金するより金を貯める工夫を。他人に迷惑をかけることなく。あまりパラオタク
にならぬ程度にエリアに来てほしい。有り余る金を持っているならともかく、仕事ほっ
たらかして、毎日フライトに来られても、ウチから給料は払えません。

日の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
B級生に贈る
山ケン校長先生の
渇!
第六条
常に借金をして
他人に迷惑を
かけるな!   103P
1996年9月号 (vol 58)    
ハングは誕生から歴史を重ねるごとに性能が向上し、初期の頃のものより倍以上の
重さの機体にもなってしまった。さらにスピードが速くなったことで、安定性・安全性も
低下し、操縦は難しくなり、一般のフライヤーにはのんびりと空を楽しめる道具ではな
くなってきた・・・。
より速く、より遠くにの性能を追求するあまりに、フライヤー自身も気付かないうちに、
ハングは一般から少し遠い存在になってしまったのかもしれないという。
そうした反省の回答がこのスカイフローティング・マシーンであり、本来の楽しさを呼び
もどしたハングとして、再び、注目を集めたのだろう。
パラでもハングでも飛び出した頃は、ただ飛ぶだけで楽しかった、空に漂い、周りの景
色を堪能できるフライト。
そして、今、パラグライダーもハングと同じ道をたどりつつあるのではないかと警鐘を
鳴らす人たちもいる。より高価な翼となり、その翼は性能は高いが、不安定な気流の
中で予測がつかない翼になってきている。
競技用の高性能グライダーはグライダーとして、それに追隋するように一般の機体の
性能追求がフライヤー増加を抑制しているというならば、パラにもスカイフローティング
の波が押し寄せることを期待したい。
  TOPICS NEWS
ハングの
スカイフローター
人気が我々パラ
フライヤーに投げか
けるもの     28P
安全にセカンド・グライダーでじょうたつしていく秘訣は、言うまでもなく同じキャノピー
で何時間も飛んで慣れることだ。しかし、重さの違うバラストを持って飛ぶということは
毎回違うキャノピーに乗って飛ぶのと同じことになる。
経験を積んだコンペティターやテストパイロット以外は、バラストを使うべきではないと
いう意見もある。

バラストとトリムタブとスピードバーをミックスして、DHV1やAFNORスタンダードの機
体に装備した場合の効果を想像して悦に入っているフライヤーがいるなら、ここでの
アドバイスは「スピードバー以外は忘れろ!」ということだ。スピードバーをサーマルと
サーマルの間のひどい沈下の時、またはリッジに戻る際に予定していた上昇風から
外れてしまった時につかうことだ。もし風が強いために使わなければならない時には、
一刻一刻気を配りながらていねいにスピードバーを操作することだ。

バラストやトリムタブは腕があって、コンペに出られるくらいになるまでとっておいた方
が良い。背伸びは危険のもとだ!
コンペティターのジョン・ペンドリーもコンペでは、最大滑空速度をあげるためにバラス
トを付けざるを得ないが、普通のフライトでは時速1km程度の違いなど何の価値もな
いし、肉体的な不便や空気力学的な不利を考えれば必要ないのでは? キャノピー
は小型化し、性能のよい機体が次々に開発されているので、コンペ以外、バラスとを
考える必要はもうなくなるのでは? とコメントしている。

英国
スカイウイング
誌より
TOPICS NEWS
一般フライヤーに
『バラスト』
『トリムタブ』
『スピードバー』
は必要か?   31P
「楽しく飛ぶ」ことと「小さな夢と小さな目標を持つ」こと。小さな夢を少しづつ実現していけば、
いつも新鮮な喜びに出会えることができる。「夢」は、少しずつだったら必ず叶うと思いますよ。
ハング、っていうのは難しいから普通の人にはなかなか広まらないじゃないですか・?
でも世の中には飛びたい人が沢山いるわけで、そういった人たちに「自分が教えても
らったことを伝授すべきだ」っていうのが僕の理念ですね。
飛びたい人がいる以上教えられる人がいないと困る。僕自身も飛ばせてもらったわけ
だけど、僕を飛ばせてくれた人にお礼をいうのではなく、僕より経験の浅いこれから
飛び始める人たちに飛び方を教えてあげたい。それを思うと、自分を殺してでも教えら
られるという気がします。

大自然のシステムを利用して、自分の努力次第で飛べる範囲を伸ばしていく・・・という
のが気に入ってますね。

スカイスポーツの中で、唯一多くの人たちが飛べる可能性を持っているのがパラじゃ
ないかと思うんです。一番スカイスポーツに取っ付きやすいスポーツとも思うし・・・。
もっともっと、多くの人たちが飛べるようになれば自ずと僕も沢山飛べるようになると
思うんです。自分だけが飛んでたら後が続かないでしょ・・・。

生徒に教えすぎるってのも良くないなぁ、と最近思ってます。なるべく生徒に自立心を
持たせるために言いたい所を我慢したりしてます。その場その場で誘導するのではな
く、予め注意を喚起できたら・・・と思います。
楽しく飛ぶことと、小さな夢と小さな目標を持って飛んでほしいです。「夢」って、少しづ
つだったら必ず叶うと思います。
小さな夢を少しづつ実現していけばいつも新鮮な喜びに出会えるじゃないですか、
・・・決して飽きないですよ。

千田一博
さん
人間探訪
第11回     33P 
「機能性」だけでギアが売れる時代はすでに過ぎ去りました。これからは、付加価値
としていかなるものを開発していくか、装備していくかにかかっていると思います。
ハーネスに限りませんが、そういった意味でますますギア類の開発競争は激化してい
くと思われます。フライヤーは「我が儘」でいいと思います。だって、そのニーズが明日
のメーカーの『原動力』となり得るのですから・・・。
内田裕之
さん
特集
Protection&
AirBag Harness
          50P
もし僕がいつも飛んでいたら、果たしてバランスの良い機体ができ上がるのかという
疑問があるんです。自分がそれに没頭してしまったら、きっと自分だけの凝り固まった
考えに縛られて、柔軟な開発ができないんじゃないかという気がするんです。
だからこれまで僕が実践してきたのは、実際にフライトをするいろんなパイロットとの
綿密な関係を保つことなんです。実際、こうして複数のメンバーがそれぞれ別の立場
から開発に参加して、そのバランスがうまくいった時に、初めていい製品が完成してい
るんです。それにひとりで仕事を抱えこまなければ、マーケットに対しての義務的なプ
レッシャーも感じなくてすみますからね。
ミッシェル
ブラウン
PARAGLIDER
BRAND−STORY
それぞれのPG
ブランド誕生物語
第11回
ITV社(フランス)
          61P
はっきり言ってしまうと、パラグライダーの事故というのは初心者の時期と、それを過
ぎた頃との二つの時期に多く発生すると言われる。後者の場合は特にフライトに『少し
慣れた頃』によくあるという。初心者というレッテルが少しはがれて(少なくとも本人がそ
の気になっている)、或いはもっと見た目にカッコイイ機体に乗りたいなどと考えるよう
な頃、にあたる。
メーカーの落とし穴
世の中は当然のことながら、ビジネスによって動いている。パラグライダー界にしても
それは同様だ。製品を売るためには、自動車の販売と同様に、モデルチェンジという
手段も選ばなければならない。そうなると極端に言えば、ある一定の時期になると、商
品が100%完成していなくても、市場に物が出回ることさえありうることになる。または
製品タイプの名前を使用しながら、全く内容の異なる機種を公然と一般に公開するこ
とになるのである。しかし、問題は人々がこの事実を正しく把握しているとは限らない
ところにある。パラグライダーというものは、これはタンデムの場合でも同じだが、あく
まで個人の責任で行うものだということを考えた時に、こうしたメーカーなどの口車に
乗るようでは、事故というものが完全になくなることはありえないだろう。
風は気まぐれだ。ある時にはブルーのパラダイスに案内してくれる。普通では出来な
いような大空の鳥とのハーモニーも実現してくれる。しかし、一度でもその裏側にある
素顔を見た人ならば、ちっぽけなパイロットもどきでは、この大自然に対してどうにも
太刀打ちできないことに気づくはずだ。
機体について話を戻せば、機体販売側の人のアドバイスというものは、当然大切なも
のであるべきだが、それを『操縦する主役はアナタ自身なのだ』ということを、絶対に
忘れないでほしい。風は気まぐれでも、それ以上にパイロットであるアナタ自身がその
気まぐれ屋さんを逆に操縦するぐらいの気持ちを持って、安全についてもう一度考え
直してみたいものだということを。
容易と安全とは別のもの
「パラグライダーって簡単だよ」「女の子にもすぐできるんだって!」そんな口車に乗っ
て、この空のスポーツを始めた人は多いはずだ。しかし、その『手軽さ』『簡単さ』という
のが実はくせ者だったりする。簡単という言葉にはワナがあって、愚かな人間たちは、
それで自分自身を過信してしまうことが多いものだ。
縄跳びは『簡単な遊び』の部類に入るだろう。では、縄跳びとパラグライダーを比べて
両者とも簡単だからといってこの二つの運動が同じといえるのだろうか。いや、同じ
『簡単な遊び』でも何かが違うはずだ。それは何だろう。
問題は二つを取り巻く環境が、縄跳びの場合はほぼ変化しないのに、パラグライダー
では常に変化することがあるということだ。この違いは相当に大きな差となって現れる
ことがある。確かに始めやすく、特殊な体力も必要としないという大きなメリットを持っ
てはいるが、ただ易しい、容易というだけで始めるものではないということは、誤解の
ないようにしたい。

正しい理解をする力、的確な分析をする力、予想と判断をする力、これは安全をモット
ーとして、空の素晴らしさを分かち合いたい全てのフライヤーのための、最小限の約
束事として理解してほしいものである。

山尾典子
さん
風の気まぐれ
Chpter1
パラグライダーの
安全とプレフライト
          69P
競技の目的は指定されたパイロンを通過することではなく、正しいセクターから写真を
撮影し証明することなのです。ですから、パイロンは回ったにに撮影で失敗したと嘆い
てもそれは本末転倒で、目的は「撮影する」ことですから注意が必要です。
松原 彪
さん
ガンコオヤジの
何でも聞いてくれぃ!
          78P
僕はパラグライダーを『自分と風との対話通訳マシン』と思っている。つまり風に根性
がある時には、自分にも努力と根性がいるし、悩み事があったり、体調が悪い時には
良いフライトができない。心も体もパワー満タンの時は、僕の前にサーマルができ、キ
ャノピーは軽々と意志道りに動き、どこまでも「風に乗る」ことができる。パラグライダ
ーという翼は、この世で一番ダイレクトに風と話ができるマシンだ。パイロットはとても
重要な翼の一部であり、構成部品である。自分自身のコンディションを常に良い状態
に保つことが、この布と糸でできた翼を上手に操るカギなのだ。
SET大佐山
SSスクール
関口恭生
さん
道具としての
パラグライダー
Flying Magic Carpet
NO.1はじめのいっぽ
         102P
近来、メーカーは高性能機の開発にしのぎを削っている感だが、あまりにエスカレート
すると歯止めが利かないョ。しょせん布と紐、L/D 8.1ぐらいで止めて、少々の雨でも
飛べる小型で安全な機体作りが賢明だと思う。狭い日本、無理にL/D伸ばすと海ポチ
ャする。必要以上に空域を広げるとヘリやジャンボにハネラレ苦情も出る。寝ても起き
ても競争社会の世の中、せめて空にいる時くらいは自然と風と一体になれるような素
晴らしい機体を提供して欲しい。

負けず嫌いで短気者がクロカン証持ってるからと嘘ついて、コンペ機を手に入れる。
「キチガイに刃物」ではないが、B級もどきに乗り回せる訳がない。無謀フライトみんな
のメイワク。救急車にお世話になる前に機体を戻すか消却しなさい!
三日坊主、短気者だと自負している人はエリアの山で3日間野宿して星空の下で野グ
ソでもしながら、自然観察、夜も長いが気も長くなり、4日目にはノンビリと3時間くらい
飛べるかも・・・。
風待ちの時、ダベリながら知識ぶって「今いいからでなさい」と他人をダミーフライトさ
せるワルがいる。卒業したてのB級フライヤーは、よく人間観察しないと嘘つきフライ
ヤーに捕まってヒドい目にあうョ。短気者が風を待てずに上級者より先に出て上昇し
すぎてドスーン。口がすっぱくなるほど飛んだらバンザイ、怖くなってもバンザイと言っ
ているのに・・・。

日の鳥SS
スクール
山本賢一
校長
B級生に贈る
山ケン校長先生の
渇!
第七条
三日坊主、
負けず嫌い、短気、
平気で嘘をつくのは
禁物!     103P
1996年10月号 (vol 59)    
パラグライダーそのものについて言えば、それはそれは急激な変化に富んだ十年間
だった、と思いますね・・・。
「パラグライダーは年々進化している」と誰もが言います。しかし、いったん言葉を返
せば、パラグライダー自体が変化したのではなく、「企業競争」という宿命のもと、我々
メーカーが凌ぎを削ってきた結果である、とも表現できると思います。
ただしこの10年間を振り返ってみて、あまりに機体の開発や性能、販売競争ばかり
に気を取られていて、最も重要な『何か』を忘れてしまってはいないでしょうか?
それは、スクールの運営であったりエリアの諸問題、はたまた指導教育であったりす
るわけです。これだけパラグライダーが世間に浸透してきて、「さらにこれからパラを
いかに発展させるか」という難題を考えたときに、これから諸問題を避けて通るわけ
にはいきません。そういった意味では、これから10年後の展望のほうがとても重要
なように思いますね。

これからの『10年』を考えた場合、パラグライダーはどうなっていくでしょう?
「パラ業界の景気は下がりつつある」と言う人に聞きたいのですが、「パラ人口が減る
こと=パラグライダー人気の衰退」と考えてしまうのは間違いだと思います。さらに、
人口が増えることが業界の隆盛につながるとも思えません。大事なことは、素晴らし
いフライとギアが年々開発されて、レジャー環境が次第に改善されていくことは大きな
「前進」だということです。これだけギアが開発されて、フライト環境も整備されつつあ
る・・・。十年前には想像もできなかったことですよ。
商売上の視点のみでパラグライダーを捉えようとすると必ず無理が生じてしまいます
パラグライダーを含めスポーツの発展はそんなレベルにあるとは到底思えません。
ギアの進歩とパイロットの技術向上、エリア環境の整備こそが、今後パラグライダー
発展の『カギ』になると思います。

ノバ社では「スフィンクス」「ファントム」「ゼノン」等の開発を通して、一貫して後退翼機を手がけて
きたイメージが強いですね・・・?

パラグライダーの世界では、一社が革新的な技術を開発すると、その技術を応用し
たコピーグライダーが追随してくる、といったサイクルを経て発展してきた経緯があり
ます。それは何も悪いことではなくて、自動車の分野でもごく自然に見られる光景です
私が言いたいのは、例えば「ゼノン」の技術をコピーしてまったく同一のグライダーを
作ったとしても、「操作性」や「乗り心地」までは絶対にコピーできないということです。

御社は、何かとコンペティションシーンを賑わせている存在ですが、コンペに対して今
後も力を入れていくおつもりですか?
パラグライダー部門のシェアからいえば、コンペの占める割合はたかが数パーセント
に過ぎません。しかしながら、今後の人材育成を考えれば、コンペティションという場
は、またとない人材育成の場となり得ると考えています。
「優勝するためだけでなく、あらゆる条件やプレッシャーに対して個々のフライトをいか
にかくりつしていくか」。コンペティションとは技術の確認、強いては自己判断の場であ
ると思います。機体の開発と並行して、乗り手のテクニックも向上しないことには意味
がありませんからね・・・。

エアロタクト社
半谷貞夫
氏   
パラグライダー
生誕10周年
特別企画
僕たちの
パラグライダーは
どこから来たのか?
グライダーヒストリー
コラムインタビュー
          17P
機体に慣れるまでの時間を短縮しようとしてはいけない。ボブ・イングランドは才能の
あるパイロットで、新しいコンペ機を十分に乗りこなす能力もあったはずなのに、最終
的には尊い犠牲を払うことになってしまった。パラグライダーやハンググライダーに対
するボブ・イングランドの貢献を思いおこし、敬意を表したい。
米国HG連盟
の事故報告
より
ACCIDENT
超ベテランパイロット
の悲劇的事故から
僕たちはなにを
学ぶか?
日本ではパラはパラ屋、カヌーはカヌーだけって分かれていますよね。人間というのは
本来、家を作ったり、農業をしたり、狩をしたり、遊んだりと、全体的なものでなくては
ならないはずです。原始生活ではそうでしたよね。それが社会の専門化で、大工さん
は大工、銀行屋は銀行、八百屋は八百屋と細分化されてしまった。でも、人間は全て
を持っているんですよ。魚釣って、山できのいこ採って、家は自分で建ててというような
『原点』に戻れたらいいなと思うのがもともとの考えです。周りから見たら人生捨ててる
ように見えるみたいですけど(笑)

会社のスミスネイチャーランドは『ブラックスミス』という鍛冶屋さんの名前から付けた
んです。子供の頃から鍛冶屋さんみたいな鉄をいじるクラフトマンになりたくて・・・。
パラグライダースクールって断定してしまうと他の事ができないじゃないですか。
抽象的な名前にして、全てのことをやっちゃおうと。鉄のクラフトマンを目指した者が
遊びのクラフトマンの感覚で色々やれればいいなと考えているんです。

(有)スミス
ネイチャーランド
浅沼知明
代表取締役
人間探訪
第12回     32P
自分の中ではパラが一番おもしろいと思っています。どのスポーツもそれなりにドキド
キするものは持っているんだけれど、やはり根本的なインパクトという点でパラに勝る
ものは少ないね。人間がサーマルに乗って1000mも上がっちゃうというスポーツは
相当スリリングなスポーツですよ。
ラフティングで滝から落ちるより凄いですか。
水系と空系で違うんです。僕はどちらかというと空系なんですね。
どこが違うのですか。
顔付きが違いますね。水系の奴は魚みたいな顔してますし、空系の奴は鳥みたいな
顔付きです。人間って何かの動物になんとなく似ていると思うんです。猿に似ている奴
は山にいるし、魚に似ている奴は海にいるという具合に分かれるような気がするんで
すけどね。
うちには色々なタイプがいますけど、それぞれは仲が悪くて、一緒に集まっていても話
すらしないんです。拒否反応をしめすようです。ですから最近はパラの人にラフティン
グを薦めたりはしないですね。体験の人とかは1日目パラで、2日目ラフティングとや
るんですが、突き詰めていくと必ずどちらかに分かれます。最初から決めつけること
はできないですけど、やってみると対応で分かります。とにかくインパクトのあるものば
かりを集めていますから反応も色々です。どれものめり込んでいくと会社辞めてでも
ハマッちゃうようなものばかりですからね。
(有)スミス
ネイチャーランド
浅沼知明
代表取締役
人間探訪
第12回     33P
「Vリブは安定した美しいハイアスペクト翼を造るため」もしくは「ラインの取り出し点数
を減らすため」の方法に過ぎない、ということである。「Vリブを使っているからあの機
体は良く飛ぶ」とか、「Vリブを使わないであの性能なのだから使ったらきっと凄い性
能が出るだろう」などと考えるのはこの際筋違いであると考えるべきであろう。
最近のVリブのブームによって、どうも中には「おや・・・?この性能を出すのになぜV
リブが必要だったんだろう・・・」と思わせるような機体も時に見かけたりするようになっ
てきた。ある意味でVリブは『ファッション』になりつつあるのではないだろうか・・・?
もちろん、Vリブを使うことが、あらゆるケースにおいてよい結果しかもたらさいのであ
れば何も言うべきことはない。
ジオスポーツ
中台 章
「最新技術」について
聞く。ディーラー
インタビュー   42P
好きなことをしごとにするという事は、もしかしたら嫌いな事をするよりも辛いものかもしれません。
さて、イントラが一番辛い時は?
「あなたにパラは向いてません」と言わざるを得ない時・・・、飛びたい気持ちは分かる
けど、ケガをさせてまでも飛ばせたくないこちらの気持ちも理解してもらえるとうれしい
スミス
ネイチャー
ランドパラグラ
イダースクール

浅沼知明
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          45P
好きなことをしごとにするという事は、もしかしたら嫌いな事をするよりも辛いものかもしれません。
さて、イントラが一番辛い時は?
人生の先輩というのは分かりますが、パラの先輩の言うことは聞いてほしい
DKスカイジム
朝霧
岩橋 亘
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          45P
パラはクリーンなスポーツなので無限大の可能性がありますね。今後ともスカイスポー
ツの分野で定着すると思います。利益重視や気候・風などの地形を無視したスクール
はパラ・ハングの将来をもっと考えてほしい
エアパーク
三ノ倉高原
昆野克昭
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          45P
パラは車と違って決まった道もなく、標識もないから自由な感覚味わえます。それに
自然の真っ直中に自分がいるという感じが魅力ですね。これからは安全性が損なわ
れない限り、安定した成長が望めると思います。しかし、組織は他のスポーツ団体と
同じような形態をとって欲しくないし、束縛された管理下でのスポーツであってはなら
ないと思います。少なくともアメリカの航空スポーツを見習うべきでしょうね
SET 三陸
八幡信雄
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          45P
リスクの高い分、おもしろさも高まるのでチャレンジ精神のある人はどんどんトライして
ほしいですね。
つくば
パラグライダー
スクール

薄田俊治
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          46P
パラの今後は、滑空性能だけを追及することで目まぐるしく入れ替わる機体にユーザ
ーはついていけず、かつてのハングがそうであったようにマニアックになってしまい、
人口は減少するのではないかと思います。滑空比が10対1位のスタンダード機が定
番になることを待ち望んでいますね。
ビッグエアー
パラグライダー
スクール
上坂 薫
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          46P
青い大空と白い雲、眼下に広がるグリーンの山々。パラは人間の本能の底にある冒
険心をくすぐるものがありますね。不安なことはマニアック過ぎるスポーツの中に入り
つつあることです。もっとオープンで一般の人も入りやすくて偏屈な人なんかいないだ
ろうと感じさせる明るさが特に欲しいです。生活感のないサーフィンみたいな感じが出
たら・・・。
スミス
ネイチャー
ランドパラグラ
イダースクール

浅沼知明
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          46P
非日常な3次元運動の世界に入れることがパラの魅力。ただ、まだマイナーなスポー
ツで、事故等があると大きく報道され、パラは危険なものという印象を与えがちですね
このような背景があるとこれからは爆発的に人口が増加するするとは考えにくいです
が、空を飛んでみたいと思う人々はまだたくさんいると思いますので、これらの人々を
いかにスクールに足を向けさせ、定着させるかが今後の課題でゃないでしょうか。
エアーフロート
パラグライダー
スクール

小泉秀典
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          47P
パラの素晴らしさは簡単に風を感じることができるところです。事故さえ多発しなけれ
ば、このまま皆に愛される素晴らしいスポーツとして発展していけると思います。
フライト自体がとてもファンタスティックですばらしく、楽しめるものなのに、何か違う方
向性に喜びや満足を求めるパイロットがいるのはざんねんです。
ジオスポーツ
パラグライダー
スクール

岸 正弘
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          47P
パラの安定感とは振り子の安定によることや、パラシュートのような特性が重要視さ
れる時期に来ているのでは。3軸コントロールのできない人や、潰れからのリカバリー
ができない人が上級機やコンペ機に乗るために事故があるような気が・・・。
イントラ自身が今一度その点を理解した上での指導が必要。今後は中級機に乗る方
が増加するでしょう。本来のパラの特性がはっきり出ている物が販売されるべき方向
ですね。
DKスカイジム
朝霧
岩橋 亘
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          47P
お互い知らなくても年齢の違う人でも共通の話題ですぐに仲間になれるのがパラ。
最近よく考えるのはサンデーフライヤーが最終的にどういうフライトを求めるかという
こと。すごく良く飛ぶグライダーはコンペに出る方以外に必要ないのでは。ある意味で
はパラは良く飛ぶようになりすぎたようです。一人でも多くの人に経験してもらって、
やめた人がもう一度飛ぶということを楽しめるエリアを作っていきたいです。
DKスカイジム
甲府白根
伊代野正成
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          47P
指導方法さえ間違え続けなければ、人間は常に空を飛びたいと思うはずです。精神
的・技術的・知識的なものがバランス良く備わっていれば、パラはかなり安全です。
何といっても自然界に溶け込め、人間関係のわずらわしさから解放してくれます。
自分自身も60〜70歳代になっても今のように自由に楽しく大空を飛んでいたいと思
います。一期一会の風に出会い続けて・・・。
今井浜高原
フライング
スクール

西野光夫
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          47P
パラの醍醐味は大気の循環を利用しながら地環の自然と遊ぶおもしろさ、それに重
力から解放されたような高度感と浮遊感覚ですね。このスポーツは着実に進化すると
思いますが、機体の安全性が最大の課題でしょう。それにイントラによる普及活動なく
しては存続しないのではないでしょうか。残念なことは、若い多くのイントラがレッスン
活動中での事故の可能性への心理的重圧に負けて去ってしまうのが多いことです。
エコーバレー
グリーングラス
パラグライダー
スクール

高橋信昭
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          48P
地球が自転して初めて風が生まれます。パラというギアを手に入れることによって新
しい『風』との出会いがあり、人が風に乗ることができます。地球からほんの少し離れ
て地球を見下ろせる・・・。ロマンだなあ・・・。私達は『自然って素晴らしい』『空って素
晴らしい』『パラって素晴らしい』を伝える、いわば伝道師。10年後20年後もパラを
やっててよかったってお客様にいわれるような指導をしたいと思っています
SET 南信州
鳩吹山
パラグライダー
スクール
向山知歩
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          48P
この職業は神に一歩近づくことだと考えています。イントラになった本音は実は新興
宗教の教祖様になりたかったんです。これからは、大御所のおえらいさん達が引退
すると思っていたら、老いてますます盛んで、色々な意味でガンコでうるさい年寄り
中心のスポーツになるやろうな
ゼロ
パラグライダー
スクール
片岡義夫
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          49P
もともと地上の生き物である人間が空中生活者のように異次元空間で遊べるんです
爆発的な時期は過ぎ、定着期に入った現在、増えすぎてはという当初の心配から
冷え過ぎという心配に変わってはいますが、この手軽な空のスポーツの大衆性と本質
的な魅力は変わりません。スクールは質の高いきめ細かいサービスが必要になり、
同時に娯楽産業か教育産業かそのウエイトを明確にした経営を迫られるようにも思
います。
東海
パラグライダー
スクール
森 行雄
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          49P
イントラの中には、パラが潰れる事は当り前という考えの人もいますが、それは大き
な間違いだと思います。自分の飛ぶ機体が潰れるかも知れないという不安な気持ち
で、このスポーツがメジャーになれますか? その打開には、絶対潰れない機体を
開発するしかありません。もっと安全が確立されればパラ人口も増えるでしょう。その
為にはメーカーも外国の機体ばかり売っていないで、もっと安全の為の努力をすべき
です。
琵琶湖
アドベンチャー
スポーツクラブ
広瀬友重
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          49P
良くできる人に傲漫な人が多いのは世の常。この世界にもトップフライヤーやベテラン
がいます。確かにコンペの成績は素晴らしく、話にも実績があるから、それなりに魅了
されます。が、人間性を考えた場合は? エリアでは自分が全てみたいな横柄な態度
人間が空を飛べるんですよ! それだけで素晴らしいじゃないですか。インチキラクタ
ー?なんて言われないように肝に銘じて頑張ります。
京都
スカイスポーツ
クラブBIRDS
大澤道義
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          49P
ソフトやハードがより安全になれば、多くの人が始めてくれるけど・・・。多くの事を望み
すぎてそれをクリアーできないとフライヤーになれない、そんな修行のような世界にな
ってしまったら、明るい将来はないでしょう。もっともシンプルな翼で自由に空を飛び、
風が悪ければ飛べなかったりすることがパラの楽しさ。飛べてばかりいると、仕事っぽ
くなってしまいますしね!
大佐山
スカイスポーツ
スクール
松岡 淳
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          50P
パラの魅力は100%ナチュラル、シンプルなんだけど、空中散歩ができ、しかも自分
自身がコントロールするところですね。今後は素材の進化によって、より安全になって
いくでしょう。イントラとは、新しい遊びのジ水先案内人であり、よき友人でありたいと
考えています。決して学校の体育の教師ではありません。
スノーハント
パラグライダー
スクール
広実 勉
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          50P
コンペがさかんですが、技術の向上はどの程度まで必要?

安全に関しての技術は向上しなければならないしそれが講習の目的であるが、それ
以外の技術ならば必要と思わない。

大佐山
スカイスポーツ
スクール
松岡 淳
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          50P
コンペがさかんですが、技術の向上はどの程度まで必要?

ギアの向上があまりにも著しいので技術や理論がついていけてない。そのために事
故が多いのではと危惧している。

京都
スカイスポーツ
クラブBIRDS
大澤道義
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          50P
安全に対してどう考えていますか?

DHV等の安全基準が通っていても滑空性能そのものが乗る人のレベルに適していな
ければ安全とはいえない。

DKスカイジム
甲府白根
伊代野正成
校長
現場の人間はこう
考えている!
パラグライダー
スクール校長先生
からのメッセージ
          50P
     
     
     
     
1996年11月号 (vol 60)    
                    只今、作業中    
1996年12月号 (vol 61)    
                    只今、作業中    

 

パラワールド公認


2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年  2003年  2002年  2001年 

           2000年  1999年 1998年  1997年 1995年 1994年  1993年