パラワールドに載っていた名言集2005

パラワールド公認

  

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                           名言                      お名前  コーナー&ページ  
2005年2月号  (vol 159) 2005年より隔月         
2年前に訪れたとき、ビジター・パイロットのクレージーな行動にも閉口させられた
オルデニズでは、想像できる限りのあらゆる危険行為や禁止行為が行われてい
るのをいつも目撃したのだ。
テイクオフでも信じられないほどたくさんのクラッシュが起きていた。多くのロシア
人が飛びに来ていたが、彼らはこの現象をこう説明した。「しょうがないよ。僕らは
いつもトーイングでテイクオフしているんだ。山の斜面からテイクオフしたことなど
ないのだからね」どうやら彼らにとって、テイクオフでのクラッシュは当たり前のこ
とで、ゲームの一部分に過ぎないらしい。
今年の春、アクロチーム全員がカメラマンのパイロット一人と共に濃い雲の中に
テイクオフし、一人を除いて全員が岩壁に激突。数人が負傷し、一人が死亡した。
このような素晴らしいエリアでこんな馬鹿げたことが行われるなんて信じ難いが、
これは事実なのだ。
このような馬鹿げた事故の結果、ドイツでは「オルデニズは危険エリア」というレッ
テルが貼られてしまった。こんな素晴らしいエリアなのに、なんと悲しいことか・・・。
Michel
Ferrer
Oludeniz 2005
事故が相次いだ
世界のエリアの今
問われるビジター
の良識&常識
      27、28P
                  落ち着いたオルデニズの現在
2年前とは何かが変わっていた。もはやパイロットは海に落ちることもない。
もちろんアクロに興味を持つパイロットの数は増えているが、彼らも結局慎重に
覚えて行った方がいいと理解したらしい。その方が理にかなっている。
それでもマイク・クングに近付いてこう聞くパイロットもいる。「アクロマヌーバーを
覚えるためのCDかDVDはない?」あるいは「SATはどうやるの?」これに対する
マイクの答えは興味深い。「申し訳ないが、君たちに教えるわけにはいかないよ。
怒らないでほしいが、僕は君たちを知らないし、君たちのレベルも知らない。
もちろん君たちにSATを教えてくれるパイロットもいるかも知れないけど、僕は知
っているパイロットにしか教えないよ」
テイクオフには今もたくさんのロシア人パイロットを見かける。しかし彼らも変わっ
た。多くが注意深く、他のパイロットに気を使い、辛抱強く、そして周囲をよく見て
いる。たまに、何物をも恐れない無鉄砲なパイロットを見かけることはあるが・・・。
Michel
Ferrer
Oludeniz 2005
事故が相次いだ
世界のエリアの今
問われるビジター
の良識&常識
         28P
ルーマニアやブルガリアやセルビアなど。非常に優秀なイントラもいれば、少数だ
が非常に危険なイントラもいる。個人的には、これらの危険なイントラは、他の国
でも消え去ったように、パラ活動から消え去ってもらいたい。多くの生徒に怪我を
させる前に・・・

もっと慎重に飛ぼうよ! パラに掛けているオルデニズの人たちのために、そして
この素晴らしいエリアのために・・・ 僕は、それだけを願っている。

フライト水準の高い日本人フライヤーなら、きっとオルデニズのフライトを安全に
楽しく満喫してくれるだろうと、僕は思っている。

Michel
Ferrer
Oludeniz 2005
事故が相次いだ
世界のエリアの今
問われるビジター
の良識&常識
         29P
2001年の「レベル」でエアーインテークをクローズした理由は?
内部の空気の流れについてずいぶん多くの研究をした(他の何人かのデザイナー
は、このキャノピー内部の空気の流れを考えずにエアーインテークをクローズして
いる場合があると思うとエルンストは言う)。正しい個所に開けられたインターリブ
のオープニングとこのクローズされたエアーインテークが相互作用すると、潰れが
より早く解消されるのに役立つんだ。それがクローズした理由だよ。
Uターン
エルンスト
ストロブル
コンセプター物語
弟18回
デザイナーの
神髄に触れたい!
一問一答   35P
一般的なパイロットでさえも、装備重量は20kgに達してしまった。「ドアtoドア」の
エリアが良いエリアとされ、車を降りたらすぐにテイクオフがあることが当たり前に
なった。当然、エリアの管理や整備にもコストがかかり、それはエリアフィーにも
反映される。中にはこれらが原因で飛ぶことから遠ざかってしまったパイロットも
いたかも知れない。機材の重量増は、パラグライダーを取り巻く全ての環境に
大きな影響を与えた。

大きいことが許されるのは、高級車やテレビなどのほんの一部の製品だが、それ
らも軽量化と常に戦っている。すべての工業製品は、常に軽量化に向かって行く
のが正しい進化なのだ。
パラグライダーも飛行性能と安全性能を両立させたことで、次のステップに向かお
うとしている。少々大袈裟かもしれないが、パラグライダーは今、新たな進化の
過程(=軽量)の中にあると言えるだろう。ここしばらくは従来の路線とは別に、
キャノピー、ハーネス、レスキューパラシュートを含めた全ての製品に「軽量」を謳
ったモデルが次々と登場するだろう。
これらの製品が出そろえば、機材を背負ってテイクオフまで歩いたり、機動性を
生かして旅を楽しみながら国内外のエリアで飛ぶなど、パラグライダー本来の
スタイルが帰ってくる。また、機材の重さが原因でパラグライダーから遠ざかって
しまったパイロットや、重さに悩まされていた女性パイロットにも朗報になること
だろう。

  パラ機材の軽量化
コンパクト化の
魅力を探る

軽量でいこう!
         37P
車には「ライトウエイトスポーツ」というカテゴリーがある。そこそこの排気量と軽い
車重で操作性に優れ、かつては車を自由に操れる楽しみに溢れていた。しかし
車社会の成熟と共に、衝突時に搭乗者を守るためのエアバッグが標準になり、
正面や横方向からの衝撃に対しても補強され、ボディは大きく重くなり、それを補
う形でより排気量の大きなエンジンを搭載した。その結果、かつての軽快感は失
われ、本来の「ライトウエイトスポーツ」は消滅してしまった。車社会の現状とパラ
グライダー・・・・。同じような状況にあると言えないだろうか?
  パラ機材の軽量化
コンパクト化の
魅力を探る

軽量でいこう!
ハーネス編  42P
性能は滑空比3〜4の時代だから、今のパラと比べ物にならないくらいお粗末な
物だった。しかし、なぜか満足感だけは今よりも大きかったような気がしてならな
い。
この当時のフライトは、何だかとっても楽しかったこと。全員が下手なのと、機材
がまだまだだったために、誰か一人でも潰れるとテイクオフのみんなで震え上が
った。風が悪いのか?パラが変なのか?はたまた操作ミスなのか?
テイクオフでの議論は延々と続き、結論が出ないまま気合の入ったフライヤーが
飛び出していく。何事もなくフライトすると、皆一斉に飛び出していく。ほんの少しで
も時間を空けると、空にはもう誰もいないのである。500mくらいの落差でも、
ほとんどのフライヤーは滞空時間が5分前後だったため、5分以内に次のフライ
ヤーが飛び出さないと、一緒にフライトができなかったのである。
ソアリングという言葉さえもピンとこない状態でも、フライヤーは日々感動して一喜
一憂していた。満足感と言ったほうが正しいのかも知れないが、今とは違った何
かがあった。長時間ソアリングは今では当たり前だが、当時はより高いところから
のフライトを意味していたので、足腰の強い人のみ、長時間のフライトタイムが
保証された。目標は、「より高い所から、より長く」。つまり高さは時間を保証してく
れる唯一の手段だった。今から考えると信じられないことだが、トップアウトする
ことは、まれに吹く突風か、奇跡的な上昇風しか考えられなかった。テイクオフを
見下ろした人は英雄に近かった。
最近パラで飛んでも昔ほど感動しなくなったのはどうしてなんだろう?って時々考
えることがあるんです。やたらと重い機材は快適なフライトと引き替えに、感動を
置き去りにしてしまったのか?満たされすぎると感動が減るのかな?。
東田 満
さん
振り向けば「変」?
弟1回
満たされすぎると
野獣がしぼむ!?
         50P
本当の上手さを言葉にして伝えるとき、僕は「結果、安全に地面に降り立つこと」
と教えている。200km飛ぼうと、誰よりもゴールへ早く飛び込もうとも、どれほど
綺麗なテイクオフを演技しようと、上手く降りられないヤツは下手クソなのだ。
(もちろんテイクオフのできないフライヤーもその内と言えるが・・・)
上手さの表現の場として、「競技」がある。ルールを通して同じ条件の下にフライト
し、ゲームを行う。レースではその日のコンデションを読み、その条件に見合った
フライトを表現した者が勝者、つまり上手いという称号を受けることになる。
なぜなら多くのフライヤーがソアリングやフライトばかりに目を向け、彼らの求める
至高の瞬間を極めた者のように見えるから。しかし、それでは片寄った上手さの
持ち主となってしまう。だからこそ、ここでもう一つの上手さを見直したい。
「結果、安全に地面に降り立つこと」の表現者にもなりたいのだ。
ルールとセオリーにのっとり、テイクオフやソアリング同等の集中力さえあれば、
誰もが表現できるのだ。そして見事な着地の元にヒーローとなることは間違いな
いはずだ。
佐藤哲也
さん
ターゲットを制す者
はパラグライダーを

制す!    56P
みんなが飛んでいるから「私も飛ぶ」?
クローズと言われたから「今日は飛べない」?
そろそろ天気予報や気象状況を総合的に判断して周囲に惑わされない『自分の
判断』を確立し、受け身の判断を卒業しよう!
小貝哲夫
隊長
パラグライダー
探検隊 VOL46
風を見る道具
         80P
自分で自分自身を管理することは、安全に長く飛び続けるためには重要です。
先輩やインストラクターが言ったから飛べるのでなく、「自分にとってどうなのか」を
自力で判断する感覚や習慣を身に付けたいですね。
確かに安全性も含めた機体性能が向上して、多少の荒れた風でも飛べてしまうこ
とも多くなった気がしますが・・・。
小貝哲夫
隊長
パラグライダー
探検隊 VOL46
風を見る道具
         81P
自然の力の前では、我々の力なんて足下にも及ばない。慣れてくるとその気持ち
が薄れてしまう時があるから、常に新鮮な気持ちでいないといけないんだね。
島崎
かずのり
隊員

パラグライダー
探検隊 VOL46
風を見る道具
         81P
海風で飛んでいる撲たちは、弱いとリッジソアリングができないし、強すぎると後ろ
に持っていかれてしまう。だから微妙な中で飛んでいることを、ちゃんと認識しない
と。感覚だけでは、いつか間違いが起こる。
山田直樹
隊員
パラグライダー
探検隊 VOL46
風を見る道具
         81P
これまでの経験から、危ない人、何かやらかしそうな人っていうのは大体飛ぶ前
に分かるんだ。
早口で話す人。これは危ない人が多いの。
それは、人の話をよく聞かないということですか?
そうそう。そういう人に限って「あそこに行っちゃだめだよ」って言ったところに行っ
ちゃうんだよね。
長島真一
お気楽
海外ツアー道
第1回
シーズン真っ盛りの
オーストラリアで
クロカンをしてみたい
            
82P
ベテランの「ぶっ飛び」
修羅場を経験してきた安全志向の超ベテランの中には「ぶっ飛び派」と呼ばれる
人も多く存在する。ソアリング可能な派手派手サーマルコンディションであっても
実にうまくリフトをすり抜け、誰よりも早く確実に指定場所にランディング。
すぐにクロカンに出た仲間や山沈回収等のサポートに回り、いつもみんなに感謝
され尊敬されている。逆に少し背伸びをして最新高性能機に乗ってコンペや記録
を目指すイケイケの若者がベテランぶっ飛び派と一緒にランディングしたりすると
「10年早い」とバカにされたりする。

約20年前、「なめ猫」や「つっぱりロックンロール」の頃の流行語「ぶっ飛びだぜ」
は今で言う「イケてる」的なニュアンスだった。その後、91年のTVドラマ「いつも誰
かに恋してるッ」で初々しい頃の宮沢りえ演じる女子高生の驚いたときの口癖が
「ぶっとびぃ〜」だった。現在では限りなく「死語」に近付いているのでフライトエリ
ア以外での「ぶっ飛び」の乱用は危険。

佐川大輔
さん
パラ用語の深淵
第一回
「ぶっ飛び」は
「イケてる」の
意味だった???
         97P
道具の進化に合わせて技術も変わってゆく
どうやら、ターンの時に足を組むというのは、あまり現実的な方法ではないらしい
その理由は
@組んだ足を戻さなくては次の動作に移れないため、次のターンに出遅れてしま
 うから。
Aアクセル操作ができなくなってしまうから。
Bターンの基本はブレーク操作だから。

まだパラグライダーの性能が今ほど良くなかった時代。ブレーク操作によるターン
だけでは曲りきれず、少しでも体重を入れるために編み出されたのが、足を組む
という方法だったのだろう。
けれど時は経ち、今のパラグライダーはブレークコードを引いただけ、素直にター
ンに入ってくれる。そんな時代において、足を組むという動作はナンセンスになっ
てしまったのかもしれない。
というわけで、今回のお第「ターンの時に足を組む」は×でした!

岸 正弘
先生
白黒はっきり
させちゃおう!
このテクニックの
嘘・本当
第1回
ターンの時に
足を組む?  98P
2005年4月号  (vol 160)    
春先の気象には細心の注意を!
私たちが遊ぶエリアの局地的な気象は、地球規模の気象からはほど遠い存在
です。しかし、その大きな流れの中で遊んでいるという意識は持ち続けたいもの
です。不必要な自動車のアイドリングをやめるとか省エネに取り組むなど、ひとり
ひとりの温暖化対策が必要で、全く無関係と割り切ることはできません。
全体に与える影響という面では、ひとりが出す温室効果ガスより、一件のパラグラ
イダー事故の方がはるかに即効性が高く直接的です。地球環境を守る意識と同
じくらい、パラグライダーの環境を守るという強い意識を持ちたいものです。
  2005年の日本
パラグライダー界
どうなる?
どうする!
どうしたい!?
      56、57P
みんなの力で、仲間を増やそう!
パラグライダーは余暇の楽しみです。仕事あっての余暇です。決して無理をしな
いで、万全を期す。先輩パイロットは、そんな姿勢を伝えなければいけません。
しかし多くの事故が経験年数が豊富な、いわゆるベテランに多いことも改めて考
えなければなりません。単純に経験年数はフライト経験ではありませんが、パイ
ロットになりたてのフライヤーの事故があまり発生していないのも事実です。
データーを見る限り、毎年順調にP証が発行され、自由に飛べるパイロットは増え
ています。しかしフライヤー登録者数が減少しているということは、苦労してP証を
取得したのにも関わらずパラグライダーから離れてしまっているパイロットが多く
いるということでしょう。一体どうしてなのでしょうか?
私たちの仲間を増やすために一番大切なことは、事故を起こさない。そして起こさ
せないこと。これに尽きるでしょう。
キャノピーやハーネスなどのハードは、ここ数年で飛躍的に安全性能を向上させ
ています。その恩恵を存分に享受し、後は私たちが「どう使うか」に掛かっている
のです。
  2005年の日本
パラグライダー界
どうなる?
どうする!
どうしたい!?
      57、58P
もう無理は絶対にしない。主人と一緒に長く飛び続けたいから・・・
パラグライダーは転んでも何しても楽しかった。ライセンスを取っていく過程も楽し
かった。飛んでしまえば男女の差がない、体力も関係ない。

わずか数分前に講習生がテイクオフしたばかりだったので、「私にも飛べる」と思
い込みがありました。その裏には「今日飛べないとしばらく飛べない。だからどう
しても飛びたい」という気持ちが強く、と初めてのエリアだということも忘れていた
のかもしれません。一緒にいた主人からは、「風が荒れているから今はやめろ」
とアドバイスされました。案の定、スタ沈を2回しましたが、絶対に私は飛んでみ
せると、半ば意地になっていたのですね。空いているからと端の方に広げたので
すが、今から思えばキャノピーを広げた場所も良くなかったかも知れません。
今、あの頃を振り返ってみて「調子に乗り過ぎた」と反省しています。怪我をする
前は「エリアに来たら何が何でも絶対に飛びぶ」、そんな気持ちでした。いくつか
の反省点もあります。講習生も飛んでいるのだから自分も飛べると思い込んだこ
と。アドバイスをしてくれたのが主人だったから、意地になって素直に聞けなかっ
たこと。なんとなく行きたくないと思っていたのに、流されてしまったこと。せっかく
の虫の知らせに聞く耳を持たなかったこと。などなど・・・。

中島幸子
さん
2005年の日本
パラグライダー界
どうなる?
どうする!
どうしたい!?
      58、59P
たいていの場合、パラのデザイナーたちは、これらのデータ計算に頼らない理由
を、柔らかい材質で変形しやすく実際に空を飛んでみると理論上のものとは違う
ものだと言うことで正当化する。
トマス
リップリンガー
緊急企画
名門アドバンスに
何が起こったのか
         65P
どんなにパラグライダーの安全性が確立されても、操作するのは人間、活かすの
はパイロットです。でもそれをサポートしてくれるAFSは、新しい試みですね。
伊藤伸郎
隊員
突撃!!
パラグライダー
探検隊 VOL47
自動フライト
安定制御システム
って何?    80P
今までは飛行性能ばかりに着目してきたけど、これからは安全にも開発の方向
性が向いていくのでしょうか。
磯貝義仁
隊員
突撃!!
パラグライダー
探検隊 VOL47
自動フライト
安定制御システム
って何?    80P
スポーツとしてパラグライダーを考えた場合、速く飛びたいとか、高く上がりたいと
いう気持ちは当然です。でも、僕らのように安全に空にいたい、景色を眺めてい
たいと思っている層もあるんですよね。
木下孝一
隊員
突撃!!
パラグライダー
探検隊 VOL47
自動フライト
安定制御システム
って何?    80P
機体に何かが付いていてはつまらないじゃないですか。現在のままのシンプルな
パラグライダーの形を失わないで欲しいな。さりげなく機能が付いていて、安全性
を高めてくれる。それがスマートで格好いい。
木下孝一
隊員
突撃!!
パラグライダー
探検隊 VOL47
自動フライト
安定制御システム
って何?    81P
僕がツアーの引率で行く時は、最初にそこを飛んでもらって参加者の技量を見る
んだ。このエリア、ランディングするのは何も難しくないんだけど、テイクオフから
見えないんだ。そして風が強い。それで何をチェックするかというと、どこに降ろす
のかを見るんだ。ターゲットかパッキングエリアの近くに降ろすのがベストだよね。
でも、参加者が10人いたとすると、大体5人は流されてかなり遠くに降ろしちゃう。

前回話した早口で話す人もそうだけど、ちょっとお人好しな感じで「ついやっちゃい
ました」ってタイプも危ないんだ。逆に確信犯的な人は、見てると悪運が強かった
りするんだよね、不思議なことに。

長島真一
お気楽
海外ツアー道
第2回
フライヤー憧れの地!
やっぱりヨーロッパ
アルプスを飛んで
みたい
            
82P
ガイド料ってどれくらいなんですか?
ピンキリだなあ。やっぱりノウハウがあるところは高いよ。というより、そういうとこ
ろに頼まないと意味がない。スイスのパラのガイドで、まともなところは1日5万円
以上のところだね。

海外に飛びに行った時はお金はケチっちゃダメというのが僕の持論。
パラのツアーでは、ハプニングはあっちゃいけないよ。100%安全でないと飛んじ
ゃいけないんだ。慣れてきて初めて「倹約して何度も行こう」という考え方にしない
とね。

長島真一
お気楽
海外ツアー道
第2回
フライヤー憧れの地!
やっぱりヨーロッパ
アルプスを飛んで
みたい
            
83P
マッサージチェアに座っているような心地よい姿勢のまま大空を自由に飛び回る
ハーネスの中でマフィアの首領のようにふんぞり返り、下界を見下ろしながら、
天空の城ラピュタの名台詞「見ろ、人が**のようだ!」と叫ぶことのできる偉大
なスポーツは、世界広しといえどもパラくらいでしょう。
「鳥のように自由に」とか、うさん臭さに負けて始めたパラですが、その雰囲気も
いつの間にかおふくろの味のように思えるようになりました。
谷口雄介
さん
全国パラグライダー
スクールデータバンク

私たちも始めました!
          
119P

2005年6月号  (vol 161)    
自分自身のフライトはコントロールする方だね。もし自分で決めたことがうまく行っ
たら、幸せだからね。もし自分で何も決断せずに、ガチョウの群のように飛ぶなら
皿洗いをする方がましだね!
自分の方法でフライトしようとすることで、人は多くのことを学べる。ただ人の後ろ
について飛ぶだけなら、何も学べないよ。
トマス
ブラウナー
あのスター選手の
この素顔!

        12P

僕らの課題は良いフィーリングを見つけることだ。もしフラップが有効でも、それに
よってパイロットのフィーリングがあまりに変わってしまったら、かえって混乱してし
しまい、評価は得られないだろうね。ユーザーであるパイロットに「自分を適応さ
せるべきだ」とは言えないからね。パイロットが違和感を持たないようになるまで
研究するのが、僕らの仕事だよ。
スカイ
ウォーク

マンフレッド
キストレル

コンセプター物語
弟19回
デザイナーの
神髄に触れたい!
一問一答   42P
計算やプロフィールのシュミレーションについて言えば、僕自身はそれらが完璧に
働くとは思っていない。助けにはなるがリアリティではない。ものごとを簡単にする
方法ではあるが・・・。

以前、僕らはクラス最高の滑空比と飛行性能を必死に追求した。しかしこれらの
グライダーは、必ずしもユーザーであるパイロットに完全にフィットするというわけ
ではなかった・・・。
今は飛行性能にあまり集中しないようにして、安全と操作性と全体性を優先させ
るようになった。現在はクラス最良のグライダーを目指している。
僕はユーザーであるパイロットが、いかに細部が最適に改善されたかを感じ、撲
らがそれに注いだエネルギーを感じてくれれば嬉しいね。

スカイ
ウォーク

マンフレッド
キストレル

コンセプター物語
弟19回
デザイナーの
神髄に触れたい!
一問一答   43P
同じ1−2でも数年前のモデルと最新モデルでは、特性が随分変わってきている
気がします。だから『機材に合った飛び方』というのは重要ですね。

時間を掛けてその経験値を重ねること。私は天才肌ではないので、とにかく自分
の中に情報をたくさん蓄えて、必要な時に引出しから取り出せるように心掛けて
います。

星 利彦
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

先輩パイロットの
悩みとアドバイス
を公開     45P

自分に基本技術があって、グライダー性能を理解していることが欠かせない。
動き回り過ぎて結局失敗することもまれにあると思うけど、他人任せででなく自分
で探す努力を重ねることが重要だと思います。

そこそこ飛べるようになると「1日1本」みたいな風潮があるけど、そのことでテイ
クオフもランディングも下手になる。ベテランパイロットの事故が多いことも、こん
なことがひとつの原因になっているんじゃないかな。

人の技量を云々批判するより、自分のことを大事にしたいですよね。そんなパイ
ロットに限って、風が弱いとライズアップが難しいからと飛ばない。自分の中に勝
手にルールを作ってしまうんですよね。無風だって飛べるし、そんな時だから渋い
フライトが出来る。

パイロットの関心事は、どうしても強いサーマルの飛び方とか、潰れた時の挙動
や対処に話題がいってしまう。でも重要なのは「弱いサーマルでいかに飛ぶか」
で、地味だけど大切なところ。上手なパイロットはみんなそれができている。
だから、次のステップがある。自然に飛行範囲も広がるし、ソアリングの技術も
自然に向上する。だからソアリングは奥深い。
いつだって基本に戻れる謙虚さが必要だよね。サーマルソアリングでも全く同じ。
どこかでつまずいたら、一歩戻って練習する。そうすれば、必ず解決策が見つか
るはず。

山本雅史
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

先輩パイロットの
悩みとアドバイス
を公開     46P

最近の課題は、弱いサーマルの使い方です。サーマルの中でいかに高度を落と
さないで飛ぶか、上がるのでなく落とさない飛び方です。パラグライダーと上手に
付き合う方法は「同じ形にはまらない」ことと「自分の形を作らない」の2点だと思
います。今までいろいろなパラグライダーに乗ってきましたが、そのパラグライ
ダーに乗ってきましたが、そのパラグライダーに合わせた乗り方を心掛けるように
しています。
山田則夫
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

先輩パイロットの
悩みとアドバイス
を公開     46P

絶対に先入観は持たないようにしています。例えば今日は南風だから、サーマル
は北にシフトするだろうとか、思ったらそこで終わりです。常に風は変わっている
と思って、地上とか風向きとか意識しないで、サーマルを追っていくとどんなドリフ
トしたサーマルでも付いていける。

疑い始めたらきりがないから、自分に自信を持って飛ぶこと。自信を持つにはや
はり練習と経験、それが大切だと思います。

川口竜太
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

先輩パイロットの
悩みとアドバイス
を公開     46P

僕はNZでクロカンチャンプにパラを教えてもらった。彼には「バリオを持っちゃダメ
フィーリングで飛べ」と常々言われ続けて、バリオがない状態で3ヵ月以上は飛ん
でいたかな。初めてオーストラリアのマニラにクロカンしに行った時もバリオは持
っていなかった。低いうちは山とか地平線を目線にしていても、高度が上がると
何もなくなって、そのフィーリングも活かせなくなった。その後、初めてバリオを使
った時は、今度はバリオばかりに気を取られて肝心のフィーリングを活かせない
自分がうんと下手になったようだったよ。音が鳴ると「エッ、回すの?」みたいな感
じで、戸惑いがあった。だから今でも、フィーリングを優先している。
エディ
クマール
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    48P

バリオが鳴っていても「瞑想状態」みたいな感じになることがある。全神経がグラ
イダーの動きと体の感覚に集中していて、そんな時は「いただき! 間違いなく上
がる!」と確信できる。
エディ
クマール
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    49P

映画を見る時、あまり字幕ばかりに気を捕らわれると表面的なストーリーは理解
できても、画面に隠されたヒントや全体の流れを見落としてしまうことってあるじゃ
ない? それではその映画を理解していることにならない。だから一回目は全神
経を集中し、想像力を働かせて英語版を見る。二回目に字幕を読んでいくとスト
ーリーが完璧に理解できて、いろいろなことが見えてくる。
宮田 歩
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    49P

もちろんセオリーは重要だし確率が高い方をえらんでいくのだけれど、全く同じも
のが2つあった時にどっちを選ぶかは、その人の本能。あるリズムが自分の体の
内にあって、常に最善の選択ができる力。他のスポーツでも仕事でも何でもそう
だけど、言葉では上手く言えない力がある。ダメな時はどれを選んでもダメ、ダメ
ダメ・・・。でも良い時はどれを選んでも「正解、正解、正解→ゴール!」みたいな
感覚がある。どうすればその力が出てくるのか、なぜできるかは分からないけど。
宮田 歩
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    50P

飛んでいて調子が良い時は、まず小さなミスが出て、そこからパワーが溢れて盛
り返していく感じ。でも、テイクオフ前からその流れを持ってくるのは難しいし、変
な邪念があったら間違いなく来ない。
只野正一郎
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    50P

飛んでいて「今日はいけてる!」と感じることは出来ても、テイクオフ前にそれを感
じることができない。自分でコントロールできるようになれば、きっとチャンピオン
になれると思う。懸命にそれを探し求めています。

リズムに乗っている時は、何も不安がないよね。確信を持って飛んでいる。ネガテ
ィブな気持ちも起こらない。
不安なく飛ぶためには準備が必要。それは道具であったり技術であったり、人に
よって違うけど。細かいことでは、バリオや無線機の電池を交換するとか。競技の
前日は、これでもかというくらい徹底的に準備をするんです。

宮田 歩
さん
サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    50P

道具を大切にしない選手は一流選手になれないと言われますが、本当の意味は
その逆で、道具が自分に与える影響を知っているから、大切にするということなん
ですね。
編集部 サーマルが
見える人、
見えない人

サーマル達人
討論会    50P

ある事案を伝える時、ただ右から左に流したのでは意味が正確に伝わらないこと
が多いんです。伝言ゲームのようにならないように意味を補足しつつ、正確に、
クイックに。ルーチンできる業務は、まずありませんね。
添石良健
さん
JHF&JPAこんな
オフィスです!
         54P
「誰よりも高く遠くへ速く」が美徳のパラフライヤーは、競技で勝つこと、記録を作
ることがパラグライダーの目的だそうです。でもそういう世界からハジかれたヒトは
パラを止めるしかないなんて寂しい話ですよね。スキー場、そしてゴルフ場に来る
人々の何%が競技を目指していますか?無論誰でも技術が上達することを望んで
いるはずですが、やり過ぎて怪我をしたり嫌になってしまい止めるよりは「ほどほ
ど」にしておいた方が絶対におトクです。こんなに楽しいスポーツは滅多にありま
せんよ。
佐川大輔
さん
Que sera sera

All or NOthing
         86P

人間がもっとも恐怖を感じる高さは、25〜40mだと言われている。(11mという
説もあるが)。これは、地面がはっきりと見えるため、そこから自分が落ちることを
容易に想像できてしまうからだ。
岩橋  亘 
先生
このテクニックの
嘘・本当
第3回
高所恐怖症の人
でもパラグライダー
はできる    98P
JPAについてはどうお考えですか? 対立構造と見ているフライヤーが多いように感じますが?
「フライヤーにとってはどっちが得で楽しいかですよね。JPAはプロの集団ですか
ら、イベントや講習会などレベルの高いものができるでしょう。業界を活性化させ
るために、そういった団体があっても悪くないと思います。JHFは公益法人、統括
団体としてやらなくてはいけない活動を行なっていくことが大事だと考えています」
菊地守男
副会長
INFORMATION
BOAD
JHF新理事が決定
活動開始! 107P
2005年8月号  (vol 162)    
一般的に言って、特別な「才能」があったからではなく、ただ必死で学びトレーニン
グに励んだ結果だと思うね。トレーニングと一緒に重要なことは、自分が心から
フライトを楽しんでいることじゃないかな。同じことがコンペについても言えるよ。

僕は、加速している最中にグライダーが50%潰れたとしてもそれほど心配しない
本当に心配し始めるのは、グライダーが70パーセント潰れたときかな。他の選手
が少し怖がっているときの方が、僕は勇気が出るのさ。しかしこれらのすべても
トレーニングの結果なのだと思うね。

ノーマン
ローシュ
追悼
さよなら!
フルスピード
オッシ     11P
多くの人はプレッシャーのかかる状況ではうまくやれないものだけど・・・。
ノーマンはプレッシャーに勝つことに成功したのね。それは一つの進歩だわ。
彼は自信を持つことができたのよ。控え目さを失わずにね。私たちはそのことが
とても嬉しい。
追悼
さよなら!
フルスピード
オッシ     11P
1日のフライト時間は合計2〜3分もあっただろうか。そのごく短い時間に夢中に
なれたのは、「空を飛ぶ」という非日常を演出する場所として最高だった。
もし、都会に近く、普段の生活とあまり変わらない雰囲気の場所でパラグライダー
を始めていたら、僕はこれほど空に惹かれなかったかもしれない。
鈴木正史
さん
日本のパラの
原点を求めて
菅平・木島平
         29P
パラグライダーそのものの滑空性能や安全性が格段に向上し、関連する装備や
ノウハウも進化した現在。一番足りないものは当時僕たちが木島平で見たあの
「華やかさ」ですね。なんかワクワクするような、ちょっと下心ありげな・・・。
昔「私をスキーに・・・」とか「波の数だけ・・・」とか若者のトレンドやファッションを惹
きつける映画がありました。あんな軽い感じでもう一度「イケてるパラ」流行るとい
いいなぁと願ってやみません。
佐川大輔
さん
日本のパラの
原点を求めて
菅平・木島平
         29P
僕は決して測定はしない。ただ比較飛行をするだけだ。
その中からプロト機を1機選ぶ。それは必ずしも最も滑空性能が高いものではな
い。最もアクセス性が高く、最良の妥協案となるものだ。
Gin gliders
ソン・ジン・ソク
進むデザイン革新
トップデザイナー
に聞く     37P
アーチ曲線を湾曲するやり方は、僕のデザイン哲学とは相容れない。
ビッグアーチのグライダーを成功させるには、翼面積を大きくする必要がある。
それはグライダーを大きくし重くすることだ。それは僕にとって時代を逆流するよう
なものだ。正しい方向に向かっているとは思えない。大きなアスペクト比のグライ
ダーは、構造上、湾曲したアーチ曲線が不可欠となる。しかしそれによって、アス
ペクト比をおおきくすることで得られた滑空性能の向上が失われる。しかし獲得し
たものの100%を失うか、90%を失うのか、それが問題になるだろうね・・・
僕が選択した道を要約すれば、より大きくて性能がそれほど得られないものより、
より小さくてより性能の高いものを選ぶということさ。僕のプロトは他のものよりも
7〜8平方メートル小さいよ。
Airwave
ブルース
ゴールドスミス
進むデザイン革新
トップデザイナー
に聞く     38P
2年前からグライダーの滑空性能に停滞が見られた。上級パイロットにとっても
あまりに「快適な」グライダーが主流になってからだね。だからよりラジカルな新し
いコンセプトが現れたことは、当然の成り行きだと思うね。僕自身はこの新しい動
きを喜んでいるよ。アドバンスが持ち込んだ傾向は、節度を守ればよい手法にな
るだろう。それは確かだ。しかしどんなエリアでもうまく行くとは限らないんじゃない
かな。将来の競技会で、どんなタイプのレースが提示されるか見守らなければな
らないだろう。選手が単独トップでゴールすることは珍しくなってきた。大部分は
最後の直線グライドで差が出る。クリスチャン・マウラーはプロとを全速で飛ばし
ていたが、多くのパイロットがそんなことを出来るとは考えられないね。
Gradient
オンドレ
デュパル
進むデザイン革新
トップデザイナー
に聞く     39P
今注目されている新しいコンセプトは、僕らにとっていい経験になると思う。
将来誰が正しかったのかが明らかになるだろう。しかし今のところ、滑空性能の
観点から見て、はっきりした有利さは見えない。
今回の世界選手権でも、あのような非常に異なったコンセプトのグライダーでも、
結果は似たり寄ったりだった。差があったとしてもそれはパイロットの腕によるも
のだと思うね。
Sol
Paragliders
アンドレ
ロッテ
進むデザイン革新
トップデザイナー
に聞く     40P 
最初は、僕自身が滑空性能に興味を持っていて、それをただ追求していただけ、
自分で自分用のグライダーをデザインしただけさ。世界で一番滑空性能に優れた
グライダーを欲しかった。それにはダイレクトな方法を取るしかなかった。
アスペクト比を大きくすることだよ。

ヴォージュ地方の非常に強いコンディションでも、僕らはアルチマでクロカン記録
を達成している。僕の高アスペクトグライダーは、強いコンディションデもOKだっ
てことの証明さ。もちろんグライダーがパイロットの頭上で少し揺れることは、時
にはある。しかし他のグライダーよりも潰れる回数が少ない。これはまったくユニ
ークなコンセプトのグライダーだよ。

エルベ
コルボン
恐るべし!
すでに3年前に完成
していた!
世界選手権で脚光を
浴びたエアクロスは
今年のトレンドである
高アスペクト・パフォ
ーマンス翼のパイオ
ニアだった! 
 41P
動物には「帰省本能」があるという。鳥が巣に帰ろうとするように、パラフライヤー
も何が何でもランディングに帰ろうとする。

多くのパイロットが考えているランディングは「どうやってランディングにちゃんと降
ろそうか」だろう。しかしランディングで一番重要なことは、【安全に降りる】ことだ。
田んぼに降りてアウトサイドだったとしても、100%セーフティに降りることを最優
先するべきだ。

  特集1
ランディングミス
         46P
もし同時進入になりそうだったら、相手に声を掛け、意思の疎通を図る。その上で
ベテランの方はランディングの端を使って上手に着陸、使いやすい空域はビギナ
ーに分けてあげたい。もしランディングが狭ければ自分からアウトサイドするなり
してランディングしやすい場所をビギナーに空けるべきだ。
『弱者には優しく!』それができてこそ、ベテランなのだ。逆に言うと、自分さえ良
ければいいなんて、最低だ。
  特集1
ランディングミス
         47P
重要なことは、失敗をしないことではなく、再び繰り返さないことにある。しかしラン
ディングで大きく転んだりツリーランディングをしても、「終わりよければ全て良し」
とばかりに問題点を語り合うことは少ない。また「どうしてそんなことをしたんだ!」
というような、感情的なしこりが残る会話がなされることも多いことも残念だ。
パラグライダーの技術の中で一番難しい技術のひとつがランディングであること
は間違いない。
ランディング技術の習得方法の王道は、反復練習で多くの経験を積み応用力を
身に付ける方法だ。
  特集1
ランディングミス
         49P
最近特にパラグライダーの原点、体を動かす「スポーツ」としての楽しみ方から遠
ざかっているような気がします。でーんと座り込んでフライト理論のウンチクもいい
ですが、もっと体を動かしませんか? 自分の足で稼いだ「位置エネルギー」なら
たとえブッ飛びでも気持ちがいいもの。それに最近気になるこのお腹。手っ取り早
いダイエットにもなりますね。
佐川大輔
さん
Que sera sera
環境にやさしい
        86P
百戦錬磨の彼に何があったのかはわかりませんが、この出来事が僕のフライト
観を大きく変えました。たとえ競技であってもより安全に楽しむために飛ぼうと考
えるようになりました。パラグライダーは無謀な冒険ではなく誰もが安全に楽しめ
るスポーツであるべきです。それには「無理をしないこと」が一番大切です。
自分の限界の中で少しずつ腕をあげ、その限界を少しずつ広げていくのがパラグ
ライダーを長く楽しみ続ける秘訣だと思います。
川口竜太
さん
理屈がわかれば
飛びが変わる
第4回
サーマルソアリング
コラム
Yuta`s ay
スコティ・マリオン
        88P
私の推測では約60%のパイロットが年間30本以下しかフライトしておらず、そこ
にかなりの不安を覚えるのです。その結果が春先の事故という結果を招いていま
す。フライト数の少ないフライヤーは10月になると機体を仕舞い込み、山々がよ
うやく緑めいた4月末に再び引っ張り出すのです。そんなパイロットに春のコンディ
ションが手にあまるのは明白です。
クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
フライト技術
アップデート 90P
はっきり言って、最近の中級機は多くの人には救いようのないほど手にあまって
しまうのです。フライト数の少ないフライヤーは(私見ではほとんどですが)最近の
クラス1またはクラス1−2の機体に乗り換えた方がいいと思います。そうすれば
必ず、かなりの危険を回避できるはずです。

グライダースポーツの三大事故原因は、相も変わらず、1つめは個人の希望的
観測が加わった、誤った気象予測。2つめは構造的に避けることのできないコラ
ップスの問題。ほとんどの死亡事故、致命的な脊髄のけがは地表近くでのコラッ
プスが原因です。そして3つめは、安全なテイクオフの仕方を忘れてしまっている
こと。

積み上げなければ崩れてしまいます。これはもちろん繰り返し理論と実際の気象
について学ぶことも含まれます。さもないと周囲の人々が機体を片付けている思
わしくない状況の中、その傍らで一人のフライヤーが飛ぼうとしているような誰も
が見覚えのあるばかげた状況が繰り返されるのです。
「強めの」とか「雷が来そうな」のように、「・・・めの」とか「・・・そうな」という語尾は
高い危険性を和らげてしまう響きがあるので、そういったボキャブラリーはパラフ
ライヤーの辞書からは抹殺してしまうこと! 飛んでもいいけれど、少し立ち止ま
って注意することです。

注意すべき状況にあるのにフライトを諦めて機材を片付けることを講習生時代に
学ばず、加えて、そんな状況下インストラクターが飛ぶのを見てしまったパイロッ
トは、その後のフリーフライトでフライトを中止する決断を下すことが困難になって
しまいます。

キャノピーが潰れるのは荒れた空域だけ。基本的に風速が時速15m以上と推
定されます。
風速についてもう1つ。決定的なのは風速によってではなく、揺れる域の広がり
なのです。ほんの10秒間静かであっただけでは十分でないのです。これに対して
私が断言できるのは、グライダーは強風の空域では危険なだけで、楽しいことは
何もないということです。

めったに飛ばないフライヤーにはこれを肝に銘じてください。1つめは決して一番
手で飛び出さないこと。2つめはあやしいと思ったら飛ばないこと。そうすれば
末永く、安全なフライト・ライフを満喫できるのです。 

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
フライト技術
アップデート 91P
メーカーの言うとおりグライダーYは、少々のタービュランスでもびくともしないほど
超ステーブルで、決して潰れることはなかった。しかし、彼は間もなく、このグライ
ダーYが最初に思ったほどよいグライダーではないことに気付き始めた。大気の
コンデションについて、非常にわずかなフィードバックしか得られないのだ。
僕自身もこのような極端にステーブルなグライダーを知っている。ほとんどのパイ
ロットは、このようなグライダーに対して、最初は非常にポジティブな印象を受ける
「わぁ、このグライダーは素晴らしいよ! ソリッドでびくともしない。もう潰れを心
配する必要はない・・・」大抵そんな印象を受けて、ディーラーにお金を払う。
しかし、ここに落とし穴がある。現実はこんなものじゃない。
初めからこのようなソリッドなグライダーでフライトを覚えたパイロットは、大気中で
タービュランスを感じ取ることがどうしても苦手になる。飛行中に軽いタービュラン
スの中に入っても、何も起こらない。そのうちもっとラフなコンデションで飛ぶよう
になるが、それでも何も起こらない。しかしある日彼は、非常にラフで危険なター
ビュランスに遭遇し、その強さのためキャノピーがいきなり80%潰れる目に遭う。
しかも、彼にとっては最初の潰れだ。ソッズ法則の可能性としては低いもので、
運が悪かっただけと言えるかもしれない。だが、彼は自分に何が起きたのか理解
できない。潰れに対するアクティブなセーフティスキルもなければ、強い潰れに対
してどのようなカウンター操作してよいのかも知らない。このような状態では、パイ
ロットは怪我をせずに済めば非常に幸運だと言える。
問題は、どんなステーブルなグライダーでも潰れる、危険な強いタービュランスが
どこにでも存在し得るということだ。どんなにびくともしないグライダーでも、すべて
のタービュランスに耐えることができるわけではない。
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座     92P
ロバートはグライダーからより多くのフィードバックを得ているため、タービュラント
な空域に入った時点でそれを知り、自分のグライダーの動きを感じ取ることで、
うまく反応しながらバンピーなポイントをサーフしてしまう。彼は既に潰れを経験し
ており、キャノピーが潰れないようにアクティブにフライトすることができる。そして
万一潰れたとしても、本能的にカウンター操作をして潰れを解消してしまうのだ。
皮肉な話だが、ロバートがランディング・アプロ−チ中にダストデビルに出会った
場合、超ステーブルなグライダーYでフライトを覚えたパイロットよりも助かるチャ
ンスが数段も高い。もちろん、僕はグライダーのスタビリティの重要性を、否定し
ているわけではない。僕が言いたいのは、グライダーのスタビリティがパイロット
のスキルを肩代わりしてくれるものではないということだ。もし潰れを避けるのに
自分のグライダーのスタビリティに頼り切っているならば、強いタービュランスに
出遭うことのない管理された環境でのみフライトすべきだ。例えば、スクールの
無線誘導でフライトするとか、早朝か夕方の穏やかなコンデションでのみフライト
するということだ。

「衝突事故で助かるならボルボ車が一番だ」しかし、スウェーデンの自動車事故
統計は、それとは違った事実を明らかにした。ボルボのドライバーはサーブの
ドライバーよりも怪我の確率が大きかったのだ! 理由は簡単。サーブはもともと
事故を起こす確率が小さかったからだ。サーブ車はボルボよりも車体が軽いため
短距離で制動することが出来て、しかも軽量なボディのお陰でロードホールディン
グが良く、衝突を避けることが出来たのだ。サーブはさらにオーバーサイズのフ
レームで乗車を保護するよりも、ドライバーの視界を向上させて事故状況でのド
ライバーのリアクションを向上させた。その結果、自動車の認証試験ではボルボ
は明らかに安全性で優位にあったが、実際の路上ではサーブの方が安全だった
のだ。 

認証飛行テストでは、問題が発生した後でのグライダーのリアクションを重要視す
る。これももちろん重要だが、安全性に関してはそれほど重要事項とは言えない
それを証明するのが、同じ認証グレードにも関わらず、一方は事故が少なく、
他方は事故の発生が多いといった2つのモデルが実際に存在する事実だ。
ここで読者にお願いしたいことは、認証グレードだけでそのグライダーの安全性を
判断しないで欲しいということだ。

安全装置を身にまとったパイロットは、まるで自分が無敵のスーパーマンにでもな
った気分なのだろう。だが、これはまったくの錯覚に過ぎない。ほとんどすべての
事故を分析した結果言えることは、最も重要な安全性の要因となるのはパイロッ
ト自身なのだ。パイロット訓練は簡単ではなく費用も馬鹿にならない。そして近道
はない。それに経験を積むには、いろいろなコンデションで飛ぶ必要がある。
パイロット自身の経験こそが安全性の鍵となる。結局は、自分で自分を守るしか
ないのだ。責任逃れをしないこと! いつも忘れないでほしい。

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座     93P
雷鳥に石を投げたり、追い回していじめたりすると暴風に見舞われるという言い
伝えもあるほど。雷を恐れる昔の人々は雷鳥を大切にしたと言われている。
しかし、名前とは裏腹に、実は、雷鳥は臆病な鳥で知られている。日本アルプス
などの標高約2500m以上の高山帯に生息する雷鳥は、警戒心が強いため岩場
の影などに隠れて出てこないが、朝夕や、まさに雷雨が降り出しそうな天気の時
に現れる。そのためにこの名が付けられたという説もある。
松野茂雄
さん
パラフライヤーの
ためのお天気・風
雲のお話
第4回     95P
一気に荒々しい岩山金鶏山をトップアウトしました。
「ゥワオォォォー!」 そこから見える景色は水墨画に描かれるような『桂林』いや
スイスのアイガーの北壁、いや『アルプスの盆栽?』のようです。
  うさぎちゃん
PRESS 2005
エリア漫遊記
VOL4、第38号
刺激的絶壁
フライトのできる
エリア
妙義スカイパーク
         99P
ハングの講習時代、イントラさんが直径1.2cmくらいのピン1つないままで飛ぼ
うとした講習生をすごい剣幕で怒ったことがある。たった1つの小さな部品でも、
場所が講習バーンであっても、何も不足してはいけない。心に気がかりなことが
あってもいけない。そう習った。完璧な状態でフライトに望んだとしてもでも何が起
こるか分からない空の世界・・・ 改めて考えさせられた。
ローシュ氏のご冥福をお祈りします。
(r)
さん
編集後記
       126P
2005年10月号  (vol 163)    
スタッフたちが下りてくるが、最後に残されたハーネス氏は、フォローでキャノピー
がめくれてしまうのを片足で押さえつつテイクオフしたとか。いったいどんなテイク
オフだったの?
小貝哲夫
さん
世界一
パラメーカーが
集中するTirol!
         19P
パラグライダーの事故は、航空機の事故と違って科学的に分析されることはない
たいていの痛ましい事故のレポートの最後にはレスキューを投げた形跡がない
結ばれる事が多い。なぜ、レスキューを投げなかったのか?
事故のケースによっては、もちろんレスキューを投げる時間がなかったものもあ
るが、レスキューを投げることは出来ただろうと推察される事故においても、そう
結ばれることが多いのは何故だろう?
ひょっとしたら、レスキューを投げようとしたのに、レスキューが投げられなかった
のではないだろうか?
そう考えてみることも重要だ。誰もが、レスキュー・パラシュートは、投げれば開傘
するものだと信じ込んでいることに、こうした記述の落とし穴があるのかもしれな
い。「レスキューパラシュートは開かないこともある」という認識のもと、「絶対に開
くものにしておかなければいけない」「いざという時、開く自信がある」という状態に
しておかなければいけないのだ。
  総力特集
セーフティ
トレーニングを
考える!   37P
引き出せなかった主な理由は、リパックの仕方にあった。コンテナの形状はハー
ネスメーカーによってまったく違うため、そのハーネスに合ったパックをしなくては
いけない。しかし、おそらくそのレスキューをリパックしたインストラクターは、「いつ
も通り」の方法でリパックしたのだろう。
「インストラクターはリパックの専門家じゃない。リパックの技術に関して、あまりに
もひどいインストラクターが多すぎる。しかも、そういう人やスクールに限って、聞く
耳を持たない。
岡田直久
講師
甲府白根
セーフティフライト
ミーティングを
取材      39P
ちゃんと降りられた人はほとんどいませんでした。順番が後の人ほど、前の人の
失敗をよく、見ていたのでなんとかできていましたけどね。ただ、ツリーランセット
の収納の仕方がまずいのは、スクールの責任ですね。売りっぱなしでは、ダメで
すよ。
岡田直久
講師
甲府白根
セーフティフライト
ミーティングを
取材      40P
6〜7年前より、DHVがパフォーマンス・ライセンス制度を実施したことにより、
何が変わったか?
むろん、その成果が上がり、インストラクターの技術も向上し、パイロットの安全
意識も向上した。そして、上級機種が売れなくなった。ドイツ国内やオーストリアで
販売されるグライダーの過半数がDHV1〜1−2であることがこれを証明している
上級機の持つリスクが徹底的に指導されている結果だ。
ちなみにフランス・スペイン・イタリアそしてスイス等では日本と同じようにDHV2〜
3の高性能機のニーズが依然多く、安全面での認識は個々夫々である。これは
国民性によるものなのか?あるいは、安全教育が徹底されていないと見るべきか
  セーフティ
トレーニングは
パイロット個人の
良識が問われる
もの。     41P
パラグライダーを楽しく安全に続けるために一番重要なことは、パラグライダーが
潰れることを恐れないことだと思う。潰れるという現実を受け止めて対処方法を正
しく理解していればこれほど自由な翼は他にはないよね。
現在は様々な情報の蓄積があって、正しい対処法を学習することができる。

セーフティトレーニングを受講することで、必要以上の緊張感や恐怖を克服する
ことができる。安全性を向上するには欠かせないトレーニングだと思うよ。
それから大切なことは、正しい知識と経験を持ったインストラクターが、それに万
が一の場合の環境が整った場所で行うこと。決して見よう見まねで教えたり、
真似をするべきではない。 セーフティトレーニング自体にもリスクがあることは
忘れてはいけない。

パラグライダーの安全性が向上したことで、ほとんど潰れを経験しないまま空を
飛べるようになったことは素晴らしい進歩だと思う。しかし空を飛ぶ以上、その
可能性がなくなることはない。ドイツやオーストリアでは、DHV2や2−3クラスの
リスクを理解しているから、ほとんどのパイロットがDHV1−2クラスまでのパラグ
ライダーをチョイスしている。それでも彼らはセーフティトレーニングの重要性を
理解している。
日本のパイロットにそれを押しつけるつもりはないけど、滞在中、もう少しセーフ
ティトレーニングが必要だと感じられるシーンが幾つかあった。広い湖など安全性
を確保できる環境が少ないなど、現実的な問題がたくさんあると思う。しかし日本
のパイロットは練習熱心だし、日本に適した現実的なアプローチで対処できると
信じているよ。

トニー
ベンダー
セーフティ
トレーニングは
パイロット個人の
良識が問われる
もの。
トニー・ベンダーに
聞く      41P
ドイツ・オーストリアでもオプションでSIVコースは頻繁に行われている。
ドイツ・オーストリアとも、ほとんどのパイロットが2年ごとにこのマヌーバー訓練を
受けている。多くのパイロットが参加することで、コラップスに入った時の恐ろしさ
を体験し、結果として上級機を敬遠する流れができた。
トニー
ベンダー
セーフティ
トレーニングは
パイロット個人の
良識が問われる
もの。 
ドイツ
オーストリア
の場合     43P
森林の中や小川の流れの近くを歩くとき、僕らは不思議に気持ちが落ち着き、
疲労した身体に活気が蘇えるのを感じる。植物の発散する霊気と香り(フィトンチ
ッドという物質らしい)が、都会の喧騒と汚れた空気に痛めつけられた身体を芯か
ら清浄してくれるからだ。樹木の感触や香りや森林の清涼な空気中のマイナスイ
オンで心身はリラックスし、細胞が活性化し、不安や敵意や疲労が霧散し、活気
が高まる。上空を飛んでいては体験できない恩恵がそこにある。
トレッキングで筋肉は心地よく疲労し、肺や血液は清涼な酸素で満たされ、フィト
ンチッドによって神経はリラックスし、心は穏やかで明快となる。テイクオフに着く
頃には心身ともにフライトに最適なコンディションになっているはずだ。そしてフラ
イトだけでは決して味わえない「立ち止まって、岩や地面に腰掛けて、手にとって、
友人と話しながら」自然と触れ合う感動を体験できる。

パラというスポーツは、スポーツとはいうものの身体をそれほど動かすことがない
慣れれば慣れるほど、上級レベルになればなるほど、それに比例して運動量は
少なくなる。風をうまく捕らえて数歩の助走でテイクオフし、ブレークコードの操作
もウエイトシフトの動作も効率が良くなるための運動量はない。あるのは風に乗っ
た爽快感とスピードと旋回のフィーリング・・・。ほとんどモーターサイクルスポーツ
のようなもの。
当然サンデーパイロットは運動不足になる。普段仕事をしているウイークエンド
パイロットは、週末をエリアまでの移動とフライトで時間を全部使い切ってしまう。
運動する時間がまったくないのが現実だろう。

  トレッキングパラの
ススメ     47P
答えは簡単だ。僕らは「楽しむ」ためにやっているんだ。僕自身は人生を楽しむ
ためにやっている。自分の可能性を試したいからと言う人もいるかも知れない
(応援する!)。決して無理をしてはいけない。山は予想に反して飛べるコンデショ
ンでないかも知れない。そんなときは少し待機するのもいいが、歩いて降りると日
が暮れる前に無事麓にたどりつける時間が残されているかどうかをシリアスに考
えるべきだ。風向が予想に反していたら飛べそうな方角の斜面を探すのはいい。
しかし強風の場合は潔く歩いて降りよう。また登ればいいのだから。怪我や遭難
をしたらダメージは月単位の長時間にわたる。歩いて降りればまた来週でも来ら
れるじゃないか。歩いて降りたとしてもそれなりの満足感は残るものだ。
  トレッキングパラの
極意      48P
山岳用グライダーの耐久性が一般グライダーよりも少し劣っていると言うことは隠
すべきじゃない。ラインやライザー類は問題がないがクロスが問題だ。
特にかぎ裂きや摩擦に対して一般的なクロスと同じ耐久性を期待することはでき
ない。問題は、グライダーの保守管理で大きく左右されるということだね。「アルピ
ニズム精神」のある人は性格的に物を大切に扱う。アルピニストはザイルや登山
ハーネスの状態で自分の命が左右されることを知っている。パラピニストも同じだ
同じようにパラの装備を大切に扱う。地面を引き摺ったり、不用意に日光に晒し
たり、湿ったまま畳んだり、あるいは摩擦や埃のある地面からテイクオフするよう
なことをしない。ナビュー社の「ケニヤ」は10年も使用に耐え、今でも何ら心配な
く飛んでいる。それは、グライダーを大切に扱っているからさ「ノーマルグライダー
」と同じように耐久性のある方法で作り、しかも軽量さを期待するとすれば、それ
はみせかけの軽量グライダーだよ。いや、軽量グライダーにはならないね!
ベルトラン
マグダレーナ
人間探訪
世界最大の
修理工場
リップエア
修理の職人は
軽量グライダーの
職人でもあった!
        57P
ちなみに今でもレスキューのことをセカチャンと呼んでいる輩がいたら、紛れもなく
パラ界のシーラカンス。こんなフライヤーに遭遇したら、安全祈願をさせてもらおう
だって今まで幾多の乱気流から身を守り、現役として残っているのだから。
「俺はレスキューは要らない」−。当時は、まだこんなフライヤーが沢山いた。
何所の世界にもこの手の人はいる。「俺はそんな危ない飛びはしない」挙句の果
てに「あんなモノ持つ奴はヘタだから」との有難いご意見まで拝聴しました。

ある時、友人に頼まれたリパックで、開けてビックリ! 陰干ししようと広げると、
キャノピーの生地がピッタリと張り付いていたのだ。広げる前に投げてみたも、
固まったままゴロンと落ちただけだった。バリバリと音を立てながら剥がして広げ
たが、こうなったらもう使用不可能。
あなたのレスキューはコトコチに固まって、ただのウエイトになっていませんか?

東田 満
さん
振り向けば「変」?
弟5回
初めはなかった
レスキュー
         72P
シン様:そう! NASA(SET茨城)にそっくりなんです。

:ええと、だったらわざわざタイまで行かなくても、NASAに行けば・・・。

長島真一
お気楽
海外ツアー道
第5回
アジア系リゾート
微笑みの国
タイを飛ぶ

            
78P
特に閉鎖的・排他的になりがちな小社会、学校や**教室の先生は依然として
「お山の大将」を気取っていたり。誰もが欲しい資格・権利や学歴。そして地位に
名誉を求める小市民とそれを与える公的機関や民間組織との利権絡みの黒い
話は尽きることがありません。スポーツやリクリエーションの世界でも業者と資格
認証機関との露骨な癒着なんてごく普通の話です。でも教職にある者や公務員
の立場を利用した事件・不祥事はちょっと許せないです。パラグライダーのインス
トラクターはどうでしょうか?
まさか気まぐれでちゃらんぽらんな人とか、下心丸出しでエコヒイキするス*ベな
人とかがパラのイントラをしていませんよね?空と自由を愛する人達ですから、
すばらしい人ばかりだと信じています。

世の中には「資格や免許そのものを取ることが目的」という人もいるかもしれませ
ん。実際P証が取れた時点でぱったりエリアに来なくなる人をたくさん知っていま
す。彼らは実は大して飛ぶことが楽しくなかったのでしょうか?それともP証取れる
頃にはもう苦痛なスクールエリアに行くのもうんざりなのでしょうか?
なぜこんなに楽しいことが続かないのでしょう? なぜ年々入門者の数が減少し
ているのでしょうか?
そもそもパラグライダースクールはサービス業です。むしろ刹那の快楽や夢を与
える水商売のようなものです。業界の皆様、この原点を忘れていませんか?
パラグライダーのライセンスは一般社会ではほとんど役に立ちません。逆に山で
無免許フライトしたところで警察に逮捕されるわけでもありません。

商売ではお客様は神様。100円のハンバーガーを一個買っただけで素敵な笑顔
で対応してくれるサービス業は日本中どの町にもありますよね。今の世の中、
自分の立場をわきまえない商売は自然淘汰されるがオチです。何様のつもり?
と言いたくなるようなタチの悪い指導員に捕まったら嫌ですね。20年間悪夢にう
なされてもいいくらいの価値のある資格ならまだしも・・・

佐川大輔
さん
Que sera sera
資格がほしい
         82P
風が強い時は、乱流も大きくなります。そんな状況でアクセルを常用するのは
非常に危険です。
「強風時にアクセルは使えない」と考えないといけません。アクセルを使うとより

アグレッシブなフライトができるようになります。ただその反面、リスクが増えると
いうことを忘れないようにしましょう。パラは勇気試しや冒険ではありません。
誰もが楽しめる安全なスポーツであるべきです。自分の技量やフライトの目的に
合わせて、少しずつアクセルを使えるようにしていけば良いでしょう。

川口竜太
さん
パラグライダー
エアロダイナミクス
理屈がわかれば
飛びが変わる!
第5回
アクセルの使い方
         84P
パラの競技タスクで問題になるのは、ある選手にとって簡単だと思われるものも、
他の選手にとっては危険に思えるということだ。またタイミングやグライダーの飛
行性能にもよっても、危険の感じ方は違う。ある選手は、高いパフォーマンスで、
タイミングよく、優れた判断力で、タービュラントゾーンを完全に避けて飛ぶかもし
れない。その一方で、別の選手は、万一悪いタイミングで悪いポイントで遭遇した
ら非常に危険なコンディションにも関わらず、まったく安全だと思って進むかも知
れない。

判決は大会委員長を有罪とし、懲役2ヶ月か罰金13万2000ユーロが言い渡さ
れた。選手委員会は無罪だった。イタリアで誰もコンペを開催したがらないのは
不思議ではない。これほどのリスクを負って、誰が無償奉仕の大会委員長になり
たがるだろうか!
アメリカの訴訟文化が、ヨーロッパに急速に浸透したことは衝撃的だ。10年前に
はこのような判決はヨーロッパでは考えられなかった。しかし今では驚くに値しな
い出来事となった。

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座Vol9
パイロットの
自己責任   88P
問題の根源は、人々が自分自身の行為に責任を持とうとしなくなってきたことだ。
何か問題が起きると、人々は自分自身の代わりに他の人々を非難しようとする。
パラを例に取れば、非難の対象は、グライダーのメーカーや輸入会社だったり、
あるいは事故が起きた土地の所有者の農家だったりするのだ。
パラは個人スポーツの典型だ。パイロット自身がまったく個人の自由意志で選ぶ
ことだ。一般的なスポーツで見られるような規則や安全対策は、フリーフライトの
世界では通用しない。そこでは個々のパイロットが、自分で、コンディションを判断
し、テイクオフするかどうか決心しなければならない。そして一旦 空中に出たら、
パイロットは、ランディングするまで、生死に関わる安全判断の連続を引き受ける
ことになる。
コンペでもまったく同じだ。もしリスクが大きかったなら、やらなければいいのだ。
パラのコンペは結局、ただのゲームなのだ。

著者は長年ワールドカップを運営してきたグザビエ・ミュリヨーに意見を聞いた。
彼の考えはこうだ。もし状況が悪くなったら、大会委員長は消えていなくなるしか
ない。彼は将来のコンペをこう予言している。
それは、正式オーガナイザーのような責任者が不在で、パイロット自身が自己責
任を引き受けるしかない競技大会だ。

ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座Vol9
パイロットの
自己責任   89P
トニー
日本のパイロットは本当によく練習するね。我々の国のパイロットも見習う必要が
ある。ただ、ハイパフォーマンスのグライダーに乗っているパイロットがとても多い
と感じたことだね。僕たちの国では、コンペティターは違う種族という意識が強い。
だから普通のパイロットは、決して上級機に乗ろうとは思わないよ。コラップスに
入ったら大変だからね。
パペッシュ
マーケットで一番重要なことは、「安全なグライダーを作ること」だと考え、「クリプト
ン」を完成させた後に自分たちの求めるものを最優先したんだ。また、経験から
言えることは、ハイパフォーマンスグライダーを開発しても、そのノウハウはシリア
ルグライダーの安全性にはまったく寄与しない。むしろ、より安全なグライダー開
発を通してパフォーマンスの向上につながることの方が多かった。
大事なことは、そのメーカーが何をターゲットにして開発しているかだと思っている
みんな同じじゃないんだ。みんなが同じ方向、つまりハイパフォーマンスモデルだ
けを追求したら、マーケットは最終的にしぼんでしまうだろう。
トニー
ハングが良い例だ。ハングの開発は、性能の追及に重点が置かれてきた。もち
ろん購買意欲を満たしてくれるが、既にパイロットになっている者だけで、決して
ハングパイロットの増加には寄与していない。
DHV2−3は、全体の5%にも満たない凄く小さいマーケットで、どう考えても普通
の人が乗るべきじゃない。もしそれに乗ることがステータスだと考えているならば
大きな間違いだね。ポルシェだから安全だということもないだろう。DHVのカテゴ
リーはすごくラフなもので、テストの結果と実際のフライトでの挙動はかけ離れて
いるよ(トニーはDHVのテストパイロットも長く務めた経験がある)
パペッシュ
ビギナーが安全に飛んでランディングしたら、それは素晴らしいことだよ。そこに
もステータスがあることを忘れちゃいけない。パラのマーケットはそんな人たちが
支えているのだから。パラの喜びは、高く上げるだけじゃない。ぶっ飛びだけでも
素晴らしいことだ(パペッシュは高度を上げて、ソアリングをするのが嫌いだそう
で、トップアウトでもしようものなら直ぐにランディングしてしまうとのこと)
ハーネス
パペッシュ

トニー
ベンダー

NOVAの
コンセプター
パペッシュと
テストパイロットの
トニーが来日。
コンペ機を作らない
その理由とは?
        102P
一つのモデルで、200本以上のテストフライトを行う。しかしDHVのテストではたっ
た2〜3回のテストフライトでその結果を求める。それだけじゃ、本当の特性など
分かるはずがないだろう。テストで一番重要なことは、パイロットが実際にフライト
する環境での翼の安定性や、潰れの後に翼がどのように変化して動くかというこ
とだと思う。それはDHVのテストとは全く違う方向だ。
トニー
ベンダー
NOVAの
コンセプター
パペッシュと
テストパイロットの
トニーが来日。
コンペ機を作らない
その理由とは?
        103P
気温が高くなると、注意心が薄れますので、フライトする前には、飛ばない理由を
自分で見つけてください。
そして、何かあれば、近くのインストラクターに相談してください。気がかりなことの
ある状態は、この時期、特に危険なことに繋がりかねません。飛びたくないなら
飛ばなくてもいいのです。もちろん、思い当たるようなことが何もないようでしたら
いつでもテイクオフできる状態です。
MKクラフト
真藤正一
校長
インストラクター
エッセイ
Vol55
僕の思い出エリア
        108P
2005年12月号  (vol 164)    
パイロットとしての自分は、控え目だが粘り強くて自分に厳しいと思う。
弛まぬトレーニングと情熱こそが、目標に達する唯一の道だと信じているからね
僕は自分が何者で何を必要としているかを理解しているつもりだ。

夢はクロカンの世界記録を樹立し、世界チャンピオンになること。僕を愛してくれ
るすべての人々に幸福をあげること。それしかないよ!

2003年のワールドカップ茨城大会で何人かの日本人と知りあって以来、自分を
少し日本人に似ていると感じている。目的に向かって努力し、完璧さを追及しな
がら物事に取り組み、控え目でいることを知っている。特に、家庭の中で、人間と
自然と仕事を重んじる文化を素晴らしいと思うよ。

パラで大切だと思っていることは?
じっくり時間をかけて練習することだね。無理して飛ばずに地面で待つことや、
自分のレベルに合ったグライダーで飛ぶこと、あるいは自分のレベルに合った
気象コンディションのときに飛ぶことの大切さを知ることだ。

シャルル
カゾー
あのスター選手の
この素顔!

         10P

この前あった話で、エリアの中では誰もが認めているベテランパイロットが、最近
怖くてフライト中にもアドバイスを欲していることを人伝てに聞いて「エッ」と驚いて
コミュニケーションの難しさを実感したばかり。ケアする体勢が悪いのか、コミュ
ニケーションをとるのって難しいですね。

司会
チョイスで迷ったら、遠慮しないでインストラクターに相談しましょう。そしてパイロ
ットだから、このクラス以上と決めつけることなく、永くパラグライダーを続けられ
るアドバイスを最前線にいる皆さんにはお願いしたいと思います。

浅子智由
さん
バリバリイントラが
ハイエンドの最新
DHV1−2機を
斬る!

試乗インプレッ
ション大討論会!
         39P

トランゴ2のようなコンペ機でないノーマルグライダーで飛べば安心だと知って
いたので、狂ったように揺れても、風が吐き出される気流の中で斜面沿いに、
少なくとも毎秒7mで滑り落ちながら文字通り「昇天」したときも、翼が完全に潰
れることはなかった。

僕は今まで10年間、観客なしで、一般の人が理解してくれる希望もなく、コンペ
を戦ってきた。それは僕にとって非常にフラストレーションだった。メディアの
カバーをもっとよくすれば、クロスアルプスは「偉大な」レースになる可能性が
十分あるね。

今年の世界選手権に選ばれなかったことが、挑戦させたの?
そうだよ。君も気づいたはずだ? 僕は激怒したよ! フリーフライトの歴史で
ディフェンディング・チャンピオンが出場しない世界選手権なんて初めてのことだ
からね。僕は自分に言い聞かせた。「僕はもうすべて手に入れた。これ以上何を
証明する必要があるか?」ってね。彼らが僕を飛ばせたくないのなら、僕は別の
ことをするしかない。もう、この話には戻りたくないよ。

1位

アレックス
ホッフェル

2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手
の物語      50P
最後の勝因はサポーターのアンドレアスが医療マッサージ師で、脚部や足をマッ
サージしてくれたことと、彼がパイロットではないことだ。『こうしろ』とか言う人間
は僕にはいらない。自分のやりたいことをしたいんだ!
そして、多くの人がこのレースを危険だと思っていることについては、「僕にとっ
てそれほど危険なことではないよ。昨日は、もしかしたら僕はモングロまで飛ん
で行けたかもしれない。でも風が強過ぎたから止めたよ。空中で恐怖を感じたく
ない。それが僕にとって一番重要なことだよ・・・
2位

ウルス
ロートシャー

2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手の
物語      50P
モナコに近づくにつれて雲が徐々に低くなり、アゲインストの風が強くなった。
僕は常に稜線を超えながら進んだ。一度、稜線を越えるとき、木の間を風下に
向かって飛んだこともある。クレイジーだね。
3位

キャスパー
ヘニー

2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手の
物語      51P
レースがこんなに長いのにもかかわらず、ほんの小さなことが決定的な作用を
するということだ。テイクオフに着くのに10分遅れてだけで、次の稜線を越える
サーマルのサイクルを逃がしてしまう。その稜線を飛んで越えられないというこ
とは、そのまま半日以上のトレッキングを意味する。もし進む西側の天候が良く
なっているとなると、一刻も早く西に移動したいための強行軍を強いられ、ハード
な一日となる。
前半で、最悪の選択をしてしまった。理由は、他の選手のコースを気にし過ぎた
ためだ。後半は、自分に集中した。自分のフィーリングや感情に耳を澄ませた。
その瞬間から、すべてうまく行った。

5日目、最初のチェックポイントの近くまでたどり着いた時、僕はやっと飛ぶこと
ができた。しかし2日間130kmを歩きっぱなしの後だったので、いざ飛ぼうと
するとパニックになった。まるで初心者のようなフライトをして、自信をなくしたよ。

ヘルムート
アイク
ホルツァー
2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手の
物語      51P
私にとって一番驚いたことは、ベテランのパイロットが、テイクオフする前に完全
に自分を見失うことがあるのを見たときね。サーマルにヒットできないのではとい
った恐れに、パニックになるのよ。当然ね。谷底にランディングしてしまったら、
歩いて進まなければならないものね。
サポーター
エリザベス
ローチェン
ベルガー
2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手の
物語      51P
レース前は、どんなリスクも犯さないつもりだったけど。僕らが飛んだ風のコンデ
ションはりスキーそのものだ。アレッチ氷河の上空を高度300mで飛んでいると
き、タービュランスと格闘していたが、足元を見たら毎時15〜20kmの速度で
後ろに流されてている。僕はすぐに翼端折りをして降りた。この日、風に向かっ
て40km飛んだが、パラで空中を飛ぶコンディションでは決してない。
クロスレース中はいつもこんな風だよ。
今回、僕は勝つためではなく、むしろモナコにたどり着くことに挑戦するために
参加した。だから、本気で勝つために参加した何人かの選手とは反対に、勝て
なくてもがっかりはしていない。しかし今は、モナコ到着はとても強烈な瞬間だっ
たので、もう一度それを再体験したい気分になっている。その反面、もしこの
冒険に再挑戦して失敗したら、僕はこの素晴らしい気分を失うしかない・・・。
今は、どっちともいえないな。
ヘルムート
アイク
ホルツァー
2nd Red Bull
X-Alpus Rese
Dramatic REport
それぞれの選手の
物語      53P
本来のアクロバットの面白さを考えると、スペクタクルなフィギュアを見せた選手
が高得点を取りそうなものだが、もはやその時代は終止符を打つこととなった。
正確さと最高のコントロールこそが審査員にアピールするのだ。
マイケル
フエラー
2005年の
世界選手権に
向けて
最後のヴェルチゴ
         58P
練習もせずにこのフィギュアにトライしたら、怖いよね?
それは心配する必要はないと思うね。アクロのパイロットはそんなに馬鹿じゃな
いよ。誰も自分の限界をよく知っている。
ラウル
ロドリゲス
究極のフィギュア
「インフィニティ
タンブリング」って
         59P
開発はエスカレート。気が付くとパラグライダー本体よりハーネスの方が大きく
なってしまい、ザックに入らない人まで出る始末。大型のパラザックが発売され、
山のようなパラザックを担いで歩き回るフライヤーが増えたのはこのへんからだ
パラグライダーに必要なのは強靭な肉体となってきたわけだ。
パラの楽しみの一つはコンパクトなギアで自由に旅ができる魅力と、狭い部屋で
も邪魔にならないことだ。性能本意で大きく重くなってしまったハーネスは、
お世辞にも持ち運びが楽とは言い難い。
あなたは、手軽さと性能どっちを選びますか? 性能を選びすぎて重量がハング
より重くなってないでしょうね?
東田 満
さん
振り向けば「変」?
第6回
重装備になった
ハーネス    70P
そういえば今は昔、パラグライダーが紹介された頃、ピンクや黄色の派手派手
蛍光色のキャノピーをはじめ、ヒラヒラの花柄や水玉模様のフライトスーツ等の
デザインが普通でした。それでも当時のおじさんフライヤーですら多少恥ずかし
さを感じながらもこの「女性的なモノ」を積極的に受け入れていました。
これが幸いしたのか、やがてパラグライダーブームが到来。圧倒的多数の若い
女の子達がエリアに訪れました。つまりパラグライダーは生まれた時から女性
的な感性が多く取り入れ育まれたジェンダーフリーなスポーツなのだと思います

うわべだけの被害妄想的なジェンダーフリー活動を続けるみなさんに是非パラ
グライダーを体験してもらいたいです。この空では男も女も関係ありません。
翼に乗って大空からこの世界を見てください。さっきまで悩んでいたこと、地上
のうざいこと、煩わしいこと全てちっぽけなことだと気づくかもしれません。

佐川大輔
さん
Que sera sera
最終回

ジェンダーフリー
79P
こんな理屈っぽい記事を書いているので、いつの間にか「理論派パイロット」な
んて呼ばれるようになってしまいましたが、実は僕は大の数学嫌い。
そんなわけで、飛んでいるときは、難しいことは一切考えずに結構勘だけを頼り
に飛んでいます。
パラでうまく飛ぶのに、難しい数式や計算は必要ありません。重要なのは、簡単
な基本原理を理解しているということ。アクセルを踏んでスピードを上げるとどう
なるのか? その仕組みを理解してしまえば、あとは経験と勘の世界。最新の
GPSバリオが計算してくれるマクレディー理論値も結局参考情報にしかなりませ
ん。基本原理をちゃんと学んだ上で、たくさん飛んで体で覚えるのがパラ上達の
近道です。
川口竜太
さん
パラグライダー
エアロダイナミクス
第6回
パラグライダーの
安定性
コラム     80P
飛ぶことにあまり興味がない普通の人が驚くのはまぁ無理もありませんが、
なんと航空工学を学んだエンジニアや飛行機の設計経験がある人でさえも、
パラの話をすると驚かれることがあります。それもそのはず、パラグライダーは
飛行機の常識からはかけ離れた特殊な飛行特性を持っているからです。
川口竜太
さん
パラグライダー
エアロダイナミクス
第6回
パラグライダーの
安定性
非常識な航空機
         81P

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