パラワールドに載っていた名言集2007

パラワールド公認

  

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                           名言                      お名前  コーナー&ページ  
2007年2月号  (vol 171)          
考えながら飛んでいた時期を経て、今は考えなくても自然に体が動くということ。初めてそ
ういったセンタリングテクニックについて書いてある本を読んだときは『なるほど、へえ〜』
と、じっくり読み込みました。本がなかった頃は、先輩や仲間の話が頼りでしたね。
さて。「上がりそう」と予想したポイントに行くと、果たして翼が持ち上げられる感覚がある
このとき、回すべきサーマルか、それとも回さない方が良いサーマルなのかの判断を、
どうやって下すのだろうか。それは迷うところなんですよね。結局、未だに分からないのが
本音です。ただ、グライダーが『行きたがっている感じ』があれば、間違いなく回すサーマ
ル。グライダーが引っ張られる感じと言い換えても良いと思います。

ソアリングが上手い人とサーマルを外してしまう人の違いは、旋回半径とバンクの入れ戻
しに表れるんですよね。上手い人はそれにバラエティがあってサーマルの強弱に合わせ
ることができて、かつ、その動きが滑らかです。ハイバンクをかけているときでも飛ばし方
に力みがない。逆に外してしまう人はバンクが一定にならなくて、結果、動きがギクシャク
したぎこちないものになってしまい、リフトから外れてしまいます。
グライダーを滑らかに綺麗に回しているということは、バンクとスピードをコントロールして
挙動を的確に抑えているということ。ただ回しているだけでは、グライダーの挙動一つひ
とつで高度をロスしてしまう。滑らかなソアリングは、すなわち上昇率の良いソアリング。
これが、上がりが渋いときに効いてくる。たとえばパーセンテージで考えると分かりやすい
かもしれない。+3m/sのサーマルなら10cmのロスは全体から見れば数%。
けれど+0.5m/sの渋いサーマルであれば、10cmのロスが十数%の大きなロスになって
しまう。強いサーマルであれば、少々操作がラフだとしてもそれなりに上がることができま
すが、弱いサーマルでは微調整がよりシビアになります。実際、渋いときの方が気を遣い
ますし、色々やってますね。ただ、上昇率が+1くらいのサーマルにしつこく乗るのも好き
だったりするので、それで粘りが良いと言われるのかもしれませんね。ただ、女性は粘り
型の人が多いんじゃないかと思いますよ。

上手なソアリングに必要なのは、技術や経験だけではない。心理状態も大きく影響すると水沼は言う
では、ノッている時に上手く上げられるのか、上手く上げられたから楽しくなりノッてくるのか。
鶏と卵のようなものかと思いながら聞いてみると、「前者。気持ちが先です」と即答。
少なくとも『上げよう』とするとダメなことが多いのは分かってきました。もがいたり、力んだ
り、気負ったりすると、気持ちが重くなっちゃうんでしょうか。そうすると、模索している時点
で気負ってるということになっちゃいますね(笑)。あとは、自分に合った道具を使うのも大
事です。以前は、道具に自分を合わせるしかなかったのが、今はたくさんの選択肢があ
ります。色々試してみて自分にピタっとくるグライダーに出会えたら、飛ぶのがもっと楽しく
なりますよ。

エレガント
ソアリング

水沼典子
さん

トップパイロットに
聞け!
ソアリングイメージ
日本の
トップパイロット5人
に直撃インタビュー
          39P
エリアで一番大きく飛べる人と一緒に飛んで、その人と自分との違いを考えるようになった
ことでしょうか。最初は全然ついていけません。それはしっかり上げなかったからなのか、
風の流れの道を読めずにコース取りを誤ったからなのか。たくさん考えて、上手い人の飛
び方を盗むんです。今シーズン大きなタイトルを獲得したものの、自分より飛べる人はた
くさんいるので、今もその人の飛びを目指しています。

基本的に負けず嫌い。飛んでいる途中で『もういいや』と心が折れることはないですね。
レースで他の選手を見ていると、ココで粘れるのになぜ粘らない? と思うことがよくあり
ます。上げるより先に進むのを選んでのことかもしれませんが、もったいないと思う。

低速で上げるのが好きな人もいれば、ハイスピードで上げていくのが得意な人もいますよ
ね。いくら評判が良いグライダーでも、その人に合っていないと意味がない。

いい加減が
良い加減!

加藤喜章
さん

トップパイロットに
聞け!
ソアリングイメージ
日本の
トップパイロット5人
に直撃インタビュー
          40P
ソアリング能力って、サーマル内でグライダーをコントロールする能力と、サーマルを発見
する能力の、2つに分けて考えられるんですよ。そして、上手く上げられる人と上げられな
い人の差は、サーマル発見能力の差なんですね。グライダーをコントロールする技術は、
練習したりある程度の時間を飛べば身につけることができる。そしてある程度の技術が
あれば、サーマルのコアに入りさえすれば、上げるのは難しいことではない。けれど多く
の人は、グライダーのコントロール技術で差がついていると思いがちなのだ。
差がつくのは、現在乗っているサーマルのコアの流れを読む能力、そして次のサーマル
への乗り継ぎです。サーマルの突き上げを感じたら、ブレークコードを操作し、体重移動
を行ってロールイン。続いてスピードやバンクを調整しながらサーマルに合わせて回して
いく。この一連の操作を、ほとんど無意識にやっている。数字で言うと、回している最中に
グライダーコントロールに費やす意識は、せいぜい10%がいいところ。これは誰でも辿り
つける段階です。無意識の操作を身につけるためには、ピッチングとローリングを完全に
自分のものにすることです。残り90%の意識は周りにいっていて、常に次のサーマルを探
しています。サーマルをイメージするための材料を、目で見て集める。

サーマルをイメージするための情報をどれだけ仕入れることができるかが、ソアリングの
コツ。パラの競技の面白さもそこにある。2人で飛ぶだけでも、上げられる確率は2倍じゃ
なくて3倍になる。それが大勢で飛ぶんだから、非常に効率が良い。それに、サーマルを
探すだけじゃなく、上げきれるスピードも3倍になるんです。一緒に回している相手と自分
の動きを相対的に見ることができるのは、30〜40秒後の自分を見ることができるという
ことですから、コアに留まるのが非常に容易くなりますよね。ただし、ガグリングは基本技
術がないとできない。独学でサーマルソアリングをやっているパイロットは、コントロール
が雑なので見ればすぐに分かる。

1人でソアリングしていると、上げるの遅いんですよ。でも2〜3人いると僕が一番早く上
がれる。それで人からは『クレバー』だと言ってもらえることが多いんですが、自分では
『せこいソアリング』だなあと。だって、途中まで一緒に回していて、最後に内側に切り込
んで上がって行っちゃうんですから。

回している
最中、次の
サーマルの
ことしか考え
ていない!

宮田 歩
さん

トップパイロットに
聞け!
ソアリングイメージ
日本の
トップパイロット5人
に直撃インタビュー
          41P
中学生の頃から、サーマル発生の原理を勉強していた。空気の上昇が、日照による温度
差によって起こること。比熱効果とは? 空気塊とは? そういった知識が、早くからソア
リングのべーすとなった。が、これらは全て教科書に書いてあって、1回読めば分かる
理科の勉強。素直に鵜呑みにすれば良いことです。

サーマルのサインは自然界にたくさんあるんです。それを見るか見ないかの違いなんで
すよね。ただし全体を見るのではなく、知識を元にポイントを重点的に『観る』ことが大事
です。実際に飛んでいると上昇気流に当たる。そこで持っている知識と照らし合わせて、
なぜここに上昇気流があるのかを検証する。逆に、予想したところに上昇気流がなかった
場合も、なぜ上がらないのかの理由を考える。そうやって飛んでいく中で、自分の中に理
屈を溜めていくのだ。そうすると、『空気の気持ち』を感じられるようになってきます。
基本的に空気は斜面に寄り添いたがっているし、暖かい空気はもっと大きな暖かい空気
に寄り添っていたいと思っている。そうしてできた空気塊は山の上まで行って、行き場が
なくなって離れて上がっていく。『上がりたい〜』と思っている空気の気持ちになって考えて
あげるんですよね。また、空気塊はそれぞれ性格が違います。イケイケもいれば、情けな
くて弱いヤツもいる。人間の集団心理と同じで群れると強いんですが。なので、その性格
の違いも感じてあげないといけない。

センタリングとは旋回技術のことではない。なのにセンタリングを綺麗に回し続けることと
勘違いしている人が多いのではないか。ましてや、バンクがどうこう、速度がどうこう・・・。
そうじゃないんです! そもそもセンタリングとはセンターを求めて捉え続ける行為のこと
センターとはつまり、上昇が良いところ、サーマルを目指します。
人と一緒に回しているとき。相手を見ていればどこでコアがズレているか分かるんですが
見ないで同じように回し続ける人が多いんですんねぇ。そういう人は、大抵上げきれずに
サーマルからこぼれていき、こぼれない人は大抵内側に抜けていきますね。

判断している時間が無駄ですからね。1秒でも早く、効率よく上げるアクションを起こさな
くてはいけませんから、実際のサーマルではほぼ直感でもっとも効率の良いスピードに
合わせる。この直感も、理屈を現実の風の揺らぎに合わせて修正していくことの積み重
ねから養われます。そう、サーマルを探すときと同じなんです。

上昇効率を
理論的に
追求する!

加賀山務
さん

トップパイロットに
聞け!
ソアリングイメージ
日本の
トップパイロット5人
に直撃インタビュー
          42P
僕は『やっぱりね、ここにあった』と思ったことは一度もないです。
僕はサーマルが分からない。『上がる』と思って行っているわけじゃないんです。
分からないから面白いんだと思うんだよね。
そもそも、日本にはほとんどサーマルがないと思っている。全部コンバージェンス、つまり
局地風みたいなものだと。教科書にあるような、平地が温まって、トリガーからドーンと上
がるような典型的なサーマルは、たとえばスペインのようなスケールが大きく厳しい日射
の国でしか経験したことがない、と。
あえて言うなら、これまでにすごくたくさん失敗してきたから、『ここにいちゃいけない』のが
判るんですよ。他の人よりも早く、もうダメになりそう、これ以上行っちゃダメっていうボー
ダーラインを、直感的に感じる。そもそも僕は、『上げたい』というよりも『先に進みたい』
という意識で飛んでいる。レースをやりたいだけなんだよね。そして、先に進むためには、
苦しくなる前に可能性の高いところにいかなくちゃいけない。と、そんな飛び方をこれまで
10年やってきたけれど、それはギャンブル的な方法でもあった。1000点か、まったくダ
メか。このままの飛び方では、今よりも強くなれないと考えたオギーは、今年は飛びに変
化を求めた。曰く、「見切るのをやめた」と。今まではサーマルがなくなったと思ったら、
いち早く次に移っていた。それを今年は『もう少し探ってみよう』と心がけてみた。迷いな
がらの1年だったけど、収穫はありました。2007年は確実性を上げていかなくちゃいけ
ない。
今回、話を聞いて判ったのは、オギーが研ぎ澄まされた感性の持ち主だということ。そのオギーをして
「分からないから面白い」のだから、サーマルソアリングとは何と奥が深いことか!
逆説的
サーマル
リサーチ

扇沢 郁
さん

トップパイロットに
聞け!
ソアリングイメージ
日本の
トップパイロット5人
に直撃インタビュー
          43P
「アクティブ操作」の究極の形がアクロバットフライトであり、そして、現在世界で8名しか
行えないインフィニティータンブリングだ。もちろん、ほとんどのパラグライダーパイロット
は、アクロバットを行わない。なぜなら、通常のフライトでは必要のないことだからだ。
だが「アクティブ操作」は、パラグライダーのフライトにおいて、間違いなく必要な技術であ
る。パラグライダーの魅力は、何と言っても、サーマルハンティング。風が一旦動きだすと
パイロットはパラグライダーを積極的にコントロールしなくてはならない。過去、多くのパイ
ロットがサーマルや強風に翻弄され怖い思いをしてきている。それはパラグライダーを正
しくコントロールする術を知らず、性能の高いパラグライダーに乗ったことによるだろう。
裏を返せば、正しい操縦を身につければ、もっと多くのパイロットが高性能のパラグライ
ダーに乗ることができるし、フライト中に恐怖を感じることも少なくなるはずなのだ。
また同様に、操作を知らず初中級機でフライトすることも、サーマルソアリングをする以上
決して安全であるとは言えない。

結果、参加者たちはいとも簡単に「SAT」を決めたのだ!これは、正しい理論、基礎技術
適した環境があれば、段階としてアクロバットフライトは可能であるということの立証だろ
う。裏を返せば、理論もなく見よう見真似で行うことは大変危険であり、認められていない
環境で行うことは、周囲にも多大な迷惑をかけるということでもある。いまだ、日本では
アクロバットフライトを行える環境、そして必要なカリキュラムと指導体系は確立されてい
ないが、JPAでは徐々に環境が整備されるよう努力していきたい。

デビッド
エイロー
アクロバットセミナー
初開催!
          49P
フランスはアクロバットフライトの先進国として世界のアクロシーンを牽引している。
だがかつてはフランスにおいても、一部のパイロットがルールを無視したフライトを行い、
数々の事故を起こし、アクロバットフライトというものは偏見の目で見られたこともあったと
いう。
1990年から1995年にかけて、パラグライダーでのアクロバットは禁止されていました。
XCフライトだけがパラグライダー競技として認知されていて、アクロバットは危険だと考え
られていました。アクロバットのパイロットはクレイジーだと思われていたのです。そのた
め、パラグライダーの世界はXCフライトに偏重していき、操作技術は忘れ去られました。
結果、技術の上達を望む生徒は、より長距離を飛ぶことのできるようなパフォーマンスの
良い機体を手に入れるようになりました。パフォーマンスの良い機体で強いサーマルに立
ち向かう前に、それ相当の高いレベルの操縦技術を持っていることが必要です。もし、
そうでなければ、事故が増えてしまいます! アシメトリックに翼が潰れると、オートローテ
ーションを引き起こし、パイロットの反応が過剰だと失速が起こり、その挙句に操縦をしす
ぎ、ツイスト、緊急パラシュートを開く事態となります。多くのパイロットが、パラグライダー
を操縦することについての十分な知識を持たずに、自然の中に放り出されてしまっている
ことは明らかでした。また、操縦技術を教えることができるインストラクターがあまりにも少
なすぎたのです。同様に、セーフティートレーニングでもインストラクターが、基本練習が
十分でないパイロットにしばしば難しい課題を課して、生徒たちに恐怖を体験させてしまう
ことがあります。そういうわけで、私はインストラクターの資格をとり、操縦技術を教えるカ
リキュラムを研究し発展させてきました。目的は、アクロバットのためのノウハウを細かく
分析し、操縦するために必要な技術と知識をわかりやすく伝えていくことです。それは、基
礎の操縦から、上級、そしてアクロバットへと繋がっていきます。私のスクールはアクロバ
ット専門のスクールではありません。操縦技術を教えるスクールであり、基礎が学ぶこと
ができ、そのままアクロバットレベルまで上達できるスクールでもあるのです。
デビッド
エイロー
セーフティ
トレーニングの
重要性とは!  50P
もちろん!強いサーマルの条件下や、性能の高い機体に乗りたいすべてのパイロットに
とって、飛行中の予期せぬできごとを制御することは必要不可欠です。しかし、セーフテ
ィートレーニングをする前に、基礎をしっかり学ぶ必要があります。そうでなければ、パラ
グライダー自体の反応が、人間の能力を超えてしまうことが起き得ます。この点をパイロ
ットは見逃しがちです。基礎のないパイロットにセーフティートレーニングはかえって危険
と言えます。セーフティートレーニングは、それ自体が、すでに極限状態です。
デビッド
エイロー
セーフティ
トレーニングの
重要性とは!  51P
言うまでもなく、訪問先のエリアルール厳守は最低限のマナー。そうでなくとも「大人数で
フライトして目立つ」「ルールに慣れていないパイロットが飛ぶとクレームが来る」など、
ビジターが新たな問題を起こす場合もある。「なるべく来ないで欲しい」と言うエリアもある
苦労して築き上げた地元との関係が、たった一度の心ないフライトで台無しになってしま
うからだ。仮にどこでフライトしても自由でも、もし近くにエリアがあれば事前に一報入れ、
状況を聞くことは必須。クレームは地元に行くのだから。
初めてのエリアで、最高のフライトをする必要はない。決して無理をせず、安全を最優先
しよう。
  検証
パラモーターの旅
鉄則!
エリアルールの遵守
          53P
日本人によるクロスカントリー直線フライト距離記録は峰岸正弘氏が1992年12月に
南アフリカ共和国クルマン地区で出した263.18km(2006年12月現在日本航空協会
公認記録)。
14年も前のレース用キャノピーといえば不安定な上に、今の入門機よりも滑空性能が
アヤしいようなシロモノだったはず。一体なぜ今もこの記録が破られないのだろうか?
世界的な異常気象にせい? チャレンジャーの減少のせい? 
一つだけ確かなことは、峰岸氏が天才的なフライヤーだってことだ。
今はスカイスポーツ業界から離れ「Shall we dance?」な世界にのめり込んでいて、
昔のパラのキロクがどうのとか全然気にしていないという噂。
最新のキャノピー・ハーネスと最新の電子機器で武装した皆さん、彼の記録をさっさと
破ってやってください。
佐川大輔
さん
パラ用語の深淵
第十三回
苦労すカントリー?
          58P
サンダーストームの下を飛んだのは!?
みるみるうちに積乱雲が発達して、カミナリ発生です。
トップを走っていた5〜6人は、雲の縁にコースを取ったんですが、そんな中、加藤豪君
は違ったんですよ。なんと翼端をを折って雲の下へ。そのまま30km以上突っ走って、
あっという間にトップに上がってましたね。降りてから「よくあのコースを行ったね」と聞い
たら「楽勝ですよ」って。いやぁ、タダ者じゃないと思いましたよ。
常人の感覚じゃないのかもしれませんね。僕にはとても出来ません。とまぁ、これが伝説
の200kmタスクです。これに立ち会った、歴史の証人になれたというだけで、実は満足
してるんですけどね。
当然。こんなクレイジーな体験をしたいなら、少なくとも日本のトップグループを狙えるくら
いのレベルじゃないと行方不明になっちゃいますよ。
長島真一
お気楽
海外ツアー道
第10回
有名エリアが多い
スペインなのにテンシ
ョンが低い訳は!?
         
72、73P
パラは以前のパラシュートではなく、完全に滑空する翼である。この翼を十分に活用する
ために、できればパラと同じ位置のカラビナを選ぶべきだと僕は思うのだが・・・。
Ramon
Morillas
パラモーターのこと
トコトン話そう!
第4回
カラビナの位置で
操作性はどのくらい
変わるのか?  75P
パラグライダーの翼が潰れる原因は、第一に人的ミスが挙げられます。荒れた空域への
不注意な進入、機体性能、知識不足、個人のスキルレベルの誤算など、大抵はいくつか
の事情が重なって起こります。
初級機は乱気流であるサーマルの上昇または下降気流の影響を大きく受けます。
過剰反応はスピンに陥る危険があります。意識しないまま地表近くでそんな障害に遭遇
してしまった場合の危険性は、ロシアンルーレットに匹敵します。
KLAUSU
IRUSCIK
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶため
の基礎講座

キャノピーの潰れ
          76P

「観察」こそが優れたパイロットのカギ
パイロットがフライトするときに必要な情報というのは、残念ながら目に見えないものばか
り。しかし、フライトを面白くしてくれるのは、空気が目に見えないということでもある。
パイロットは直接見ることができない空気が動かす目に見えるものを見て、その動きを
推察する。その典型的なものが雲、地上の木や草、そして他のパイロットや鳥のような
飛行物体である。
このように空気の動きを知るには観察力がキーポイントと言ってもよい。そう、観察こそ
が優れたパイロットになるキーポイントなのだ! こう言えば、いたってシンプルで当り前
に聞こえるが、実際はそれほど簡単ではない。あまり頻繁に飛んでいないパイロットにと
っては、グライダーをコントロールすることだけで精一杯で、とても周囲を観察する余裕な
どない。しかし、フライトに慣れてグライダー操作も自動的にできるようになってくると、
パイロットの心に余裕が生まれ、自分の周囲にもっと注意を払うことができるようになる。
ベテラン・パイロットのフライトの上手さは、大部分がこのことから来ている。言い換えれ
ば、グライダーを無意識に操作できるようになると、周囲をよく見回す時間が持て、小さな
ことも観察できるようになるのである。飛んでいると周囲にはパイロットにとって観察に値
する役に立つものが本当にたくさん存在する。より多くを観察するパイロットが、空気の動
きをよりよく理解し、結果的により良い決断をすることができる。それはどの状況につい
ても当てはまる。テイクオフ、ランディング、サーマル・ソアリング、リッジ・ソアリング、
そしてもちろんコンペでも・・・。
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol17
Watch Out!
Observation is Key
          78P
家の近くにエリアができたのがきっかけで、本格的に始めました。
自分が子供の頃からのライフエリアを上空から見ることができるのは格別の思いです。
とにかくパラを始めなければ絶対に見ることができない世界を見ることができるのは素晴
らしい。
中山芳彦
さん
目指せ全国制覇!
つなげ! フライヤー
の輪  2巡目
          80P
2007年4月号  (vol 172)    
テストパイロットの立場から、グライダー選びについてアドバイスをするとすれば?
テストというのはグライダーの特性をいくつかに分類したようなものなんです。
よくありがちな間違いがここで起こりやすいのですが、初心者向きのグライダーで飛んで
いるのに、よく潰れる、揺れる! と不信感を持つ方がいます。
しかし、私達のテスト項目の中には潰れやすいか否か、通常滑空時の揺れが大きいか
否かというものはないんです。
だから、カテゴリーを過信しすぎると、自分にあったグライダーを探す妨げになるだけでは
なく、危険にも結びつき兼ねないと私は思ってます。大事なのは、自分を知ること。
どういうコンディションでよく飛ぶのか?飛びに何を求めているのか?
福岡聖子
さん
EN−Testpilot
         Seiko
          10P
スカイスポーツに特定すると、我が社は長い伝統を持っている。もう52年間もね。
このことは企業の広報宣伝に常に役立っている。今日、パラグライダーであれパラシュー
トであれ、自分の命を我が社の製品に吊り下げるスポーツマンのイメージは宣伝効果とし
ては非常にプラスとなる。ユーザーを「保護する」という企業イメージを生み出し、非常に
有益だ。スカイスポーツ愛好者に与えるこの信頼性が、我々の交渉相手のイマジネーシ
ョンにも良い影響を与え、自動車のエアバッグ販売にも弾みをつけるのだ。
広報担当
フレデリック
ポミエ

ナタリー
パリソ
追跡レポート
今年こそはイカロス
カップで飛んでやる
ポルシェスポーツが
このプロジェクトに
賭けた本当の理由は・・
             
27P
我々は彼の地の環境を見習い、日本ならではのシステムを構築する必要がある。
パラグライダーが導入されて20年、今まで我々は自分勝手に飛んできた。そろそろ社会
のために何ができるかを、みんなで真剣に考える時期に差し掛かっているのではないだ
ろうか。ひとたび空に飛び出せば、究極のバリアフリーの世界が広がる空の世界。
障害を持つ人が、心の底からパラグライダーを楽しむためには何が必要か?
小貝哲夫
さん
車椅子の人にも
空を楽しんでほしい
          29P
早くできる方法として僕の仕事のやり方にも理由がある。僕はグライダーをあまり「薄く」、
ギリギリの限界まで調整するトリミングを意識的に避けている。これはグライダーが古く
なるとオリジナルのトリミングとは大きく違ったものになるのがあるよ。おかげで、僕は今
まで自分のシリアル機で、経時劣化の問題を持ったことがない。
ミハエル
ネスラ
コンセプター物語
第21回
デザイナーの
真髄に触れたい!
一問一答    57P
よく僕たち、インストラクターが集まると、こういう話をする。モーターは一度背負って飛び
出すと、飛行機のようにどこまでも行ける魔法の機械だ。だから、初心者にモーターを
渡して、ひとりで飛びだしてクロスカントリーに出かけてしまうのは、マジックマッシュル
ームを食べて、夜の屋上に一人で出るのと同じだ、と。
これは南米での話だが、マジックマッシュルームを食べると(大体なにかの宗教的な祝儀
上のなかで神に近づくための儀式で使われる)、その効能で、気分が高揚し、高いとこか
ら飛び降りたり、(自分はなんでもできるような気分になって)危険なことをすることがある
ので、必ず初心者をコントロールしているという話である。
しかし、そういう人が付き添わない場合は大変危険なのである。
例はあまり良くないかもしれないが、言おうとしていることはわかってくれるものと思う。
初心者にとって30Kmのクロスカントリーは簡単に見えるかもしれないが、実は危険が
いっぱいだということを言いたいのだ。
Ramon
Morillas
パラモーターのこと
トコトン話そう!
第5回
クロスカントリーで
スキルを上げよう!
          70P
たいてい事故は他人にアピールをすることで起きることが多いので、自己アピール(ショ
ー)をしたい人は普段十分に練習してからにすること。そして、ほどほどに!
Ramon
Morillas
パラモーターのこと
トコトン話そう!
第5回
クロスカントリーで
スキルを上げよう!
          71P
現在飛んでいるのは紀ノ川。疎遠になれば結構よそ者扱いされる所が多い中、
ここはあまりエリアに顔を出していないのにもかかわらず、行けば温かく迎えてもらえる
良いエリアです。以前はエリアの良し悪しといえば、サーマルがどうのこうのとかエリアが
どうのこうのとか言っていたように思いますが、視点が変わってきたのか今はそんなとこ
ろに目がいきます・・・。
亀井久和
さん
目指せ全国制覇!
つなげ! フライヤー
の輪  2巡目
          76P
血液が逆流しそうな緊張感、血管のコレステロールが流れ落ちるような感じがたまりません 井上博文
さん
目指せ全国制覇!
つなげ! フライヤー
の輪  2巡目
          76P
2007年6月号 (vol 173)    
クロスアルプスは過酷なレースだけれど、若さだけではクリアできない。技術も経験も、
山の知識も、総合的な能力が必要になる。だから年齢のことは全く気にしていない。
モナコに降り立ったら、そこから自分の新しい何かが始まる。今はその期待感でいっぱい
だ。
扇澤 郁
さん
気になる話題をシュート
NEWS SHOU
in Paraworld
あの過酷なレッドブル・
クロスアルプスに初の
日本人選手として
扇澤郁がエントリー 
6P
あなたのハーネスデザインは、個性的に見えるが
より重要なことは内側だ。どんなに格好いい車に乗っていても、自分からはその姿は見え
ないだろう。それと同じで、他者から飛んでいる自分がどう見えるかより、自分がどう飛ぶ
かに重点を置いている。
Kortei Desigh
ドゥニ
コルテラ
気になる話題をシュート
NEWS SHOU
in Paraworld
           9P
自然のエリアである山からテイクオフして実現した最初の世界飛行距離記録だったから
ね。これは、意味のあることだよ。それ以前はすべてトーイングでランチングしたものだっ
た。この世界記録は5年間破られなかった。だけど、僕はもっと記録を伸ばせると信じて
いるよ。この記録は10年前のおめが4で作ったものだ。現在のグライダーから見れば
中級機だ。いまのグライダーをもってすれば、500Kmの飛行距離も夢じゃない。
ゴッドフリー
ウェネス
一度は行ってみたい
ビッグフライトエリア
Australi Manilla
500Kmフライトも夢じゃ
ないポテンシャル
             
15P
浮上国と呼ばれるチェコ、スロベニア、ポーランドの選手はここでも実力を発揮した。
難しいコンディションでも安定した力を見せつけた。彼らは飛ぶことに強い情熱を持って
いる。これが成績に出たといえよう。
Michel Ferrer 世界選手権in
Australia2007
          21P
日本の為に、応援してくれている方々の為にと、かなり気負って臨んだ大会でした。
ところが天候と運に見放され、また自分の力を過信しすぎて失敗を繰り返し、結果、
さんざんな成績で終了してしまいました。すべてはなるべくしてなった結果だと思います。
この経験を無駄にすることなく、どんな状況でも勝てる強い選手になれるよう更に努力を
重ね、世界のトップを目指したいと思っています。
平木啓子
さん
世界選手権in
Australia2007
応援ありがとう
ございましたfrom
Japanese-tTeam
          21P
個人的にも非常に不甲斐ない結果の連続で終わってしまいました。悔しさでいっぱいです
ただ、渋い条件だからこそ、ガンガンの条件のときはリカバリー出来ている自分の粗さが
浮き彫りになりました。1周のソアリング、サーマルのトレースやトランジットの一瞬の判断
コース取り、低くなったときの判断力・・・。トップ選手との差はこれらの積み重ねだったよ
うに思います。悔しいけれど、これをバネにもっと上手くなりたいです。
山上太郎
さん
世界選手権in
Australia2007
応援ありがとう
ございましたfrom
Japanese-tTeam
          21P
今年、どのメーカーもほとんど同じレベルにあり、グライダーではもう差が見えない。
クリスチャン・マウラーがこのまま優位を保って行くかはもはや誰にも分からない。
しかし、おそらく移動速度ではまだほんの少し彼が有利かもしれない。
ドゥニ
コルテラ
世界選手権in
Australia2007
気になるのはどの
グライダーだ
Conpe-GliderWatching
             
22P
このコクーンハーネスで飛ぶのは結構大変なんだ。機首の方向をキープするのが難しく、
サーマルでも直線滑空でも常に気を配っている必要がある。実際、直線滑空でかせぐ
有利さの割には、あまりに多くの集中力を必要とした。テスト飛行では、0.5ポイントの
滑空比の向上を計測できたが、レースでこの有利な滑空比のフィーリングは得られなか
った。このコクーンハーネスの将来性はあると思うが、まだまだ研究が必要だ。

レース中はいつもカメラを持っている。最終日にゴールを通過した自分の写真も取ったよ
実際、飛行中に写真を撮ることで、自分をリラックスさせることができる。自分を追い込ん
だり、あまりに結果にこだわり過ぎることは、よくないよ。

ブルース
ゴールドスミス
世界選手権in
Australia2007
New-world
Champion Interview
          24P
成績は実力通り出るものなので、余計なことはせず、1週間楽しんで飛びたいと思います

→ 自分のキャリアになったし、失敗も内容が良かった。レベルが上がったかな?

扇澤 郁
さん
ワールドカップ茨城
日本人選手に聞く
あなたにとっての
ワールドカップ
Before→After 45P
9946mから生還した、奇跡の証言
たくさんの批判に、私はこう答えるわ。確かに私は過ちを犯した。
だけど私は普通の人間よ。誰にでも起きることよ。
オーストリアのソングライターが私に捧げる歌を贈ってくれた。それは『嵐の中の蝶のよう
に』という題で、それを聞くといつも涙が止まらないわ!
エヴァ
ウィスニエルスカ
積乱雲の脅威!
その恐怖を体験して
しまったパイロット達
          48P
今回の世界選手権大会の中で1日、強風にもかかわらずレースが予定された日があっ
たの。でも私は、自分で、とにかく自分は飛ばないと決心した。こんな決心を明確にした
のは初めてよ。結局、成績は私にとってそれほど重要ではなくなっていたわ。
生きているだけで幸福なの。そして、また飛べるから。

私はいつもこの冒険をしたのがじぶんだということが信じられない! おまけに、皆が私
によく尋ねるように、天使を見たかどうかも分からない。でも確かのことは、天使のすぐ
近くにいたと自分が感じたことよ。
以前インタビューでカリ・キャッスルが言っていたわ。『この『地上でまだまだやるべき素晴
らしいことがあるから、私は生き残る』って・・・。彼女は確かに正しいわ

エヴァ
ウィスニエルスカ
積乱雲の脅威!
その恐怖を体験して
しまったパイロット達
          49P
驚愕の証言
僕は茫然自失のショック状態だった。地面を引き摺られて体中の皮が剥けていた。
激しい雨が降り、寒さに震え、どこもかしこも痛かった。5分かけてやっとハーネスを脱い
だ。地面を這いながら思ったよ。『コンペで飛ぶのはこれが最後だ!』でも3日後、僕は
再びコンペで飛んでいた!
ルード
ヴァンデル
ヘリュデン
積乱雲の脅威!
その恐怖を体験して
しまったパイロット達
          50P
戦慄の証言
もはや自分にできることは何もない。雷光が見え始めた。そこは豪雨だった。
心の底からもう終りだと思った。僕は奇妙に落ち着いた。自分の写真を撮り、誰かがいつ
かこの写真を見つけ出してくれるだろうと思った・・・。僕は高度2700mまで上昇した。
その後、すべてが逆転して、僕はものすごいスピードで下降し始めた。頭上を降るスピー
ドで遠ざかる雲底が見えた。
時速70〜80kmの強風に押されて、僕はそこにあった小さな潅木に衝突した。そのとき
椎骨にヒビが入った。地面に着いて初めて、僕は非常に運が良かったと実感したよ。
今思えば、僕らがアクションを取ったときには、すべてが遅すぎた! その前にランディン
グすべきだったことは確かだ。僕がコンペではなく、自分の楽しみで飛んでいたとしたら
きっとそうしただろう。
判断は時に状況に左右される。他の多くの選手たちと飛んでいたという事実もまた、安全
に対する感性を狂わせる。
僕は自分のロガロに非常に感謝している。何故なら、ロガロの滑空のおかげで積乱雲の
上昇気流帯を抜け、雲から遠ざかることができたのかもしれないからだ。この日、僕は
68kmの距離を飛んだが、それにプラスしてレスキューパラシュートで10kmの距離を
飛んだ。おかげで今も生きている!。
クリストフ
ガベール
積乱雲の脅威!
その恐怖を体験して
しまったパイロット達
          51P
賢人の証言
僕はエヴァやあの中国人選手よりも100mほど前方を飛んでいた。
近くにあった雲が非常に黒々として巨大だったことは確かだったが、選手やクロカンパイ
ロットたちは、このような状況は慣れっこだった。でも、僕の感性は完全に警戒態勢に入
っていた。突然スピードが60km/hから15km/hに移ったのだ。他に兆候はまだなかった
が、気象が変化したことは確かだった。それは、僕にとって緊急ランディングのシグナル
だった。僕は地面に着くまで大きくスパイラルを続けた。ランディングして見上げると、
他の選手は上昇し続けていた。何人かはセンタリングしていた! 僕はこのような類の
過ちを犯させるコンペにおいて、他の選手を追い抜くのは自分の意志でしかないと思って
いる。
デビッド
プレンティス
積乱雲の脅威!
その恐怖を体験して
しまったパイロット達
          51P
一昨年の初めぐらいまでのアンツは、グングン成長しつつもやはり若さからか技のすべ
てが荒々しくて、確実性に欠けていたので、私的にはまだまだ負ける気はしてませんで
した。ところがここ一年ほどで精神面が成長したようで、技全般が確実かつクリアーに
なってきたのには驚かされます。それで思わずこう訊ねました。「ガールフレンドかえた
でしょ!」
でもこれは冗談じゃなくて、恋愛はアクロに大きな影響を与えます。まあ、それはアクロ
だけじゃないと思うけど、私が言いたいのは、アクロはそれだけ精神状態が表れやすい
競技だってこと。だからこそ、仲間と生活している中で、飛んでいるときが一番シンプル
に彼らのコンディションを感じられます。特にアンツはとっても繊細な心の持ち主なので、
かわいくてしょうがないんですよね。
福岡聖子
さん
Seiko発
「いつも青空」
Vol.02
木島平ミーティング
のウラ話!? 60P
スタ沈とテイクオフのとりやめは、しばしば同じようなものだと捉えられがちですが、
両者の間には明確な違いがあります。それは、パイロットにその意志があったかどうか
です。
クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
Lecture19
テイクオフのとりやめ
          76P
手荒な方法
立ち上げの際にキャノピーを比較的荒っぽく止める方法です。そして、これをしなければ
どうしても飛び立ってしまうようなときのための、ラストチャンスです。
その方法とは、仰向けに倒れこみ、ブレークコードをめいっぱい引き降ろすやり方です。
キャノピーは、とりやめを拒否するかのように、馬のように暴れるでしょう。その際、パイロ
ットはキャノピーの向きを変えなくてはいけません。緊急の際には、座った状態で手を高く
するのが有効です。このやり方はケガをする危険性が高いように聞こえるでしょう。
けれど、走り出したキャノピーを確実に静止させるには、これは証明されている唯一の
チャンスなのです。不通のやり方ではテイクオフのとりやめが不可能で、大きな危険に繋
がってしまうようなシチュエーションは、確かに起こります。そして、それよりもよくあるの
は、この手荒な方法よりももっと危険な状況のまま飛び出していくことなのです。
繰り返しますが、最も重要なのはあらゆる可能性と危険をテイクオフの前に考えておくこ
とです。そしてテイクオフ時にリスクがあるかどうかについての、リスク管理をすることです
クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
Lecture19
テイクオフのとりやめ
          77P
かねてかからの、関東のパラモーター飛行空域に関する注意・喚起を受け、現状を把握
すべく下総基地で話を聞いてきました。
ここで、一部のマイクロフライト機やパラモーター飛行の呆れた飛行実態を知ることになり
ました。これまでの海上自衛隊下総基地の管制圏内、利根川〜新大利根有料道路付近
をたびたび無許可進入するマイクロフライト機とパラモーターの事例を示され(これだけの
資料を自衛隊の方々に作らせている事実だけでもその危機感が伝わる)、そのあまりの
酷さ(常識と知識のない飛行)に愕然。
担当者の方の「パラモーターに飛ぶなと言っているのではなく、お互いに協調していきた
い。パラモーターの愛好者が安全にいつまでも空を飛べるように指導したいだけで、敵対
するわけではありません」との言葉に、改めてパラモーターでの飛行に責任と義務を痛感
しました。
関東・利根川流域では、多くのパラモーター愛好者が活動しており、そのほとんどがこの
実態を知らずに飛行しているのが事実だと思います。パラモーター飛行において、航空
法とは無縁だという神話はもう存在しません。安全に関する知識として当然の『航空法規
』と『常識とモラル&マナー』、このことに本気で取り組む時期は今しかありません。
金子時久
INFORMATION BOARD
FLM改め、JPMAからの
お知らせ
関東パラモーター
愛好者に告ぐ

             
86P
法規制なく飛べるパラは、究極の環境スポーツ
航空法11条・28条・79条の規定に苛まれ続けてフライトエリアがどんどん削減され、
とうとう超軽量動力機のフライト活動を止めざるを得なくなりました。
航空法第79条状場外離着陸場の許可申請の弊害でした。
このような全国的な傾向を踏まえて、「航空法的規制が無く飛びたい!」と思っていた
ところに舞い込んできた新情報、それがパラグライダーです。スカイスポーツは究極の
環境スポーツです!限られた条件が要求されます。

自由と勝手は違います。いま飛べる環境を大切に!
山林には必ず地主がいます。自由と勝手は違います! 本来自由に飛べる所は非常に
少ないのが現状です。いま飛べる環境を大切にして頂きたいと思います。
ただお金を出せば飛べるという短絡的な考えだけあしてほしくありません。フライトエリア
は皆で守らなければなりません! 皆で末永く楽しくセフティフライトしましょう!

エイトポイント
スカイスポーツ
スクール
本田 昇
校長
ゼンコクインストラクター
エッセイ
僕の思い出エリア
Vol.65       92p
個々で飛ぶより、仲間が集まることで、より正確でたくさんのや知識技術を身に付け、
モラルやルールを周知徹底させようと、クラブという形になりました。
小倉 操
代表
クラブ探訪
第76回
野田マルチウングス
          94P
スクールに入って一番実感したことは、仲間同士の助け合いがとても大切だということ
です。多くの人に協力して頂いてフライトさせてもらっていると感じています
清水美順
さん
全国パラグライダー
スクールデータバンク
     
     101P
空を飛ぶことだけが目的だったパラは、第3世代の人たちにとっては自転車よりもお手軽
な乗り物になって、思いもつかない場所で登場するんでしょうね。日が暮れるまで立ち起こ
しに励んでいた頃は遠くになりにけり。パラ第4世代は何をするのか?
(鹿)
さん
編集後記
         106P
それにしても大会の雰囲気って良いっすね。やっぱ飛ばないと。てかコンペに出たいぞ。
そうそう。ある人に言われたんです。「どんどんコンペに出るのがいいよ、でも勝たない方
が面白い。たくさんしっぱいしてそれを記事にすれば読んだ皆が楽しめる」。確かにそう
かも。・・・って納得しちゃいかんよ自分
(さ)
さん
編集後記
         106P
エヴァが持っていたGPSで記録された最高9946mまで上昇したということは、エベレスト
に15分で登るのと同じ過酷さだそう。生還して、この体験を語ってくれて、良かった
(r)
さん
編集後記
         106P
2007年8月号 (vol 174)    
コンペでいいフライトをしようと思ったら、楽しむことさ。それが強くなる一つの方法だと
思うね。
ブルーノ
アーノルド
あのスター選手の
この素顔!
          10P
アクロで飛んでいる方が怖くないの。すべて自分でコントロールしているから、自分が次
に何をするのか、その結果がどうなるのかがわかって飛んでいる。でも予測できないこ
とが多いクロカン飛行は自分にとってアクロよりずっと怖いの。自分が進んで行こうとす
るエアコンデションがどうなっているのか分からない。どんなローターを横断するのか?
自分が直面しなければいけないタービュランスはどんなものか? イメージできないから
怖いの。
ジュディス
ツワイフェル
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file2

本当のアクロの女王
になりたい!
聖子は良きライバル
そして良き友人、
一緒に、女性アクロ
の世界を拡げたい
          23P

コンペとしては、クロカン競技よりアクロ競技の方が安全だと思うわ。
クロカン・レースでは、コンデションが悪く、限界になる可能性もあるのに、無理するパイ
ロットが必ず何人かいるが、アクロ競技では、パイロット各自が自分の限界を見極めて
いるので、無理する選手はひとりもいない。それは、長い時間をかけてトレーニングして
きたフィギュアだけをランするからだ。それにアクロ選手のスキルは選考ランでチェック
もされる。アクロではタービュランスもローターも風下サーマルもない。たとえ、競技で
レスキューパラを使っても、水に落ちるだけだ。常に、そこには救難ボートと救難スタッフ
が待機している。だから、アクロ競技のほうが安全でしょ?

今は、アクロをやりたい衝動を抑えられないの。いつかクロカン競技に挑戦する日がくる
と思うわ。長距離飛行することも素晴らしい体験に違いないとは思うもの。今はまだ怖い
けど・・・。

ジュディス
ツワイフェル
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file2

本当のアクロの女王
になりたい!
聖子は良きライバル
そして良き友人、
一緒に、女性アクロ
の世界を拡げたい
          24P

女性がアクロ飛行し、トレーニングし、それを続けるには、アクロを何よりも最優先しなく
ちゃならないの。本当にたくさんのトレーニングと辛抱が必要なの。20キロのクロカンを
する方が、完璧なヘリコプターをすることよりも早くできると思うわ。
頑張っている自分に『本当の女王』のタイトルが欲しい。明確な目標になるもの・・・
ジュディス
ツワイフェル
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file2

本当のアクロの女王
になりたい!
聖子は良きライバル
そして良き友人、
一緒に、女性アクロ
の世界を拡げたい
          25P

自分にとってのパラグライダーは、他人からとやかく言われて操り人形のように飛ぶのは
勘弁、読みとか判断を大切にしてきました。それが私なりのパラグライダーの楽しみ方な
んです。
今回は扇澤さんのバックアップが仕事ですが、ラリーで言えばナビゲーター。
自分の考えを提案して、実戦してくれる素晴らしいパイロットがいて、プランが達成できる
そこから何かが生まれる期待感を持ってレースに臨みます。判断はできても自分の技術
では達成できないような提案でも、扇澤さんが高い技術で実行してくれる。これほど楽し
いことはありませんよね。
佐相 大
さん
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file3

自然の匂いを全身で
感じながら楽しみた
い、クロスアルプス
の舞台で自分自身を
変えられるか試すん
だ。今からドキドキし
てるよ!
          29P

パラグライダーやパラモーターは、サッカーやF1、テニスなどのスポーツとは違って
マイナーなスポーツだ。事実このスポーツだけで食っていけるパイロットは少ない。
しかし、マイナーなスポーツとはいえ、広大な空を、宇宙に近い空を、イスに座って、
ちょっとの布切れで空を遊泳できるビックな夢を積んだスポーツであるのは確かだよ。
ラモン
モリージャス
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file4

俺は、パラモーター
の限界に挑み続け
る! チャレンジする
ことで、パラモーター
の発展と認知度を上
げるのだ
          32P

なぜ、飛ぶかって? なぜなら、これが私にできることだから。私はコンピューターを
フリーズさせたり、システムをバックさせたり、ちょっと複雑なものはすべてぶち壊して
しまうことに関しては女王よ。だけど、空中では、注意書きも取扱説明書も、手順書も、
文字盤も、ボタンも要らないわ。私にとってそれは天国なのよ。
ミッシェル
バプティスト
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file5

私にとってコンペは
最大のバカンス
勝ちに行くより楽しむ
ことが大事!長く続
ければ素晴らしいこ
とが沢山あるわ
          33P

いつもの競技会では、本当に満足できるフライトができた選手は数えるほどしかいない
のが通例だ。しかしぼくらのチャレンジでは、みんなが競技の後で満足の笑みをもらす
のさ。たくさんの勝利者が生まれるからね。
ハンス&
フリッガ
ボーセンヴァイン
高みを目指せ!
面白さを追求しろ!
チャレンジが人生を
輝かせる!
Man&Paraglider
file6

自由なXCレースが
あってもいい!
嗜好を変えて、選手
達に楽しんでほしい
ワールドカップとは
対極にあるツアーを
目指す     35P

俺は錆びていくよりはぶっ飛んでやるぜ! CNNのインタ
ビュー「冒険に
満ちたライフス
タイル」について
追悼
ジミー・ホールに
捧げる
          36P
パラグライダーって、TVでしか見たことの無かった角度で風景を見られる、
まるでTVの中に入ってしまったこのように思えるが大好きです。サーマルの中ででも、
夕日でも、自分が自然の中の一部であることを感じられるのが幸せです。
小森さちよ
さん
目指せ全国制覇!
つなげ!
フライヤーの輪
3順目      80P
2007年10月号 (vol 175)    
確かにパラがスポーツなのは、斜面を登る、始めの数日間だけだよね。 山谷武繁
隊長
緊急結成!
フライヤーズ・ブート
キャンプ隊がゆく
          34P
学生の頃、多くの先達に支えられた。規制を受けずに、一定の秩序のなかでフライトを
楽しむ事ができた。これは、我々同世代の愛好者が自主的に作り上げたものではなく、
飛ぶ自由を守り、私が知らないところで導いてくれた先輩の業績です。
いつもハンググライダーを楽しみ、ずうーっと良い思い出を残してきた。この環境を作って
くれたのは誰か? 
自分の中にある義務感として、いつかJHFの仕事に就かなくてはならないと思っていまし
た。

過去より未来へ、自分も先輩達がやってくれたことを、粛々と関わっていきます。それが
自分を育ててくれた環境への恩返しになると信じています。

内田孝也
JHF新会長
JHF新会長
内田孝也氏とは
どんな人?
          37P
今までのように、その認証レベルをやみくもに信用してグライダーを購入していた人も、
ENではそれができなくなる。しかし、それは、すべてのパイロット、あるいはインストラクタ
ーに責任感を持たせることになり、これは非常によいことだと僕は考えているよ。

僕らはグライダーにコメントするためにテストしているわけではない。グライダーの特性を
出すためにテストフライトしているのさ。

メーカーは僕らを信頼してくれている。異論も、テスターに対する小さなプレッシャーを与
えることもないよ。

アラン・ゾラー カウントダウンが
始まった!
DHV認証がマーケット
から消える日
欧州基準認証EN
          56P
大会中、私は総合順位を見ません。自分のポイント表だけ見るんです。
なぜかというと、途中経過の総合順位を知ったところでそれが良くても悪くても余計なプ
レッシャーとなってまとわりつくから。大会中はひたすら自分のフライトに集中して、自分
と戦うのでいっぱいいっぱいなんです。
だから、最終RUNが終わってから、すべての成績を見るのはとっても興奮する瞬間でも
あります。
福岡聖子
さん
Seiko発
「いつも青空」
Vol.04
2007
ワールドツアー
「Vertigo voss」
から発信!   59P
4月の中旬にヨーロッパに来たものの、意味不明な悪天候で本当に飛べない春でした。
もう夏だというのに、やはり全般的に異常気象で各地でありえないコンディションが続いて
います。10年後、いやもしかしたら5年後、もうパラグライダーなんてものができるような気
象でなくなるのでは、と恐れているのは私だけでしょうか? そして、早急な地球規模での
対策の必要性を強く感じませんか?
本当に他人事では済まない事実だけに、是非みんなで強力に協力していかなければなり
ません。
福岡聖子
さん
seiko`s boom
        59P
グライダーは本物の飛行性能を持つようになる一方、それに乗るパイロットはまったくと
言っていいほど訓練されていなかった。86年から90年までの4年間で、山頂から下降す
るだけの7連パラシュートからリッジソアリングし、サーマルソアリングし、長距離飛行が
可能なグライダーに進化したのだからね!
同時に、シンプルで寛容さのあるグライダーから、本当に洗練されて飛行操縦を必要とす
るグライダーへと変化した。特に、ラフなブレーク操作がもはや許されないタイプへと変化
した。その結果、一度にすべての問題が発生した。潰れ、パラシュータージュ、アンコント
ロール・スパイラル、等々。
88年、僕はパラに危機感を持った。パイロット講習の必要性を訴えたんだ「パイロットを
訓練すべきだ。さもないと事故を起こして死んでしまう!」とね。
一方で、僕は連盟とも対立した。何故なら、スクールのイントラたちも講習すべきだと主張
したからさ。
アンディ
ヘディガー
誰もが彼に憬れ、
誰もが彼を尊敬した
現役の伝説的
パイロット
Andy Hediger
額のシワに刻まれた
苦悩と栄光、そして
人類愛。無欲の英雄
の横顔に迫る!
          68P
子供たちが関心を高め、ものを見る力を養い、疑問を持つようにしたいのさ。雲はどうや
って出来るのか? 鳥や300トンもある飛行機がどうやって飛ぶのか?
子供たちに方向を、空間の中の目印を与えたい。
子供たちの目の中に、自分自身の感動を再発見する。若者たちに人生の概念を取り戻
させたい。本当の感情を生き、身体と頭にバランスを発見することができるように。
一言で言えば、架空の世界を捨てるように。何故なら、現代の若者たちがヴァーチャル
というタイプの退廃に急いでいると強く感じないではいられないから・・・。
僕は子供たちを『人生の真実』に直面させる。それがときに彼らにとって少し苦痛であっ
てもね。自分の役割は、子供たちに人生の多様性を見せ、本当の責任感を持って自立し
他人や生物や物を尊敬することを学びとるように導くことだと思っている。僕にとって分か
ち合うことは大切なことだ。おそらく僕の未来はこの方向に進むしかない。
アンディ
ヘディガー
誰もが彼に憬れ、
誰もが彼を尊敬した
現役の伝説的
パイロット
Andy Hediger
額のシワに刻まれた
苦悩と栄光、そして
人類愛。無欲の英雄
の横顔に迫る!
          69P
コンペを自分の教科のように、あるいは自分のげーむのように尊重し続けている。
それは精神的にも身体的にも『自分がどこにいるのか?を知るための永遠の挑戦だ。
コンペは単にテクニックだけ競うものではない。コンペに出るのは『身体的にも精神的に
も良いコンディション』でいなければならない。他の選手と3、4メートルの距離で毎秒
+10mのサーマルを飛ぶには、すぐに自分の限界を知らされるからね! それは一般
人の感覚にとって暴力的なものだ!

ゲームは今もあまり変化していない。気象に左右されて多くの時間のロスし続けている。

思うにグライダーの間には僅かの差しかない。あるものは沈下率で他よりもほんの少し
優れ、またあるものは髪の毛一本ほどの差で上昇率に優れている。ある意味で力は均
衡しているわけだ。ワールドカップでは、ほとんどすべての選手がそのようなグライダー
の特性を最大限に引き出せる実力を持っている。
グライダー同士も選手同士もお互いにほんの僅かの差しかない。しかし、この僅かな差
が勝敗を決するのだ。しかし、僕が目にするのはいつも集団で飛んでいる姿だ。集団を
リードしている選手はいつも同じだ。もちろん、優勝はしないが常に上位につけるという
のも「戦略」に違いない。一般的に、誰も離れずに飛ぶ、そしてゴールが見えると、そこ
からさらに力強くダッシュできる選手か、あるいはより高速でスパートできるグライダーを
持っている選手が勝つ。何も論争しようというわけではない。選手の飛行テクニックが最
も重要な鍵だと思っている。それはそれでいい。コンディションがいい日はね。
問題なのは、飛ばない方がいいと客観的に思う日に限る。そういう日には、別のレース
を設定してほしいってことだね。

アンディ
ヘディガー
誰もが彼に憬れ、
誰もが彼を尊敬した
現役の伝説的
パイロット
Andy Hediger
額のシワに刻まれた
苦悩と栄光、そして
人類愛。無欲の英雄
の横顔に迫る!
          70P
外国、特にアジアでは事故に対してだけ過剰に警鐘が鳴らされ、即時にスクールの営業
停止や類似の措置に脅かされています。
他の国々では、事故をあいまいに捉え過ぎていると言えるでしょう。DHVでは約6年前か
らすでに完璧で正確な事故統計を発表しています。事故報告を義務づけることが将来的
な事故防止のための最良の手段だと理解されるまで、我々でも非常に長い年月を要した
のです。また、ほとんどの国々ではハンググライダーと特にパラグライダーが、法律と方
針なしで活動しなくてはならないのが現実です。多くの場所で方針と法律、またはカリキュ
ラムが存在せず、未だに「トライ&エラー(挑戦と失敗から学びなさい)のスローガンがまか
り通っています。

パラグライダーが盛んになる国には、5つの条件が必要とされます。それは、山、飛行可
能な気象条件、資金、余暇、そして刺激が求められていることです。

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
Lecture21
良いスクールとは?
(前編)      77P
最近のコンペはあまりにワンパターンになり過ぎていないか? 
レースとはスピードバーを目一杯踏み込み、他機と接触しながらバトルするだけではない
ことを提言する。

個人的な見解だが、競技委員会が選手の安全を理由に、「金魚ばち」レースを設定した
としたら、我々はパイロット自身の判断というコンペ・フライングの最も重要な要素の一つ
を失うことになる。そもそも選手全員の完璧な安全を約束することなど不可能なことだ。
どのレースにも常に危険な状況の可能性は存在する。特に、選手が誤った場所を飛行
した場合には。個人の安全責任は選手個人に帰すべきで、競技オーガナイザーに振り
向けるべきではない

KLAUSU
IRUSCIK
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol 21
Fishbowl Racing
          78P
レースをやっているのは競技委員ではなく選手達なのだから、彼らにレースを完成させる
ためのあらゆる可能性のあるチャンスを与えるべきだ。選手達が望むのならソアリング
できないコンディションでもテイクオフしても構わないじゃないか。良いレースをするために
全員が同じタイミングでテイクオフする必要はない。

私のお気に入りのレースは常に、最初は達成不可能に見えても、誰かがなんとかしてや
り遂げる種類のものだ。多くの場合、そのためには本当に開いた心が必要で、時には
平行思考が必要で、分かりきったルートとは違う方向でフライとし、普通できない天候や
コンディションに向き合う。このような種類のレースは素晴らしくチャレンジングで、パイロ
ットはスキルと才能を試され、不安の影を背負いながら克服される最も価値のあるもので
ある。
個人的な意見だが、私はフライトするすべてのレースは有効成立するべきだと思う。
ある人は「チャレンジングな」コンディションの中でのレース開催は、運が大きく左右され
るため反対する者もいる。私はこの意見にこう反論する。「成立したレースが多ければ多
いほど、運の要因は解消される。結果的にベストパイロットが生き残ることになる」と。
おそらく、現代のコンペが「金魚ばち」に深入りして行く動きは、選手たちとコンペのオー
ガナイザーは、レース設定についてよく考えなければならない。何故なら、それが多くの
面で、パラの将来を左右するからだ。

KLAUSU
IRUSCIK
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol 21
Fishbowl Racing
          79P
2007年12月号 (vol 176)    
社会的には、パラモーターのダイナミックな空撮がテレビで取り上げられたり、パラグライ
ダーのエックスアルプスで日本人が活躍したことが話題になったりと、好意的に取り上げ
られることが多い昨今。私たちの愛するスカイスポーツが「危ない愛好者の遊び」になる
のか、あるいは「健全なスポーツ」として定着するのか、今、重要な岐路にある。

パラグライダーは潰れるもの。いかに潰さないで飛ぶか? 
潰れる場所に行かない、潰れるような操作をしない。

いつものエリアにいれば仲間がサポートしてくれたり、緊急の場合には指示を出してくれ
る。しかし、何も考えずにそれらを受け入れ続けるのと、自分の考えを取り入れて聞き入
れるのでは、最終的には全く違ったパイロットになる。
仲間とフリーフライトに出かけた時、仲間が飛んだから自分が飛ぶという判断はナンセン
ス。必ず自分の判断でフライトを決めること。仲間はその判断を尊重し、決して茶化して
はならない。これはフリーフライトであれ、競技会であれ変わらない。言い古された言い方
だが、せっかくの休日だから、遠くまで来たのだから、しばらく飛んでいないから・・・など、
フライトの判断に個人の勝手な希望を加えてはならない。仲間が来ている、観客が多い
など、いつもと違う状況で精神状態は高揚しているときも要注意。一歩引いて、判断は冷
静に。

飛ぶことは冒険ではない。テイクオフする時は一歩引いて、客観的に判断しよう。
今日ダメならまた次のチャンスがある。空は逃げない。

  ストップ・ザ
死亡事故
          36P
フライト経験10年以上のベテランに事故が多いことも、一つの傾向だ。これは愛好者が
全体的に高齢化したことで、基礎体力や反応速度が減退した結果と受け入れることも
できる。また、ベテランであるが故に技術情報が届かない、周囲が注意できない、注意を
聞き入れない自身の頑固さ、経験がもたらす過信などが遠因になっている可能性もある
だろう。

パラグライダーの技術や情報はどんどん進化する。ベテランパイロットも常に最新の
情報を更新すべき。

スクールが販売するのは機材だけではない。技術や情報も商品だ。スクールはより良い
商品を揃える努力をし、パイロットは適正な対価を払って商品を購入し、情報を得る。

失敗を機材のせいにせず、真摯に受け止め、聞く耳を持つ。アクシデントの芽を摘む
ことはパイロットの義務。

機材の安全管理に全く無頓着、明らかに危険な空域の中で無防備にアクセルを踏み続
ける、適切な操作もせずに「変な風が吹いた」と責任転嫁をする・・・周囲にはこんな風景
が蔓延していないだろうか? 機材のせいでもなく、風のせいでもない。全ての責任はパ
イロット自身のの中にある。
自分の非を認めることは、勇気がいる。さらに年を重ねると人は頑固になる。人間はミス
をするもの。まず、それを受け止めて同じミスを起こさないようにできるのが、人類の優れ
ているところだ。知らないことで発生するミスは正す、技術的な問題は練習で克服する。
こうしてアクシデントの芽を摘むことは、パイロットの義務であり、飛ぶ自由を守るというこ
となのだ。

良好なコミュニケーションは、エラー防止にも有効。注意する側は相手の気持ちを考え、
決して熱くならない。

どんな小さなミスでも、見て見ぬふりをしないで互に「注意すること」を恐れてはいけない。
そのためには、気軽にアドバイスをし合える環境がなくては為し得ない。
まずコミュニケーションの第一歩は、挨拶から。エリアに着いたら「おはよう」、テイクオフで
仲間にあったら「こんにちは」、あいさつ(相察)は相手を察して思うこと、決して相手を無視
しないことである。円滑な人間関係が構築できていれば、相互理解が深まる。どんな些細な
アクシデントでも包み隠さずに報告し、的確に、柔軟に情報を伝え、お互いが正しい知識や
技術を共有する。それを重ねることが、安全なフライトを実現する。それが我々の社会的な
責任なのだ。

  ストップ・ザ
死亡事故
          37P
誰も期待していない場所で、イメージをひっくり返すのが楽しいんだ。気球やパラモーター
でもかなりセンセーショナルな飛行ができることを魅せたいんだ。

パラモーターでのショーは大盛況だよ! 僕が腕利きのマネージャーだったら、一生暮ら
していけると思うね。

マチュー
ルアネ
若き3冠王は
パラモーターアクロ
の達人!    48P
身に付いた感覚はすぐに変えることは困難だが、たくさん飛んで自分のフィーリングを新
しい相棒にに近づけることが大切、一秒でも長く、グライダーと共にする時間が必要だ。
そして、風が強ければ誰だって飛べない。わずかの重さの違いで飛べる飛べないを論じ
ことの方が危険なのだ。
  軽量パイロットの
ためのうんちく
         
55P
一人で飛ぶようになると、エリア管理者や入山チェック等がないヨーロッパでは、パイロッ
ト達は自分で判断しなければならない事がいろいろ出てくるので、自然に経験値というも
のが上がっていっているのではないでしょうか。
三木文生
さん
みっきーの
スイス通信
第2回
スイスのスクール&
ライセンス事情 57P
トツプランが当り前の丹那育ちの私にとって、ランディングにいるのは屈辱でもあり、
落ち着かないのです。どんなに好いコンディションでも、テイクオフにいないと勝ち組みに
はなれない!
実際、他の用事で飛べないときにガンガン突き上げられてるグライダーを窓越しに見ると
本当に打ち落としたくなっちゃいます。体に毒です。
福岡聖子
さん
Seiko発
「いつも青空」
Vol.05
今回は、アネシーの
風をお届けしましょう
          60P
実力を競い合うことは最終的に技術を高めていくことで、この業界の発展には不可欠な
ことなのだ。

成績だけにこだわらない姿勢が最終的にいい結果を生むような気がする。

Ramon
Morillas
パラモーターのこと
トコトン話そう!
第7回
日本のモーター
ファンからの質問を
待っているよ! 71P
単刀直入に言うと、どの国のスクールにも良い面と悪い面がありますが、特にヨーロッパ
では細やかでよい講習が行われています。

フランスでは、最低1時間以上のサーマルとリッジソアリングを経験しない講習生はスクー
ルを卒業できません。
その点、ドイツではこれが不足しているかもしれません。たった一人で危険な気象や現象
に遭遇したときは、ショックに襲われてしまうでしょう。

主に山岳地帯でスクーリングを終えたパイロットは、トレーニングを続けることで自分の
コンディションを維持することができます。しかしドイツは国土の80%が平地なので、山
岳地帯に行くには時間と労力が必要です。またスカイスポーツをする余裕のあるパイロ
ットのほとんどは要求の高い、時間のかかる仕事を抱えています。そんな事情から、ドイ
ツ人パイロットの平均フライト数は、年間15本程度と言われています。
そこで想定される最悪のケースは、夏終盤の9月の「死んだ(非常に安定した)天候」で8
日の高高度スクーリングを受講し、その直後に試験を受けてパイロットになった場合です
その後、4月までの半年間は冬期シーズンオフでまったくフライトしません。その間に新し
い装備を購入し、そして5月にヴァリス地方へのフライトツアー。このパターンは合法では
あるものの、生命を危険にさらしていると言えます! 加えて、自分はライセンスを持って
いるのだからフライトする権利がある!という「ドイツ人らしい」メンタリティーも問題です。

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
Lecture22
良いスクールとは?
(後編)
          76P
日本人は80本以上のフライトでようやく、フランス人講習生は数時間の滞空時間を経て
ライセンスを取得します。このためライセンス取得まで必然的に最1年を要するため、
結果として年間を通じてフライトを経験するのです。
ところで、アジアには、ヨーロッパと全く正反対の異なったメンタリティーがあります。
講習生は一度スクールを決めると「会員」となり、ゴルフ会員のように半永久的に自分の
フライトスクールに所属し、指導を受け、自分のホームエリアとクラブハウスで過ごします
これは何か別のことを知る機会に全く興味を持たないかのようにも見え、ヨーロッパ人の
感覚では理解できません。

ドイツ人パイロットは、なぜ外国で歓迎されないのでしょうか。
ドイツのスクールの多くは、レベルの高いスクーリングを行えるエリアが地元にないため、
外国ツアーへ頻繁に出かけることになります。しかし、これらのツアーやスクーリングが、
各地元や外国スクールから好意的に受け入れられるとは限りません。
一番の問題は、エリア全般や気象に対する知識が不十分であること。加えて「はるばる
遠くまでやってきた」というプレッシャーがつきまとうため、地元スクールがフライトを中止
していたとしても、何が何でも飛ぼうとする場面も見受けられます。
他にも多くの問題があります。50人以上の参加者がいるバスツアーも珍しくありません。
地元スクールとのトラブルも事前に考えられます。また、新車のダイムラーベンツ製のス
クールバスで一度に乗りつけたとすれば、「妬み」という感情を抱かれないとも限りません
そして、強すぎる谷風で突然20人のパイロットがとうもろこし畑に降り立てば、大事にな
ることも想像できます。ただし、法律がなく国に忠実なフランスではすべてが許されます。

クラウス
イルシック
クラウスさんの
パラグライダーで
安全に空を飛ぶ
ための基礎講座
Lecture22
良いスクールとは?
(後編)
          77P
契機の使用を最小限にしてフライトすることは、空中でのフィーリングやエアコンデイショ
ンの感覚を磨くのに役立つと思う。そうすれば、計器に頼らず、自分の感覚から得られる
純粋なフィーリングを頼りにフライトすることができるようになる。
パラの素晴らしいことは、飛行空域が非常に限られるため、かえって正確な高度もロケ
ーションモ知らずに飛べることができることだ。他の航空機では味わえない。この純粋さ
の贅沢は、パラ・フライヤーだけの特権だと思う。私は思う存分これを享受している。
最小限の計器で飛ぶことの自由!
ブルース
ゴールドスミス
ブルース
ゴールドスミスの
フライトテクニック
講座
vol22
Bruce`s Instrument
Choice
          78P
まず最初に、アクセルをベタ踏みしないとバックしてしまうような風の時に飛んでいること
自体、判断あ遅れた、または判断を誤った結果だということを、ちゃんと考えましょう。
吹き抜けにはまったというのならなおさらです。アクセルを踏むかどうか考える以前に、
フルリリースでも進まないほどの風を安全に回避することを考えなくてはいけません。
これを大前提として、では、誤って強風につかまってしまった場合です。結論を先に言え
ば、はまってしまったら仕方ないと諦めてください。
この人のように、よく『フルアクセルにして助かった』と言う人がいますが、『運良く助かっ
た』の間違いです。自分が危ない状態に陥っていたことに気づいていない人が多いから
なんです。

アクセルを踏まないと確実にバックしてしまう時は、風下や横方向に安全に降ろせる場所
を探すしかないです。でなければ、バックしたままでも安全にツリーランした方が良いです
ね。バックするからフルアクセルで耐えるという選択肢は絶対にありえません!
どうやら、バックするのをすごく危ないと考えている人が多いんですが、対気速度が確保
されていればバックしてしまう方がまだマシです。
乱れた空域の中で、迎角を下げてわざわざ不安定にして、そんな激しい乱流に叩かれで
もしたら・・・、そっちの方がよっぽど危険ですよね。

そもそもね、グライダーの性能表のマックススピードを気にする人からはあぶないオーラ
が出ているんですよ。『スペック上で**キロまで出るから、このくらいの風でもいける』
なんて、まったくなんせんす、強い時は飛ばない。これ、基本です。

宮田 歩
さん
このテクニックの
嘘・本当
第10回
風が強くて進まない
時、フルアクセルで
前に出す?   82P

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